天の蚕は緑の芋虫

ヤママユ飼育(1999)


ヤママユは気難しい

ヤママユ1令 写真:ヤママユ1令(4/25) 13mmくらい

 昨年の9月に産卵させて、紙の箱に入れて外気温になる場所に置いてあったヤママユガの卵ですが、4月16日に 最初の10匹ほどが幼虫になっているのを見つけました。
 次の日から2日ほど仕事で不在の予定だったので、あわてて、 庭のアラカシの枝をちぎってきて箱に入れましたが幼虫は歩き回る ばかりで、全然食い付きません。2日後に帰ってみたら、幼虫は ひからびて死んでいました。
 大学にいた頃、カイコの飼育担当の技官の先生が「ヤママユは 難しい。ちょっとでも手で触ると食べなくなるし、何が気に入らない のか歩き回ってなかなか食べない」と言っていたのを思い出しました。
 たくさんの幼虫が孵ったので、とても飼いきれません。 20日に箱ごと庭のアラカシの枝にかけ、幼虫に自分で好みの枝を 選ばせることにしました。鳥やハチの餌になるでしょうがいくらかは 育つでしょう。
 翌朝21日箱に残っていた幼虫数匹は、近くの山で採ってきたクリ、コナラ、アラカシなどを与え、広々とした大きなアラレの 空き缶で飼うことにしました。山の若葉は女王様のお口にあったのか、今度は食べてくれました。
  


2令は頭でっかち

ヤママユ2令 写真:ヤママユ2令脱皮直後(4/28) 14mmくらい

 ヤママユの1令は細長くて、色がイラガの幼虫にちょっと似ていましたが、 2令になったら頭でっかちのタコ坊主型で、きれいな薄黄緑色になりました。 1令、2令とも、まばらな毛が生えています。餌はアラカシに決めました。 アラレの缶の中で機嫌良く育っています。


どんどん大きく

ヤママユ3令 写真:ヤママユ3令(5/13) 45mmくらい

 一番良く育っている幼虫は5月5日に2回目の眠にはいり、 6日には3令になりました。大体3日間位のばらつきで、遅れている 幼虫も3令になっていきます。 3令はさらに頭が大きく、アゲハの5令(一番大きな幼虫)と同じくらいに 感じました。 写真は3令が体を伸ばして盛んに葉を食っているところです。葉を食っていない時は 縮こまっているので、4センチ以下になってしまいます。同じ日に一番大きくなっている 幼虫が2匹、4令になりました。
 アラレの缶は狭くなってきたので、カイコを飼うかご(100円ショップなどで売っている平凡な水切りかごです)に入れて ビニール袋で包みました。野生の幼虫はカゴから逃げ出しやすいので要注意です。


脱ぎたてほやほや

ヤママユ4令 写真:ヤママユ4令脱皮直後(5/13) 40mmくらい

 5月13日、午後に見た時、脱皮したばかりの幼虫がいました。まだ 色も白っぽく、皮膚が固まっていないように見えます。しばらく経って 体が固まると、またアラカシの葉をもりもり食べ始めるでしょう。


いよいよ5令

ヤママユ5令 写真:ヤママユ5令脱皮直後(5/28) 45mmくらい

 5月22日夜、7匹のヤママユのうち、3匹が4眠に入りました。 24日夜には7匹すべてが4眠で、翌朝3匹は5令になっていました。24日に眠に 入った幼虫は、28日朝になってやっと5令になりました。

ヤママユ5令3日 写真:ヤママユ5令3日め(5/28) 65mmくらい

 5令になって3日めのヤママユは体を伸ばすと65mmくらいもあります。 どこまで大きくなるのか楽しみです。
 同じ頃、野外に放した幼虫のひとつは4令の中程。室内で飼っているものより一週間から10日ほど 遅れています。室内の方がやはり暖かいのでしょうか。鳥やハチに取られたのか、20匹以上いたはずなのに、1-2匹しか見当たりません。

光るヤママユ 写真:銀色に光る点(6/11)

 4令以降のヤママユの側面、気門の上側の白線にそって、銀色に輝く点がいくつか見られました。幼虫によって光る点の個数は 違っていました。良くみると上側の刺毛の付け根にも小さく輝く部分が見つかることがあります。


待望の繭に

ヤママユまゆ 写真:作り始めてから1日のまゆ(6/12) 50mmくらい

 6月上旬、ヤママユは体を伸ばすと85ミリくらいにまで成長し、すごい勢いでアラカシの葉を 食べていました。6月10日午前、1匹のヤママユがやや短く65ミリくらいになっていて、昼過ぎに 液状の糞をして、「あがり」になりました。写真は翌日11日にあがった幼虫が作ったまゆです。自然状態では 葉の間に作るようですが、カゴのなかでも葉の間や紙の間に作っていました。
 6月15日までに7匹のうち6匹の幼虫があがり、まゆ作りをはじめました。

ヤママユあがり 写真:ヤママユあがりと液状糞(6/15)

 ヤママユの液状糞は、ヒメヤママユよりも水っぽく、少し柔らかめの糞と大量のおしっこ、 という感じです。幼虫の数が少ないので、ぬれた敷紙をとりかえて、ビニール袋をかけた カゴの中でそのまままゆを作らせました。


そのころ外では

野外5令 写真:庭のアラカシの5令(6/14)

 外に放した幼虫は数日前に5令になったようです。室内にくらべると半月ほど遅れています。 しばらく姿が見えなくて、全部鳥やハチに食べられたかと思っていましたが数日前に2匹いるのを 確認しました。でもまた1匹しか見当たらなくなりました。無事にまゆになるのは何匹でしょうか。

アベマキの葉にも(6/16)  エゾヨツメに与えるために取ってきたアベマキの枝に、野生のヤママユの幼虫がついていました。 大きさから見ると5令になったばかりのようです。

野外でひとつ繭が

野外の繭 写真:庭のアラカシの繭(7/5)

 7月2日、庭のアラカシの2匹のうちのひとつが、まゆつくりか?と思わせるように頭を動かしていました。その夜は土砂降りになり、 翌日も警報が出るほどの雨が降ったのですが、雨が止んでいる時に見てみると、ちゃんと繭は出来ていました。葉のかげに上手に隠れる 位置に作っているので、その場所に幼虫がいたことを覚えていなかったら探せなかったでしょう。もう一匹は7月6日までは葉を食べているのを 目撃しましたがその後は見つかりません。目立たないところに繭を作ったのだといいのですが。

アベマキに付いて来た野外の幼虫はなかなか室内の飼育になじめずに、何度もカゴから脱走し、なかなか大きくなりません。 野生育ちの幼虫は育てにくいようです。


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