2009年タバコはだめよ! 映画評(08年12月〜09年12月)
120、「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」 アニメ 日本 ○
2220年、ブラックホールが3ヶ月後に地球を飲み込むことが確実になりアマール星へ大規模な移住が行われていました。しかしその船団が消息を絶ってしまいます。そしてヤマトがその護衛をすることになるのでした。悪役の星がSUSというのがなんだかどこかの戦争漬けの国を連想させ苦笑してしまいます。200年後になっても戦争は続いているのでしょうか。
さすがにタバコはありません。音楽も本格的なクラッシックがバックに流れよかったです。
119、「ウルルの森の物語」 長沼誠 日本 ○
母親が急病のために北海道で獣医をしている別れた父親のもとに預けられた兄と妹は都会の生活とは全くちがう大自然の中での生活にはじめは戸惑ったり反発をしたりします。あるときその兄弟は子犬と出会いウルルと名付け飼い始めます。獣医の父親は「もしかしてウルルは絶滅したオオカミの子供なのではないかと思い専門の研究者に検査を依頼しますが・・・。子供たちはウルルを母親のもとに返してやろうとアイヌの伝説をヒントに旅に出るのでした。
無煙です。家族で楽しめるだけでなく自然と動物そして人間のかかわりなどを考えさせる内容も好感が持てます。人間社会での絶滅危惧種のマタギが登場したり、絶滅危惧言語のアイヌ語が出てきたりと、絶滅の危機に瀕しているにはオオカミだけではないことも伝わってきます。ウルルがオオカミの母親と再会する場面はベストCG賞をあげたいくらいよく撮れていました。
118、「のだめカンタービレ 最終章前篇」 武内英樹 日本 ○
コミック誌で人気を博しテレビドラマ化したその最終章の前篇です。音楽学生の現実をのだめこと野田恵と千明先輩の恋のゆくへとともにコミカルに描いています。人間関係のやりとりにははちゃめちゃなところもありますが、クラッシック音楽の魅力をわかりやすく説いていることはこの映画の社会的貢献でしょう。のだめを演ずる上野樹里が恋するせつなさや音楽の楽しさを深刻になりすぎずに好演しています。
若者中心のドラマが無煙というのはとても評価できます。原作では喫煙する場面もあるようですがそれならばなお、無煙にしたことをほめてあげたいですね。ただ、前篇ということなので後篇を観てからにしましょうか。
117「キャピタリズム」 マイケル ムーア 米 △
キャピタリズムすなわち資本主義と民主主義は共存が難しいということをアメリカの戦後の歴史を紐解きながら訴えます。お金がお金を産むというシステムそのものが多くの人を不幸にしているようですね。
タバコは現在の場面では出てきませんが戦後の政治家などの写真やニュース映像で出てきました。
116、「カールじいさんの空飛ぶ家」 ピート ドクター 米 ○
最愛の妻を亡くしたカールじいさんは昔妻と夢見ていた冒険旅行に旅立つのでした。人生は毎日が冒険です。生きていることを楽しみましょう。
ディズニーの作品なのでもちろん無煙です。アニメです。
115、「戦場でワルツを」 アリ フォルマン監督 イスラエル ××××
アカデミー賞外国語作品賞で「おくりびと」の対抗馬となっていました。レバノンでのパレスチナ人虐殺事件を扱ったアニメのドキュメンタリー作品です。この作品で監督自身は贖罪をしたつもりかもしれませんが今も続いているイスラエルの攻撃はどうなのかと問い詰めたい思いに駆られます。いまひとつすっきりしない作品です。
ほとんどの場面でタバコが出てきます。マリファナの可能性もあります。いずれにせよイスラエルもまだまだ規制がゆるいようです。
114、「スノー プリンス」 松岡錠司 日本 ××
日本版「フランダースの犬」とか泣ける名作とか宣伝していますが、子供、動物、ビンボーと泣ける話の寄せ集め状態でまとまりのない作品になりました。特に父親がふがいなさすぎです。
タバコは祖父役の中村嘉津雄が咳をしながら喫煙します。そのせいか死んでしまいますが。この方も映画の中でのタバコ露出の多い俳優のひとりですね。少なくとも子役の前で喫煙するのはやめましょう。不思議なのはものすごくビンボーなのになんでタバコがあるのかということです。それともタバコを吸っているからビンボーなのでしょうか。そういえば金持ちの父親は吸いませんでした。ちなみに電通が制作にからんでいます。
113、「2012」 ローランド エメリッヒ 米 ○
