北九州点描

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矢筈山
  門司区大里  [2007/04/21]
 

矢筈(やはず)山は、JR門司駅の北東2km、JR小森江駅の東1kmの所に位置します。標高271mで、山頂部はキャンプ場になっています。明治20年代、関門海峡防御のために、関門地区に多くの砲台が築造されました。矢筈山もその要塞地帯の一部で、山頂部に砲台が築かれました。

小倉方面から国道3号線を門司港方面に進みます。門司駅前を過ぎ、市立門司病院の手前を左折します。門司病院の横を進みますと、2007(平成19)年3月31日閉校した門司商業高校跡に突き当たります。そこを右折して敷地の周囲を通って行きます。
この門司商業高校と大里高校が統合再編され、福岡県立門司大翔館高等学校(門司区藤松2丁目)になりました。門司大翔館高校は、普通科と違って、各自で必要な単位を選択する、福岡県初の全日制単位制高校です。

 

右手が高校跡で、左手に矢筈山が眼の前に見えます。
矢筈は、矢を弓につがえる時の、矢が弦に接する部位をいいます。山がこの形に似ていたということからか、それとも矢竹(篠竹)が山に群生していたからか、その由来は分かりません。
右手に老人ホームやはず荘があり、その先で、国道3号線の小森江口交差点からの道と合流します。そこを山手の方に右折します。

 

坂道の右手は小森江浄水場です。現在は使われていませんが、建設当時は最新鋭の施設でした。
明治時代門司は港町として、北九州の中では早くから発展しました。しかし、門司は水に恵まれず、井戸の水質が悪く、売水が行われていたようです。コレラの大流行で水道敷設を急ぎました。1909(明治42)年福智貯水池・小森江浄水場・導水管工事に着手し、1911(明治44)年一部給水を開始し、翌年全面給水を開始しました。福智貯水池と小森江浄水場は約22km離れていました。福智貯水池については「北九州点描」の「ます渕ダム」をご覧ください。

 

車が離合できないくらいの道です。途中に小森江子供のもり公園の看板が出ています。道はさらに上る直進の道と、左折に分かれます。左に入って行くと公園の駐車場になります。ここは小森江貯水池跡を利用した公園です。
池の中に建っているのが、貯水池の取水塔です。機能していた頃は、大部分は水中にありました。小森江貯水池は1921(大正10)年11月着工され、1923(大正12)年3月に竣工しています。

 

小森江貯水池の奥です。ここから先は、風師山の登山道になります。
右手反対側の山の斜面を利用して、公園として整備されている所を登って行くと、先ほどの直進した道路に出ます。そこを矢筈山を目指して登って行きます。徒歩30分ほどの行程です。5分ほど歩くと、右手に市立矢筈山林間学校のゲートがあります。ここまで道路はアスファルトですが、この先は砂利道になり、勿論車は使えません。
矢筈山林間学校がキャンプ場名です。

 

ゲートを過ぎて、つづら折の山道を登って行きます。林の中を通って行きますが、視界が開けた所から、北隣の風師山が見えます。峰が二つ見えますが、右が風師山頂で、左が関門海峡が眼下に見渡せる岩場です。
風師山については「北九州点描」の「風師山」をご覧ください。

 

山頂近くになりました。キャンプ場です。左手は石垣で、その前に大きなトイレの建物があります。通り過ぎて行くと、右手にキャンプ場管理棟があります。その前がこのトンネル状の洞穴です。分厚い構造物ですから、軍事用のものであったことが分かります。この横から上に登って行くと、山頂に着きます。山頂は広い場になっていて、周囲は木立ですので見渡せません。トンネルの先は炊事施設やステージがあります。

 

管理棟の先に行きますと、砲台とともに築造された濠です。現在はキャンプ場施設として利用されています。
この砲台は大里の背面防御を主な任務としていました。明治末期には廃止されています。

 

管理棟のすぐ横は展望台になっていて、南西方向の関門海峡の大瀬戸が見渡せます。大瀬戸の手前は門司駅がある大里地区、右は対岸下関市の彦島、正面から右手は、小倉北区・戸畑区の臨海工業地帯です。
黄砂のためか、春霞のためか、春先は天気であっても、眺めは霞みがちです。

 

更に奥に進むと広場があります。門司市時代、姉妹都市のアメリカノーフォーク市の親善使節団が来門されました。その折団長スナイダー氏が青少年のために寄付されたことで、ここをスナイダー広場と命名しました。
ここから南東方向が見渡せます。手前の道路は都市高速で、人家がある所は門司区奥田です。先の方港湾部は新門司で、海は周防灘です。霞んでいなければ、海上空港の北九州空港が見えます。


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