タバコはダメよ! 映画評 2008 (07年12月〜08年11月)
この映画評の担当者は、福島県でエゴマ栽培の普及に努めています。当地はタバコ栽培のさかんなところでタバコ栽培からエゴマ栽培への転作を勧めるためです。そのためにはエゴマの消費拡大が必要です。ご協力をお願いします。詳しくは、きとす縄文生活研究所のホームページをご覧ください。
・映画名、監督名、製作国、禁煙度、
PPの有無(無煙映画は除く)、お勧め度
(PPとは Product Placement の略で、映画やテレビ番組の中で実際の企業名や商品を登場させ視聴者に印象づける方法のことをいう)
・禁煙度=○は喫煙シーンなし、△は喫煙シーン数回、×は多いほど喫煙シーンも多い。
!はタバコ関連の台詞あり。
・お勧め度=☆が多いほどお勧めです。
07年12月〜2月(1〜25) 08年3月〜5月(26〜56) 6月〜8月(57〜86)
9月〜11月(87〜 )
1、
「椿 三十郎」 森田芳光 日
〇 ☆☆
ご存知黒澤明監督が45年前に映画化した作品のリメイクです。脚本は全く変えていないが古臭ささはありません。そのうえに森田芳光監督らしい遊び心があり、また、主役が織田裕二のせいもあり全体に若々しくなっています。特に相手役の豊川悦司も好演。痛快時代劇に仕上がりました。
ちなみに85年の「ゴールデン洋画劇場」で録画した黒澤版を見ましたが、途中JTのCMがたびたびはいり三浦友和や竜達也がモロにタバコを吸っていました。時代の変化を感じた次第です。
2、
「PEACE BED アメリカ対レノン」 × ☆☆
時代は1967年〜70年代。実写のフィルムを使っているのでジョンもヨーコも数回喫煙していました。今では考えられないけどインタビューに答えるときも喫煙しています。現代の証言者の台詞には「当時は私も葉巻を吸っていて・・・」とあり、彼も今は吸っていないのでしょうか。
権力者は民主主義とか自由におびえていて声に出して主張する者を抹殺しようとすることがよくわかります。特にアメリカはCIAなどを使った暗殺が常套手段のようです。当時は当局の発表の「犯人は狂信的ファンである」を疑っていなかったが・・・。なお、この映画の後を追って「狂信的ファン」がレノンを殺すまでの3日間の映画も公開される。これはどういうことなのだろうか。ちょっと政治的なにおいもするけれど。
3、
マイティハート 愛と絆」 マイケル=ウォーターボトム 米 ×
数年前にパキスタンで起きたジャーナリスト誘拐殺害事件の映画化です。パキスタン現地の捜査官がたびたび喫煙します。被害者の妻は妊娠中なのにおかまいなしです。ただ街中のシーンでは市民に喫煙者がひとりも写りませんでした。ひょっとしたらインドで撮影したからかもしれません。
撮影はニュースのようにして撮りドキュメンタリー風の映像に仕上がっています。出産シーンが得意の監督(ウィンターボトム)らしいがこの映画でも本物の嬰児を使っていますが安全なのかちょっと疑問ですね。
4、
「マリア」 キャサリン=ハードウィック 米
○
キリスト生誕の話なので時代的にも喫煙はありません。時代考証がよくできていてテーマの重厚さを強調しています。監督が女性のせいか結婚、妊娠、理想の夫像の表現に共感を感じる点は多いです。原題の「キリスト生誕物語」よりも邦題の「マリア」の方が映画の内容に適しているでしょうね。ただ、最後の10分はタイトルどおりでキリスト教徒にはきっと感動的なものでしょう。
5、
「転々」 三木聡 日 ××
PPあり ☆☆
主演のオダギリジョーのアップでの喫煙シーンがしつこいくらいあります。借金取りに追われている経済状態でいつも真新しいタバコを吸っているのはちょっと不自然です。必要性も全然ありません。他にもパチンコ屋でおバカなカップルが喫煙です。よくある風景なのでしょうか。三浦友和、小泉今日子が無煙だったのには救われました。
内容はある事情があって都内を転々と歩いて霞ヶ関をめざす元取立て屋と、彼に追われていた若者ふたりのロードムービーです。話したり食事を一緒にしたりすることで誰でもお互いを理解することができる、いっしょにいれば情もわいてくる、ということで心ほんわかになる作品です。脚本賞候補。
6、
「タロットカード殺人事件」 ウッディ=アレン 米 ×
!
冒頭、死んだ記者のお通夜のシーンで友人の4人のうち3人が葉巻を吸います。葉巻はなくても問題は全くありません。ウッディアレン監督、もう少しタバコにも神経を使ってくださいね。喫煙シーンはそれだけでその後は全く無煙です。気になったのは人間がいろいろ馬鹿なことをするたとえに英語の台詞では「タバコを吸ったり」と確かに言っているのに、字幕では訳さずカットされていました。ちょっと意図的?でしょうかね。
7、
「茶々 天涯の貴妃」 橋本一 日
○
1573年から1600年ころの時代の物語です。喫煙シーンありません。
信長の妹「市」の長女「茶々」を描いています。女のドラマにしては戦闘シーンでの血しぶきがドバドバです。生首は出るし手は飛ぶしちょっとやりすぎではないでしょうか。女の生きかたがストーリーの中心な訳ですから戦闘シーンはもう少し控えた方がよかったのでは。どっちにしても中途半端です。
主役の元宝塚トップスターの和央ようかも彼女の魅力が発揮できなかったのが残念です。いつも怖い顔してるし、男役のりりしさが観れたのもワンシーンだけだったのはもったいないです。こちらもデビュー作にしては不完全燃焼に終わってしまいました。「武士の一分」の壇れいとは大違いです。監督の力量不足でしょうか。
8、
「アイアムレジェンド」 フランシス=ローレンス 米
○
主な舞台が2012年。09年に殺人ウィルスが世界のほとんどを死に絶えさせた中、ニューヨークで一人生きている(正確にはひとりと一匹)男の孤独と、ウィルスに感染し凶暴化した群集との戦いを描いています。そして医学者でもある彼が殺人ウィルスの血清を作り出すが・・・といった話です。いろいろな食品は出てきますがタバコはありません。主役のウィルスミスの鍛えられた筋肉美は必見かも。相棒のシェパードがいい演技をしています。助演動物賞があれば確実にゲットです。
9、
「魍魎の箱」 原田真人 日 △
1952年が舞台でほとんどの場面で男が出演していますが喫煙シーンは1回だけです。映画の撮影所の所長役の笹野高史が葉巻を吸います。それもちょとだけ。映画が黄金期を迎えていた時代の成金的な雰囲気を出すためでしょうか?そのほかは映画館のシーンで端のほうで紫煙がゆれる程度です。全く無くてもいいだけに残念です。堤真一や阿部寛など喫煙常連組も出演していますが彼らは吸いませんでした。
時代の雰囲気を出すために中国でロケシーンが多く出ます。エキストラの洋服などにも時代を反映させ、細かい点についても時代考証をきちっとやっています。CGを多用した「三丁目の夕日」とは趣が異なっています。CGを多用せず実写を重視した姿勢は評価できます。昭和が残っているのは中国だけかとおもうとさ寂しい気もしますが。
10、
「ナショナルトレジャー リンカーン暗殺者の日記」 ブラッカイマー 米 ○
冒頭、リンカーンが暗殺される時代(1885年)の荒くれ者が集まる酒場のシーンで、葉巻を手にした人物がちらっと写るが煙はありません。さすが製作が映画上で喫煙シーンを排除する禁煙映画宣言をしたウォルト=ディズニーです。時代的にはモクモク時代だがけむりはなくても表現上全く問題はありませんでした。映画の主な舞台である現在でも悪者は無煙でした。ということで悪者はタバコを吸うといった固定観念から解放されていました。
内容は「インディジョーンズ」アメリカ国内版といった感じでしかないけど・・・家族で気楽に楽しめます。個人的には主役のニコラスケイジにいつもくっついているおちゃめでとんまな三枚目がいい。
11、
「再会の街で」 マイク=バインダー 米 ○ ☆
突然の事故(2001年の911事件という設定)で家族4人全てを亡くし自分を見失っている男と、表面上は家族にも恵まれ仕事も充実している大学時代のルームメートが偶然再会します。お互いが自分を再生させるという話です。ライブハウスなどにも出かけるがどこも無煙でした。街中でも歩きタバコは一切写りません。さすがアメリカですね。シリアスな部分もある内容ですが主役のドン=チードル(ホテルルワンダ)がときおり意外な三枚目的表情を見せたり、ちょっときれいなおねえさんが登場したりと息抜きもできます。70年代のアメリカンポップスが随所に流れ、その世代には懐かしさもあるかもしれません。原題の「REIGN OVER ME」は当時の曲名からでしょうか。
12、
「ここに幸あり」 オタール=イセオリアーニ 仏伊露 ×××
フランスのある大臣が失言がきっかけで辞職し全てを失いますが徐々に人間的な生活をとりもどす、というようなお話です。まず、大臣室で妻がタバコに火をつけ一服してからその妻が「タバコはいけないのよね。」というと、夫は「ダメだと言っても吸うんだろ」に始まり、その後は大臣の秘書も掃除婦も、また何人もいる大臣の元ガールフレンドたちもみんな喫煙します。ただし一応は建物の外で吸います。公園では男たちが一人残らず喫煙。タバコを挨拶代わりにたかったり勧めたりとちょっとひどすぎです。中国映画にもモクモク系があるけれど同じくらいひどいモクモク映画です。観ているほうが煙で咳き込んでしまいそうです。この映画は2006年の製作ですが、フランスはほんとにレストランなどの禁煙ができるのか心配です。
映画のテーマでもある「人間らしい生活」というのがタバコとワイン(それもへべれけになるまで飲む)と男の視点による複数の女だけというのには肯けない。他人のためになることをしたらどうなのでしょうか。
13、
「シルク」 フランソワ=ジラール 加伊日 ×
19世紀フランスの絹織物業は地元で蚕の病気が広がったため壊滅的打撃を受ける。そのため元気な蚕の卵を求めて日本まで交易のためにやってくるという話です。タバコはそんなに出てこないのですが、製糸工場の経営者が数回喫煙します。その他は酒場のシーンで他の客が1回、日本の場面ではありませんでした。
ヨーロッパから日本にくるまでには、当時のロシアの鉄道やシベリアでの冬の移動方法、海を渡るときの船なども再現されていて見ごたえがあります。グレイトジャーニーで関野吉晴氏が体験したものと似ていてかなり正確に再現され数秒のシーンにも手をぬいていないところがいいです。また山形の冬の自然が美しい。印象的な映像が多く映画らしい映画となっています。
14、
「母べえ」 山田洋次 日 △ ☆☆☆
1940年、父親が治安維持法で逮捕された後の母子の生活を描いています。父親役の坂東三津五郎が残念ながら1回だけ喫煙します。そのときには家賃を3ヶ月も滞納しているのです。なのになんでタバコを買えるのか不思議です。取調べの場面で警察の職員である笹野高史他が数回喫煙します。後半で母べえの義理の母役の左幸子が1回吸いますがこれは彼女の過去(水商売?)を表していると思われます。全体的にはタバコ煙の汚染度は少ないといえます。
内容は父親を逮捕されながらもつつましく、そして凛としてけなげに生きる母親役の吉永小百合を筆頭に浅野忠信、壇れい、二人の子役それぞれがすばらしいです。戦争がいかに市民のささやかな生活を破壊していくかを静かに訴えっています。父べえは戦争に反対し、転向文を書かなかったために釈放されず獄死します。涙なしには観れない映画です。今年度ベストワン候補です。山田洋次監督は時代劇よりもこの作品のような社会的に主張のある作品の方が向いているでしょう。
15、
「陰日向に咲く」 平川雄一郎 日 △ (なお、平川監督の前作品「そのときは彼によろしく」は無煙)
主役がパチンコ依存なのでパチンコ屋のシーン(これもそれほど煙は目立ちませんでした)で周囲の客が喫煙しているほかは無煙でした。ただし、灰皿の吸殻やタバコと思われる紫煙が1回だけ画面に映りました。主な登場人物は吸わないのでほぼ無煙映画です。登場人物のひとりにホームレスがいて彼のたくさんの仲間たちも登場するのですがこの人たちも無煙です。これは評価できるでしょう。どうせならパチンコ屋も無煙にしてほしかったです。
”豪華キャストが織り成す群像劇”が売りですが、途中人間関係が頭の中で???となってしまい消化不良気味です。編集をもう少し工夫して登場人物を一部カットしたほうがスッキリとまとまったかもしれませんね。
16、
「スウィニートッド フリート街の悪魔の理髪師」 ティム=バートン 米 ○
19世紀のロンドンを舞台に無実の罪で投獄され妻子も奪われた理髪師の復讐物語です。タバコの露出度ではハリウッド1のジョニー=ディップが主演ですがこれは全くの無煙です。
