1996年の飼育記録

蛹から蛾、そして産卵


蛹になりました

(6/27)

 まゆを作り始めてから約3日後にカイコは糸を吐き終わります。体長は2-3cmとすっかり小さく軽くなり、 蛹になるためにまゆの中でじっとしています。まゆつくりを始めてから約5日後、まゆの中で 脱皮して蛹になります。脱皮したばかりは体も柔らかく白っぽい色をしていますが、一日程度で全身が 固く茶色になります。うちでは、そのあとの交尾・産卵の都合で、まゆの端を剃刀で切り、まゆから 蛹を出して(写真)オスとメスを分けておきます。カイコのオスとメスは蛹のおしりのあたりの構造で 見分けがつきます。体の大きさでもおおまかに予想でき、大きく太っているのがメスです。


とうとう羽化

(7/2)

 まゆつくりを始めてから約2週間後、蛹から蛾が羽化しました。羽化した蛾は壁などにじっとして しばらく体や羽が固くなるのを待ちます。1時間程経つと羽もすっかり伸び切って交尾、産卵に向けて 活動を始めます。写真はメスのカイコガが尾端(左上)からフェロモン分泌器官を出して、オスを 呼んでいるところです。このフェロモンは「ボンビコール」という名前で、人間や他の昆虫には何の効果も ありませんが、オスのカイコガはこの匂いにふれると、メスを求めて猛然と動き回ります。


カイコガが羽化するときは、口からまゆを柔らかくする液体を出し、まゆに穴をあけて出てきます。 右の写真は黄色のまゆの品種ですが、羽化したばかりの蛾とまゆにあいた穴の様子が良く分かります。


  

交尾

(7/2)

 カイコガのオス(右側)とメス(左側)。オスの触角はメスよりも大きく太くなっています。これは メスの出すフェロモンを捕らえるためと考えられています。オスはメスの匂いに羽を激しく震わせながら 近づき、尾端のカギのような器官でメスと交尾します。
 オスとメスはこのほかにも体の色の濃さ、羽の形などが異なります。
 


  

卵を生む

(7/3)

 養蚕業界では交尾や産卵のために金属でつくられた直径3センチくらいの「蛾輪」という道具を 使いますが、うちではそのかわりにプリンカップを使っています。交尾できなかったオスが邪魔をしたり あたり一面に卵を生み散らしてどれがどの卵かわからなくなることを防ぐためです。
 交尾は数時間で十分なのでそれ以上になったら手で静かに引き離します。産卵は暗いほうが 一斉に行われるので、菓子箱に産卵用に画用紙を敷いてプリンカップをならべ、ふたをして静かに 半日程おいておきます。養蚕業界では産卵用の特別な紙があります。


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