ワークショップ講演録
講師:染川明義氏
●6月14日
どうもこんにちは。この前も話が出しましたけれど、実際いろんな制度が変わっていきます。とても覚えきれないくらい、すごくたくさんの制度がどんどん変わっているんですね。ここ10年ぐらいで、もうがらっと変わって来ています。行政にいていたら、比較的変わってきたな、と言うのが分かると思います。そういうところにいたら、やり方、法から何からでてんやわんやで大変な作業。今までのやり方とは変わってきてますから、法が変わって来ていますから、実感があると思います。じゃあどうしたら良いかと言うのはなかなかなんですけれども、とにかく変わってきて、えらい大変やというのは皆さん感じておられると思います。ところがですね、一般市民となるとどういう状況かといいますと、変わってきているというのはあまり知らないわけなんです。ほとんど知りません。よっぽど新聞・テレビを関心があってですね、非常に関心のある人だったら、分かると思うんですが、こんな変わってきたんだと分かるんと思うんですが、そうでない人と言うのは、何がどう変わったのかさっぱり分かりません。そこでですね、こう変わってきたんだよ、というのを市民に、これから市民参加をやっていこうと言うときに、市民がどう変わったんだろう、分からないと言うことでは参加のしようもないんです。参加のしようもございません。
市民が参加するためにはまず行政が情報を伝え、互いに共有することが必要
そこでまず市民とですね、行政がですね、いろんな情報とか、課題とかを共有していくと。共に、問題課題をそう言うものを共有していって、まずそこから始めないとどうにもないですから、まず行政が伝えるということですね。市民が学ぶということですが、まず学ぶと。まさに学ぶいう重要なところで、ここのところがいい加減だと次の過程にはいれないわけです。そこで福祉のほうで、皆さんに、その試行錯誤のまず試行をやっていただくと。これから始まるんですから、なかなかすぐにうまくは行きません。国の法が変わった、それが都道府県に下りてきて、また市町村に下りてきた。まだまだそんな感じなんですね。ですからそれが変わってきた。こうせいああせいと言われて変わってきたんですが、じゃあどうするかと。市民参加というけれども、プラン、紙の上に書いたものは立派に来ていますけれども、具体的に市民と一緒にというのは、どうしていくのかと言うのは、具体策ですね、具体的にどうしていくのかと言うと、どこでもお手上げ状態です。アイデアが出てこない状態ですね。本当にこれは各市町村、ものすごく大きな課題になっているんです。これは福祉だけじゃございません。
福祉「で」まちづくりは、目標(イメージ)ではなくやり方であり、継続していくもの
ここに、福祉で、と言うのがありますが、今までは福祉のまちづくりと言うのが良く言われてたと思うんですよ。福祉のまちづくり。恐らく、ワークショップの皆さんへの呼びかけチラシなんですけども、その裏に、福祉でまちづくりワークショップってなんだろう、ということが書いていますね。その中に福祉と言うのは、「皆で協力し合う福祉のまち」をイメージしようとありますね。「福祉のまち」を言うのを一つの目標にしてやってきたと思うんですね。「福祉のまちづくり」というのは、「福祉のまち」ここで切れる。「福祉のまち」と言うのは一つの目標なんですね。具体的なイメージがあって、そこに向かうぞと言う感じです。ところが「福祉で」、ここで切れて「まちづくり」と。そうするとここの、例えば、福祉のまちづくりの他にですね、たとえば、歴史のまちもありますね。橿原は豊かな自然があるまちとか。まちのそれぞれのアイデンティティーがあるわけなんですね。こんなまちにしたい。こんなまちがうちの特徴だよ、とか。福祉のまち、とかまあ、歴史のまちとかですね。橿原市ももちろん歴史もあるわけですね。橿原も歴史のまちといえると思います。そうすると、目標とするイメージと言うのは一杯あるぞということになる。福祉でまちづくりというのは、イメージとか、目標に重点を置いたいい方のではなく、やり方ですね。まちづくりというのは、それぞれいっぱいあるんだと。いろんなテーマがあるんだと。橿原だってそう、福祉のまちだけを目指しているのではないんだと。ありとあらゆるところで、いろんな目標があると思うんですね。それぞれでまちづくりをしていくと。つまりこのまちづくりと言うところが、これまでは例えば都市計画一つとってもですね、国が都市計画を決めていたんですね。それがだんだん都道府県、市町村に下りてきたと。まあ上から下へ。地図でも見て、線でも引いて、都市計画道路などをやってきた。しかもそれは、全国一律です。全部規格が決まっています。道路の幅が何メートルなら、幅何メートルの歩道をつけなければいけないとか、全部決まっています。これは交通量とかそんなこと関係ございません。誰がそこをどう歩くとか、歩く人の立場とかそんなこと関係ございません。全部全国一律の同じ規格、まあJIS規格みたいなものですね。全部一律同じものだったんですね。それを国づくりだとやってきました。今やそんな時代ではありません。まちづくりというのは、国から、国が考えて、霞ヶ関、東京辺りで考えられたものを全国都道府県に、また都道府県から市町村に下ろしていくと。というやり方ではだめだと。そうじゃなくて地域は地域で違うんだからそれぞれが、住民が住んでいる人たちが住んでいる人達がこうだと思うようなまちにしていくと。それに皆が参加してやっていくと。いう風な考え方、やり方に変えようじゃないかということになったんですね。当たり前の話なんですけどね。よくよく考えてみれば、そんなものは当然だということなんですが、その当然のことが、ずっと成されてこなかった。恐らく近代国家建設から100年。100年以上たっても、まだずっとそれでやってきたと言うことですね。戦後もそれで一貫してやってきた。ほんとにこの十数年で法律ががらっと変わってきまして、こういう地方分権といわれています、三位一体改革だと。三位一体改革だと言われているのに地方の財源はちょっと先延ばしやと。自主財源、自主税源というのを先延ばしにしようと。それではいけないとわいわい言っていますが、どうなるでしょうね。分かりませんが。地域のものにしたら、やっぱり地域の実情にあった形で、まちづくりをやって行きたい。これは当たり前の話です。それに対して今までしてこられなかった。法がそうなっていなかったと言うことですね。
問題を課題に整理して、市民が自分達で参加していくことが基本
そこで今地方分権だけじゃなくて、こういう福祉の制度などが全部変わってきまして、地域福祉計画というのが、今年からスタートなんですね、2003年からスタートするということで、始めようと。今年始まるんですね。始まったばかりでございます。ですからどうするか、ということは、まだまだ分かりません。本当に皆さんがそれぞれ意見を出し合って、ああしようこうしようとこれから始めようということなのです。ですから行政の方も未経験です。住民もまた未経験です。未経験の中からやるんですから、いきなりいいものが出来るはずがありません。しかしやっぱりこのまちづくりというのは、1回2回で終わるものではありません。福祉のまちづくりという何か目標を掲げて、到達してゴールしたら終わりと言うものではありません。ずーっとやり続けるものです。まちづくりはやっぱりずっとやり続けるものですね。というのは、その時代その時代で、時代が変われば、やはり時代が変わった問題がまた出てくるわけです。新しい問題が次々出てきます。その中でやっぱりこの問題はキチンとやっていかないといけないと、「課題」と言う形に整理して、そしてその課題解決をこれまでは住民、市民、国民は、国なり、行政なりにお任せしてきました。われわれは税金だけ払ってきました。税金だけ払うから、後はやってくれと言う形でした。しかしそれじゃない。これからは自分達も参加していく。一緒になってやっていくという時代になったと言うことですね。まずこれが一番の基本でございます。