全体にモノクロのイメージで暗く湿った殺人の場面は血がドバドバと流れ出ます。歌や音楽、そして回想や夢のシーンは明るいのですが妙に暗さを増幅させる効果となっています。緊張して見ていたせいかしばらく立ち上がれなかったほどです。監督(ティム)と役者(ジョニー)が組んだ、明るく楽しい夢物語の前作「チャーリーとチョコレート工場」とは表裏を成す作品といえます。そのどちらもが人間の真の姿であるといいたいのでしょうか。
17、
「歓喜の歌」 松岡錠司 日 △
PPあり 缶ピース ☆☆
大晦日の文化会館ホールの使用を二つのコーラスグループにダブルブッキングしていたことが前日に発覚。文化会館の仕事も私生活もいいかげんな職員が、仕事をしながら一生懸命コーラスをやっている女性たちの姿を知るうちに仕事に目覚め心が入れ変わっていく・・・という話です。一度卒煙したのに再煙してしまった志の輔さんの創作落語が原作です。
いつも露出度の高い、小林薫、笹野高史、浅田美代子、立川談志、などが登場するのでモクモク系かと心配でしたが、借金の取立て屋役のでんでん(俳優の名)が取立ての交渉(というか脅し)の場面で料理屋なのになぜかがさばる缶ピースから1本取り出し1回だけ自分が吸います。そしてすぐに隣のロシア女に渡し彼女も1回だけ吸うという場面があります。煙害はこのシーンだけです。やくざにはタバコが必要だということなのでしょうか。
建設業界の職人やひきこもりの30男など吸いそうな人々は吸いません。文化会館の職員が上司の愚痴を言うシーンでは”都こんぶ”をみんなでしゃぶるという工夫があります。そうタバコはもう時代遅れかな。泣いて笑って社会をちょっと風刺していて1級の娯楽作品となっています。
18、
「チームバチスタの栄光」 中村義洋 日 ○
“このミス(このミステリーがおもしろい)大賞”受賞作で、現職医師が書いて100万部以上売れたという小説の映画化です。99%以上が病院内のシーンということもあり完全無煙映画です。本当に病院内が禁煙でよかったですね。
心臓バチスタ手術で続けて3人の死者が出ます。原因調査を頼まれた愚痴内科(正確には不定愁訴内科)の医師(竹内結子 キネマ旬報07最優秀主演女優賞受賞)と殺人ではないかと実態調査に入った厚労相の役人(阿部寛)とで真相究明が始まります。容疑者7人(手術を担当したスタッフ)の個性が笑えますが、それ以上に竹内と阿部のコンビが笑わせます。人が死ぬ話なので声を出して笑えませんけど。意外な展開がいくつかあり、見ている間は十分楽しめます。娯楽作品としてはよくできている方でしょう。
19、
「L エル chang the world 」 中田秀夫 日 ○ ☆☆
バイオテロをたくらむグループに狙われた少女(ウイルスを抑えるワクチンを体内に持つ)にエルがからんで・・・といった展開です。「デスノート」とは雰囲気はかなり変わったが松山ケンイチ扮するエルは健在です。タバコは正確には前作「デスノート」のフィルムがちょっと流れその中でちらりと写ります。ですけど、個人的にエルが好きなのでおまけの○です。タバコ会社のPPはないです甘いものをいつも食べているので砂糖やお菓子の会社からは資金が出ているかもしれませんね。
人の多様性(エルは頭脳は明晰で事件を推理し解決させる能力はあるが、日常的な常識に欠け電車のつり革にぶら下がったりする。)を肯定しているのは共感できます。子役のふたりもよくやっています。ヒット映画のパクリとも思えるシーンが多々ありますがそれなりにおもしろくしているといえるでしょう。難はテロリストのメンバーに迫力がないこと。うっとりするような悪役がいてこそヒーローはより映えるのです。次回に期待しましょう。
20、
「ぜんぶ、フィデルのせい」 ジュリー=ガヴラス 仏 ×× ☆☆
1970年舞台はフランス、南米のチリでアジェンデが政権をとる前後の話です。恵まれた両親の下でカトリックのお嬢様学校に通っていたアンナでしたが、スペインでのフランコの独裁下おじさんが死んだことなどをきっかけに両親はキョウサンシュギシャとなり、住む家は部屋数が少なくなり、そして人がいつも出入りしミッキーもとりあげられアンナの不満はふくらんでいきます。
出入りする”革命家”たちが子どもの前でもたびたび喫煙します。独裁だけが人権蹂躙ではなく人前での喫煙も人権蹂躙ですよ”革命家”さん。確かに1970年にはみんな平気で喫煙していましたけど、だからといってそこまでリアリティを求めなくても映画は成り立つのではないでしょうか。時代的にどうしてもタバコが必要なときは「まねをしないでください。」というテロップをいれてほしいですね。
映画としては9歳のアンナがブルジョワ的生活と革命家的生活(人種や性別で差別のない平等な生活)のなかで不満を感じながらも本当にたいせつなものはなにかを自分で考えていく姿が魅力的に描かれています。まただまって順応する5歳ぐらいの弟もことばは幼いがけっこう本質をつかんでいてかわいいです。ちなみにフィデルというのはキューバの革命家フィデル=カストロのことです。
21、
「胡同フートンの理髪師」 ハスチョロー 中 ×
92歳の現役理髪師の日常を描いています。北京五輪に浮かれる都市の片隅で、淡々とした中にも高齢者と家族の問題や立ち退きなどさまざまな出来事がおこり、時にはユーモラスにそれをやりすごしていきます。つつましいながらも仕事もちゃんとして仲間とマージャンを楽しみ、情けない息子に小遣いもあげ、自分の葬式用の遺影も撮り最後に着る人民服も新調します。高齢者の鑑のような人ですが、長生きしているのにタバコを吸うのは困ったものです。毎晩寝る前にはずし、コップの中に入れる入れ歯がヤニできたなくなっています。タバコさえ吸わなければパーフェクトな人生になるのですが残念です。
22、
「北辰斜にさすところ」 神山征二郎 日 ×
”バンカラ”そのものの旧制高等学校の生徒と彼らの現在を描いています。昔の寮のシーンで仲間が集まったときに1,2名が喫煙するシーンがあります。現在のシーンでは全くタバコは出てきません。鹿児島(旧制7校)と熊本(旧制5校)の旧制高校対抗野球大会を通して戦争の陰を普通の人々の中に見い出していきます。身近な人や仲間を戦争で失った悲しみを持っている人が生きている限り戦後は終わっていないのだということを訴えています。
三国連太郎をはじめ80歳前後のオールドスター大集合という感じですが年に一度くらいはまあいいでしょう。タイトルは寮歌の出だしから取っています。北辰とは北極星(又は北斗七星)のことです。
23、
「いつか眠りにつく前に」 ラホス=コルタイ 米 ×× ☆
人生の最後を迎えた母親がうわごとで言う40年前の恋の話に娘ふたりが戸惑いながらも知らなかった母の人生を考えると共に自分自身の人生ももう一度前へ向かって歩いていこうと励まされる、癒し系女性ドラマです。
1950年のシーンでは女性を含め3〜4割の吸っているという喫煙率の高さです。(両きりタバコを使い、時代考証はしているらしいが)確かに時代的にはそうだったかもしれないがタバコを使わなくても、髪形やファッション、音楽、車などで十分表現できる、と思います。10年後くらいにクラブ歌手の母がレッスンをするシーンでは幼い子どもをひざに抱いてピアノ弾きがモクモクです。子役がかわいそう。現在のシーンでは無煙でした。
若いころと40年後と役者がよく似てるし、母親(メリル=ストリープ)と長女もよく似てると思ったら本当の母子でした。これはちょっとした見どころでしょう。
24、
「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」 ザック=ヘルム 米 ○
題名だけでもワクワクしますがオープニングタイトルもとっても夢があっておしゃれです。CGや小さなロボットなどを駆使して魔法のおもちゃ屋を再現しています。おもちゃ屋が舞台ですからここは全くの無煙。(当たり前かな。)絵がいつのまにか本物になっていたり、すわっていた椅子が立ち上がると絵になっていたり、だまし絵のようなトリックも満載です。おもちゃ屋にくる子どもたちもさまざまな人種の子どもたちです。主役のナタリー=ポートマン(あの「レオン」のマチルダ役)扮するモリーが自分を信じて一歩踏み出すシーンではモノクロだったおもちゃ達が光り輝いていく演出はお見事です。感動して不覚にも涙を流してしまいました。
25、
「エリザベス ゴールデンエイジ」 シェカール=カブール 英 ×
前作「エリザベス」の続編です。1585年 新大陸からもどった航海長が女王に貢いだものは、原住民(今で言うネイティブアメリカン、当時はまだ名もない新大陸)数名、ジャガイモ、そして・・・タバコの葉。自室にもどって女王が侍女とパイプでタバコを吸います。煙もちゃんと(?)鼻から出したりします。時代の証言をする物としては葉タバコを見せるだけで十分でしょう。吸わせるならせめてここで「悪魔の味がする。」とか「悪魔の企みのにおいね」くらい言わせたかったですね。
2年後スペインの無敵艦隊が英国内の女王暗殺計画に乗じて攻めてくるが・・・女王としての不安や迷いを乗り越え、自分の気持ちも押さえ込んで国民のために立ち上がるエリザベスに圧倒されます。ケイト=ブランシェットだからできた「エリザベス」といえるでしょう。結果は嵐のおかげもあってスペインは全滅。イングランドは平和な時代を迎えたそうです。
26、
「人のセックスを笑うな」 井口奈己 日 ××
PPあり セブンスター
主役の男女が出会う場がキャンパス内の”喫煙所”です。 話しかけるきっかけが「火を貸して・・・」、渡したライターは赤いハート型。なんという陳腐さでしょう!30年前の発想か?男子学生の気を引こうとする女講師は”校内禁煙”の張り紙の前でも平気で歩きタバコをします。セブンスターをちゃんと画面正面に見えるように持ったり置いたりします。これぞPPって感じです。ところが相手にされず片思いの蒼井優扮する女子学生はタバコの煙を「毒ガス」「臭い」など反タバコの台詞もあります。つまりタバコの害は知ってるけどお金は出してもらおう、というタバコに対する監督の中途半端な姿勢があり、それと同様映画そのものも中途半端な作品に仕上がっています。
07年の助演女優賞受賞者である永坂博美はこの作品でタバコを吸わされすぎて俳優人生が縮まってしまったのはまちがいないですね。また、ラストでふられた男が赤いハートのライターでしみじみするっていうのもなんだか古臭いです。おもしろかったのはタイトルと、松山ケンイチとあがた森魚が信玄餅を作法通りに食べるシーンくらいです。
27、
「ガチ☆ボーイ」 小泉徳宏 日 ○
事故の後遺症できのうのことも忘れてしまうという記憶障害を持った主人公が学生プロレスの仲間にはいり・・・という話です。メンバーが個性的で台詞もおもしろい。笑わせながらも現実の厳しさが伝わってきます。「記憶がないのは生きていないのと同じ」という主人公に対し「見ている人の記憶に残ればいいじゃないか、自分を信じろ。」というキャプテンの言葉はちょっと甘いけど若さがあって好感が持てます。同じダジャレで毎回笑う姿や恋の告白を何度もしてしまう姿に障害の複雑さを観客に伝える演出は泣けてきます。優秀な弁護士になるはずだった息子の障害を受け入れることに苦しみながらも理解していく父親を泉谷しげるが好演しています。無煙映画です。
28、
「リアル鬼ごっこ」 柴田一成 日 ○
PPあり
無煙(煙は出ない)だがセブンスターのパッケージがしっかり写る、という微妙な無煙映画です。お金はもらうけど煙害は出しません、ということでしょうか? またタバコを吸おうとしたところで事件が起きて火はつけないというシーンもあります。煙害を出さないのはいいけどタバコ会社からの資金をもらうのやめたいですね。
内容は現実の世界と並行して別の世界があり、そこでは独裁体制で王様と同じ名前の佐藤さんが鬼につかまると収容所にいれられてしまいます。ひょんなことから両方の世界を移動できるようになった少年が王様と戦うという話です。王様がスターウォーズまがいの仮面や衣装をつけていたり、またセットやCGなど全体的に安っぽいです。
29、
「トゥヤーの結婚」 ワンチュアンアン 中 ××
中国の内モンゴル自治区が舞台です。事故で歩けなくなった夫をかかえながら草原の中で羊を放牧し生活を立てている主人公トゥヤー。離婚して再婚をすすめる周りの人々と、その夫付きの再婚を願うトゥヤーの葛藤を描きます。子どもの前や結婚式などでも平気で喫煙場面が登場します。一応主役級は吸いませんが周囲の脇役の喫煙シーン多いです。水場まで何キロもあるような荒野の中で生きていくにはタバコや酒は必需品なのでしょうか。貧しい人ほど酒とタバコがでてくるのはどうしてでしょうか。中国にも広がっている格差社会の一面がよくわかる映画です。
