2006年9月、青森県を訪ねました。そこで、青森県庁、六ヶ所村役場を訪問し、それぞれの首長に次のような申し入れを行いました。
私たちの会は小さな集まりですが、こんなことを考えている人々がいるということ、またこの問題を青森県だけの問題とせず、日本列島ひいては東南アジア全体へと影響を及ぼす問題であるとの認識を示し、小さい一歩ではありますがその気持ちを両首長に届けました。

六ヶ所村周辺にはさまざまな原子力施設が地を這うように建っています。その土地は作物を育てるのには厳しいのか牧草地の広がる光景が目に付きます。
しかしだからといってお金が降ってくるからなんでも誘致してしまえという姿勢には問題があります。青森周辺は縄文時代に多くの人々が住み、豊かな暮らしがありました。いまが厳しいからといって、将来の子どもたちに放射能で汚染された風土を引き継いでいいはずがありません。時代はまた変わるのです。

私たちはこの土地が縄文のふるさととして、いつまでも語り継がれることを願っています。


青森県知事 三村申吾 様

六ヶ所村核燃料再処理工場のアクティブ試験を中止し、工場を閉鎖してください

私たちの会は、かつて日本列島の北部に位置し輝かしい縄文文化が花開いた青森の地に魅せられ、縄文時代の知恵を現代の暮らしに生かし、未来の子どもたちに引き継いでいきたいと願う人々の集まりです。

 青森県の三内丸山遺跡は1万年以上続いた縄文時代の中で縄文都市といわれるほどの賑わいを呈し、それまでの縄文時代の認識を一新する他に例を見ない遺跡となっています。そのほかにも青森県には縄文時代の遺跡が多数存在し、それらは青森県ばかりではなく多くの人々にとっての貴重な財産となっています。

 今年7月、県立美術館がオープンしました。そのパンフレットの中であなたは次のように述べています。「世界に誇る縄文文化三内丸山遺跡の隣に青森県民の美術館が誕生します。(中略)新しい美術館を胸を張って未来の子供たちに手渡しましょう。」と。

 私たちも、未来の子供たちにこのすばらしい財産を何としても残したいと考えています。しかし、本当にそれができるでしょうか。青森の、いやこの日本列島の未来は実に暗澹たるものになろうとしているのです。それは放射能汚染の問題です。

 今年331日、六ヶ所村において、核燃料再処理工場が操業を開始してしまいました。毎日毎日大量の放射能(日本中の原子力発電所で日常的に放出している放射能の1年分をたった1日で出している)を大気中に放出するとともに、年に3億3千万ミリシーベルトもの放射能を海に垂れ流そうとしているのです。

 この事実を知れば多くの人は青森県産の食べ物はもとより、東北の大地から生まれる農畜産物や三陸の海から獲れる海産物を食べるのをためらうことでしょう。

 縄文時代から続いたこの豊かな大地と海が放射能により何十年何百年という長い期間にわたって取り返しのつかないものになってしまうのです。この危険極まりない再処理工場の操業による放射能汚染は青森県だけの問題ではありません。日本列島に住む人々、そして周辺諸国に住む人々にとっても多くの危険をはらむ問題でもあるのです。

 もうすでに被曝事故も起こっています。このまま続ければイギリスで起きた再処理工場の事故が再現されないとも限りません。そうなれば、三内丸山遺跡の発見が縄文時代の常識を吹き飛ばしたように、私たちや子どもたちの未来が一気に吹き飛んでしまうのです。そこでお願いです。そうなる前にぜひもう一度子どもたちの未来のことを真剣に考えてください。そして、東北の豊かで実りある大地と海をいつまでも後世に残すために再処理工場の試験操業を中止し、工場を閉鎖してください。

2006912

縄文の大地と海を放射能で汚さず未来に引き継ぐ会