まず、どんな地域なのかを知る。地域特性でまちを選ぶ
地域福祉は地域住民があまり意見を言わず、今まで通りお任せでは地域福祉も充実しません。ひょっとしたら、そういう声のないところは、放ったらかしにされてもしょうがない、というの言い過ぎですけれども、そんなことになる、かも知れないと。そういう地域差が出てくるかもしれません。地域福祉ということになってきたら、地域格差が出てくるのかもしれません。しかし最低限はきちっとやっていこうと思うんだけれども、それぞれの地域、それぞれの地域で、地域特性、先ほど岸田さんのほうからもありましたけれど、小学校。小学校区といっても、どの小学校区も同じ顔をしておりません。地域地域でそれぞれ特性があります。地域地域でそれぞれ特性があるということは、地域地域でやり方も目標もすべて違ってくるだろうという事です。ですからまず地域がどんな地域なんだろうというのが分からないと、これはどうしようもない。まず地域がどんな地域なのだろうということですね。
例えば高齢者がどのくらいいるんだろう。私の校区は、まあ校区コミュニティということですね、コミュニティの崩壊とか、地域の崩壊とか言われていますけれども、本当にですね、隣の人同士がもう全然わからない、とかありますね。私が住んでいるところは奈良市の中登美団地と言うんですけれども、これは新興住宅ですね。いわゆる賃貸住宅です。住都公団の賃貸住宅で非常に出入りが激しい。3年5年ぐらい経ったらもう引越ししていくという人もいるわけですから、地域に対する愛着が生まれません。私はそこに、住んで15年以上になるんですけども、もう一番古いですね。15年経ったら。まあ僕なんかはいい家買って出て行けないからいているんですけれども。もう一番古株になってしまいました。そのくらい皆出ていかれます。近くに良いマンションができたら、それを買って出て行ったり。そんな形で出て行きます。また転勤もあります。転勤やそんなのでも出入りが激しいです。そういう町なんですね。一方そんな町があるかと思ったら、やっぱりこの、結構宅地面積広くて立派な家がずらっと並んだような、そんな新興住宅地でも、比較的大きな家ばかり並んでいるような、そういうところもあります。これはかなり前に開発されて、開発された時期にもよるんですけれども、開発された時期が古いと、そこに住んでいる人達も大体高齢化が進んでおります。あんまり引越しされません、こういう家は。引越しされません。そしてもう子どもも独立して、どっかに行っていると、夫婦2人暮らし、みたいな形になっていっています。また1人暮しというところも出てきます。そしてこういう新興住宅地のところはですね、だいたい住宅地とショッピングセンターしかありません。そういう町なんですね。住宅地とショッピングセンターしかないと。そうすると、住民の寿命がきたら、町の寿命もきます。そんな感じになってくるんですね。住民の寿命と共に町の寿命も来ると。しかしその入れ替わりもないと。いう風な形になっています。その中途ぐらいでもうこんなところに住んでられないと売る人が出てきて、マンションが建つと反対運動が起こったり。マンションでわけの分からない人が引越ししてきたら嫌だとか、そういうことが起こってくるということもあります。あるいは、商店などが出来てきて、それで近隣とトラブルが起こったり、そういうまちもありますね。だから一律にどのまち、どのまちというのは、言えないんですけれども、それぞれのまちの特質があります。すると、それぞれのまち、それぞれのまちやり方が皆違うはずなんですね。抱えている問題も違うわけですから、やり方も違ってくるということです。
ですから今回ワークショップですから、同じ様なまちばっかりが選ばれるとですね、練習にならないですね。体験学習にならない。だから6つのグループができたんだったらそれぞれちょっとずつですね、6つがきっちり分かれないんですけれども、6つぐらいの特色のあるまちを選んでいただければいいなあと思っております。そして、そこでやったことを、また皆さんで話し合って、うちはこうだった、うちはこうだったということを話し合っていくということですね。そういうことをして頂きたいと思います。
問題を発見し、優先課題を決め合意形成する 数字で地域を把握するのも方法
先ほども岸田さんから話しありましたが、そのとき皆で合意をやっぱり形成していかなければいけないんですね。これはなかなか難しいです。コンセンサスというんですが。合意を、何をしようというのか、まち歩きをして問題点を発見していただきますよね。こういう問題点があった、ああいう問題があった。問題イコール課題ではないですよ。課題というのは、じゃあこれをしていこうという時に、課題になっていくわけですけれども、まず問題点、こんな問題点があった、あんな問題点があった。その発見から始まりますね。その問題点を発見したら、じゃあ何からしようと、なりますよね。全部いっぺんに出来たらいいですけれども、なかなかそうはまいりません。ですから何からして行こうかなとなります。その時にですね、これまで議会制民主主義、代議制民主主義といいますか、そういう中では、議会が多数決で決める。多数決も良いかと思うんですよ。しかし多数決にすると、少数の方になったものはいつも却下されていく。だめだと、そう言うのはよくないですね。ですから多数決で決めるときは、これをして、あれをしないではなくて、何から順番にしていこうかと、優先課題から決めるんだと。これからするんですよ、その次はこれだという風にやっていくのが良いんじゃないかと思いますね。そうしないと、常に意見の少ない人は却下されるから、あほらしいてやってられないとなるんですね。声の大きい人のところへわーといってしまうとか、なってしまったら、みんなあほらしいてやってられない。あほらしいてやってられない人ばっかり増えるとまちづくりどころかまちこわしです。どうやって合意形成していくかこれは非常に重要ですね。まずはだから優先課題を決めるだと。やらないことではないんですよ、と。まず最初にやることを決めて、その次にこれをしますよと、次はそれをと。やらないことではないですよと。そしてその時にですね、優先課題をどうやって決めるんやということですね。これもまあ話し合いで決めるといっても、なかなか話し合いは難しいですよ。みんなが納得しないといけないですから。納得してもらうというのもなかなか難しいことです。そこでですね、データー、数字というのも一つの方法なんですね。数字で地域を把握していく。私たちは、どんな地域かと言うことを数字で把握するということも一つの方法なんです。
地域の共同体の構成員としての責任(デューティー)が問われる