2012年に地球が破壊するというマヤの予言通り2009年ごろから地球上のあちこちで異常な事態が起きていました。その情報を知っているわずかの科学者と政治家、富裕層だけが現代版のノアの箱舟で生き残ろうとしているのでした。舞台はアメリカだけでなくインド、中国、ブラジルなどで最後に箱舟が向かう先は南アフリカの喜望峰とG20諸国に気を使った構成となっていました。CGの場面ばかりで実写の作品と言えるのかどうかちょっと疑問です。
タバコはありませんでしたし。
112、「パブリック エネミーズ」 米 ×××
タバコは吸いまくり銃は撃ちまくるモクモクドンパチのギャング映画でした。タバコに火を点けるのを合図にしたり、捕らえた女性にタバコを勧めたりタバコを重要な小道具として扱う場面が多く残念でした。特に追いかける警察側に喫煙率が高かったですね。時代設定が古いとはいえもう少し考えてほしいものです。
111、「クリスマス キャロル」 米 ○
守銭奴のスクルージのもとにクリスマスの夜に訪れた過去と未来と現在の亡霊たちはお金だけではない人生の大切なものを知らしめます。という皆さんご存じの名作をディズニーが3Dで映画化しました。もちろん無煙です。ジム=キャリーも怪演していますがゲイリー=オールドマンはもっと怪演でした。
110、「天使の恋」 寒竹ゆり 日本 ××PPほーぷ
主人公は14歳の時の事件がトラウマとなってその反動でお金だけが命と考えます。美貌を武器に援交したりそのあっせんをしている女子高校生が初めて本当の恋をします。相手は脳腫瘍であと数カ月の命と宣告されている大学の先生でした。さてその恋のゆくへはいかに。
タバコは大学の先生役の谷原章介が何回か喫煙します。高校生の前でそれも食事中に喫煙するのはサイテーですね。病気だから吸っているのがホープていうのがちょっと皮肉です。
109、「イングロリアス バスターズ」 クエンティン タランティーノ 米 ××× ☆☆
ナチが占領していたパリが舞台。ナチを容赦なく制裁をするアメリカ軍の士官をブラッド=ピットが熱演しています。ナチも残忍だけどアメリカ軍だって残酷なことをしていたということを伝えています。また、スパイがばれるかどうかなどの息づまる会話のやりとりが物語に重厚さを加えて単なる戦争ものとは一線を画しています。ラストのシーンが映画館で、フィルムが大きな役割を果たすところは監督が本当に映画を愛していることがうかがえます。
タバコは1941〜44年らしいシガレットやパイプがほとんどのシーンで使われています。女優がパイプをくゆらすなど女性の喫煙率も高い作品です。戦争の不条理を表現するのには長けていますがタバコの害についてはまだまだ勉強が足りないね、タラン君。
108、「曲がれ スプーン」 本広克行 日本 ×
超常現象番組の制作者のよね(長澤まさみ)はエスパー探しの旅に出て「カフェ念力」に集まっていたエスパーたちと出会います。本物のエスパーたちは自分がエスパーであることを隠していますが、よねの取材はなんとかうまくいかせてやりたいとあれこれ策を練るのでした。
地味目の個性派俳優たちが実力発揮の楽しい作品です。
タバコも最後まで出なかったので「主演女優賞は長澤まさみに決定だな」と思った直後に最後のエンドロールでほんの1,2秒ですが病院の喫煙所で喫煙する寺島進と松重豊が映りました。こんなシーンをわざわざ入れる必要がないのに残念でなりません。
107、「カイジ 人生逆転ゲーム」 佐藤東弥 日本 ○
フリーターのカイジ(藤原竜也)は友達の借金を背負ってしまいにっちもさっちもゆかなくなり、サラ金の社長(天海祐希)から参加すれば大金を手に入れるチャンスがある賭けに挑戦することを持ちかけられます。他に手立てのない彼はその誘いを受け、会場となっている大型客船に乗りこみます。そこには主催者が言うところの「人間のクズ」が集まっていました。勝利を目前に人のいいカイジはあるオッサンを助けたために結局地下の強制労働者にされ奴隷のように酷使されます。そこから這い上がるべく今度は「ブレイブマンロード」に挑戦見事クリアするのですが・・・
金持ちが搾取をしている構図もちらつかせて現在の社会を批判している面もありますが貧しい人が死んで行くのを笑ってみる人種が描かれ後味の悪い作品です。
タバコはカイジがアルバイトをしているコンビニにもタバコはなく喫煙シーンもない無煙の作品です。船に乗り込む場面では「船内は禁煙だ」ということばも小さくですがききとれます。藤原君がいい演技をしているので「主演男優賞」の候補です。
106、「なくもんか」 水田伸生 日本 ××PPJT沖縄
