リオ・ブラボー

米 1959年 135分

製作・監督 ハワード・ホークス
原作 B・H・マッキャンベル
脚本 ジュールス・ファースマン リー・ブラケット
撮影 ラッセル・ハーラン
音楽 ディミトリ・ティオムキン
出演 ジョン・ウェイン ディーン・マーティン リッキー・ネルソン アンジー・ディキンソン ウォルター・ブレナン ウォード・ボンド ジョン・ラッセル クロード・エイキンス ハリー・ケリー・Jr ペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス

関連映画

ハワード・ホークス

赤ちゃん教育

赤い河

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・赤い河

アパッチ砦

黄色いリボン

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殺しのドレス

ウォルター・ブレナン

荒野の決闘

・赤い河

ウォード・ボンド

・赤ちゃん教育

マルタの鷹

・荒野の決闘

幌馬車

 西部劇といえばジョン・フォードの独壇場だが、骨太な男性映画を得意としたハワード・ホークスも西部劇を4本撮っている。しかも、その4本ともジョン・フォード映画の顔であるジョン・ウェインが主役だ。同じ男性派監督としての対抗意識からだとしたら面白い。

 ウェイン演じる保安官チャンスが人殺しの悪党をしょっ引いてぶた箱にぶち込んだところ、その悪党の兄貴で悪辣な牧場主が町を封鎖してしまう。チャンスは連邦保安官がやってくるまでの間、かつては早撃ちでならしたものの今はアル中のデュードと口やかましいびっこの老人スタンピーを助手に保安官事務所に立て篭もる。

 この単純な筋書きにホークスはボリューム感たっぷりの肉付けを施している。その1つがチャンスと女賭博師フェザーズの恋の駆け引き。ホークスは男性的な映画が多いが、「赤ちゃん教育」や「ヒズ・ガール・フライデー」のようなスクリューボール喜劇にも才能を発揮する。この映画でもそうした面白さを盛り込もうとしているようだが、僕にはこの部分があまり面白いとは思えない。というのも、ウェインが朴念仁なのはいいとして、フェザーズのアンジー・ディキンソンが妙に狂騒的な演技を繰り広げ一人空回りしているように見えるのだ。ウェインの分も頑張ろうと思ったのかどうか知らないが、ディキンソンが頑張れば頑張るほど白けてくる。ケイリー・グラントとキャサリン・ヘプバーンが演じたら面白いんだろうが、ウェインとディキンソンではそうはいかなかったのだろう。

 もう一つは男同士の絆。特にデュードをアル中から立ち直らせようとするチャンスの友情と、その期待に応えようとしつつもなかなか立ち直れないデュードの焦燥が細かなエピソードを散りばめてがっちりと描かれている。痰ツボに投げ込まれた1ドル硬貨をデュードが取り出そうとしているとチャンスが現われて痰ツボを蹴飛ばしてしまう場面や、デュードが酒代欲しさに売ってしまった2丁拳銃をチャンスがひそかに買い戻していて手渡す場面はグッとくる。また、いつも味噌っかすのような役回りでくさっているスタンピー(ウォルター・ブレナン)の頭にチャンスが愛情と茶目っ気を込めてキスする場面など楽しい。こういう場面でのウェインはホントにいい味を出している。マーティンも情けなさと男臭さを二つながら醸し出していてよい。ブレナンは現実にあんなうるさいジジイがいたら殺したくなるが、それでも愛嬌が感じられるところはさすがである。

 元々この映画が「真昼の決闘」のアンチテーゼとして作られているというのは有名な話。「プロの保安官は素人の一般市民に助太刀を頼んだりしない!」という点も肉付けの要素になっており、それはプロたちのチームプレイとして主にアクション場面で描かれる。実際ここではウェイン一人がヒーローではなく、マーティン、ブレナン、そしてリッキー・ネルソン演じる若き早撃ちガンマン・コロラドとの連携プレイで敵と戦う。それが最も顕著なのはやはり丸腰のチャンスが敵に相対した際、ホテルの入り口から何気なくコロラドが出てくるのと同時にフェザーズが敵の背後で窓を割り、敵が驚いている隙にコロラドがチャンスにライフルを放り投げて、一瞬にして敵を打ち倒す場面。ここでの水際立った演出は見事というほかない。西部劇史上屈指の名場面と言うべし。

 実のところ、肉付けが過剰な部分も多々あって、展開が緩くなってしまったきらいもある(この内容で137分はやっぱり長い)。ただし、上記の場面のほか、酒場でデュードが見事な背面撃ちをみせる場面、ネルソンのギターとブレナンのハーモニカを伴奏にマーティンが1曲聴かせる場面、そしてクライマックスの派手な銃撃戦など楽しい見せ場がたっぷり。娯楽映画の王道を行く面白さであり、西部劇の古典の一つであることは間違いない。

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