このごろアカウンタビリティーというのも、説明責任とよく言われます。責任と言っても、一般的な責任か、義務・責務とか一言で終わってしまう。英語って言うのはいろいろ違いますね。アカウンタビリティも責任ならば、レスポンシビリティも責任ならば、デューティーと言うのは責任とか義務とかいう意味がある。もう一つオブリゲーションもありますね。オブリゲーションと言うのは命令された義務らしいですね。これをしなさい、あれをしろと。軍隊みたいにですね。これがオブリゲーション。デューティーというのは、そういうことじゃないみたいですね。デューティーという義務責任とは、例えばそこの地域にいる、暮らしていたら、やっぱりその地域の共同体の構成員としてやはりこれはやらなければならないと、そういう倫理的道徳的というのがを含めての義務と言うのが、デューティーだそうです。そのデューティーには責任義務と言う意味と同時に「税金」と言う意味もあるんです。税金と言うのは義務だというのは、そういうことです。税金と義務と言うのは同じことです。デューティーです。それと、レスポンシビリティというのもありますね。レスポンスというのは、例えば、車でアクセルを踏んでぐっとアクセルを踏むとぱっと走る車はレスポンスが高いという。ちょっと踏んだら、ぐっと出る。反応がいいと。レスポンスは反応という意味もあります。じゃあレスポンシビリティというのは何やと言いますと、職務に対する反応、職務に対する感度が良いといいますか、よく仕事のできる人というのはレスポンス高いとこうなるんですけれども、そういう意味でのレスポンシビリティのもう一つ別の言い方で報酬、お金をもらった、20万もらっていたら、20万の責任。30万もらっていたら、30万の責任。こういうものですね。まあ50万もらっている人と、10万もらっている人が同じ責任だと言われると、10万もらっている人は、たまったものじゃない。50万の人は、50万のレスポンスをしてもらわないといけない。これは地位にもよりますね。部長さんと課長さんと係長さんは皆同じレスポンスではありませんね、求められているのは。やはり部長さんには部長さんのレスポンスがあり、課長さんには課長さんのレスポンス。それぞれのレスポンスがあって、それに対するレスポンシビリティ、責任がある。それと、アカウンタビリティ。アカウントと言うのは、計算や、勘定という意味ですね。計算や、勘定。数字で説明すると。数字を以って説明しないといけない。アカウンタビリティの場合、説明責任といいますけれども。何の根拠もなしに、説明するんじゃないと。何らかの根拠があると。客観的な根拠があってそれで説明していくということです。この頃市民の監視の目も厳しくなっていきます。行政に対してですね、市民の監視の目もだんだん厳しくなっていきます。最近はオンブズパーソンと言いますが。そういう活動も非常に盛んになってきておりまして、これも、市民活動の重要な役割といわれております。しかし不正をこれはちょっとおかしいぞとと、こんなことにお金を使ってもいいのかというオンブズパーソンの活動は割りと盛んなんですが、しかしレスポンスと言う形でもう少し見ても良いんじゃないかな。レスポンスですね、これに対するこの金額は妥当なのかと。いや実は、もっとこっち側にもっといるんじゃないか。もっとこの予算配分もこれでいいんだろうか。と言うことも実は大切なことです。
変革の時代に求められる社会とは(数字を読み取る力とは)
そうするとこれからは、求められる社会ですね。これから私たちはどんなまちが良いのだろうかということにかかわってくるんです。今まではこういうまちになって欲しいということで、そういう予算が配分されたんです。しかし住民の思いとこれまでの行政の思いは必ずしも一致していたんだろうかということがあります。今もそれで変わり目ですから、変革の時代と言われていますから。正に変革の時代でそれが問われています。本当に経済経済といっていますけれども、経済なのか。
しかし暮らしの安全も大事だとか。安心、安心か、活力かと言われています。年金問題改革でも安心か活力かといって、本間正明さんという委員の、テレビに時々出てきますが、委員として本間正明さんが年金財政・公共財政の専門の方なんですけれども、そっちの方(本間)は活力といっていますね。新聞なんかには活力か安心かということで、厚生労働省は安心だといっていますね。安心が大切だと。しかし一方でそんなにたくさん、例えばこれからどんどんお年寄りが増えていって、税金納める人が減っていくんだから、どんどんどんどん負担が重くなっていくと。このままでは給付が足りない。給付を削って負担を重くする。こっちは両方とも意見が一致しているようです。もう大体2つは意見が一致している。その加減ですね、どのくらい重くして、どのくらい削るのか、その加減がですね。あまり重くしたら活力なくなると。働く気がなくなるじゃないかと。そんな収入の6割も持っていかれると、働く気がなくなるんじゃないかと。われわれは、年寄り支えるばっかりに働いてるのではないか、となるのではないか(本間)。しかし老後の安心がやっぱり出来ていないと、こんなの将来の不安やったら、物使うよりせっせと貯めるんじゃないか(厚生労働省)とこれも言える訳ですね。とわいわい言っているわけですね。
しかし、皆さんの手元にある福祉でまちづくりワークショップの、<資料>P3のグラフこのグラフを見ていただいたらですね、私もアカウンタビリティをやってみます。このちょうど縦線、を見ていただくと、これは3年目盛りのグラフですから、2003年段階のところに縦線があります。そうすると総人口のピーク、このピークは一番頂点のところです。これが総人口は再来年ですね、2005年がピークだといわれています。そこから減りますよと。人口、日本の総人口減りますよということですね。そしてこのグラフを見ている限り、増えることはないと。減り続けるわけですね。この間も合計特殊出生率が1.32と、また最低記録更新したといわれていますね。この点線の、真ん中は生産年齢人口。15歳から65歳までですね、この間が生産年齢人口。働ける人働く人の数ですね。15歳で働くというのは、日本ではあまりないですね。15歳から働いていると、働けるけど、まあ働いていないです。大学の進学率5割超えています。5割くらいですね、今。それくらいになってですよ、22〜23歳。浪人してたら24〜25歳から親のすねかじっていますから。なかなか働いてくれません。アルバイトぐらいはしてくれると思いますけれども。労働力人口はですね、本当に働いている人口は一番下です。働ける人口ではなくて働いている人口。労働力人口。これもですね、大体人口のピークと同じで、2005年から減りますよ。これはどうしようもない。全部日本国全ての客観的にこうなりますよということです。どうあがいても、なります。今県がやっている「結婚わくわく」計画ですか。本当に結婚わくわくしますか?それはちょっと疑問なんですけども、あれで結婚わくわくするかと言うのは、若い方からしたら「センスが古いんちゃう?」ということじゃないかと思います。