親の縁が薄くそのうえ別々に育った兄弟はそれぞれ深刻な状況ながらもなんとか生きてきました。兄は行列のできるハムカツ屋、弟はお笑い芸人となり、あるきっかけでふたりは再会するのでした。家族とは、親子とはをさまざまな家族を通して考えさせられる「泣ける喜劇」です。
タバコは沖縄でのエコサミットロケの場面でJTの灰皿が並ぶ喫煙スペースが映るほか、回数は少ないのですが弟の相方役が仕事がうまくいかないときに喫煙し、兄弟のだらしのない父親が葉巻を吹かしたりと印象的な場面での喫煙シーンが目立ちました。脚本はタバコ関係ではときどき物議をかもしている宮藤官九郎です。そして協力にはしっかりJT沖縄がトップで紹介されていました。
105、「ブラック会社に勤めているんだがもう俺は限界かもしれない」 佐藤祐市 日本 × ☆
タイトルの長さでは映画史上一番かもしれませんがこのタイトルがラストにはどう変わるのかが見所です。ブラック会社というのは社員を奴隷のようにこき使う会社のことですが、いじめが原因で不登校ひきこもりだった主人公が母親の急死をきっかけにやっと小さな会社に入社します。ところがそこはとんでもないブラック会社だったのです。ここでも彼はいじめを受けますがひとり人格者の先輩の存在に助けられなんとか毎日通うのでしたが・・・。
社会のさまざまな問題を提起していながらも笑える演出もありおすすめではあります。
一昨年の「キサラギ」で無煙映画賞を受賞した監督の作品だけに期待度は高かったのですがあっさりとうらぎられてしまいました。いじめ役の品川格が飲み屋で喫煙するほか、タバコを持ってるだけの場面もありました。品川は吉本興業なのでJTとの関係も考えられますね。
104、「アンを探して」 宮平貴子 日本 ×
祖母の初恋のカナダ人を探しに一人でやってきた17歳の杏里が、彼女の周囲の心やさしいひとびととの出会いを通して生きること、愛することのいとしさや切なさを知り成長していく姿を描きます。
「赤毛のアン」の舞台となったカナダのプリンスエドワード島オールロケで美しい自然も魅力です。
タバコはもちろんカナダ人はパーティーなどでも無煙ですが、杏里が泊まっているB&Bに取材で泊まりに来た日本人の姉妹のうち姉の方が仕事がうまくいかなかったときに外に出て喫煙します。実際に煙が出たのはこの1回だけで、それもイライラするときのタバコという常套的な扱いでした。タバコ以外に工夫をしてほしいです。
103、「パンドラの匣」 冨永昌敏 日本 ×
暗い印象の太宰治にしては珍しく青春を描いた作品で、結核療養所が舞台ながらも明るいやりとりのある映画となっています。結核を患ってはいるが、恋もするし振られもするし、嫉妬をしたりと普通の若者の姿を描いています。「やっとるか?」「やっとるよ」「がんばれよ」「よーしきた」など言葉遣いがさわやかで終戦直後の新しい青春が心地よく表現されています。
タバコは療養所が舞台なので出るはずないと思っていましたが、なんと看護婦長(芥川賞作家川上未映子)が1回だけ喫煙します。この頃から看護婦の喫煙率は高かったのでしょうか。
102、「空気人形」 是枝祐和 日本 ×COPD ☆☆
空気人形の「のぞみちゃん」は持ち主の男に彼を昔振った人間ののぞみさんの代用品として愛されていました。ある時人形なのに心を持ってしまいます。ひとりで外に出た彼女はいろいろな人と出会い、当然のことながらレンタルビデオの店員に恋をしそこで働くことになります。「都会の人間なんて中身はみんなからっぽさ。」ということばを真に受けたのぞみちゃんは「みんな自分と同じ空気人形なのだ」と思ってしまいます。そこから物語は悲劇的になるのでした。
人形役の韓国の女優ペ ドゥナが好演しています。生とはなんなのか観た後にそれぞれ考えるきっかけとなる秀作です。今年のベストスリーにははいることでしょう。
タバコの場面もほとんどないし街中でもタバコの看板などが映らず期待したのですが、後半になって公園のベンチにいる老人があろうことか酸素を吸入しているのにタバコを吸っているのです。善意でとらえれば「タバコはこんなになっても止められない依存性の高い薬物なのだよ」と伝えたかったのかとも思えますが、吸わされる俳優は気の毒ですね。
101、「母なる証明」 ポン ジュノ 韓国 ××
犯罪とは無縁な静かな村で女子高生が殺されます。警察が容疑者として小さな店で母親とつつましく生活をしている男を捕らえます。そこから息子の無実を信じる母親の戦いが始まるのでした。殺された少女の意外な真実が暴かれ真犯人は誰かと観客を引き込んでいきますが、予想に反した信じられない展開となり観る者を打ちのめします。しみじみ母親とはこんなにも子供を愛するのだろうかとおそろしくもあり圧倒されます。
