テクネシウムから放射されるガンマ線(1)は、光と同様の電磁波だが、波長が
0.000 009 マイクロメーター、眼に見える光は緑色で波長約0.5マイクロメーターだから、その1/50000、エネルギーで表現すると140 keV(キロ・エレクトロン・ボルト)である。X線よりもまだ短波長で、あまり吸収されずに身体を通り抜ける。
こんなにエネルギーが高いと、反射も屈折もほとんどしないから、普通の光に用いるカメラや望遠鏡のようなレンズや反射鏡は使えない。ガンマ線カメラでは、分厚い鉛板に細い孔をぎっしり開けたコリメーター(2)を使う。
カメラが心臓方向を狙うと、そこから放射されるガンマ線の像がコリメーターの後ろのシンチレーター(3)に写る。シンチレーターは、円盤状の結晶物質で、ガンマ線が当たると光を発する性質のタリウムを少し混ぜた沃化ナトリウムなどが用いられる。高価な材料である。
今、1個のガンマ線光子がシンチレーターに当たると、閃光(4)を発する。その光は後ろにぎっしり並んだ光電子増倍管(5)で検出され、それぞれの管から電気信号として加重総和増幅器(6)(7)(8)の対応する入り口に導かれる。この中には、たくさんの増幅器が巧みに接続されていて、61本の検出器の信号を図の(12)(13)(14)に示す加重係数表にしたがって加算して閃光信号を合成し、エネルギー信号(9)と位置信号(10)(11)を出力する。
閃光信号の加重総和によって位置信号が算出されるしくみを、次の「信号シミュレーション」のページで説明する。