それと比べて昔は、あまり保障を厚くしたら怠けが増えるんじゃないかと言われていました。福祉政策は。怠けるんじゃないか。働く人が減るんじゃないかと言われていましたね。あまり保障もしてはいけないといわれていましたが、スウェーデンでは、スウェーデンは北欧の福祉国家と言われてものすごい高い福祉を手厚くやっている訳なんですけども。そこではですね、少子化率が改善されてですね、かなり落ち込んだのが、1.4〜1.5だったのが、ぐんと持ち直して、1.7〜1.8ぐらいまで来ていますね。なんでだろうといったら、これはやっぱり子供を産み育てるということに対して、かなり保障したんですね。手厚く保障しました。大事な事は、非嫡出子ですね、嫡出子への差別がないと。母子家庭というのが多いんですね。シングルマザーといいますか。シングルマザー、結婚していない子供。結婚しなくても子供は産まれるんですね。結婚しなくても子供は産まれますね。確かにこれは。結婚していないけれども産まれた子供に対する保障、保護、権利。これは親の権利よりもむしろ子どもの権利です。
そういう子ども達の権利をどう保障をするかということから考えて、手厚く保障することなんですね。これは日本ではまだそういった考えに至らないですから、なかなかまだシングルマザーに対する理解がないです。あるいは、一回結婚して、離婚したら結構まあ母子家庭に対する保障、保護政策はあるんですけれども、シングルマザーに対する保障は残念ながらまだないという。まだまだ文化的要因もあるようですね。シングルマザーに対する非寛容、不寛容であるということもあります。スウェーデンは、フリーセックスの国といわれていたんですね。フリーセックスはですね、セックスに対する伝統的な考えからフリーになるということなんですね。宗教的伝統的ないろいろな考え方があったんだけど、そこからフリーになる。そのフリーにすることによって、学校の中でもいろんな性教育も可能になったということなんですね。そういうことがフリーセックスなのに、何か誤解を日本人はしていた。世界に悪名をとどろかせているようです。そういうことなんです。それで、文化的な要因、伝統的な考え方から、国の制度とかですね、実は無縁ではないですね。私たちの考え方がその制度を許すか、許さないか。文化的な土壌も大きく福祉政策に関わってきています。
例えば、もうひとついえば生活保護ですね。これはあまり保護したら働くやつおらなくなると言われたんですね。そして、生活保護世帯というのがですね、私の記憶ではですね、10年ぐらい前までは140万人くらいに受給者がいました。ところがですね、今は100万人切っていると思いますね。急減しました。一気に。これは非常に生活保護を受けるというのが厳しくなったんですね。財政事情だけじゃございません。一つ事件がありました。ある市で起こった事件で、生活保護を受けていた人のかなりの人が暴力団関係者だったという事件があったんですね。そういう事件をきっかけにですね。もっと厳しくしなければいけないと。もっと受給するときに、申請者に対してもっと厳しくしなければいけないということになりまして、急に厳しくなってですね、政府から通達があって、第何号通達というのがあって、その第何号通達の名前がそのまま「生活保護○○号通通達」と呼ばれているみたいですけれども、そう言うことがきっかけでですね、その後非常に厳しくなった。なかなかもらいにくくなった。だんだん申請してもですね、いろいろ聞かれるから、諦めてしまったというのもあるんですね。それでですね、その後母子家庭のおかあさんがが餓死するという事件もありました。痛ましい事件も起こっていますね。お母さんが餓死してしまった。今時ですよ、こんな時代に餓死するかと、子供は生きていたんですけどね、お母さんが餓死してしまった。まるで、鴨長明の、中世の「ゆく川の流れは絶えずして」じゃないですけどね、あの時に餓死してるのはあわれというのがありますね。子供は生きているけども、母親は餓死してしまったというのが。親というのはね、最後まで子供に食べ物を与えて、私は食べない、子供に食べさせる。そして餓死してしまった。子供だけ残されて、結局子供も餓死してしまう。非常に哀れだという文章が中世に残っていますが。まるで中世のような事件ですね。暴力団の事件できっかけに厳しくなったけれども、この事件で行政がどうかしようかという形にはなりませんでしたね。依然として減ったままです。生活保護費からこつこつこつこつ貯めて貯蓄して、爪に火をともすようにして貯蓄して、自分の葬式代にしてくれと言っていたんですけれども、貯金があったら打ち切るという事件もありました。こういう事件もありました。エアコンがあるからだめだというのもありました。エアコンをはずして熱中症になった、入院したという事件もありました。依然として受給の数は戻らずです。最近ちょっと増えてきました。これは、リストラで失業者がものすごく増えてきて生活保護を受けざるをえないような人が増えて、生活保護受給者のグラフは右肩上がりになりつつあるという時代背景があるんです。そういう形で私たちは、抱えている問題課題は地域にいっぱいあるんですね。何から見るか、何でみるか、どういう形で見るか。何で地域を見ていくかというので、まあそれぞれの地域で、それぞれの地域によっても違うと思うんですね。
私はこの前人権条例調査というのを、人権条例というのが各地で作られていますが、差別をなくすという条例から人権を守る条例というのに変わってきている時代で、人権条例の治体比較するために聞き取り調査に行きました。その中で長野県御代田町というところに参りました。そこでですね、起こった事件なんですけれども、そこでは大体ピーク時700名ぐらい外国人の人たちが働いていらっしゃいます。主に南米の方ですね。そしてその後リストラで500名ぐらいに減ったと言うことですね。工場が海外生産するので、だん人を減らしていくということだったんです。そんなことを言ってられないというかんじで、どんどん海外生産に移って失業者が増えるという。会社は黒字だけど、失業者が増えてですね、そう言う奇妙な形になっています。恐らくその状況は、日本列島どこで変わらないのだと思います。そしたら700人から500人に減ったら、200人の方は帰られたからというとそうではないんですね。帰らないでそのまま日本に残られて、かなり野方が不法滞在ですね、不法滞在という形でですね。不法滞在の人達が非常に重症な病気にかかられて、どうするんだい言うことになったんですけれども。お役所の方に直接人権相談窓口を設けてあるんですけれども、相談に行かれず、やっぱり生活相談員、ソーシャルワーカーとかですね、そういうところに行かれると。そのときにヒアリングで言われたんですけれども、やっぱり、お役所の窓口はいろいろ聞いて、さっきの生活保護ではないですけれども、行政の壁内側にあったらいろいろありますから、そういうことなこういうことで出来ない、ついつい出来ない出来ないと言ってしまうんですね。まあ民間にやっておられる相談員は、何とか助けられないのかな、何とかできないのか、という形で相談を受けられる。相談を受けられる姿勢がそもそも違うんですね。行政の窓口にはほとんど相談に来られなくて私たちも反省しておりますと言ってましたが。やはり行政ではなかなかできない。まず民間に相談しに行くようです。そうされるのがベターじゃないかと思いますとおっしゃってました。人道的になんですが、入管に知らせたら強制送還になってしまう。しかし病気になってるからどうしよう。これは超法的措置みたいな形でですね、とにかく何らかの形で救われたわけなんです。しかしそういうことはたくさんありますよね。最近入管に賃金も未払いでフィリピンの働いている方が、研修生の資格失ったんだから帰りなさいと言われたという事件がありました。
