魑魅魍魎

 

 

時は204×年、世界は核の炎に包まれることなく、至って平和に見えた。

しかし、アメリカ・ブルックリンにあるクラブは、まさに世紀末を迎えていた。

もうそこにはあのいつもののんきなクラブはいなかった.....。

ある春の日の午後、シュウは母のオムツを替えていた。

母は、見ての通り、かなり末期のアルツハイマー病である。

夫を亡くしてしばらく、母の脳はボケ老人になることを望んだ。

シュウは未だ幸せだった頃のクラブの姿を思い出しながら母をベットに寝かせた。

「母さん.....。俺はもう疲れたよ......。」

生きることに疲れた中年の心からのため息が漏れるシュウは静かに瞳を閉じた。

不意にみんなの在りし日の姿が蘇る。

シュウは幸せな気持ちで眠りについた。

ここで今のクラブのみんなの現状を紹介をしとこう。

まずクラブの副部長だったシロンだがいつか収録するので省略。

グリードーは、シロンの逮捕後、趣味の盆栽 俳句 頭のお手入れに明け暮れ、ライバルの会話は全くない

時々口を開けば

「グリードーさん お茶」

「グリードーさん 俺の眼鏡しらねーか」

今思うとあのころからもう自我崩壊していたのだ。

話をグリードーに戻すと そんなシロンに嫌気がし、時には殺意めいた物さえ感じていた。

あの美形もこうなってはただのでくの棒だシロンのお茶に雑巾汁を入れてみた。

しかし もうそのときには味覚がおかしくなったいたシロンにキクはずもなく飯はまだかとさっきからしきりに言っている。

グリードーの怒りは沸点に達した。

シュウはそのときグリードーが鬼に見えたと後日語っている。

グリードーはおもむろに出刃包丁を手に取り、

「ぎえええええいいい」

と言うような心の叫びを発しながら庭で夏なのに乾布摩擦して

いるシロンめがけ猛ダッシュ こうなっては美形も台無し....

「死ね この野郎うぅぅぅぅぅ」

と雄叫び一発出刃を振り下ろす

「ドスッ」

グリードーはたまらず笑った

「ふふふうふ やったやった」

返り血がばんばん顔に当たるグリードーは最高の快感の中にいた。

「病みつきになりそう」

そっとささやいたのをシュウは聞き逃さなかった、グリードーは快感と満足と達成感といろんな物が入り交じった気持ちだった。

グリードーはゆっくりと目を開く....足下にあのハゲ頭が見える。

「とうとうやった。」

改めて快感を噛みしめるグリードーしかし悲劇は次の瞬間訪れた。

シロンのデスマスクを見ようとハゲ頭を蹴り飛ばすしかし

そこにグリードーの想像していた顔はなかった。

長年見続けた奴の顔を見間違えるはずがないしかしグリードーはもう一度目を閉じ深呼吸した。

ゆっくり目を開くがやはり奴の顔ではない

「これは誰だ」

しかしグリードーはハッと気付いたこれは.......。

隣の自我崩壊仲間のディーノのバカではないか!!

彼も若かりし頃は大社長として世間に名を馳せていたのだが彼の元部下の手により、

実はすべての作品が部下から奪った物だと暴露され世間にたたかれ、そのまま失脚の一途...

シロンの乾布摩擦仲間だった。

今日もいつものように摩擦してたのだ。

半狂乱のグリードーが乾布摩擦するハゲ二人を見極めれるはずもない。

グリードーの凶刃により昇天したディーノ彼は最後の瞬間までタオルを放してなかった。

ではシロンは何処だ!!!

グリードーは周りを見渡すシロンは物干し竿に止まったトンボの捕獲中であった指を

グルグル回しているシロンこの騒ぎにも全く興味がないようだ。

しかし血溜まりの中たたずむグリードーを見つけると彼はこう言った。

「・・・グリードーさんめしはまだか(どすが利いてる)」

グリードーは再び沸点に!!! 出刃をディーノから引っこ抜き逆手に持ち替え再びダッシュ

しかし殺されかけてるのにトンボに夢中のシロンが目に飛び込んできたグリードーはその場に泣き崩れた。

「この人はもう子供になっちまった 俺は何をしてたんだ ディーノまで殺して親父さんになんて言えば......」

右手の出刃に視線を落とす

「俺はとんでもないことをしてしまった。こうするしか残された道はない」

自分ののどに出刃を突きつける。目からは大粒の涙次の瞬間!!

「ディーノ あいしてるよおおおお」

ブスッ ブシャアアアアア ドサア

愛に生き、愛に殉じた、殉星のグリードーの最後であるお空ではグリードーの笑顔が見えていそうな雰囲気だ。

一方、シロンはトンボに飽きたらしくシュウのかき氷を取り上げおいしそうにほうばっている。

隣で一部始終を一緒に見ていたズオウが不意に口を開いた

「グリードーさんもオッチョコチョイだなあ〜シュウはグリードーさん似だね」

「今回は高い授業料になったけど人間違いには気をつけようね」

とシュウ。

ズオウが憎たらしそうに、

「シュウさんもガリオンさん殺すときは気をつけてね」

走っていくJJを見てると腹が立つ

「こら 待てJJ〜〜」

いつものレジェンズクラブ(以下レジェクラ)だ..... 

ただ一つ、庭に二つの死骸があることを除けば.......

あのころは幸せだった....

しかしもうすぐそこまで悪魔の手は伸びているのだがそれはまた別の話 ・・