タバコはまったく配慮がなくどこでもプカプカ吸っています。韓国映画は喫煙に対して日本より無神経です。母親も落ちつこうとするときにタバコに手を出すなど陳腐な使い方は日本と同じです。
100、「ゼロの焦点」 犬童一心 日本 ×××× ☆
オープニングでいきなり「電通」の文字が出て「こりゃだめだ」と思ったとおりのモクモク映画でした。あらゆる場面でタバコが出てきました。特に嫌煙派の中谷美紀がタバコをくわえたときは本当に残念でもあり気の毒でもありました。
映画としては戦後の混乱期の風景や小道具の再現はお見事で特に日本海側の海辺での生活者の様子はこまやかに描かれていて映画を重厚なものにしていました。広末涼子、木村多江、中谷美紀の3女優の激突も見所ですが、エンディングの中島みゆきの歌は最後に心を揺さぶります。最後までくれぐれも席をたたないようにね。
99、「大洗にも星はふるなり」 福田雄一 日本 ×
クリスマスイブにえりこちゃんからの手紙がきっかけで海の家に再集合した男たちは誰がえりこちゃんの本命なのか「我こそは」と主張するのですが、それぞれの言い分にはあれこれボロがでてきて話はこじれるばかりです。
「キサラギ」を想わせる男だけの密室劇でセリフのやりとりは最近のお笑い芸人のコントのようで内容はありませんが笑えます。出演者がいつものイメージとは違う役どころを楽しんで演じている雰囲気が感じられます。
タバコは海の家なのに灰皿もなく男たちも吸わずかなり期待したのですが、終盤でいきなりマスターがしみじみ喫煙してしまいがっかりでした。このタバコも意味がわかりません。ニコチン依存の人が前半にタバコを吸わないのは人物の設定として不自然です。
もうひとつ苦言を言わせてもらえば女性に対して侮蔑的な言葉がたびたび出てきたのも不愉快でした。誰もが心から楽しめるコメディにしてほしいものです。
98、「僕らのワンダフルデイズ」 星田良子 日本 × ☆
余命半年と宣告された主人公(竹中直人)は落ち込んでいましたがふとしたことから高校時代のバンドを死ぬ前に再結成しようとします。それぞれ仕事や家庭に問題を抱えながらも協力する昔の仲間たちです。すったもんだしつつもワンダフルデイズを過ごしますが、仲間の一人が倒れたことがきっかけで事情が変わってくるのでした。
竹中のオーバーな動きはコメディそのものですが、不況や介護などの現代の社会問題も織り交ぜ、笑いと涙の傑作になりました。脇役がうまいと安心して楽しめます。久々の映画出演というドラム担当の稲垣潤一が裕福なボンボンぶりを好演していました。
タバコは主役の5人が吸わず期待していたのですが、なぜか料亭の隣席の客の持つタバコがちらっと映ったり、不動産屋でいやな客が1回吸いました。どちらもあまり意味がなくなんでここでタバコなのか理解できません。もっとタバコに対して神経を使ってほしいものです。
97、「笑う警官」 角川春樹 日本 ×××× PPジタン
実際に起きた北海道警の裏金作りを内部告発した事件をモデルにした小説の映画化です。オープニングでジャズが流れバーのカウンターのサックス、ウィスキーグラス、そして煙が上がる葉巻・・・という陳腐な雰囲気で始まりイヤーな予感がしましたが、予感通りのモクモク映画でした。その上ジタンというタバコが重要な小道具になっていました。5人の刑事のうちひとりだけが喫煙します。
「ポチの告白」同様警察の腐敗ぶりには呆れるばかりです。
96、「サイドウェイズ」 チェリン グラク 日本 ○
第77回アカデミー賞脚本賞受賞作を日本映画として生まれ変わらせたおもしろい試みの作品です。脚本賞受賞作ということで独り者の男同士の会話がおかしくもあり切なさもあります。ワインで有名なカリフォルニア ナパバレーの美しい風景も見逃せません。
タバコはもちろんありません。アメリカの一般市民の間ではタバコフリーが常識なのでしょうか。
95、「マイケル ジャクソン THIS IS IT」 米 ○
今年の7月に予定されていたが、マイケルの突然の死で幻となったロンドン公演の準備やリハーサルの様子を追ったドキュメンタリーです。説明はいりません。すばらしい、のひとことです。
MJは大の嫌煙派で、東京の定宿に宿泊するときは壁紙も張り替えさせていたそうです。かさねがさね惜しい人をなくしたものです。ちなみに「We ラブ MJ」のTシャツを売っていました。
94、「私の中のあなた」 ニック カサヴェテス 米 ○ ☆☆☆