ただこういうことをたくさんやっていくと、やっていこうとすると財政事情がなかなか、むずかしい。我々自身もですね、非常に老後の安心、リタイアした後ですね、本当にこの先ずっと安心して暮らせるのか、そう言うこと自体もですね、非常に危うくなってきております。財政事情からしたら本当に危うくなってきております。先程のグラフでも見ましたように、人がどんどんこれから減っていってくわけですね。人口そのものが減っていっている。そして企業も売上高が下がるのは当たり前です。企業もどんどんどんどん売上高が下がっていっている。自動車大手はすごく良く儲かっているというんですけれども、海外での売上がたくさんあるんだけれど、日本での売上がマイナスになっていってる。そういうことがあるんですね。ですから、海外売上が伸びているけれども、日本国内売上は伸びていない。これは今後ずっとそうだろうと思いますね。人口が減るんですから。人が減るのに売上だから伸びるなんてめったにありえません。だからこれから企業は売上重視の経営ではだめだというふうになっていくんだということですね。
ヨーロッパはですね、もうすでに日本より先輩です。人口頭打ち状態を経験しています。そこではどんな形なのかと言いますと、売上高重視より利益率重視になってきたんですね。
利益率。日本とヨーロッパを数字で比べると、労働生産性と言うのは日本は低かったんですね。大企業の一部の企業だけは労働生産性が高いのはありますが、中小企業零細企業比率が高い国ですから労働生産性は低いです。そこでは長時間労働で、生産高をあげているのです。サービス残業が増えてますね。坂口厚生労働大臣がサービス残業って何かサービスしているみたい。あれは賃金未払い労働やと、言ってましたね。賃金を払わない労働が増えてますと。まずはその通りなんですね。そういう人達がサービス残業をしたことがあるか調査したら、調査対象者の47、何パーセントがサービス残業したことがある。2人に1人の割合でそんなことやってるわけですよね。労働生産性低い。労働分配率も、収益率も低いですから、その低い収益率で利益率よりも売上高重視の経営でやってきた。非常に低い。そして利益率の分配はというと、儲かった利益を社員と共に分け合うかというとそうでもないんですね。やっぱり内部留保してですね、売上高が高くてもですね、設備投資する。設備投資しないといけないからと、あまり給料に反映しない。それよりちょっとでも、人を減らして、会社の利益に活かしたい。そして会社の利益にちょっとでも人を減らすどころか、減ったひとでとても生産が間に合わないから時間外労働をさせると。そんな時代なんですけれども、このままで良いわけではありません。本当はこれからですね、やっぱり税金もですね、所得税からだんだん消費税に移っていくであろうと言われています。直接税間接税と言うと、間接税に移っていく、そういう税体系の中で、そうすると消費者が減るとだめなんですね。消費者を作っていく。消費者を増やしていく。負担と給付の関係だけではなく、そうした消費税で福祉をやっていけば、給付対象者も、その人達もお金を使って消費者になって、そこから消費税が入ってくる。その消費税がどこに入っていくのかというと、国やったらまた困るんですね。これが地方の自主財源になっていかないといけないということですね。福祉福祉といっても、単にそれだけではなくて、地域の雇用と言うのが崩れていったら福祉もやれないとか、非常に幅広い問題で、この2005年からグラフが一気に下がっていくと。これはいまだかつて日本が経験したことない時代です。人が減っていくという時代は、経験したことないんです。明治維新の頃に、3800万人ぐらいだったのが、1億2800万人。ずっと一貫して増えてきていた人口が今から減りつづけます。今だかつて経験したことがありません。今はその過渡期です。人口安定期まで数十年かかるであろうと言われています。その数十年の間の過渡期をどう乗り切るか、ですよね。本当は、今日の事態は、1970年代にはっきり予測されていたんですね。失われた10年15年。そんなことではないです。失われた30年と言ってもいいんです。そのくらい今日予測されていたはずなのに、そうはしてこなかったということですね。できてこなかった。原因はいろいろあります。してこなかった原因はいろいろあります。しかしそれがいよいよやってきてしまったのです。本当は今日までに準備しておけばよかったんですが、準備が足りなかった。いきなりそういう世界に突入して、さあやりましょうとなっているのです。私たちはこの過渡期は、国にお任せとか、行政にお任せとか言ってはられません。福祉であろうが、何であろうが、市民がですね、自分たち自らの力を出していかないと、自分達の暮らしそのものがどんどんそのレベルが低下するだけの話しだということなのです。そしてまた財政もどんどん赤字になっていくだけの話だということなのです。
やっぱりあらゆるところで、ここは福祉で、ですけれども、ここを変えたら、いろいろな「○○で」、というのが出来ると思うんですね。今回は「福祉で」まちづくりということで、見るときに、あれが足らん、これが足らんと見るのではだめですね。そうじゃないんです。問題を見たときに、自分達であれじゃこうできるんじゃないか、これは自分たちでこうできるんじゃないかと。そういう目で見ていただくと。
数字をよみとる、行政も数字を挙げて説明する
そして、自分達が今まで何か作るとき、施設を作るときに、常に住民は相談されて、こんな施設作ってもいいですかというと反対運動が起こったこともありました。そうじゃなくて、この前も講演の中で言いましたけれども、市民は協力しなければならない立場になったんです。相談される存在同意を求められるような存在じゃない。協力しなければならない。じゃあ協力しなかったらどうなるんですか、と言うことなんですけれども、そのうちそれは皆さん自身の方に返ってきて、福祉のレベルがどんどん低下していくだけの話しです。これはさまざまな問題を起こします。まちを歩いたらですね、先程も言いましたように、住宅地でですね、住民の寿命と共にまちの寿命も来るようなまち、そしてひな壇式にどの家にも階段がある。こういうところではですね、年寄りだけになったら、外に出てきません。階段の上り下りが大変だからです。外に出てきません。だから歩かない。歩かないから歩けない。そして介護が必要な日とがどんどん増える。しかしそこにはですね、なにもないですから、住民の相互の助け合いもそのまちにはなかったら、年寄りしかいてないんですからどうしようもないと。そう言うところはじゃあどうしていくかと言うと。お金では解決しません。財政赤字です。これから先もどんどん人口減っていくわけですから、本当に税収ということからしたら苦しいです。もちろん税収も先ほどのように消費者を増やしていくという形から考えないといけないんですけれども、それだけでは消費税上ったら反対だということではどうしようもなくなってきています。その消費税を、どうするんだ。こう言うことに使うんだと言うことやったら納得しようと。その場合こっちはこうしてくれ、ああしてくれと、なっていくと思います。数字をきっちり見てですね、一体この数字の向こうの意味は何なのかと言うこともしっかり見てですね、特別会計予算とか歳入とか、皆さんのところにお配りされていると思うんですが(橿原市の歳入歳出)、これもいつも市のほうから市民便りとかで来ているはずなんですね。しかしこれだけ見てもなかなか分からないです。これだけの数字だけ見ても分からないです。勘定あってるみたいで、何にも問題ないやないかと。ばっちりで黒字とちがうかと見えてしまいます。しかしそんなことはございません。ですからそうじゃないんだと。これだけ見てもわかりませんから、ちゃんと説明責任というのは数字だけ見ても、分かりませんから、きちんと数字をあげて説明していくと。説明する機会というのがいるわけです。行政から説明して貰わないといけない。