30、
「4ヶ月、3週と2日」 クリスティン=ムンジウ ルーマニア ×××
PPあり ケント マルボロ ☆
1987年、チャウシェスク独裁政権下のルーマニアで非合法の中絶手術を闇でしようとするルームメイトを助けるために奔走する主人公の一日を描いています。アメリカタバコは闇で流通し賄賂などに効果的に出てきます。ルーマニアではマルボロよりケントの方が人気があったようです。警官など権力者はどこででもタバコを吸い、主人公たちも喫煙します。「親の前では吸わないものだ」といった台詞もありますが古臭い印象を与えるために用いたといったところでしょうか。
自由がなかったり貧しかったりするとニコチン依存になるのでしょうか。それとも権力者はタバコでだましているのでしょうか。喫煙シーンは多いのは残念ですが、作品としては主人公の「自分がやらなきゃ」という気持ちが観客にもひしひしと伝わりサスペンス映画のようにはらはらさせられます。男のアホらしさ、女のたくましさ、独裁政権のばからしさがよく出ています。ちなみにこの2年後に独裁政権は崩壊します。カンヌ映画祭では3年続けてルーマニアの作品が受賞するほどの映画大国になったそうです。
31、
「地上5センチの恋心」 エリック=エマニュエル・シュミット 仏ベルギー ×
主な登場人物中変わり者のひとりだけがトイレで喫煙します。女手ひとつで二人の子どもを育てた母親が大好きな作家に出したファンレターが落ち込んでいた作家を勇気づけ生へと向かわせるという内容です。息子はゲイで男の恋人を持ち、娘には無職で変わり者の喫煙男がいて、そしてそれぞれを自分の部屋に同居させます。母親は売り子と内職の二つの仕事をして・・・と、これだけ読むと悲惨な人生に思えますが好きな作家の本と好きな音楽があれば幸せに暮らせるよという「足るを知る」ベルギー版といったところです。
32、
「クロサギ」 石井康晴 日 ××
クロサギというのは「詐欺師のみをだます詐欺師」のことだったのに、お金を払って観に来た観客をだましたな、という程度の内容です。テレビドラマの人気にあやかっての映画化と思いますが、映画だからとあれもこれも欲張りすぎ大掛かりなロケなどもしているのに中身が空回りしてしまっています。テレビだけにしておけばよかったのに。
テレビ版同様詐欺師のドン山崎務がたびたび茶色のシガレットを吸います。シロサギ役の竹中直人もいつも喫煙します。また、昔プレゼントした思い出のライターを捨てることで過去に決別するというシーンもありますがこれも古臭く陳腐です。タバコの銘柄はわかりませんでしたが、このライターは見る人が見ればどこのブランドかわかるものでした。これはライターのPPかな。
また、パソコンメーカーの特別協賛を受けているのでやたらにパソコンが現れるし、そのほかにもあっちにもこっちにもPPばっかりで、映画を観ているのかコマーシャルを見せられているのかわからない映画でした。
33、
「ノーカントリー」 コーエン兄弟 米 △
1980年ごろのメキシコ国境に近い南部アメリカが舞台です。非情で冷酷な殺人鬼にひょんなことから追われることになった男と殺人鬼を追う老保安官の三つ巴の追いかけ劇です。ベトナム戦争の陰をひきずる人々の姿や不条理なできごとが増えていく荒んだ社会を憂える保安官の寂寥感をトミー=リー=ジョーンズがしみじみと好演しています。しかし、血がドバドバと飛び散るR15の映画です。
タバコは追われている男に声をかける娼婦が1シーンだけですが出てきます。時代を考えれば少ないとも言えるでしょう。
34、
「実録 連合赤軍 あさま山荘への道程」 若松孝二 日 ××
PP ☆
70年安保の頃から1972年のあさま山荘事件までを実写のフィルムをまじえながらドラマ化したものです。当時を知るものにも知らない人にも仲間を粛清する場面など息を呑むような緊張感で3時間が間延びせず過ぎていきます。見るのがつらい場面のある映画ですが残さなければいけない内容でもあるでしょう。
活動家は喫煙者、というステレオタイプな喫煙場面が多いです。”実録”なのでしかたがないかもしれないが・・・。PPとしてはハイライトが映し出される場面が確認できました。これもその時代には好まれていたのでしょうか。
35、
「1948年パレスチナ ナクバ」 広河隆一 日 × ☆
インタビューの場面が多い内容ですがインタビューを受ける人が数名喫煙しながら登場します。ナクバとはパレスチナのことばで”大惨事”のことです。ナチスの迫害を受けたユダヤ人がなんでパレスチナ人を迫害するのか理解できません。しかし、イスラエル人にも占領はよくないと思っている人がいるということを知れたのはよかったんですが・・・。ところで元凶のイギリスの二枚舌外交の責任については触れていなかったが、もとはといえばあの大国が悪いんじゃないのかな。
映画の出来としてはちょっと長すぎてなかだるみしてしまったのは否めませんが、この映画を公開できたことに対して敬意を表し☆ひとつ付けました。上映してくれたユーロスペースさまありがとう。
36、
「ブラブラバンバン」 草野陽花 日 ○ ☆
たった9人のメンバーでブラスバンドの全国大会出場をめざす(?)といったなかなか面白い内容です。その上バンドを指揮をする先輩は音楽にのってくると我を忘れて近くにいる男の子を襲ってしまうという奇妙な人格の設定になっています。その主役のセクシー高校生役がちょっと高校生には見えないけど、若手の役者がたくさん出てくるのではつらつとした青春映画に仕上がっています。9人はそれぞれ個性的でよかったですね。
タバコは全く出なかったのはいいのですが、教師が生徒に体罰を与えるシーンが1回だけありとても残念でした。このところ重いテーマの作品が続いたのでこの映画の音楽に癒された感じです。
37、
「うた魂♪」 田中誠 日 ○! ☆☆☆
「ブラブラバンバン」がブラバンならこちらは合唱にかける高校生の姿を前半はコミカルに、しかし後半は魂に訴える(ちょっとオーバーかな)笑えて感動して何かに一生懸命になることの美しさを表現しています。若者にみてほしい秀作です。主役の夏帆ちゃんもいいけどそれ以上に薬師丸ひろ子がいいですね。助演女優賞候補です。
タバコに関しては合唱発表会の会場入口付近でタバコを吸おうとした高校生に、これまた高校生で学ランを着たこわもて風男性合唱団のリーダー(ガレッジセールのゴリ)が「タバコは二十歳になってからや!」「肺がんになるぞ!!」と注意するシーンがありました。しかしこの場面ではタバコは直接は写っていませんでした。したがって、無煙映画プラス防煙映画でもあると言えるでしょう。感動的な名曲が聴けるのもいいですね。
38、
「フィクサー」 トニー=ギルロイ 米 △ ☆
時間の流れが前後するため初めのうちは人間関係がわかりにくいが、次第に物語の展開が明らかになっていくという脚本はよく練られていて飽きさせません。農薬被害の訴訟を裏で細工をして有利に運ぼうとする企業に対し、フィクサー(もみ消し屋)の弁護士が取った行動は・・・。スリリングが展開が見物です。
タバコの訴訟などでもこういうことはやられているのだろうと想像できます。社会派の作品といえるでしょう。企業の一線で活躍するキャリアウーマンの表と、その裏側の苦悩に満ちた人間的な表情など細かいところも丁寧に描かれています。やっかいな存在でもあった家族に最終的には助けられるストーリーも好感が持てます。ただ、個人的には主役のジョージ=クルーニーって顔がくどいからタイプではないんだけど。
タバコはポーカー賭博のシーンでメンバーの一人が喫煙するだけです。そのほかは無煙でした。
39、
「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」 塚本遼平 日 × ☆
1979年(昭和54年)の栃木県の小さい町が舞台です。赴任してきた駐在さん相手に高校生のグループがあれこれいたずらをしかけるという話です。当時の世相を反映した小道具や音楽が映画を盛り上げています。36、37は音楽にかける高校生だが、こちらはいたずらにかける高校生でその分感動はあまりませんが笑えるシーンはもりだくさんです。久しぶりに腹を抱えて笑ってしまいました。
タバコのシーンは駐在さんがスピード違反の取締り中に一服しちゃいます。インベーダーゲームをする喫茶店で客が3人喫煙したりもします。また、高校生をだますために「ちょっとタバコを取ってくる」といってパトカーに戻り、高校生を置き去りにする駐在さんの台詞があります。その駐在さん役を佐々木蔵の輔が好演しています。どうしてタバコを吸うシーンが必要だったのでしょうか、監督さん。
40、
「パラノイドパーク」 ガス・ヴァン=サント 米仏 △
ちょっとした成り行きで犯してしまった殺人という罪を胸の中に隠し生きていこうとする少年の姿をじっくりと描いています。罪を犯す前の自分にはもどりたくてももどれない。そしてもしかしたらつかまるかもしれないという恐れとの複雑な心理状態を日常の生活を追いながら丁寧にカメラは映し出しています。結末は観た人それぞれが考えるという、ハリウッドの勧善懲悪物語とはちがって奥があります。カンヌ映画祭で特別賞受賞。
タバコはほとんどでないのだが、殺人を犯すきっかけになる悪い遊びに誘う男が1回だけ喫煙します。
41、
「ふるさとをください」 富永賢治 日 ○
精神病治癒者の社会復帰の問題をきれいごとでなく正面から捉えた作品です。モデルとなった和歌山の人々の真摯な気持ちが脚本に反映されています。「精神病患者が危険だというなら、車も飛行機も危険だからなくせ。」という台詞には説得力あります。無名の俳優が好演していて無煙のさわやかな作品に仕上がっています。しかし上映館の「ポレポレ東中野」はさわやかとは程遠いいまどき珍しいタバコ臭い映画館です。会場へ入る階段の途中に 喫煙所がありタバコの煙は映画館内まで漂ってしまいます。久しぶりにイエローカードを使ってしまいました。
42、
「船、山にのぼる」 本田孝義 日 ×
広島県北東部の旧灰塚地域がダムで沈んでしまうことになり、そこにあるものを出来るだけ残そうという住民たちの姿を1994年から2004年にわたって描いたドキュメンタリー映画です。ダムに賛成はできないがそれはとりあえず置いといて、沈んでしまう森の木(1500本)で大きな船を作り満水になるときにその船を山の上に乗せるというプロジェクトには参加したものだけが語れる物語が誕生します。また感動的だったのは村一番の古い大木を移植する場面で、住民やその村の出身者が集まってみんなでトレーラーに乗せた大木を、つまりそれは村の神様を引いていくということを意味し、諏訪の御柱祭を彷彿とさせる新しい神話の始まりのようなものだったところです。
タバコは住民のじいさまたちが打ち合わせの場面で何回か吸っているのがばっちりと写っていました。
43、
「あの空をおぼえてる」 富樫森 日 ○ ☆☆ 無煙映画賞候補
幸せな一家を突然襲った交通事故。妹が死に兄は心肺停止になりながらもなんとか蘇生します。しかし、かわいかった娘を亡くした両親の傷は深く、元気になった少年は自分が死んだ方が良かったのではないかと苦しみます。2人の子どもに囲まれた幸せな父親と、娘を亡くした後の立ち直れない父親を竹野内豊が好演しています。それ以上に子役のふたりがいいですね。特に息子役の広田亮平は妹を亡くした悲しみと両親の苦しむ姿に戸惑う気持ちと、父親が事故直後に言った一言のつらさに耐える複雑な役どころを見事に演じています。
また、脇をかためる小池栄子、小日向文世もいい。音楽も映像もよく、すべてがそろって名画は誕生する。
これは全く無煙のおススメ映画のひとつです。泣けてくる映画です。
44、
「ビルマ、パゴダの影で」 アイリーヌ=マーティー スイス ×
自由な取材ができない軍事政権化のビルマへ観光ビデオの撮影といって国境地帯まで潜入していきます。軍事政権の兵士に追われてジャングルの中で生きる少数民族の人々の姿を描くドキュメンタリー映画です。
タバコは反軍事政権の兵士などがビルマ風の葉巻のようなタバコを吸うシーンが何回か出てきます。
上映館のアップリンク(ビデオシアターといった感の小さい映画館)は他では上映しないような作品も上映してくれるのは評価できるのですが、ちょっとタバコ臭いのが難です。(1階のカフェがあり、狭い建物なのでそこから煙が流れてきます。)
45、
「最高の人生のみつけ方」 ロブ=ライナー 米 ×ですが!
