近現代授研の本
日本近現代史 教材・授業づくり研究会は、子ども自らが、考えることができる、判断することができる、自己決定権をもてる“教材づくり・授業づくり”をめざしています。

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 子どもとつくる近現代史 第1集(書店にはありません)

 本書は“日本近現代史 教材・授業づくり研究会”が,「子ども論の視点」に立って企画した最初の授業実践の本です。

 日本近現代史の授業では,授業者として力の入れ方がそれ以前の授業とは少々異なるということを私たちは経験しています。例えば,自由民権運動の授業では「ここに日本の近代民主主義の源流があるのだということをぜひ把握させたい」などという力の入れ方です。

 もちろんそのような授業構想に異論がある訳ではありません。教師が授業でここに力を入れようと構想するのは当然の作業です。
 
 ただ気になるのは,そのような教師の力の入れ方が子どもが近現代史をどのように学ぼうとしているのか,何をこそ学びたいと思っているのかという学習者側の論理とうまくかみ合っているのかということです。もしかみ合っていなければ,それは子どもの上を素通りして,子どもが自らのものとして残しにくいという結果を生むことになります。
 
 近現代史の授業が目指していることは,子どもがその歴史事実=「過去」を自らとの関わりでとらえて,今の自分の考え方や生き方と関わらせる,つまり「現在」という地点に立てるようにすることだと考えられます。
その「現在」という地点に立つ主体が子どもであることを考えれば,教師が構想する教育内容や教材はそれを学ぶ子どもの側から問い直される位置にあると言えます。当初考えられていたものが変更されたり,より具体化されたものとなるのは当然です。
 
 本書では,「子ども論の視点」をこのように考え,その点から教材研究を進め,それを1単元に編成して授業実践を試みました。本書ではその考えを主として教育内容・教材の構成に生かすことに力を入れていますが,授業方法のレベルにまで具体化して子どもの活動を授業の中心に据えている実践もあります。

注文は
441-8157 豊橋市上野町新上野3-1001 安井俊夫 まで   


 子どもとつくる近現代史 第1集 目次

【1】江戸の民衆と明治維新 (若木久造)
<教材の研究>
1.子どもたちがとらえている江戸時代
2.雑草のように強く明るい江戸庶民
3.貧しいなかにも,江戸庶民のパワー
4.メキシコドルと一分銀
5.幕府崩壊と庶民
6.江戸の民衆と明治維新

<授業の流れ>
第1時 江戸の民衆
第2時 江戸の民衆の力
第3時 開国と江戸庶民の生活
    ―メキシコ銀と一分銀
第4時 幕府崩壊と庶民
第5時 江戸の民衆と明治維新

【2】明治国家を陸軍史から見る (石井郁男)
<教材の研究>
1.国家とは暴力装置である
2.日清戦争をめぐって
3.日露戦争へ向けて
4.明治という時代をどうみるのか

<授業の流れ>
第1時 廃藩置県から西南戦争まで
第2時 日清戦争へ向けて
第3時 日露戦争をめぐって

【3】討論授業ですすめる自由民権運動 (加藤公明)
―民権家桜井静の憲法草案を支持したのは誰か

<教材の研究>
1.地域から考える自由民権運動
2.民権家桜井静と「大日本国会法草案」
3.士族・豪農・中小農民と自由民権運動
4.各自の説を作り,討論へ

<授業の流れ>
第1時 問題提起 民権家桜井静の憲法草案を支持したのは誰か
第2時 「大日本国会法草案」の読み合わせと各自の意見をつくる
第3時 討論の授業 パート1
第4時 討論の授業 パート2

【4】 日清・日露戦争で近代日本の選択を問う河原和之)
<教材の研究>
1.日清戦争から近代日本の選択を問えるのか?
2.日露戦争から近代日本の選択を問う
3.条約改正とアジアべっ視観の強化
4.近代日本の選択を問う

<授業の流れ>
第1時 日本はやむをえず戦ったのか
第2時 日露戦争はなぜ起こったのか
第3時 日露戦争はアジアにとってどうだったのか
第4時 どうして KAZUYUKI KAWAHARA なのか
第5時 近代日本の選択を問う