県の方でもなにか出前の県政トークしますよと言っていますが、これから県のそう言うのも利用したらいいだろうし、住民懇談会中でですね、福祉の政策に関わることでも、数字も含めてですね、どんどん市の方も説明して下さいということだと思います。そしてたいへん難しい時代なんですけれども、やりがいがあると思うんですよ。やりがいがあると思うんです。難しい時代ではあるんですけれども、やりがいはある。特に行政の方はまさに地方自治のプロフェッショナルなんだと。みなさん地方自治のプロフェッショナルですから、それで給料もらっている、レスポンス。レスポンシビリティですよね。非常にレスポンスの高い市になるのかどうかはね、それは住民の力にもよるし、みなさん行政の中の方は、自分達はプロフェッショナルだと言うことで自信と誇りを持って、どんどん住民の方にぶつかっていただきたい。また住民は住民の方で、対立するんじゃないんです。協力して、この苦難をどうやって乗りきっていったらいいのかと。苦難を乗り切るだけでは無い。その先にどんな私たちの暮らしの安全、安心を作り上げていくのか。橿原市に住んでよかったなという橿原市にどうしていくのか。あるいは自分の地域ですね、地域がどういう風によくなるのか。そういうものを一緒に描きながらやっていこうと。時間がやって参りました。また後でいろいろと、私も聞かれたことを、知っていることだけをお答えします。
まず今みたいなのが、ファシリテートということです。皆をあおっているんですね。そんなに内容を詳しく、それぞれの法の専門家なら専門家がおります。そうじゃなくて、地域地域の、やっぱり地域の前向きに前向きに、しかしネガティブ情報も、私の地域が抱える情報はこう言うことがあるんです。ということを情報提供し、共有しながら、しかしやろう、と言う風にやることじゃないかと思います。
●作業中のアドバイス「まちをどう見るか」
数字で客観的に、科学的データに基づいて地域特性に応じた校区を選びましょう。大きなところから入っていくと、協力がうまれます。子どもを通じて近所を知るということからも、校区コミュニティをこれから進めていくということなら、校区ごとの高齢化などのデータを知る。そして、ケア体制をどのくらい増やさなければならないのか。既存の施設は大丈夫なのか、どこまでカバーしているのか。地図を塗りつぶしてみて、空白のところができたら、そこにはケアの体制が今後必要だということです。また、既存の施設にはどのくらいの人材がいるのか。ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアということを校区全体の問題として共通点を見つけてください。
●7月20日 ビデオ経過と各グループへのコメント
講座の目的は地域の推進役になっていただくこと 体験してみること
一番最初ですからね。これから地域福祉計画といっても何がなにやらさっぱりわからんということだったと思いますけど、住民と行政と地域で活動している団体とがいっしょになってこういうことがやれた!ということが、これまでそんなになかったと思うんですね。だから、これから始まりだと。スタートラインに立つ前の準備体操のようなものだと思うんですね。これからスタートラインにたってやり始めると。ということで住民懇談会ということなんですけれど、この講座は各地域で活動していく推進役、ファシリテータ−という、地域で地域住民の人たちと一緒にやっていくための、推進役という役割を果たしていただくための講座なんです。とにかく、こういうことを体験してみて、初めて、福祉という目で町を見たと。今まで普通に見ていた町が、「あ、ここはこういうことだったんだな」「課題だったんだ」と、初めてそういう目で見て見つかると思うんですね。やったというだけでもう十分じゃないかと思うんですね。そういう形で、各地域でそれぞれの活動が始っていったらいいんじゃないかと。
目のつけどころは人の力 ハードより人間力で
いくつか私もこのビデオを見ながら気付いたことがあるんですが、最後のおばあさんが、おっしゃった「これからどこへ行くんですか?」「近所にお好み焼き屋ができたからそこへ行くねん」と言ってはりましたね。だから、何も高齢者の楽しみは、高齢者施設だけではないと。お店へ行ったりするのが楽しみなんだと。友達と行くのが楽しみなんだと。そうすると、お店の方が高齢者ウェルカム型になっているのかと。高齢者だけでなく、障害者ウェルカム型になっているのか、みんなが行ける形になっているのかと。高齢化率というデータもみなさんの資料の中にあるかと思うんですけれど、その高齢化率がだんだんと高まっていくんですね。日本全体で19.何パーセントなんですが、高齢化じゃなくて高齢社会になっていくんですね。このまま高齢社会になって、最高は30%は超えるだろうと。すぐに25%くらいになって、4人に1人くらいが高齢者になると、あるいはそこから3人に1人になっていくと、高齢者がまさにお客さんというふうに考えないと、これまでの若者をターゲットにするというまちづくり、店づくりというのけっこうやってきたと思うんですけど、そういうのじゃ商売してる人も商売できませんでというふうにおそらくなっていくんだろうと。そうすると、そういうふうな楽しみ、高齢者の人が、障害者の人がいきいきと楽しめるような、町に、なっていくんだろうか、なるんだろうか、ということなんですね。今回まち歩きをすると、どうしても、ハードの方に目が行きがちなんですけれど、それだけじゃなくて、お店でいえばサービスの方ですね、要するに、人の力、人間の方の力は大丈夫なんだろうかということ。その辺も、施設だけを見ててもわからないんですけど、施設の中で、福祉施設がある、そこで働いている方のクォリティ、資質は大丈夫なんだろうかと、そこの職員の方だけではなくて、そこの地域の方の協力はあるのかな、それでずいぶんちがってくると思うんですね。そういうところまでも、これからなかなか道を直すとか、車椅子で歩くと道がでこぼこやったり、道が狭い危険だということに目が行きがちで、道をひろげなくてはあかんとか、もちろん整備は必要なんですよ。必要なんですけれども、どんどん整備していって歩きやすいようにしようとしてスタートしても、ちゃんとできるまでには10年20年かかるわけです。その10年20年の間どないするねんということですね。30年くらいしてやっとできて、もうおばあちゃんも、わたしもおらへん、というくらいになってできると。それくらいハードでやっていくというのは、時間がかかるんですね。やっぱりここの道広げるんやったら立ち退いてもらわなあかんとか、そういうことがあって、納得していただくだけでも時間がかかりますし、それだけお金もかかりますし、財政赤字といって、これから税金納めて働く人が少なくなっていくというのに、それだけのお金もあるのかといろいろあるわけです。そうすると、人間の力でカバーしていくと。人間の力が低下していく中でおこる事件がおこってますね。