白血病の姉のためにドナーとして計画的に生まれてきた妹アナ(アビゲイル ブレスリン)は突然「姉のドナーになることを拒否します。」と言って、テレビでおなじみの弁護士にたのんで両親を訴えます。娘の命を救うために弁護士の仕事も辞めて必死になっている母親(キャメロン ディアス)は信じられない思いながらも受けて立ちます。法廷で明らかにされる真実は観る者の心を揺さぶります。同じ年ごろの娘を交通事故で亡くしたばかりの女性の判事は慎重に関係者から話を聞いていき、なぜアナが訴えたのかを明らかにしていくのでした。
生きること、死ぬこと、大切な人を亡くすことなど様々なことを考えさせられます。判事の「死は恥ではない。」ということばが印象的です。出演者全員にオスカー賞をあげたいくらい名演技でした。今年の洋画ベストワンまちがいなしです。でもアカデミー賞はタバコが出ないと取れないので、無煙の本作はオスカーとは無縁かも・・・。
93、「引き出しの中のラブレター」 三城真一 日本 × ☆
父親とけんかをして家を出てラジオのパーソナリティとなった真生(常盤貴子)のもとに生前に父親が書いた手紙が届きます。それは和解せずに他界してしまった父親からの愛情あふれる手紙でした。それがきっかけで伝えられずにいる想いを伝える「引き出しの中のラブレター」というラジオ番組が企画されます。笑わない祖父を何とか笑わせたいと願う孫の姿を中心にして、長崎から単身上京して家族のために働くタクシー乗務員、シングルで出産しようとする臨月の妊婦、好きな人との結婚を両親に反対されている青年医師などのいくつかの伝えられない思いがラジオを通して伝えられるのでした。
別々に進行していく話が最後にはぴったりとひとつにまとまってしまう、よく練られた脚本に加え、出演者それぞれがいい味を出していて地味ですが心に残る作品となりました。
残念なことにタバコはラジオ局の上司(吹越満)が禁煙パイポを常にくわえていて、立ち飲みの酒場でとうとう本物のタバコを吸ってしまいました。その酒場のシーンでは周囲の外国人などの客も吸っていました。他のおしゃれなワインバーやカフェのシーンではタバコだけでなく灰皿などもなかったので、やはり安いところはモクモクということをわざわざ演出したのでしょうか。意図がよくわかりません。
よかったのはタクシーの禁煙マークがたびたび映っていたことです。
92、「沈まぬ太陽」 若松節朗 日 ×××× PPラーク・マルボロ他 ☆☆
国民航空の組合の委員長として空の安全のために会社とストを予告して交渉をしていた恩地(渡辺謙)は報復人事としてカラチ、テヘラン、ナイロビと10年間へき地勤務を命ぜられます。その間に副委員長だった行天(三浦友和)は会社側に取り込まれ御用組合を結成し、共に闘ってきた仲間を裏切り組合つぶしや見せしめ人事をするのでした。そしてやっと日本に戻った恩地を迎えたのは航空史上最悪の御巣鷹山墜落事故だったのです。恩地は被害者の家族担当をすることになり、ここでもまた冷酷な会社と家族との間に立ち恩地の苦しみは続くのでした。
フィクションとはいえ思い当たる企業や政治家が容易に察しがつき当時の関係者は直視できないのではないかと思えるほど鮮明に再現しています。新聞記者もたかり屋のように描かれ、その報復かこの映画については紙面でふれないといううわさも流れています。しかしそれにもめげず平日の昼間でも観客は多かったし映画の出来もよかったので今年の1、2を争う作品となることでしょう。
タバコ的にも1、2を争うモクモク作品でした。上映開始後いきなり渡辺謙のタバコシーンにはギョウテンです。渡辺謙は白血病だったというのにこんなに喫煙して大丈夫なのでしょうか。国際派のスターだけに心配です。三浦友和もJTのCMを彷彿とさせる喫煙シーンばかり。その他の登場人物周囲でも喫煙する場面が多く、煙や灰皿などタバコ関係が映っている時間が8割くらいあったのではないかと思えるほどでした。案の定「たばこと塩の博物館」が協力していました。どおりで灰皿なども年代に合わせて時代考証がよくできていましたね。原作の山崎さんには是非ともJTの内幕もこの作品同様真実を書いてほしいものです。
91、「クヒオ大佐」 吉田大八 日 ×
第1話の湾岸戦争当時、アメリカと電話交渉をする場面で日本政府のお偉方がモクモクと喫煙をします。イライラしている様子を灰皿の吸い殻の山があらわしているという古臭い演出です。
自称アメリカ人の結婚詐欺師クヒオが登場する第2話では誰も喫煙しません。「相手の望むことをしているだけ」というクヒオのいいわけは、イラク・アフガン戦争で135億とられたのは同じようなアメリカによる詐欺だったと言いたかったのかも、とB級ながらも深読みができる作品です。
