月蝕の窓

篠田真由美:講談社ノベルス


以前に同コーナーで紹介した建築探偵桜井京介シリーズ本編。なんと通 算10冊目。番外編を除くと8冊目の作品です。いつの間にかこんなに出ていた驚きです。これからも篠田先生には頑張って欲しいです。

今回はいつもお話を進めている助手の蒼君が不在。ちょうど前作に出た『
センティメンタル・ブルー』で頑張っている時のものです。篠田先生があとがきで京介視点というのが書きにくいなどとおっしゃってましたが、確かに書きにくそうだな〜って感じがしました。読む方には全然OKなのですが。というかむしろ大歓迎vえぇ、私はミーハーな京介FANです。美形に弱いんですよ。あと京介視点だと、京介が過去を思い出すシーンなんかもチラリッとあって興味津々。早く彼の過去について知りたいなぁとか。でも過去を知る=シリーズが終わるような気もするので、複雑な心境です。

話の内容は例によって、建築の調査に行った先で事件に巻き込まれるもの。もちろん建築に多少は関係しています。舞台は栃木県那須にあるとある洋館。3年前に一度、調査しようと思いそこでトラブルがあったため引き下がる。そしてまた3年後、今度は調査要因ではなく洋館の見張りのために訪れることに。見事に京介さん一人です。蒼も神代教授も深春もいない。そんなわけで京介さんは最初事件に首を突っ込むのはイヤだと思ったんですね。考えてみればいつもは他の人達に頼まれて、嫌々探偵役やってましたものね。しかしどうしても気になり、困っている時に深春の登場。これにはやってくれたね、深春!と喜ぶ私。深春に相談して結局事件解明に乗り出す京介。途中、かなりのピンチもあったりとしながら無事解決。要約するとこんな感じでしょうか。

事件の真相については、色々思う所有り。多重人格とか出てくるのはどうかな〜とか思ってしまいました。本格ものだから有りなのでしょうが、実はあまり好きなネタでないので。こう言うと世間から糾弾されそうですが、心理学的なものって読んでいて気分が悪くなってきます。深春じゃないけど、幼児虐待とか言葉聞くだけでムカムカしてくるっていうか。なので蒼君の話の『原罪の庭』も1回読んで封印しました。できたらもっと違う内容で進めて欲しかったです。話自体は面 白いのですが。

ところで今回の犯人が自分は「桜井京介と似てる」と言ってました。実は今回の犯人はとんでもない人なのですが、確かにそうかも〜とこの台詞に納得。京介さんも自分で納得してました。確かに、この犯人ひどい人なのですが私的にけっこう好きだったりします。でも京介さんはこんなひどい人になって欲しくない!でも彼には蒼くんは深春・神代教授など周りに良い友人達がいるから大丈夫よねvと勝手に思ってます。次はいつ出るのかわかりませんが、京介さんにとって良い展開であることを願います。

(注:タイトル『月蝕の窓』の「蝕」の字が違います。標準コードでない出ないのでこちらを使わせて頂きました。講談社のミステリーメルマガでもこちらの字使ってますしね。)