【5】韓国併合から三・一独立運動へ (三橋広夫)
<教材の研究>
1.韓国併合から三・一独立運動を1単元で
2.子どもたちが見る日本と韓国の近代史
3.教室の中の植民地支配
4.ユガンスンねえさん
5.日韓の教科書を教材に

<授業の流れ>
第1時 韓国併合 ― 教室の中の植民地支配
第2時 日本は韓国を併合するべきか
第3時 三・一独立運動 ― ユガンスンねえさん
第4・5時 日本は三・一独立運動を抑えるべきか,その後の独立運動

【6】安重根はなぜ英雄になったか(藤原 敏)
<教材の研究>
1.教材への関心
 1)アジアの視点で今教材を選ぶこと
 2)韓国の民衆の視点が大事に 
 3)なぜ安重根なのか 
2.日本の教科書記述の実際
 1)中学歴史教科書における安重根の記述 
 2)高校歴史教科書における安重根の記述 
3.韓国での安重根像の現実
4.安重根の生涯
5.どのような過程で英雄になったのか

<授業の流れ>
第1時 日本の教科書は安重根をどのように扱っているか
    ―日韓の英雄観から見えるもの
第2時 安重根はどのような生き方をしたのか
    ―朝鮮半島の植民地化と韓国民衆の抵抗とは

第3時 安重根はどのように英雄になったか
    ―戦後の朝鮮半島の歴史の中で安重根が英雄である意味は何か

【7】立ち上がる民衆・大正デモクラシー(小林 朗)
<教材の研究>
1.大正はどんな時代であったか?
2.木崎争議が農地改革につながった
3.1925年
4.寅さん神戸を歩く
5.田園調布の文化住宅
6.「大正」という時代

<授業の流れ> 
第1時 木崎争議が農地改革につながった
第2時 1925年 ― 普通選挙法と治安維持法
第3時 寅さん神戸を歩く
第4時 「田園調布の文化住宅」そしてあなたにとって大正時代は?

【8】15年戦争の始まり・満州事変 (石井建夫)
 ―君は誰の意見を支持しますか
<教材の研究>
1.満州進出をめぐる三つの意見
2.中国・世界の人々の言い分から考える
3.友人の意見から考える
4.討議の争点を追求する
 1)国家間の関係の仕方について考えあう 
 2)消極論・放棄論はどのようになっていたのだろうか 
<授業の流れ>
第1時 1931年9月18日・満州で
第2時 君は誰の意見を支持しますか?
    −満州をめぐる三つの主張
第3時 君は誰の意見を支持しますか?
    −中国・世界から考える

【9】加害・被害・抵抗から見るアジア太平洋戦争(本田芳孝)
<教材の研究>
1.四つの謎にせまる
2.どうして,植民地下の学生まで
3.どうして,小さな島々まで
4.どうして,日本は敗れたの?
5.どうして,オキナワに米軍が上陸する前に降伏しなかったの?

<授業の流れ>
第1時 殴ってから,その理由を考える
第2時 どうして,そんな残酷なことが
第3時 戦死と戦病死どっちが多い?
第4時 日本が中国・アジア諸国・太平洋地域に敗れたのは?
第5時 日本の防波堤 ― オキナワ

【10】民衆の戦争責任を問う・15年戦争 (鳥塚義和)
<教材の研究>
1.戦争体験の継承―「虫の眼」と「鳥の眼」で
2.民衆の側の戦争責任―「被害」と「加害」をつなぐ「加担」
3.兵士・女性・中学生
  ―加害者になるまで追いつめられた被害者
4.論述と討論

<授業の流れ>
第1時 赤紙1枚で戦場へ ― 兵士
第2時 銃後の母と妻 ― 女性
第3時 学校から勤労動員で工場へ ― 中学生・女学生
第4時 民衆に戦争責任はあるか

【11】国民から見た戦後 (小堀俊夫)
<教材の研究>
1.戦後史学習の学習課題の発見
2.戦争直後の人々の思い ― 平和を求めて
3.食糧難を生き抜いた人々
4.象がいない ― 子どもたちの行動の戦前と戦後
5.人々は憲法の大切さに気づきはじめる

<授業の流れ>
第1時 昭和21年の名前ベストテン
第2時 はじめての選挙
第3時 象のいない動物園
第4時 日本の子どもたちへの手紙
第5時 インドの参加しなかった講和会議

【2】【3】【6】【10】は高校の実践
その他は中学の実践です。



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