人間力低下の原因・社会のゆがみに目をむけよう
このごろ新聞テレビでも、長崎とか東京とか事件があり、我々は確かに、加害者というのをみてすぐそちらのほうに、けしからんと、これは少年の犯罪だから、低年齢したから、罰則も強化したり、11歳、10歳でもそういうところにいかなければいけないんじゃないかと。ついついいがちなんですけど、原因は何だろうかと。
スーパーマーケットでは、ゲームコーナーとか、子どもの遊戯場所をつくるんですね。大きなスーパーを計画してはったから、そこでもできるかもしれませんね。そうすると、もう、子どもが売り場で走り回らんように、そういうところを作っておくんですと。そうしたら、トラブルおこりませんからと。お母さん方がそこで子どもを置いておいて、遊んどきやと、そういう環境を整えておくと、走り回らんからいいというのですが。
そこに、置いていってしまうということが起きる。犯罪を起そうという人からみれば、そこには小さい子が一杯いてる。親もいてない。店の人にとっては親かどうかわからん。そして連れて行ってしまうと。
ここで考えておかなければならないことは、親子の関係とか、地域でのそういうことを伝えていかなければならないとか、新しい社会になって、新しい環境がどんどんできていったら、環境に対して、われわれがどうしていったらいいのか、ということが、次々とおこってくるわけですね。そして、被害者に対する処罰を強化するだけで、そんなことが防げるのだろうかと。他にあるじゃないか。そういうことに関心をむけて、原因をむしろとりのぞくと。
福祉の歴史もそうなんですが、昔はたとえば、福祉の先進国イギリスでも、スウェーデンでもそうなんですが、最初は、貧困の問題は、本人の資質の問題だと言っていたんですね。怠けるものが、強制労働させたという歴史から始っているんですね。収容所をつくって、そこへ収容させて働かせると。そして有能な貧困者と無能な貧困者に分けてはたらかせると。有能な貧困者はさらに働かせると、いうことからはじまったと。しかしいくらやってもどんどん貧困者が増える。これはやっぱり社会に問題があるんだというところから、慈善から福祉へ変わっていったという歴史があります。まさにそういうことを考えると、もっと科学的な目というか、社会の中に何かゆがみがあるんじゃないか。教育の中にゆがみがあるんじゃないか。そのゆがみをどうしたら直していけるのかという目で、人の、家庭の中でもいろんな問題があると思うんですね。何でもかんでも女性におしつけているということもあります。教育の問題でも、介護の問題でも、この建物の1階にも、イラストがあって、人権イラストとかありましたけど、この中に何かおかしなことはありませんかと。絵を見てたら、お年寄りは女の人がやっているとか、子どもをバギーに乗せていたら、それも全部女の人が書いてあると。そうすると、女の人のストレスはすごく高まっていると。そして買い物でストレスを発散すると。もうちょっと、ゲームコーナーにおいておいたら、2時間ほど離れられると、これはすっとする、ということになるかもしれない。そこのところを変えていかないと、今回のような事件というのは、おそらく、原因をほったらかしにしていたら、いくら処罰どうのこうの言っても、原因があるわけですからね。なくならないでしょうね。おそらくどんどん増えていくと。女性が育児ノイローゼになるような状況を、放置して、スーパーはスーパーで荒されないような対策だけをしていくと、そういうことをやっていたら、こういうふうなことを放置していたら、事件はなくならないどころか、ますます増えていくことでしょう。
地域力・自治力と地域同士の連携が必要
施設だけに目を奪われるのではなく、そこに人間の力をどう働かせるかということも、大きなテーマだと思うんですね。これから始まりです。地域福祉計画というのは、地域力。そこの地域の人たちの、地域力、これがなかったら、できません。
そしてこれからはどんどん高齢者は増えていく、お金も、なくなっていくというか、行政がお金の力でなんとかできるという時代ではありません。施設を作り、職員を増やしという時代ではありません。それぞれ、自治の力、自分達でやっていくんだ!という風に思わないと、そう思ってそれをやり始めた地域と、そうでない地域とでは、ものすごく大きな格差が生まれてくるでしょうし、また、安全安心のまちづくりということで、見ていくということもありましたけれども、他の地域はどうなのかと。橿原市で他の地域はどうなのか、自分のところは危険だと思ったけれど、もっと危険なところがあるかもしれませんね。そうすると、うちできてないというふうになったときに、話し合って、どこからするんだと。地域同士の連携と交流があって、なるほど、ここが危険だと、そういう地域同士の情報交流が大事だと、自分の住んでいる以外のところにも参加していくと。特にリーダー、活動促進役推進役になる人たちは、地域の状況もみて、あそこはこんなにうまくやっているよ、いや、あそこはもっとひどかったよと、もっと、こんなことがあったよと、お互いを知り合うということが、非常に大事になってきます。
はじまりですから。これからです。住民懇談会も開かれていくと思います。そして住民懇談会を1回2回したら終わりではありません。それからが、ずーっとつながっていると、ずーっと続いていると、若い人もいてはりますが、10年先、20年先、30年先に橿原市がどうなっているんだろうと。本当にいいものを創造して、だんだんと人間そのものの値打ちを高めていこうと、人間は有能と無能とで選別されるんじゃないんだと。人間の価値というのは、それだけで高いんだと。価値を低めていくんじゃなくて、少しずつ高めていこうと、人間というのは、なんて値打ちがあったんだろうなと、そういうふうに、そういう気持ちを持って、10年20年先には、人間そのものの価値が、ずいぶんあがったなあと、そういうふうになりたいなと。そういう希望をもってそこにむかっての第一歩だと。そういうことで。
●グループ報告を受けて 講評
今回は、1つのグループについてみようかなと。この前のようにうろうろしませんでした。他のことがわからなかったりするんですが、感想を述べさせてもらいます。
ここで、決まったことを、ワークショップで決まったことを、そのまま地域でするのではない。これはあくまで体験講座です。決まりましたよ、と言うと、そんなこといつどこで決めたのかということになるので、その辺はお願いします。
すごい、話を聞かせてもらったのは、高校生の方の意見です。花丸3つか4つくらいやなと思ったのは、「ボランティアに参加しましょうといわれても、なんやわからん。」と。