90、「監督ってなんだ」 日 ×
映画の著作権は誰が持っているのか、著作権法29条に関して監督か制作会社かという問いをドキュメンタリータッチで描いたドラマです。「ディレクターズカット」という言葉の意味がよくわかりました。出演はほとんど映画監督たちです。実際に現在の監督たちにインタビューをしていますがさすがにタバコをくわえている人はいませんでした。かつての喫煙者鈴木清順監督は携帯用の酸素を使っている様子でした。過去の様子を再現した場面ではたびたび喫煙していましたが・・・。
89、「こつなぎ」 日 ×
戦前から入会地として使っていた小繋地区の土地をめぐり地主と利用者との長い裁判闘争を紹介した作品です。たまたまみつかった古いフィルムと写真、それに現在のようすをうまくつないで(タイトルに重なりますね)まとめました。入会地という概念が今ではありまでんが森林が荒廃したのも入会地として利用しなくなったこととつながっているのかもしれません。
タバコは古いフィルムの中で数回でていました。
88、「麗江で鷹を放つ」 中 ×××
中国の少数民族のひとつナシ族の男たちの趣味のひとつである鷹狩を追った作品です。自然保護か伝統の維持か、そのはざまでそれでも鷹狩を続けています。
中国でもスモーキングプアという言葉があてはまりそうで貧しい人々ほど喫煙しているように見えました。また、訪問者に「まあ一服」とタバコを勧める習慣もまだ健在のようでした。
87、「包囲 デモクラシーとネオリベラリズムの罠」 カナダ □
新自由主義の功罪については日本では小泉、竹中の5年が話題になるだけだが、実は戦中から仕組まれていたことだったということを各国の学者へのインタビューで明らかにしていきます。徐々に包囲されていった過程がよーくわかりますがもう少し時間を短くしてほしいです。いくら内容がすばらしくても疲れて頭にはいらないのではもったいないですから。
タバコを吸うような学者は出てきませんが、戦中の写真では多くの政治家たちが喫煙しているようすが映っていました。
86、「新宿伝説 渚よう子新宿ゲバゲバリサイタル」 日 ××
新宿ゴールデン街でバーを経営しているよう子の夢であった「阿久悠の詩を歌いたい、新宿コマ劇場で歌いたい」という夢を実現させる過程を描いています。本人が映画祭での上映の前後にライブ出演をし3曲歌ってくれたのはおもしろかったです。
タバコはゲスト出演をしている三上寛、お笑いのトリオザパンチの内藤陳がインタビューのたびに喫煙していました。
85、「ふと、想う・・・」 インド ○
砂漠、山岳地、海岸インド国内のとさまざまな自然環境の中で生きる子供たちの教育についてのインタビューをまとめた作品です。インドは広いということにまず驚かされます。言語も多く(公用語15)自分の民族の言葉のほかに2言語学んだり教育を受けられない子供がいたり日本とは異なる面もありますが、いじめや、体罰があるのは日本と同じで親からの虐待もあります。そんな環境の中でも子供たちの目はけなげです。
学校に行けない子ほど学校へ行きたがり、学校へ行っている子は勉強が嫌い、本当に現代の学校教育制度は子供たちを幸せにしているのか考えさせられます。
タバコの煙は出ませんが、教育で使うアルファベット表のなかにタバコの絵があり残念です。
84、「現実、それは過去の未来」 中 ××
広州の街で起きた20の事件を断片的にとらえたレポート映画です。ラーメンにゴキブリが入っているのを怒っている客となだめる警官、水道管は破裂し、こみいった路地で火事が起き、乳児は捨てられ、警官と市民がもめたりめちゃくちゃさが現実を表わしているともいえます。警官にあまり権威がないのがほほえましくもあり、これでオリンピックが無事に終わったのが不思議でもあります。
タバコも現実をよく表わしていて一般市民の喫煙シーンが多く中国もタバコ規制はこれからですね。
83、「ナオキ」 日 ××××
バブル期にBMWをキャッシュで買うほどだったが、今はすべてを失い簡易保険の集金のアルバイトをしている57歳のナオキと、昼は事務職夜は酒場でアルバイトをしている29歳のヨシエのふたりの日常を追ったドキュメンタリーです。撮影をしているのはBBCのイギリス人記者。アフリカの貧困とは全く質の異なる日本の貧困を描いています。大学教育を受け健康で仕事もしてきたがひとつまちがえばホームレスにもなりかねないという人がたくさんいる現状をナオキを通して明らかにしています。