自動車整備工役のモーガン=フリーマンが冒頭の仕事場でくわえタバコをするシーンが2〜3分意識的に出てきます。。しかしそこに一本の電話が入り彼の顔色が変わり吸っていたタバコを落します。そして、次のシーンは病院のベッドの中へと大きく展開します。年齢は66歳。余命は6ヶ月。こういうタバコの使い方は
”逆PP”とでも表現しましょうか。
隣のベッドのジャック=ニコルソンは大金持ちですが同じく余命6ヶ月の命と診断されています。二人で”棺おけリスト(原題)”を作り、生きているうちにやりたかったことを実行しようと考えます。
人間はいつでも生きていることを大切にしないとね。限りある人生なんだから。タバコを吸って寿命を短くしてしまうなんてもってのほかですね!その意味では冒頭のタバコのシーンは象徴的です。
46、
「大いなる陰謀」 ロバート=レッドフォード 米 ○ ☆
アメリカ国民のイラク戦争ばなれに対してアフガンで作戦を展開し、それをメディア(記者役メリル=ストリープ)を利用して国民の支持を取り戻そうとする共和党のやり手議員(トム=クルーズ)の陰謀が背景にあります。将来性豊かな学生が学資のローンや「今何ができるのか」考えたあげく志願して軍隊にはいってしまう。彼らがやり残したことを一見ちゃらんぽらんに見える学生に託そうとする教授(レッドフォード)も登場します。
格差社会が日本より大きいアメリカの現実(黒人やヒスパニック系の学生は這い上がるためには学歴をつけなければならず、そのために金利の高い学資ローンを借り、その返済のために志願兵になるという構図。)とアフガン・イラク戦争の無意味さ、また国民に正確な情報を流さずおバカ番組で国民を愚弄しているマスメディアを描いています。アメリカの良心的な作品です。経済的に恵まれてちゃらちゃら生きていた学生が最後に変わるその一瞬の表情の変化は「助演男優賞」をあげてもいいでしょう。
秀作だがアメリカの実態の予備知識が多少ないとわけわかんないものになってしまうかも。無煙映画です。
47、
「隠し砦の三悪人」 樋口真嗣 日 ○ ☆
時は戦国。国境を接する三国のうち悪の山名が黄金を持つ豊かな秋月を攻め滅ぼします。秋月の姫を同盟国の早川へ逃がすために戦う3人の物語です。悪役の椎名桔平が好演しています。50年前の黒沢監督のオリジナル作品をヒントに「スターウォーズ」が作られたとかで椎名の衣装はどう見てもダース・ベイダーの逆輸入って感じでしたが似合ってました。
「民の上に立つものは民の心をつかまなければならない。搾取していてはだめよ。」というメッセージをスリルとスピードで観客を鷲掴みにしてはなさない展開です。50年前の脚本とは思えないほど今日的なテーマであり、日本の政治は50年間何もやっていないのではないかというむなしさが観終わった後ありました。
鉄砲や大砲や危険なガスは出ていましたがタバコは無し。無煙映画です。
48、
「ミスト」 フランク=ダナボン 米 ×!
PP
メイン州全域が不気味な霧に覆われその中に入ると正体不明の生物に捕まえられてしまうという怖い話です。スーパーマーケットから出られなくなった人々は時間が経つとともに恐怖と絶望で理性や人間性を失っていきます。宗教論争が始まったり人種差別が露呈したりと異常な雰囲気の中、主人公は脱出を試みるのですが・・・。衝撃のラストは賛否が分かれるところで私は納得できません。
ダナボン監督の前作「ショーシャンクの空に」のような爽快感が全くなく暗澹たる気持ちが残ります。ただ、本作は「アメリカ軍が国家機密で怪しい研究をしていたため、こういう人災が起きますよ」という警告には強く賛同します。日本も原発は止めないとこんな事態になるかもしれませんね。
タバコはスーパー内で恐怖の中で過ごしているとき軍人の一人が隅のほうで1回だけ吸うシーンがあります。また、スーパーの内部の壁に並んだマルボロなどが数秒だがしっかりと映っています。
49、
「銀幕版 スシ王子」 堤幸彦 日 ××
ニューヨークへ琉球空手とスシ修行に行った主人公を迎えたのはマフィアと組むライバル職人です。伝統のスシを握る師匠を守るために闘うという展開ですが・・・。
マフィアが経営するスシディスコはタバコの煙がモウモウだし、師匠の弟子の一人は喫煙者です。タバコを持った手でスシを握るなんてとんでもないですね。ということで××です。
堤監督はいま最も忙しい監督らしいのですが、少し仕事のしすぎなのではないでしょうか。「人間充電もしないと才能が枯渇しますよ」と言ってあげたいです。
50、
「パークアンドラブホテル」 熊坂出 日 ×
PP
新宿の裏道にある古いラブホテルの屋上は公園になっていて、女性経営者(りりい)がひとりで管理運営しています。そこへ訪れるちょっといわくありげな女性たちと主人公とのやりとりを通して、生きることにエールを送る地味だが心温まる作品です。
タバコは1回ですが、満たされない結婚生活を送る妻が入浴中に通販のカタログを見ながらゆっくりと喫煙します。銘柄はわからないのですがアップでじっくりとタバコを映したので
PPとしました。”ぴあフィルムフェスティバルスカラシップ”作品なので「ぴあ」からの補助金が出ていると思われます。ちなみに「ぴあ」にはタバコの広告が多いですね。ですからこれも意図的に入れたのかもしれません。
51、
「モンテ−ニュ通りのカフェ」 ダニエル=トンプソン 仏 ×
PP
パリでもっともお金持ちが集まる地区にある小さなカフェで働くことになったヒロインを中心にして、そこに来る名女優、ピアニスト、美術収集家などそれぞれの人間模様を暖かく描いています。原題は「オーケストラシート」、意味は「良い席を取ろうと必死に最前列の席を取るが近すぎると何も見えない」という含蓄のあるタイトルなのです。アメリカ映画と違って暴力や恐怖がなく、フランス映画はやさしいのがいいですね。
ただ、タバコは美術収集家の若い愛人がホテルのロビー内にあるカフェで一服します。パッケージがちらっと映るので見る人が見れば銘柄はわかるはずなので
PPです。小さなカフェの屋内のテーブルには灰皿がまだ置いてあるのですがここではタバコは登場しませんでした。ちなみにフランスは2008年1月からカフェ内は禁煙になっています。これは2007年の作品です。
52、
「譜めくりの女」 ドゥニ=デルクール 仏 ○
子どものころピアノの試験で無礼な態度をとった試験官に対して10年後に復讐をする女性を描いています。復讐といっても暴力や殺人はありません。しかし人間性や家庭を崩壊させるという血を見るものより実はもっと深い恐怖でもあるのです。カトリーヌ=ソロと新鋭のデボラ=フランソワ(「ある子供」)女優ふたりが好演しています。
無煙映画です。カフェのシーンでも灰皿はありませんでした。
53、
「光州5・18」 キム=ジフン 韓国 ×
1980年韓国光州市で起きた実話です。韓国空挺部隊による市民に対する大虐殺を描いています。前半部は普通に幸せな市民生活を送る場面をたんたんと描いています。そして後半の虐殺が始まるシーンへと移り、その対比が悲劇を一層観客に強く伝える効果となっています。軍隊は必ずその銃口を市民に向けるということ、これは世界の歴史が示している通りでしょう。また、県庁の地下に武器があるっていうのは尋常ではないですね。武器で国を治めるのではなく、9条を世界に広げたいという思いにかられました。
タバコは主役級は吸いませんが周囲では普通に吸っている人々が映っています。
54、
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 ポール=トーマス=アンダーソン 米 ××
20世紀初頭のカリフォルニアで、石油の採掘をめぐって手段を選ず金儲けに邁進する主人公の半生を描いています。どろどろとした石油を描くことでもっとどろどろとした人間性を描いているのは見事です。石油が人を狂わせるのはこの時代から始まったようで、それは今のイラク戦争やスーダンの紛争に通じているのですね。石油は人を幸せにしたのだろうかという深い問いかけがあるような気がします。
タバコはたびたび登場します。両切りタバコをポンポンと叩いて使うしぐさも見られました。
55、
「コマンダンテ」 オリバー=ストーン 米 ×
オリバー=ストーン監督がキューバのフィデル=カストロを30時間に渡ってインタビューしたドキュメンタリー。カストロもゲバラも若いころのフィルムでは葉巻がトレードマークのようだったが、2003年の当時はタバコをやめていてキャンディを愛用しています。カストロは禁煙したおかげで長生きできているのでしょう。
経済力だけがもてはやされ、気づいたら環境破壊しか残っていない日本などと比較すると、アメリカの経済封鎖にもめげず国民の本当の幸福を考えているキューバは興味のある国です。ますます行ってみたくなりました。
56、
「相棒 劇場版」 和泉聖治 日 ×
PPはホープ ☆
テンポもよくスピード間のある展開に引き込まれます。音楽も効果あり。テレビ朝日開局50周年記念作品で娯楽作品ながら数年前の邦人人質事件でのマスメディアなどによる被害者家族へのバッシングを自己批判した社会的な内容になっています。是非現在の閣僚たちにも見て欲しいものです。
タバコは法務大臣役の津川雅彦だけが数回喫煙します。ホープを吸っていることがわかります。いつも吸っている木村桂乃が無煙でいい役どころを好演しています。ちなみに監督の和泉さんは最近の映画界では珍しいチェーンスモーカーだそうです。
57、
「山桜」 篠原哲雄 日 △ ☆
藤沢周平原作の時代劇。タバコは街中の場面で店番の男がキセルを吸う1回のみです。正義を静かに貫く侍を東山紀之が凛と演じています。田中麗奈も幸薄いながらも芯の強い女性を一生懸命演じていました。藤沢ものが多いのでつい比較してしまうのですが、「武士の一分」のケムタク(木村拓也)より同じジャニーズ事務所の先輩の東山の方がりりしさと殺陣のうまさで勝っているでしょう。田中は「たそがれ清兵衛」の宮沢りえにはかなわないかな。時代考証がよくできていました。特に餓死をしそうな百姓のぼろぼろの着物とか生活用品、なかでも竹製の洗濯ばさみははじめてみたものでした。また干し大根の細さもよかったです。細かいところにもきちんと目が行き届いている映画を観ると素直によりそえますね。
58、
「休暇」 門井肇 日 ×××! ☆ 新宿オスカーは昭和30年代にタイムスリップしたかのような古い映画館で不完全分煙でした。奥に喫煙コーナーがあります。
死刑囚と刑務官の話です。死刑執行を担当すれば1週間の休暇が与えられるという条件に、40を過ぎて子持ちの女性と結婚が決まった刑務官は親子3人での新婚旅行のために自ら名乗り出ます。執行後の結婚式では他の招待客が盛り上がる中、死刑の執行にかかわった職員だけは食事も取れないほど憔悴しています。死刑は刑務官にとってもとても重い行為で仕事とはいえ気の毒な仕事です。どんな方法であれ死刑は野蛮な刑です。現在の鳩山法務大臣は次々と死刑を執行していますがおそろしさを感じます。死刑になるような事件が起きないような社会にする責務が政治家にはあるのではないのでしょうか。
ところで、映画の内容はすばらしかったのですがタバコのシーンが多すぎです。刑務官の休憩場所でほとんどの職員が喫煙します。「結婚を機会に禁煙しろよ。」「酒はへらしてるんですけどね・・・」「言われて止められるならとっくにやめてるか」とか言っていた大杉漣がそれまで吸っていなかったのに、執行の担当になるとタバコを吸ってしまい若い職員に「あれ?タバコ・・・」と言われたりします。死刑執行の直前にはテーブルの上に灰皿があり「タバコは?」と死刑囚に差し出します。この死刑囚は吸いませんでした。ちなみに酒は用意されていません。刑務官役の小林薫はたびたび吸っていて顔色も悪くやせた感じでした。役者も仕事とはいえ気の毒ですね。
59、
「ザ・マジックアワー」 三谷幸喜 日 ××
PPは葉巻
三谷監督はこのところタバコ擁護派番付上位に躍進しそうに葉巻の宣伝をしています。特に西田敏行さんは心臓発作を起こしているのにくわえているだけという演出ですが、それにしても副流煙の健康被害を受けますよ。渡辺さんの禁煙派番付前頭12枚目から十両落ちかな。深津絵里さんもちょっと多すぎでした。そろそろお肌が気になるお年頃なのでは・・・タバコは厳禁ですよ。戸田恵子さんも声が商売道具でしょ。タバコは厳禁なはずです。副流煙も多い撮影現場ではなかったでしょか。なお、市川昆監督が登場しますがタバコではなくパイポをくわえていました。
