鏡坂T遺跡は富山市婦中町外輪野地内に所在する、山田川左岸の河岸段丘上に営まれた縄文時代中期前葉〔約5,000年前〕〜中期中葉〔約4,500年前〕の集落遺跡です。
 平成9・10年の調査で、竪穴住居跡3棟・土器廃棄土坑・谷地への土器捨て場等が検出されました。集落は土器捨て場の周囲に造営されていたと考えられます。
 土器捨て場からは、多量の縄文土器とともに土偶やミニチュア土器等の祭祀に用いられたと考えられる遺物が出土しており、何らかの祭祀(呪術)的行為が行われていたことが推察されます。また、深鉢型土器の中には20m離れた竪穴住居と土器捨て場でそれぞれ胴部片と底部片が出土し、それらの破片が接合関係をもつものがあります。このように分離して土器を廃棄する方法に何らかの意図を持たせていたと考えられます。
 縄文土器には中部高地系の要素を含む(器形や文様を真似る)ものや中部高地からの搬入品と考えられるものがあります。石器にも黒曜石(長野)や下呂石(岐阜)等、搬入石材を加工したもの等が出土しており、それらの地域との交易が考えられます。
 出土した石器の中では網の重りとして利用していた礫石錘が550点以上と最も多く出土しており、河岸段丘下にある山田川や辺呂(べろ)川で漁労を行って、生活していたと考えられます。
礫石錘
 出土した土偶の中には、顔の部分もあります。特徴として、ハート型で頭頂部に凹みがあり、頬には入れ墨を表す沈線が施されています。
(堀内)
  
土器 土偶