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タワーリング・インフェルノ 米 1974年 165分 |
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製作 アーウィン・アレン |
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関連映画 ジョン・ギラーミン スティーブ・マックイーン ・大脱走 ・ブリット ポール・ニューマン ・ハスラー ・暴力脱獄 ・評決 ウィリアム・ホールデン フェイ・ダナウェイ ・華麗なる賭け ・コンドル |
ほとんど同じ内容を持つ二つのベストセラー小説を合体させて、20世紀フォックスとワーナー・ブラザーズが合作したパニック超大作。60〜70年代のスーパースター、ポール・ニューマンとスティーヴ・マックイーンが共演して、脇を固めるのが一昔前の大スター、ウィリアム・ホールデンにニュー・シネマの申し子フェイ・ダナウェイ、MGMミュージカル最大の花形フレッド・アステア、40〜50年代の名花ジェニファー・ジョーンズ、それにオールスター映画に欠かせない名脇役ロバート・ボーンにロバート・ワグナー。他リチャード・チェンバレンやダブニー・コールマンといった雑魚も大挙出演。おまけにアメフトのスーパースターで、後に女房を殺してハイウェイを爆走したO・J・シンプソン(結局無罪。じゃあ、何で逃げたの・・・?)まで出ているんだから、もうお腹一杯だ〜。なお、「タワーリング・インフェルノ」は日本語に訳すと「聳え立つ地獄」。ビルが聳え立つのはtower、男がそそり立つのはerect。どうもすみません。 サンフランシスコに建てられた138階の超高層ビル「グラス・タワー」、その135階でビルの社長ダンカンが上院議員や市長、地元の著名人や金持ちを招いて落成パーティーを行っている。そこへ81階の倉庫で配線がショートして火災発生。ビルの設計者ロバーツはパーティーを中止して避難するように告げるが、ダンカンはボヤごときで面子が潰れるのを恐れてパーティーを続行する。ロバーツは社長の女婿が経費を安く上げるために指定した電線を使わなかったことを突き止める。その間にも火は見る見るうちに燃え広がっていき、サンフランシスコ消防署のオハラハン隊長は現場に急行する。 最初はボヤに過ぎなかった火が凄まじい火勢となり、やがて阿鼻叫喚の地獄絵図となっていく経過を、ビルに集まった人々の人間模様を織り交ぜて展開していくスターリング・シリファント(ポセイドン・アドベンチャー)の脚本がお見事。パニック映画では大抵水増しでしかない生存者の人間模様が、この映画では非常によく描かれている。広報部長とその秘書が情事の後で人知れず炎に巻かれて死んでいくエピソードも滲みるが、不器用な老詐欺師と人の良い富豪未亡人が仲良くなった後で、未亡人が展望エレベーターからまっさか様に落ちてしまうエピソードが圧巻!観客に感情移入させておいてからその登場人物を殺すというのはパニック映画の脚本の定石だが、やはりうまくやられると非常なショック。逆に経費をピンハネした娘婿がゴンドラから落ちる場面は、いかにも悪役が辿る末路で見事な死にっぷり。燃え盛る火災の場面も迫力があるが、義務感やエゴがせめぎ合うこのドラマ部分も迫力たっぷりである。 もちろんニューマンとマックイーンの活躍が見所だが、特にマックイーンは鬼神のような活躍ぶり。落ちかけた展望エレベーターをヘリコプターで吊って地上に下ろす場面は思わず手に汗握る。プロの誇りを持った寡黙な男を演じたらこの人の右に出る者はいない。 この場面に代表されるように、見せ場が連続して繰り出されて非常にスリリング。隣のビルからロープを渡してゴンドラで助け出す作戦など秀逸だし、クライマックスで屋上の給水タンクを爆破して鎮火させるアイデアも凄い。ビル内の構造もよく描かれていて、それを巧みにサスペンスに利用している。2時間45分の長尺だが最初から最後までまったく飽きない。 しかし、これは単なる見世物映画じゃない。オハラハンがロバーツに言うセリフ、「消防隊が確実に消火できるのは七階までだ」「誰かが消防署にビルの建て方を教わりに来るまで、ビルの火災はずっと続くだろう」が象徴するように、これは現代の都市型災害への警告をも含んでいる。それは冒頭の消火活動で命を落とした消防士たちへの献辞でもわかる。 というわけで、迫力満点のスペクタクルやアクション、的確な登場人物の性格描写、そして真摯なメッセージと三拍子揃ったパニック映画の最高峰。集めた金はこう使えという超大作のお手本のような映画だ。やたらとビルを爆破したり人を殺傷するだけの最近の映画はこの映画を見習って欲しいものだ。 |