内容的にはよくよく練られた脚本で笑わせてくれます。「ラヂオの時間」同様映画作りにかかわるスタッフを描き本当に映画好きにはおもしろいセットがたびたび登場します。そして地味な役者がみなさん好演しています。そんな映画の楽しさを描いているだけに、映画は是非とも無煙にしていつまでも元気に映画製作に携わってほしいものです。
60、
「秘密結社鷹の爪 私の愛した黒烏龍茶」 蛙男商会 日 △
蛙男商会がひとりで監督、脚本、原画、声をしている独特のおもしろさのあるアニメです。TOHOシネマズのマナー広告を担当している鷹の爪の劇場版。映画の内容はおバカギャグ連発の中に社会風刺をたくみに刷り込み知的な笑いも取れるように構成しています。特に本作でははじめに「プロダクトプレイスメント(PP)とは・・・」という説明があり、スクリーンにスポンサーの商品が映ると右端にあるバジェットゲージが上り観客が「今のがPPなのね。」と理解できる、画期的なシステムを導入しています。ギャグ(ギャングではないですよ。)映画なのにウルッときたのは私だけでしょうか・・・
タバコは「武士の一分」を紹介する絵の中にほんの一瞬ですが煙のあがったタバコがかかれていました。残念。ちなみに「武士の一分」ではケムタクは無煙でしたよ。蛙男さん。
61、
「アフタースクール」 内田けんじ 日 ××× ☆☆☆
待ってました内田監督!前作「運命じゃない人」でたくさんの賞を受賞した監督の作品です。期待を裏切らな脚本と演技のうまい役者をそろえ、前作同様大変おもしろかったです。どんでん返しというのではなく観客も完全にはめられてしまいますが観終わった後は爽快になりなす。娯楽映画だけど社会的問題にも触れていたりりしてとてもよくできています。エンディングが始まると席を立つ観客がよくいるけどそういう人は本当のラストを見逃しますよ。くれぐれも場内が明るくなるまで帰らないようにね。
と、内容的にはべたほめなんですがタバコはひどいです。妊婦の前でタバコを吸おうとしたり(この場合は「ベランダで吸って」とたしなめられます)、警察官の幹部(山本圭)が仕事中レストランの厨房内で喫煙します。少なくとも神奈川県では条例違反です。またギャング=葉巻(親分=伊武雅刀が葉巻をたびたび吸います)というのはいいかげんにして!といいたいですね。また、主役3人の中で堺雅人だけが喫煙します。というわけで☆も多いけど×も多い作品です。タバコを吸わない人の車を借りた堺雅人が車内で吸ったため、匂いが残っていて「車の中でタバコ吸っただろ」と注意されると、「もう吸わない」というタバコ関連の台詞もありました。車内は当然禁煙ですね。
62、
「築地魚河岸三代目」 松原信吾 日 ××
リストラ担当になったサラリーマンが本当の居場所(仕事場)として築地を選びます。いろいろありますが最後はめでたしめでたしという筋書きも予想でき、ドンパチもハダカもない安心して観ていられる人情ものです。人情ものながらも今の労働環境を反映させた社会風刺もあります。いま、「蟹工船」が若者中心に読まれているようですが、最近は娯楽映画も社会を批判したものが多くなってますね。それだけ世の中の閉塞感も強いということなのでしょうか。
タバコは主役級は吸いませんがその他大勢が吸いすぎです。シリーズ化の話もあるようですが、それなら一層スタッフ役者さんを受動喫煙の害から守らないと途中で代役になりますよ、松竹さん。さすがに築地市場内は禁煙でした。張り紙がきちんと写っていました。しかしながら、そこで働く人の休憩所や食堂は喫煙可でした。
63、
「パリ、恋人たちの2日間」 ジュリー=デルビー 仏独 ××
ハネムーンの最後に妻の実家のパリに寄ったフランス語がわからないアメリカ男のカルチャーショックの2日間を描く。
アレルギーであれこれ気にするアメリカ男がどこでもブカブカ喫煙します。相手役のフランス人女性はかつて喫煙していましたが今は吸いません。親子喧嘩の捨てぜりふに「そんなこというとまたタバコを吸うから・・・」という状態です。アメリカ男はパーティーなどでも平気でタバコを吸っています。
ほかのことではアメリカ人とフランス人の価値観の違いを日常のちょっとしたことで明らかにし結構笑えます。ちなみにこのアメリカ人はユダヤ系です。
脚本、監督、音楽、主演をひとりでこなしたジュリーさんはすごい。両親が両親役で共演というのもおもしろい。
64、
「1978,冬」 リーチーシアン 中 ××
30年前の中国北西部が舞台です。文化大革命が終わり中国が変わり始めた年の話です。田舎のセメントや鉄鋼の工場地帯の村に北京からやってきた訳ありの少女に恋する兄とあこがれる弟との微妙な関係を描いています。
兄弟にとってとても怖い母ちゃんがブカブカ喫煙します。父親は医者なのに止めもせずおとなしい人物という設定です。
荒涼とした風景の中に少女の可憐さが一輪の花のように印象的に残ります。若い二人の恋ははかなくも砕けてしまうのが悲しい展開です。
65、
「ぐるりのこと」 橋口亮介 日 ×××× ホープ
妊娠中の妻の前で夫役のリリー= フランキーが喫煙するのは1993年とはいえまずいです。こういうシーンは「絶対にまねをしないでください」と注意書きを出してほしいと思います。ちなみに死産してしまいます。また、夫の職場の関係者役の柄本明が肺気腫になり入院しますが、病院内で喫煙してしまいます。看護士も注意はするが口先だけ。その上退院するやいなや階段を一段とばしで駆け上がるシーンがありますがそんなのできっこないだろう。はかにも喫煙シーンが多すぎますね。
内容的には1993年から10年間法定内スケッチ家の話なので当時のさまざまな事件の裁判シーンを絡ませ並行して夫婦とそれを取り巻く家族の生き様を描いています。
秀作ではあるが前作の「ハッシュ」のように、この映画の撮影後病人がでなければいいのだけれどと願うだけです。
66、
「奇跡のシンフォニー」 カーステン=シュリダン 米 △ ☆
11年間生き別れになっていた子供とロックシンガーの父親、チェリストの母親が音楽という遺伝子を通して再会できるという話です。日本では浪花節になってしまうかもしれませんが、さすがに音楽はすばらしい。また、オープニングの音楽と映像が美しく印象的です。ラストのロビン=ウィリアムスのハーモニカが物語に厚みをもたらせています。さすが「インアメリカ」の監督らしくラストまで感動的でした。
実写の中では喫煙シーンはなかったのですが、残念なことに11年前の古い写真にバンドの仲間がタバコをくわえたものがあり△となりました。
67、
「クライマーズ・ハイ」 原田真人 日 ×× ☆☆
1985年の日航機事故を報道する地元の新聞社の取材を通した社内の駆け引きなどの激動の1週間を描いています。新聞記者といえばタバコという時代でしょうか。編集室では何人かがブカブカよく吸っていましたね。パイポも発売されていたのか数人はパイポをくわえていました。
85年という時代考証はとてもよくできていました。テンポもよく緊張感のある展開で観客もハイになります。時間を感じさせないみごとな演出です。この映画は最後の一言「原因は解明されず再捜査が望まれている。」を伝えるために作られたと思います。船瀬俊介さんの説(撃墜説)もありえるかも・・・。
68、
「西の魔女が死んだ」 長崎俊一 日 ×
原作では西の魔女こと主人公の祖母は娘から禁煙するよういわれていますが隠れて喫煙しているので、期待せずに見に行きました。ところが原作で喫煙しているシーンでタバコが出てこなかったので「もしかして、これは無煙なの?」と思いましたが、残念なことに原作ではタバコなんて出てこないシーンでしっかり喫煙していてがっかりです。それは孫娘といさかいがあった後悩み、ひとり静かに喫煙するという(喫煙する後ろ姿を数秒間写します)陳腐な常套的使い方でした。あいかわらずな表現です。
その喫煙シーン以外は豊かな自然の中での手を抜かない日常生活をひとつひとつを丁寧に描いています。魔女修行の第1段階は「早寝早起き、食事をしっかりとり、よく運動し規則正しい生活をする。」だそうです。そうしないと悪魔がよってくるらしい。でもね、西の魔女さん、タバコはりっぱな悪魔だと思いませんか。ユウ ノウ?
69、
「告発のとき」 ポール=ハギス 米 ×× ☆☆
イラクの戦場から帰った息子が行方不明になり父親が探しはじめると、切り刻まれて焼かれた死体で発見されます。今度は犯人を探し始めるがイラクでの息子は、ドラッグをやっていたり捕虜を虐待したりする今までとは全く異なる真の姿がわかってきます。そして犯人は・・・最後までわからない展開です。
2004年が舞台ですが、父親は息子の真の姿を知ると苦悩のあまりタバコ(他人に「タバコを持っているか」と聞いて)を吸ってしまいます。これも古いですね。なんで精神的に追いつめられるとタバコなのでしょうか。バーなどではタバコはふつうに吸っています。また、タバコ以外にも警察内でのセクハラはばりばりですし、戦場から帰ってきた兵士はみんなPTSDで苦しんでいるようですし、アメリカもよその国の自由のために戦争を仕掛けている暇があったら自分の国をもっと本当の自由の国にしたらどうなのよと考えてしまいます。
70、
「歩いても 歩いても」 是枝裕和 日 × ☆
「誰もしらない」で賞を総なめにした監督の作品です。兄の命日に実家に集まる家族を描いています。元開業医の父と死んだ長男が忘れられない母。子持ちの女と結婚した失業中の次男。あわよくば実家に潜り込もうとたくらむ長女一家。大きな事件は全く起きませんが、せりふの一つ一つがよく練られていますし、脚本も男の監督が書いているにしては女の気持ちが本当によくわかっている内容です。特に母親役の樹木希林が女のさりげない残酷さをあっさりと好演しています。
なかなかタバコは出てきませんでしたが、後半になって阿部寛が換気扇の下で2回喫煙します。2回目には吸い終わった後タバコの箱をもてあそぶ仕草をします。PPかも。父親役の原田芳雄はタバコを吸いませんでした。長生きするためにタバコをやめたのでしょうか。
タイトルの由来になった「ブルーライトヨコハマ」が効果的。しみじみ聞かせます。
71、
「花より男子 F(ファイナル)」 石井康晴 日 ○
人気コミックのテレビドラマの最終版です。F4と言われる4人の大金もちの坊ちゃんと超ビンボー(庶民から見れば普通の家庭ですけど)な女の子=牧野つくしが織りなすラブコメディ、のはずだったのにいきなり主役の松本潤のアクションシーンではじまりびっくりです。「できちゃった婚」がはやる風潮の中、さまざまな試練を与えられ「結婚してもうまくやっていけるのだろうか」と真剣に悩むふたりの姿は若いカップルにはおすすめです。イケメンの4人がタバコを吸わないのも若者にはいい影響でしょう(小栗旬もそのひとり)。陳腐なハッピーエンドだけど無煙なので良しとしようかな。
それぞれの母親役の石野真子と加賀まりこがいい味をだしていました。
72、
「ゲゲゲの鬼太郎」 本木克英 日 ○
人間がやりたい放題をしたために海も山も荒れ果ててしまった・・・こんな人間たちはもう許さない、滅ぼしてしまおう、という妖怪のグループがいます。対するは「信じることが大切」と人間を守ろうとして闘うご存じ鬼太郎をはじめとする妖怪の面々がいます。ねずみ男役の大泉洋、砂かけ婆の室井滋などが原作のイメージを壊さずに好演しています。
タバコは出てこない無煙映画です。でも目玉おやじの目を洗う目薬のPPはあったけどね。
73、
「いのち耕す人々」 日 ×
山形県高畑町で有機農法を実践してきた農民グループのドキュメンタリー映画です。2007年度キネマ旬報ベストテンのドキュメンタリー部門第4位の作品です。
おもな登場人物は喫煙しませんが、周辺で登場するその他大勢の中に喫煙者がチラホラ映ります。有機農法をやっている人で農薬には神経質なのにタバコには無頓着というケースがときどきありますが、今回は名前が紹介されている人は少なくともカメラの前ではタバコを吸っていなかったのでよかったです。
また、上映館の「ポレポレ東中野」は41の映画を観た4月にはイエローカードを渡しておいたのですが、相変わらず地下へ降りる階段の途中に灰皿がありましたので映画が始まる前に「なんとかしてほしい」と要望しました。すると終って帰る時には地上に灰皿が移動してありました。今日だけでないといいんですけど・・・。
74、
「火垂の墓」 日向寺太郎 日 ○
主役の兄妹を演じた子役のふたりはけなげで、いじわるなおばさん役の松坂慶子やはかなく死んでしまう母親役の松田聖子もよくやっているんだけど・・・いまひとつ感情移入ができませんでした。戦争3部作の故黒木監督の遺志を継いだ日向寺監督にはちょっと荷が重かったのかもしれませんね。黒木監督のものを見たかったです。映画関係者のみなさん、タバコをやめて受動喫煙にも気をつけて病気をせずに1本でも多くの作品を撮ってくださいね。