具体的なものがあったら、参加しやすいと。たとえば、車椅子を押してみませんか、とか、施設見学、施設の中って、いったい何の施設なのかわからんと。だから、こんな施設ですよと、施設見学しませんかと、そういうことがあったら、参加しようかなという気もおきるし、参加性も高まるんじゃないかなと。これはすごい良い意見ですね。本当に、大人はいったい何をしているんだという感じです。そんな意見が出てました。
参加性を高めるというのは具体性が大事なんですね。たとえば、地域で何か具体的な目標をたてるとか。車椅子を押してみたところもあり、今の話もあったんですが、この校区は、一人残らず車椅子を押せますと。という目標をたてて、そのために、どんなふうなイベントをするのかと、いうのもええのではないかと。
私もヨーロッパに長いこといたんですが、日本の電車にのるより、はるかに乗にくいんですね。ホームの高さ、は30センチか40センチしかないんです。そこから、電車といって、ディーゼル機関車なんですが、ホームから何段もステップを登る。ホームへは道からあまり段差がないから、スーッとわりといきやすい。じゃあどうするかというと、まわりの人が、持ってくれるんです。わりと気軽に押してくれるんですよ。そこらの人が。難儀してなら、みんあ荷物を持ってくれるんですよ。そういうことをしょっちゅう目にしました。だから障害者の人が一人でどこかへ行くといっても、みんな、周りの人が手伝ってくれるから、なんぼでもいけるんですね。これが、ポイントじゃないのかなと。
私ら、車椅子でいる人が難儀していても、周りの人は、わりと知らん顔で、駅員の人がわーっと来て、駅員の人がステップを置いてやってますね。車椅子の人が乗りましたよというのを、駅員が聞いておいて、次の駅へ連絡しているんですね。それでやっている、そんなかんじで対応していると。そんなことする必要がない。ヨーロッパの人は。それは車椅子の押し方を知っているからできるのであって、ついつい、どないしたらいいのかな、とやってみようかなと、できないんやったら、知らん顔しておこうかなということになる。
目が見えない、年寄りになったら目が不自由になりますよ。そしたら、切符買うときに、何処行きに何百円、どないしょうかなと、となりから、どこいかはるんですかと聞いてくれると。回りの人がすごく簡単に声をかけてくれるし、そうしてくれるものだから、そんないろいろ考える必要もない、でかけるのに億劫にならないんです。車椅子のひとがしょっちゅうそこらにおるわけです。
ところが、日本では車椅子の人をめったに見たことがないと。それはなんでかというと、単に道路が悪いとかそういうことじゃなくて、むこうでも狭いですよ。旧市街とか。石畳ででこぼこですわ。アスファルトどころじゃない、石畳でこぼこ。しかしそんなとこでもみんなが手伝ってくれるということがあるから、わりかた出かけようかなと、ここが地域福祉ということで、住民の協力関係とか、みなさんからでてきたポイントやと思うんですけど、コミュニケーションですよね。コミュニティというか、ようするに、コミュニケーションの力。この力を増やしていこうと、いうのは、非常に大きなポイントやと思いましたね。
それから(高校生が)、「福祉ということばもむずかしい」と言ってはりました。これを横文字でいったらなんですけど、ウェルフェアーというんですね。これを訳して福祉というてるんですけど、明治時代だれかが漢字で訳したんですけど、「くらしをよくする」と。くらしをよくするのが福祉なんですからね。そんなむずかしいこともなんともないわけです。『くらしをよくしていこう。くらしやすいようにしていこう。』ということです。
ノーマライゼーション、これもまた横文字です。なにかわからん。ノーマライとは。これも、普通のことやと。ノーマルとかいう言葉がありますけど、普通のこと。要するに、障害者の人とか、高齢者の人とかが、そこらにいてるのは普通のことやと。どこかの施設にいてて、そこから出てこないというのは、おかしいんじゃないかと。ふつうにそこのまちにいてるのが普通のことだ。と。そういうまちにしょうじゃないかと。そのためには、まわりの人の手助けがなかったらあかんやないかと。なんか手伝うことありませんか、というふうになると、いうことだと思うんですね。
そういうまちになれるかなれないか。だから、設備だけいっぱい整えても、そういう冷たい人ばかりやったら、何ぼ設備があっても、くらしやすいとはいえないのではないかと、やはり、年をとって、体がうごかなかったら、家にじっとしとこうかとなりますよね。
ヨーロッパでの経験でいたけど、歩行者が道路を渡ろうとしたら、車がとまるんですね。渡ろうとすると。横断歩道じゃなくても、ぱっと止まってくれます。しかもにこっと笑ってくれるんです。渡りやすいですよね。歩行者を見たらぱっと止まる。こういうことが自然と身についている。これは、訓練でできるものではない、自然と身についているのです。どうやったらそういうものが身に付くのか。行政に任せるのではなく、人間力です。ノーマライゼーション、くらしやすさ、交通ルール以前のマナーですね。
こういうことをするためには、どうやっていったらいいか。ぴんとこないでしょうから、具体的に目標をもつことが必要ですね。参加しやすいわかりやすい目標を地域ごとに持つと。地域ごとにも課題はそれぞれちがいます。校区全体はわからない。普通住んでいる人にとっての地域は、生活圏のことです。校区内でも地域ごとに違いますし、自分の生活圏のことには、地域の実感がある。
けれども、リーダー・ファシリテータ−はあまりにも地域に寄り添いすぎてもだめなんですね。校区内の地域ごとの課題を聞く。うちはこう、うちはこう、とかえって住民の対立を呼ぶ可能性もあります。あれをしてほしい、これをしてほしい、はそれぞれ違います。リーダーは校区全体を見ることが大切です。
それと、行政ももっともっと情報を市民に報せなければなりません。そして住民と行政の間を取り持つキーマンが必要です。間を取り持つ人がいないといけない。ワークショップの課題は、キーマンをどう生み出すかということでした。
地域福祉計画ができましたといわれても、何それ?です。どんな制度ができたのかを報(しら)せる。
キーマンA、キーマンBが必要です。キーマンは、そのことについて、よく知る。それを報せる。AはBに報せる。Bは住民に報せる。Bは、住民に具体的な参加しやすい目標を持たせる。地域で何か考えようというときに、資料を見せただけでは、参加者は減ってしまうかもしれません。参加しやすい具体的な呼びかけをしていく必要があります。
そして、行政の情報をAは知って、報せる。そして、Bも、Aの情報を知って報せる。
キーマンAは、Bに知って報せる。Bは市民に知って報せる。このときBは市民が参加しやすい具体的な目標を示すことが必要です。(ここでいうBが、このワークショップで生み出すキーマン。Aは、行政の大きな目標・ビジョンを考え伝える専門家やNPOなど)
まずは知ってもらう、そして参加者が増える方法を考える。参加しやすいものがあったら、みんなは参加する。小さくてもいい、先ほども、住民懇談会は少なくてもいいという発表がありましたが、何回も何回もやっていく。そうして十年も経ったら、車椅子の人が町中にいて、駅員さんがいなくても、いい町になったら。そういうふうにしていくには、ノーマルに普通にしていくには、どうすればいいのかをこれから、みんなで話し合っていってもらいたいと思います。
次回は11月に開催予定
2003.08.15