日本のタバコの現状も明らかにしていて、ふたりとも完全なニコチン依存症でスモーキングプアそのもののように見えました。アルコールもよく飲みますが酒は昼間は飲みません。しかしながらタバコは昼でも吸えるので体にはより悪いでしょうね。ヨシエさんの肌は荒れていて29歳にはとても見えませんでした。
この作品の素晴らしいところは上映後に監督とともに主役が舞台あいさつをしたことです。被写体との信頼関係がしっかりできていることをうかがわせ好感が持てました。山形国際ドキュメンタリー映画祭上映作品。
81、「プール」 大森美香 日 ○
タイの片田舎のゲストハウスが舞台です。主役の母親は娘を祖母に預けひとりでタイでゲストハウスの仕事をしています。そこへ卒業旅行で会いに娘がやってきます。はじめはうちとけないのですがゲストハウスのプールサイドでくりひろげられるちょっとわけのある人々との穏やかな時間をすごすうちに母親を許す気になっていきます。
タバコはさすがにタイが舞台のせいか風景や周囲のひとびとにも全く登場しませんでした。すがすがしく観ていても気持ちの良い作品でした。
80、「ちゃんと伝える」 園子温 日 ××
サッカー部の鬼コーチだった父親がガンで入院していますが、見舞いに行っていた息子にもガンが発見され父親よりも進行が早いと宣告されます。命が短いことを知らされ初めて自分の気持ちをちゃんと伝えることの大切さに気付き実行するのでした、というお話です。悲劇的な状況であるのもかかわらず主人公が冷静すぎるのが不自然です。また、夫と息子を失うであろう母親がほとんど描かれていなかったのは残念です。
タバコは父親の教師仲間のひとりがたびたびパイプをくゆらせていました。主人公が恋人と待ち合わせる商店街のシーンではタバコは映りませんでした。
79、「火天の城」 田中光敏 日 ○
1575年から1581年までのお話なので、タバコの存在は微妙ですが映画の中ではタバコはありませんでした。
織田信長に命じられて安土城を建築する宮大工とそれを支える民衆を描いています。汗と血を流して2000年保てるはずのりっぱな城を完成させてもわずか数年の命とはもったいないことです。古今東西戦争は愚かなことですね。ということをもっと表現してほしかったです。
78、「キラーヴァージンロード」 岸谷五朗 日 □
俳優の岸谷さんの初監督作品です。子供の時からいつもビリで「ドン尻ビリ子」と呼ばれていたひろ子は育ての親のおじいちゃんに花嫁姿を見せられるという前日に、弾みで殺人をおかしてしまいます。死体スーツケースに詰めて樹海へと逃げますが、彼女の前には男運の悪い「死にたくても死ねない」小林さんがいきなり現れます。そしていきがかりでふたりいっしょのとんでもない逃避行が始まります。小林さん役の木村佳乃がコメディに挑戦し笑わせてくれます。冒頭の木村さんの歌う「わかれうた」(中島みゆき)がよかったです。笑いながらも、自分を必要とする人がいるということの大切さを再確認できます。チョイ役の高島礼子もコメディエンヌの才能を感じさせていました。
タバコは二人の乗った車が暴走族に囲まれる場面で煙がチラッとただよいました。また、コンビニではレジの後ろの陳列棚にいつものタバコがしっかり映っていました。とても残念です。監督にはこのようなチェックもきちんとしてほしいものです。
77、「バラッド 名もなき恋のうた」 山崎貴 日 ○ですがライターが1回
大人が泣いたアニメ、クレヨンしんちゃんの名作 「嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦」を「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎監督が実写映画にしました。戦国時代にタイムスリップしてしまったしんちゃんと心配して追いかけてきた両親の3人が戦国時代に見たものは・・・。命をかけて守ろうとしている国が500年後には敵も味方も双方とも存在しないことを知り無駄な戦いはやめようとする大殿の気持ちには共感できるし、現在も続いている戦争にも同じことがいえるのではないでしょうか。又兵衛と廉姫の悲恋も泣かせます。敵の大将の潔さもさわやかなあとあじとして残ります。又兵衛役の草薙くんはいまひとつでしたが一生懸命さが伝わってくるので良しとしましょうか。
無煙なのですが、しんちゃん一家が持ち込んだ文明品の中にライターがあったらしく、エンディングロールでライターを点けてはしゃぐ映像がありました。しんちゃんの両親は喫煙者ではないので不自然ですね。やはり草薙君がJTの缶コーヒーのCMをしているからでしょうか。