無煙なのは評価できますが・・・、物足りなさが残る作品でした。
75、
「イラクフォーセール」 ロバアート=グリーンウォルト 米 ×
イラク戦争では、アメリカ軍とともに民間会社の社員がさまざまな形で派遣されていますが、彼らが死んでも戦死者としては扱われないということです。うまい話に乗せられて死んでいった家族のことをインタヴューしているのですが、そのときに母親などが喫煙します。イラク戦争では民間の会社が戦争を請け負っていて、それらの会社にはブッシュ政権の幹部が大きくかかわり巨額な利益をあげていることも紹介されています。
戦争もタバコも利権がからむと国民は犠牲になるだけだということです。
76、
「ニンジンから宇宙へ」 日 ○
1本のニンジンを通して、土・野菜・自然・人間の状況を考えるきっかけにした作品です。1993年に同名の本が出版され3年後に映像化されました。アトピーなども食べるものを変えると改善されるとか。食べ物をまるごと全部食べる、いわゆる全体食の効果を訴えています。もちろんタバコは登場しません。タバコだけでなく食べるものにも気を使いましょう。
77、
「ジャ−ジの二人」 中村義洋 日 ○
それぞれ妻とはうまくいっていない父子の二人が嬬恋村の別荘で過ごすふた夏の話です。ゆるゆる系で微苦笑をさそう「なんかこおー」(ふたりのくちぐせ)おもしろい映画です。
田舎の別荘に着いたとき、初めに水を流したり(しばらく使っていないと水が濁ったりするので)、冷蔵庫に新しい調味料を並べたりと、こまやかなところに気を使っているところは田舎暮らしを実践しているものにはとても評価できます。
タバコは無煙ですが訪ねてきたダンカンがタバコとライターをテーブルの上に置くしぐさをわざわざ撮っているのでで、これは微妙にPPかもしれませんね。
しかし、中村監督は前作の「チームバチスタの栄光」も無煙だったので無煙監督賞をあげたいのですが・・・うーん
78、
「スカイ・クロラ」 押井守 日 ×××
遺伝子操作でおとなにならない「キルドレ」たちが戦闘機メーカー2社の戦争ゲームに使われるという近未来の話だそうです。こどもなのにタバコはブカブカ吸うし、ビールはガブガブ、飲酒運転はします。スピードは150キロも出すし、そのうえ売春宿も出てくるという何拍子もそろった問題作です。
アニメなので役者にタバコの害はありませんが、タバコが登場するシーンの回数は25〜27回、時間では3分足らずでしたが、私たちの目には喫煙シーンが全体の半分以上もあったのではないかと思わせるほど効果的でした。押井監督のアニメには熱狂的なファンが世界的にいるらしく、ベネチア映画祭にも出品するそうですがこんな内容のものを日本の代表にされては日本人の恥でしかありませんね。
タバコのことは別にしても全く訴えるもののない失敗作としかいいようがありません。原画の細部やグラスを置くときの効果音にもこだわったそうですが、その前に「何を伝えたいのか」にこだわってほしかったです。
79、
「きみの友だち」 廣木隆一 日 ○ ☆☆
交通事故で松葉杖が必要になり、それがきっかけで周りと壁を作ってしまった恵美が主人公です。腎臓病で運動を禁止されている由香が縄跳び大会の縄もち係りになったことがきっかけで親友になります。いつも強気の恵美に対しやさしくおだやかな由香のふたりは短い間ですが一生分のつきあいをすることになります。恵美のもうひとりの友だちやサッカーをする弟など、周囲のそれぞれの友だち関係が随所にちりばめられ、自分に置き換え友だちを思い出させてくれます。恵美がいつも持っているカメラで撮った写真(雲など)が効果的にドラマを展開させています。音楽がすばらしく涙線の弱い私は冒頭のタイトルバックに流れる音楽だけでウルウルしてしまいました。若い役者が好演していて、これからが楽しみです。期待しています。
無煙映画作品賞候補作。みんなに見せたい秀作なのに渋谷で単館上映というのはもったいない。夏休みの学生にぜひ見てほしいです。
たばこについては、町の遠景で店の看板の「たばこ」の文字が1回。由香の家の応接間のテーブルにガラス製の灰皿(吸殻はなし)が1回映りました。
なお、上映館の渋谷シネアミューズは6階建て建物全部が禁煙で、エレベーター前にはスタンド灰皿が置いてありますが、「ここはタバコを吸うところではありません。」という表示がしてありました。
80、
「百万円と苦虫女」 タナダユキ 日 ○ ☆☆
大学を卒業したが就職できずにアルバイトをしていた主人公鈴子が家を出て職場の人とルームシェアしたところとんでもないことになり、刑事事件の加害者そして前科者になってしまうというところから物語は始まります。有名中学をめざす弟からうとまれ、両親も不仲で「百万円たまったら家をでます。」と宣言し、実行します。人付き合いの苦手な鈴子は百万円たまるとその町をでて他へ移るという放浪記でもあります。カタカナでいうとロードムービーかな。海の家ではナンパされ、モモ農園ではキャンペーンガールにかつがれそうになり、ホームセンターでは恋をして・・・となかなか静かな生活とはいきません。
若者の労働条件の厳しさや活力のない農村のこと、また 実家とのパイプは結局は小学生の弟へのハガキだけという希薄な家族関係、その弟と言えば学校で、いじめにあっているというように現代社会の問題もさりげなくですがきっちり描かれています。それでも終盤で弟がいじめから逃げずにむきあっていこうという結末は好感が持てます。単純なハッピーエンドにしなかったのも「人生ってそんなすれちがいがあるもんだよね。」と納得してしまいます。
タバコ関係では、海の家のシーンでナンパ男たちテーブルの上にタバコとライターが、田舎の喫茶店のレジの横に百円ライターの束が、ボーイフレンドと街を歩くシーンでタバコ自販機が1回ちらっと映ります。
81、
「コレラの時代の愛」 マイク=ニューエル 米 ××
1897年から20世紀の幕開けをはさみ53年以上ひとりの女性を思い続けたという男性が主人公でコロンビアが舞台の純愛(?)ドラマです。原作はノーベル賞作家のガルシア=マルケス。「ノーカントリー」で表情を変えずに次々と人を殺す殺人鬼を怪演したハビエル=バルテムが、今度は600人以上の女性と肉体関係を持ちながら53年以上初恋の人(フェルミナ)を思い続けるという客観的にはちょっとキモイ(フロレンティーノ)役をこれまた怪演しています。100年前のコレラが蔓延していた時代を手を抜かず再現し重厚な作品となってします。
タバコでは、ヒロインのフェルミナ、その父、フェルミナの従姉がたびたび喫煙します。父親は太い葉巻、女性は細い葉巻(?)です。主役のフロレンティーノとフェルミナの夫(医師)は喫煙しません。
82、
「ダークナイト」 クリフトファー=ノーラン 米 × ☆
ご存じ「バットマン」シリーズ最新作です。前作からノーラン監督になり単純な勧善懲悪ヒーロー物から脱却しましたが、この「ダークナイト」も娯楽作品とは思えない重い内容となっています。ちなみにタイトルは「闇の騎士」という意です。殺人をゲームのように行う悪役”ジョーカー”の策略にいわゆる善人たちは振り回されてしまいますが、実はその善人たちが利用されていたり、逆にもっとあくどい事を陰で企んでいたり・・・と、人間の二面性が暴き出され、観終わってからいろいろと考えさせられます。ジョーカー役のヒュー=ブラントが撮影後不慮の事故で亡くなってしまい続編がどうなるのか気になるところです。
タバコは後半の山場でそれまでは誰も吸わなかったのに、いきなりヤクザのボス風の男が葉巻をくわえジョーカーと対面します。実はその直後ピラミッド状に積まれた戦利品の札束にジョーカーが火をつけるための小道具として葉巻が使われています。ノーラン監督もこの場面は工夫が足りませんね。葉巻じゃなくキャンドルを使うともっと味わい深いシーンになったのに、惜しいです。
ただ、アクションも派手でドカンドカンと爆発したりするものの、首が飛んだり血潮が噴き出すなどの目を背けたくなるような演出は全くなく、R指定を受けないよう細心の注意をはらっているようです。タバコがなければもっとよかったのですが・・・。
83、
「白い馬」 アルベール=ラモリス 仏 ○
1953年のカンヌ映画祭グランプリ作品です。南仏のカマルグの荒れ地に野生馬の群れが白い馬をリーダーに棲息していました。その美しく利口なそしてたくましい白い馬をめぐって捕まえようとする地元の男たちと、白い馬と心を通わせた少年との攻防が物語の中心です。ラストには少年と馬は男たちに追われた末、海に入り希望の地を目指して去っていきます。白黒の画面はシンプルなストーリーに合っています。
タバコのシーン及びそれに関連するものも一切ありませんでした。
84、
「赤い風船」 アルベール=ラモリス 仏 × ☆
1956年のカンヌ映画祭グランプリ作品です。上記の「白い馬」同様、名画としての存在だけが語り継がれしかし観ることがかなわなかった作品が2007年デシタルリマスターによって甦ったそうです。
赤い風船と少年パスカルとの友情が描かれています。そして、それを妬む悪がきに追い詰められ風船を守るために少年のとった行動は・・・。
戦後のまだがれきの残る街の風景の中、街を歩く人々の中にタバコをくわえた人が数人映ります。「白い馬」同様ほとんど台詞がないシンプルなストーリーだからこそ誰もが映画の世界に入っていけるという内容です。後に多くの映画監督が刺激をされたというのも納得できます。映画の原点ともいえる作品です。
85、
「同窓会」 サタケミキオ 日 ×××
いくつかの勘違いが引き起こす泣いて笑ってのハートウォーミング映画ということでしたが、ハードスモーキング映画でした。高校の同級生同士のカップルが離婚をすることになったのをきっかけにしてかつての仲間が同窓会を開いてなんとかしようというドタバタ喜劇です。主役のふたり宅間孝行(サタケミキオ監督)と永作博美は無煙でしたが、女友だちがたびたび喫煙します。妊婦(のちにわかるのだが)の前でも喫煙、また言いにくいことを切り出すときの心を落ち着けるためにタバコに火をつけるという常套シーン。高校時代の同級生のやくざ風の男もどこでも喫煙、特に子供の前でも平気で喫煙するのはやめてほしいです。同窓会の会場も紫煙がモクモクでした。
80年代を細部にこだわって再現したそうです。でも大事な勘違いのひとつが途中で読めてしまい最後のどんでん返しがチャラになってしまうのが残念です。サタケミキオ監督は無煙映画の「花よ男子ファイナル」の脚本担当だったので期待が大きかっただけにタバコのシーンの多さにはがっかりです。主役が映画監督という設定は映画大好きというのはわかりますが・・・次回作に期待しましょう。次回はもちろん無煙でね。
86、
「この自由な世界で」 ケン=ローチ 英伊独西 ××× ☆☆
主人公アンジーは33歳のシングルマザーです。一人息子を両親に預け人材派遣会社で海外からのリクルートを担当していますが、上司のセクハラに抗議したとたんクビになってしまいます。そこで、考えた挙句アフリカ系イギリス人の女友だちとともに日雇いの派遣会社を始めます。そのうち、より安く労働者を確保するためにためらいながらも不法移民者を斡旋することに手を出し始めます。仕事が波に乗ってくると忙しくなり、息子の相手ができず学校で問題も起こります。両親はもっと子供に向き合うよう説得されますが、彼女も精いっぱい働いているし、お金がなければ暮らしていけないという現実があります。貧しい不法移民たちから斡旋料などをむしり取るようにしてもうけているので、あるときしっぺ返しをくらいます。また、父親は彼女が働く現場を見て彼女のやり方に疑問を投げかけるようになります。
これは外国の話ですが同じことが日本でも行われている実態とダブります。商品を安くするために労働者を搾取し、安い外国人労働者を研修の名のもとに最賃以下の時給で働かせている。そして、それらの人々がいなければ成り立たなくなっている資本主義社会の現実あります。この映画に出てくるアンジーや労働者と同じ立場の人はきっとこの映画を観る暇もないでしょう。
つらい映画ですが、アンジー役のキルストン=ウェアリングがセクシーで魅力的なことと、ラストにちょっと希望が持てるのが救いになっています。
