2008 映画とタバコ

 世界の脱タバコの潮流を全く無視している日本の映画界は、相変わらず無神経に小道具などとしてタバコを多用していて、タバコの宣伝映画となっているものが多くみられます。
 積極的に宣伝しまくっているモクモク派としては、橋口亮介(「ぐるりのこと」)、中島哲也(「パコと魔法の絵本」)などの監督がいます。さりげないけれどしっかり宣伝しているのは三谷幸喜(「ザマジックアワー」)です。そして、両論併記型というのでしょうか、タバコの宣伝もするけれど一応免罪符的にタバコに対して「毒ガス」などというセリフも加えている井口奈巳(「人のセックスを笑うな」)がいます。毒ガスと解っていて吸わされている永作博美や松山ケンイチは仕事とはいえ気の毒でした。早くりっぱになって、「喫煙シーン?おことわり!」と言える俳優になってほしいものです。
 りっぱな俳優なのに、タバコ会社にべったりだとおもわれる人に、山崎務(「おくりびと」、「クロサギ」)、津川雅彦(「落語娘」、「相棒」)がいます。いつまで吸い続けるのでしょうか。主治医は禁煙を勧めないのでしょうか?
 
 一方、時代の変化を敏感に察知している監督も現れはじめ、無煙映画もポツポツと出ています。ところが、「煙は出さないけれど、タバコは出ます」という新手のPPが気になります。たとえば、「リアル鬼ごっこ」(柴田一成監督)でセブンスターに火をつけようとした時に事件が起き、«ハイ、カット!»となったり、「ジャージの二人」(中村義洋監督)では、来客が椅子に座るときテーブルの上にタバコとライターを置いています。タバコ関連グッズがたびたび登場する「百万円と苦虫女」(タナダユキ監督)などは、煙を出していないのでタバコ煙の被害はないのですが、タバコ会社からもしっかり宣伝費をもらちゃおうというタイプの人も増えているようです。
 そこで2009年は、無煙なのは言うまでもないのですが、ロケシーンなどでも、タバコの看板、タバコ自販機、コンビニ売場の背景に写るタバコ、小道具としての灰皿やライターなどタバコ関連グッズにも神経を使って撮影してほしいものです。細部にまで注意を払うのが監督の力量です。それらのものが写ったらタバコ会社の汚れた資金が投入されているものとして汚くて、煙たい映画ということになるでしょう。そういう映画は昨年の「スカイ・クロラ」(押井守監督)のように海外では評価されることはないでしょう。