タバコに関してはアンジーがかなりのニコチン依存症です。移民労働者たちも喫煙率が高いです。タバコ会社のターゲットは「女と子供と貧乏人」のとおりです。ケン=ローチ監督は常にこうした社会的なテーマを扱っていますが、タバコに関しては勉強不足なんじゃないかと思います。それともタバコ会社の企みも知った上であえて使っているのでしょうか。
87、
「TOKYO!」 ミシェル=ゴンドリー、レオス=カラックス、ボン=ジュノ 仏 ×
3人の監督がそれぞれの「TOKYO」を描いています。
1本目「インテリア・デザイン」では、地方から友達のアパートに転がり込んできたカップルが東京で仕事を探し、部屋を探して生きていこうとする姿を描きます。「大きい会社に勤めているほど部屋が小さいのよね。」という友人とそこで3人が暮らすことになります。彼氏は映画を作っていて、その映画の中で喫煙するシーンがありますが、顔がスモーカースフェイスとなっていくのは笑えます。そのほか現実の世界ではタバコはありません。
2本目「ミルド」は「「マンホールの怪人」と言われる男を描きます。銀座のマンホールから突然現れ、銀座の歩道上にある喫煙所にいる男たちから1本のタバコを取り上げ、それを吸いながら歩き、最後はベビーカーの中に投げ入れます。喫煙者の見事な行動描写です。その後、地下で旧日本軍の武器倉庫を見つけ、その武器を使って無差別殺人を犯し、死刑判決を受けます。死刑執行の際「最後の一服」を要求しますが、刑務官は黙って廊下に貼ってある大きな禁煙マークを警棒で示します。執行後、彼はどこかへ消えてしまうという設定です。
3本目「シェイキング東京」は、11年引きこもりをしている男がピザの宅配人の女の子に恋をする話です。タバコは出てきません。こんな若者が多いということでしょうか。
アメリカ人、フランス人、韓国人のそれぞれの監督の描く東京。それぞれ個性的でおもしろいが2本目は「戦争」がまだ終わっていないということや少数民族を駆逐してきた現代社会を怪人の目を通して描いていて悲しかったです。
88、
「20世紀少年」 堤幸彦 日 ×
1969年小学生だったケンジたちは草むらの基地の中で「よげんの書」を書きます。そして、1997年謎の宗教集団が出現し、あやしい事件が次々起こります。その事件はかつて少年の頃書いた「よげんの書」とそっくりなのです。同窓会で再会した昔の少年たちは事件解決に乗り出すのですが、悪者の方が一枚上手で彼らがテロリストに仕立てられてしまいます。そして、2000年12月31日人類滅亡の日がやってくるという設定です。シリーズ3部作の始まりです。さてこの本格科学冒険映画はどうなるのでしょうか、というところで終わります。
タバコは、大人になったケンジが経営するコンビニの棚に並んでいるタバコの看板などが映ります。実際に吸うのはラーメン屋の親父が外に出て一服するシーンが1〜2秒だけです。別にここで吸わせなくったって・・・と思っていたら案の定です。同窓会など通常の喫煙場面でも無煙でしたが、最後に謎解けました。協力に「たばこと塩の博物館」の名がありました。どうしても1回はタバコを吸ってほしいという条件をJTが出したのでしょうね。
89、
「日本の青空」 大澤豊 日 × ☆
戦中から戦後にかけて憲法を研究してきた人で、「日本国憲法」の誕生に繋がる「憲法草案要綱」を書き上げた鈴木安蔵の物語です。現在の出版社に勤める派遣社員の沙也可がひょんなことから取材をするうちに憲法学者鈴木安蔵の存在を知ることとなります。彼は戦時中は迫害されながらも地道に研究を進め、戦後彼を中心メンバーにした憲法研究会がGHQに憲法草案を提出し高く評価されます。「日本国憲法」のおおもとは日本人の研究者によって考えられていたことを沙也何の目を通して描いています。GHQに押し付けられたわけではないことを知らしめる内容の秀作です。
タバコは時代が1945年前後ということもあり、当時の場面では何度もでてきます。しかし、現在のシーンではありませんでした。「憲法」が保障する「健康で文化的な生活」の中にまだ「脱タバコ」の意識はなかったようです。
90、
「幸せの1ページ」 ジェニファー=フラケット 米 ○
「リトルミスサンシャイン」でアカデミー賞にノミネートされた天才子役アビゲイルちゃんがベテラン女優ジョディ=フォスターと競演しています。南海の孤島で父親とふたりきりで暮らすニム(アビちゃん)を助けに外出恐怖症の冒険小説作家のアレックス(ジョディ)ことアレクサンドラが決死の覚悟で家を出るのですが・・・。
孤島での自給生活とペリカン、オットセイ、トカゲなどの動物たちの演技を超えた演技がおもしろいですね。日本ではジョディが宣伝に来日していましたが、主役はどちらかといえばアビゲイルちゃんの方でしょう。いずれにせよ日本では小説家=喫煙者とされがちですがアメリカではそれはないようです。無煙です。
91、
「おくりびと」 滝田洋二郎 日 × ☆
楽団が解散し無職になってしまったチェリスト(本木雅弘)が山形の実家に帰り職に就きますが、その職は「納棺師」です。妻(広末涼子)にも就職先を告げられず、自分自身もやっていけるのかと迷いながら仕事を続けていきます。あるとき事実を知った妻が「けがらわしいからやめてくれ、」と言って実家へ帰ってしまうのですが、その後知人が亡くなり彼の仕事を見ることになります。そして、その誠実な仕事ぶりに彼の仕事を理解するようになります。納棺を依頼する人たちのそれぞれの人間関係が丁寧に描かれていて現実味のある映画となっています。
登場人物のすべてが適役と思えるほど好演しています。自分が死んだ時にはこんな人に納棺してもらったら最後まで幸せだろうな思わせます。山形県酒田市の風景も良いですね。
ただし、タバコについてはひとこと苦言を。主役の上司である山崎務がいつものように3回喫煙シーンがあります。まったく必要がない場面ばかりです。いやみにも外で喫煙した時には携帯灰皿に吸殻を入れていました。マナーは守っていると言いたいようですが。救いは水商売上りの事務員役の余貴美子が今回は吸わなくてよかったです。
92、
「パコと魔法の絵本」 中島哲也 日 ×××× ☆☆
1日しか記憶が持てない少女パコのために、奇妙な病院の奇妙な患者や医者看護師がくりひろげる夢のような大芝居です。「チャーリーとチョコレート工場」の数倍上をゆく不思議な世界を映像にしました。実写とCGキャラとの見事な融合です。映像が初体験で興味深いだけでなくストーリーもかたくなな「クソジジイ(役所広司)」が少女(アヤカ=ウィルソン)のために何かしてやりたいというメインストーリーを軸にして、登場人物それぞれが持つサブストーリーが見事に融合されています。意外な配役のおもしろさも加わり爆笑があり、号泣もさせられます。今年の映画賞では絶賛されることが予想できますが・・・。
しかしながら、タバコから考えると大問題作です。
・心臓発作で入院している「クソジジイ」が葉巻をどこででも吸います。
・医者(上川隆也)が病院内のあちこちで喫煙します。
・子供の前でも喫煙するシーンがあります。
・金のライターを小道具として活用しています。
以上ひとつひとつの問題が大きいので×4つです。タバコがなければ本当はいい映画なのです。残念です。
93、
「落語娘」 中原俊 日 ××
主人公の女性は、12歳の時にガンで余命いくばくもない叔父さんを好きな落語で励まそうと一席設けたことがきっかけですっかり落語にはまってしまい、落語以外のことは全く関心も持たず、学生チャンピオンを経てプロの落語家に弟子入りします。現実の落語界は女性を受け入れることはなく、師匠になってくれたのは落語界の異端児でした。露骨な男尊女卑やセクハラにもめげず目指した道をまっしぐらに進もうとする主人公香須美。あろうことか異端児の師匠はテレビの敏腕女性ディレクターに乗せられ、40年前に封印された呪われた噺に挑む、というお話です。
案の定、師匠役の津川雅彦がたびたび喫煙します。津川も山崎務同様必ず喫煙していてタバコマネーとの関係がチラついています。一般に喫煙率が高いといわれている落語界を描いた割には津川のほかは2名が1回ずつの喫煙だったので現実よりは汚染度は低かったかもしれません。
男性の監督にしてはセクハラをするいやーなやつをしっかり描けていたと思います。津川のスケベな手の動きをさらりとかわす女性ディレクター役の伊藤かずえがよかったです。上に立つ女って大変なんだなあとしみじみ気の毒になってしまいました。その点では評価できるかな。
94、
「落下の王国」 ターセム 米他世界の国々 ×× ☆☆
映画のスタントマン(ロイ)が撮影中にけがをして入院し、そのうえ恋人も心変わりしたようで自殺願望を持ってしまいます。そこにオレンジの木から落ちて腕を骨折した少女が話しかけてきます。そこで彼は少女に思いつきの冒険物語を話し始めます。彼には少女に頼みたいことがありそのために話をきかせていくのですが、少女の頭の中で話は大きく膨らんでいきます。話に登場する6人の勇者は少女が日常病院内で見かける患者や医者などが姿をかえていて空想の世界をより濃密にしています。少女は話のとりこになり「続きが聞きたいならモルヒネを持ってきて」というロイの要求にこたえようとするのですが・・・。
物語の世界では、8か所の世界遺産での撮影のほか、世界各国の美しい自然や建造物をぜいたくに使い、華麗な衣装が登場人物を際立たせ、他に類を見ない壮大な映像美が堪能できます。一方現実世界のカリフォルニアのオレンジ畑に労働者としてやってきて、やっと英語が話せるようになった前歯が欠けた少女のあどけなさは、これもまた宇宙が生んだ美しいもののひとつであることを再確認できます。今年のベストワン候補でしょう。
タバコ的には物語中の勇者の一人がいつも葉巻をくわえていて爆弾に着火したり、現実世界では医者が1回喫煙する場面があり残念でした。時代的には活動写真(ムービー)が出始めのころなので実際はもっと喫煙率は高かったかと思います。
95、
「イントゥザワイルド」 ショーン=ペン 米 × ☆
成績優秀で大学を卒業したクリスは夫婦仲の悪い両親や物質至上主義の現代社会に別れを告げ、現金もカードも捨てて、ひとりアラスカを目指して旅に出ます。途中農作業の手伝いをしたり、ヒッピーのカップルや元軍人の老人と過ごしたりします。それぞれとの出会いを楽しみながらも結局はひとりアラスカへたどり着いたのですが・・・。美しく雄大な自然は一方では過酷でもあることがよくわかる内容になっています。
実在の人物の話のせいか、ペン監督の手腕のたまものか重厚な作品に仕上がりました。変化に富んだアメリカの自然がそれぞれ美しく、人々もまた様々な価値観で生きている姿が描かれていました。主役を演じたエミール=ハーシュは”タバコを吸わない精悍なディカプリオ”って感じで今後の活躍が期待されます。最後に餓死して死ぬ姿はそれまでの精悍な体形からは全く変わり果て、その努力はみごとです。
タバコは周囲の数人が数回喫煙していました。主役級は吸わなかったので×ひとつです。
96、
「アキレスと亀」 北野武 日 ××
PPセブンスター
大金持ちの子供がひょんなことから芸術の道にはいりますが親は倒産し自殺してしまいます。田舎の身内に預けられますが邪険にされながら育ちます。しかし芸術への道をあきらめることなく大人になり、今度は家族の犠牲のもとに夢を追い続けるというお話です。
ビートたけしはじめ主役級は吸いませんが周囲の喫煙回数は多いです。また嫌味な育ての親役の大杉漣が子役の前で喫煙します。北野監督は喫煙の害は勉強しているようですが「受動喫煙の害」についても「家庭の医学」で勉強する必要がありますね。
また、若者の悪ふざけのシーンが多くガスバーナーでタバコ(セブンスター)に火をつけたり、軽トラの荷台に絵具を積んで壁に激突するなどテレビなら「絶対にまねをしないでください。」とテロップがでるような不謹慎な場面も多いです。青年時代を演じた俳優に魅力がなく相手役の今年脚光を浴びている麻生久美子に失礼ですね。
タイトルは数学のアキレスと亀の寓話からとっています。
97、
「次郎長三国志」 マキノ雅彦 日 ×
ご存じ清水の次郎長一家の義理と人情の痛快時代劇です。チャンバラは派手ですが血が飛ばないので楽しく観ることができます。そのあたりのバランスはさすがに映画界で育った監督の手腕でしょう。女性たちが活躍するのも気持ちがいいですね。
タバコは、親分さんたちが集合する席でひとり、寺田農扮する親分が自宅の長火鉢でキセルで一服します。やくざの親分の映画にしては少ないのですが、なくても全く関係ないといったところです。監督も是非禁煙して「次郎長」シリーズを撮ってほしいものです。
98、
「イキガミ」 瀧本智行 日 ××!
「国家繁栄法」の下、国民は一定の割合で25歳までに死ぬことになっている。その24時間前に「死亡通知書」を本人に配達する厚生保健省のエリート役人と受け取った若者数組が24時間に何をするのかのという話です。
冒頭で通知書を受け取った男が子どもの頃にいじめられた相手を殺そうと襲いかかるシーンがあり、その子供の頃のいじめにタバコの火を押し付けられる回想場面があります。2人目は路上ライブのデュオの相手がヴォーカルなのに喫煙します。3人目の兄と盲目の妹の話では、タバコを吸おうとする兄に妹が「タバコやめて」「1本位いいだろ」「ダメ!」のやりとりあります。といったようにタバコがよく登場していますね。
無機質的な厚生保健省は完全禁煙でした。現実の厚労省はまねしてほしいものです。でも「国家繁栄法」のような国民を犠牲にするような法律はまねしないでね。
99、
「宮廷画家ゴヤは見た」 ミロス=フォアマン 米 △
時代は1792年と15年後の19世紀の初めのスペインが舞台です。キリスト教会が権力を持っていた時代で、「異端裁判」という魔女狩りが横行し、罪なき少女を捕え拷問をし、挙句の果て神父が凌辱し妊娠させてしまうというスキャンダルに、スペインの解放の名のもとに侵略してくるフランス軍、そしてそれを追い払うイギリス軍といった動乱のスペインの姿を画家ゴヤの目を通して描いています。さすがにあの「アマデウス」の監督らしく美術や音楽もすばらしく重厚な作品となっています。ナタリー=ポートマンの母子二役がよかったです。
タバコははっきりは映らないが酒場のシーンで兵隊たちが吸うパイプ系と葉巻風がちらり。主役級は吸わず露出度は低いでしょう。
100、
「容疑者X(エックス)の献身」 西谷弘 日 ×
PPラーク
テレビドラマ「ガリレオ」の映画版です。原作がよくできている上に堤真一のしょぼくれた演技がとてもいいです。彼は今年いい仕事をしているのできっと賞をとることでしょう。
タバコのシーンは少なく、別れた女のアパートに無理やり侵入した男がいきなり喫煙する程度です。しかしこの男もすぐに殺されてしまいますがラークはしっかりと映っています。そのかわりということもありませんが、堤と福山雅治がたびたび歩く公園のシーンで「路上喫煙禁止」という立て看板が映ります。
101、
「デトロイトメタルシティ」 李闘士男 日 ××
松山ケンイチ演じる主人公は甘いキャンディソングを歌いたいと思っていたのに事務所がやらせているのはメタル系の悪魔的なバンドです。故郷の母親にも片思いの相川さんにも本当のことが言えずやめたいと思っていたのですが・・・
「僕はタバコも吸わない」というセリフあり、また、学生時代の部室には「禁煙」の張り紙もあります。バンドの控室は「NO SMOKING」となかなか結構だったのですが、事務所の女社長役松雪泰子が常にタバコを吸っています。そのうえ周囲にいる部下の頭にタバコを押しつけるなど暴力的です。映画の最後に「映画の内容すべてを肯定しているわけではありません。」といったような内容(一瞬だったのではっきり読み取れなかった)の言い訳を数秒映していますが、言い訳をするようなことはする、と言いたいですね。
102、
「僕らの未来へ逆回転」 ミシェル=ゴンドリー 米 ○
ジャック=ブラック主演のコメディです。うらぶれた街角にある立ち退きを迫られている小さなレンタルビデオ屋。オーナーが出かける用ができ数日店を任されたのだが、友達のジャックがとんでもないことをしでかしてビデオに録画されていた内容がすべて消えてしまいます。それならばと映画を自分たちでリメイクすることに・・・。
過去の大ヒット映画のはちゃめちゃなリメイクが笑えます。笑いの中にも黒人差別の問題も絡んできたり、貧困層の白人もいてアメリカ社会の複雑さも感じられます。
タバコについては60年代の地域出身のジャズシンガーの伝記映画を製作するときに紙で作った葉巻やおもちゃのキセルのようなものも小道具として使っています。しかし、もちろん無煙です。
103、
「オオカミの護符」 日 ×
関東平野の里山に多く伝わるお犬様神社のドキュメンタリーです。川崎市土橋の農家では今もお犬様のお札を毎年三峰神社へ取り替えに出かけている様子などを紹介しています。ちなみにオオカミはイノシシやシカを予防するので畑の守り神なのです。
タバコは農家の84歳の男性が喫煙者です。また神社近くの宿坊でも灰皿があちこちに置かれていました。宗教施設やお祭りは禁煙にしましょうよ。
104、
「シロタ家の20世紀」 藤原智子 日 △
日本、ヨーロッパ、アメリカで生きたウクライナ出身のシロタ家の歴史を描いています。日本の憲法作成に参加したベアテ=シロタを中心にして、アウシュビッツで死んだいとこや現在もパリで活躍する彼女のいとこたちを描きます。
タバコは日本の憲法9条の碑を建立しているカナリア諸島を紹介するシーンで街のカフェでタバコがちらりと映っています。
105、
「蟹工船」 山村聡 日 ×× ☆☆
最近リバイバルヒットした小林多喜二原作の小説の映画です。昭和初期不況と不作で生活に苦しむさまざまな男(少年)たちを乗せ、蟹工船はカムチャッカの沖へと向かいます。連日の時化と過酷な労働、鬼より非情な監督。労働者の命より漁獲高の方が大事という監督に対し思い余ってストライキを決行します。内容は原作よりコンパクトになっていますが、映画では「軍隊は決して国民を守るために存在するのではなく、その銃口は国民に向く」ことがよくわかります。
タバコは、古い映画なので、貧しい労働者も船長や監督も当たり前のように喫煙していました。というか喫煙が当たり前の時代だったのでしょうね。
106、
「しあわせのかおり」 三原光尋 日 ○ ☆
金沢の近くの港町にある小さな、でもいつもお客がいっぱいの中華飯店。そこでおいしい料理を作っていた主が倒れてしまいます。常連客のひとりがひょんなことからその味を受け継ぐために修行をすることになります。
中国から来た主役をあの藤竜也。弟子になるのが嫌煙派の中谷美紀。あの藤さんももうタバコなんて吸ってません。周囲の常連さんたちも無煙です。ひさしぶりに大人が主役の無煙映画でした。それにもまして嬉しかったのはスタッフの中に5月の禁煙デーシンポに無煙映画賞の授賞式に来てくれた方の名前があったことです。
なお、この映画には東京ガスがスポンサーになっていました。ガスじゃないとおいしい中華は無理かな。「たまごとトマトのいためもの」食べたくなってしまいます!
107、
「花は散れども」 新藤兼人 日 ×
95歳で現役である新藤監督の最新作です。副題に「石打尋常高等小学校」とあるように監督の小学校時代の恩師のメモリアル。黒澤監督もそうでしたが、高齢になると昔のことを撮りたくなるようですね。
小学校時代には喫煙シーンはありませんが、30年後に同窓会をした後半からは数回喫煙シーン出てきます。豊川悦司、大竹しのぶが喫煙します。スタッフの中には「監督健康管理」という係りの人もいましたが受動喫煙についての知識はないようです。新藤監督には受動喫煙にも気をつけてまだまだ映画を撮ってほしいですね。
108、
「マルタのやさしい刺繍」 ベティン=オベムリ スイス ×
夫を亡くし生きる希望を失った80歳の女性が、若い頃あきらめた夢を実現しようと周囲の後期高齢者を巻き込みながら息子たちのじゃまやいやがらせにもめげず、みんなで協力して夢を成し遂げていきます。歳をとることが怖くなくなるお話です。
タバコの扱われ方は日本とよく似ていて、車の免許を取るために路上教習中、衝突しかけひやっとした場面で指導者と受講者の二人が喫煙します。つまり極度の緊張の後にはタバコが必要という感じなのです。日本の映画でもよくありますね。この女性だけはその後も1回喫煙しました。でも、ビール祭りのようなひとごみでは誰も喫煙していませんでした。
109、
「ホームレス中学生」 古厩智之 日 ○
お笑い芸人田村裕の自伝的小説の映画化です。ホームレスとはいっても1週間足らずですが、中学生にとってはきつい現実に潰されそうになりながらも、兄姉や友達周囲のおとなたちに支えられながら生きていこうとします。大阪弁がこの種の人情話にはあっています。チョイ役にも大物俳優があたっています。
タバコは無煙ですが、お金欲しさに自販機のそばで見張っているときにタバコの自販機が映ります。アップではないので銘柄までは確認できず。また、夜中に自転車でうろついていて交番に連れて行かれますが、交番の机の上に吸い殻の入った灰皿がちらりと映っていました。
110、
「ブーリン家の姉妹」 ジャスティン=チャドゥイック 英 ○
16世紀初頭のヘンリー8世が統治する英国、後のエリザベス1世の母親とその妹のヘンリー8世をめぐるドラマです。これを見てから「エリザベス」を観ると英国の16世紀がよく理解できるでしょう。
タバコは正式には英国にはまだ伝わっていない時代なので無煙です。ちなみにエリザベスが1558年に即位し、そののちを描いた「エリザベス ゴールデンエイジ」(25番参照)の中で正式にローリー卿がタバコを伝えるシーンがありました。映画って歴史の勉強になりますね。
111、
「まぼろしの邪馬台国」 堤幸彦 日 ××
PP缶ピース
昭和31年から40年頃の島原が舞台です。「島原の子守唄」の作詞作曲でも有名な郷土史家宮崎康平と二人目の妻和子が邪馬台国を探して歩く姿を描いています。盲目で型破りな主人公を演ずるのは竹中直人、和子は吉永小百合。周囲にはサプライズゲストがチョイ役で出演し映画を盛り上げています。
タバコの方では大問題作です。協力に「たばこと塩博物館」とあるように竹中がパイプに紙巻きタバコをさして吸うシーンが多く、彼の会社でもある島原交通の役員たちも役員会議でほとんどの人が喫煙します。竹中が怒って缶ピースを投げるなどやたらにタバコネタが目立っていました。そのせいか本人は結構若くして亡くなってしまうんですけどね。
112、
「ハンサム☆スーツ」 英勉 日 ○ ☆☆☆
無煙映画賞候補
繁盛している定食屋を経営する琢郎(塚地武雅)はブサイクを気にする心やさしい男です。しかし、ブサイクのコンプレックスから恋をしても告白できないでいます。そんな彼が着ればハンサムに変身できるハンサムスーツを手に入れます。ハンサムになって夢のような仕事や恋を手に入れるのですが、本当にそれで幸せになれるのでしょうか。ラブコメディで大笑いしながらも人間にとって本当に大切なのはそばにある小さな幸せだということに気付かせてくれます。
定食屋の常連さんやモデル業界などタバコの出てきそうな場面や若者が中心の作品でしたが、タバコのシーンがないだけでなく、ファミリーレストランでコーヒーを飲むシーンではテーブル上の禁煙マークもばっちり映ります。そのほか、タバコ関係グッズも全くありませんでした。これはもう無煙映画大賞決定でしょう。
また、琢郎の親友が車椅子の青年で、そういった意味でもバリアフリーの作品です。製作者の細やかな配慮を感じさせ好感が持てる作品です。
113、
「レッドクリフ 1 」 ジョン=ウー 米中日 ○
あの「三国志」に独自のストーリーを加え、あの監督(「M:I-2」を監督):が映画化しました。人海戦術に中国陸軍も参加して原作で紹介される諸葛孔明や劉備の戦術を壮大な戦闘シーンで再現しています。それは見ごたえがありますが、いつの時代も戦争は悲惨です。
続編が来年の4月公開ということですので、「パート2」で本題の水軍の赤壁の戦いを見ないとまだ何とも言えません。ただ、もう少し簡潔にまとめてくれるといいのですが・・・。
西暦204年から数年のできごとなのでもちろんタバコはありません。