76、「南の島のフリムン」 ゴリ(ガレッジセール) 日 ××
沖縄が舞台です。アメリカ人ダンサーに恋をしたフリムン(愛すべきおバカさんをあらわす沖縄語)と彼をとりまく家族や友人のドタバタ喜劇。美しい自然とアメリカ兵という沖縄の現実もからませたことでギャグはちょっと古臭いものも多かったけどおもしろい作品になりました。
タバコは主人公の育ての親であるおばさんがたびたび喫煙していました。食事中の喫煙はせっかくのおいしそうな沖縄料理が台無しになるからやめてほしいです。ほかにはアメリカ兵が集まるバーのシーンで数回。制作協力になんとかタバコ店がはいっていました。こういう協力はやめてほしいものです。
75、「96時間」 ピエール モレル 米 □
パリに旅行に出た娘が売春組織に誘拐されます。元米国特殊工作員の父親が情け容赦なく悪の組織と闘うというアクションドラマです。初めから最後まで息をつく暇を与えない緊張した展開で、面白いが大変疲れます。娘のためなら何人でも人を殺してしまう父親には共感はできません。CIAってひどいことしてるのねというのがよくわかります。特に若い女性だけで海外旅行に行くことがいかに危険かがわかります。海外へ行く前に是非観ることをすすめます。制作はあの「ニキータ」「レオン」のリュック べッソンです。
タバコは○に近い□、というのはマフィアのアジトでほんの一瞬タバコの煙が映っただけで後は無煙でした。タバコの本体は映っていません。
74、「20世紀少年最終章」 堤幸彦 日 ×
3部作の最後です。そしてエンドクレジットが終わってからの最後の最後の10分間のためにそれまでの5時間近くがあったといってもいいでしょう。大がかりな作品でしたがメッセージはいたってシンプルです。
タバコは元警視総監役がわざわざタバコとライターをポンとテーブルに置いたシーンがあり、そして大きく映して喫煙します。そのほかは空の灰皿程度でしたがこの1回は強烈でした。この喫煙は全く不要であり、やっぱり裏でJTが動いているのでしょうか
73、「南極料理人」 沖田修一 日 ××× PPホープ ☆
南極のそれも高度4000mの基地に1年以上缶づめになってさまざまな調査をする7人の研究者の食事を担当するのが主人公です。来たくて来たわけじゃないけれど食べることが唯一の楽しみなメンバーのために限られた食材であれこれ工夫して食事を作る姿を描きます。大きな事件は起こりませんがウィルスも住めないようなところで同じメンバーでいるとささいないざこざは起こります。そんなときもとりあえずおいしいものを食べれば元気が出てくるのです。食べることがいかに大切なことかよくわかります。主役の堺雅人の手際もおみごとです。
しかしながら、タバコは大問題です。まず密閉された狭い室内で平気で喫煙します。特に医者がいつもタバコをくわえているのはどうかと思います。肉体的に吸える状態なのでしょうか。時代設定はさだかではありませんがまさか今でも喫煙野放しではないでしょうね。
72、「真夏の夜の夢」 中江裕司 日 ○
ご存じシェイクスピア原作の作品です。舞台は沖縄です。時代は現代で、原作とは趣が全く異なりますが芝居がかった演出が効果的でした。神様のちょっとしたいたづらが巻き起こす恋愛喜劇は古今東西を問わずおもしろいですね。加えてリゾート開発の波に翻弄される話が現代性を与え、沖縄の自然とうちなーぐち(琉球方言)が原作にはないおもしろさにしました。
タバコは出てこなかったのがよかったです。
71、「ポー川のひかり」 エルマンノ オルミ 伊 ○ ☆
明日から夏休みという大学の古文書図書館で守衛が見たものは太い釘で床に打ち付けられた大量の古書でした。犯人と推察される教授は図書館を抜け出しすべてのものを捨て、ポー川のほとりの廃屋で暮らし始めるのでした。村人はその風貌から彼をキリストさんと呼び排除することもなく受け入れていくのでした。自然の中でつつましく暮らす村の人々にも開発の波や農薬汚染などの現代社会が抱える問題がおそってきます。「生きる」とは、真の豊かな生活とは何か、などを考えさせられる秀作です。
2006年の作品ですが無煙です。村のお祭りの場面や宴会などの場面でもタバコはありませんでした。
70、「色即ぜねれいしょん」 田口トモロヲ 日 ×××PP缶ピース、ハイライト
原作は作家みうらじゅんの自伝的小説です。両親に愛され不満がないのが不満のような仏教系の男子校の高校生が主人公です。もやもやした気持ちと体(?)をもてあまし、友達と3人でフリーセックスという噂の島へ出かけます。そこで出会った人々が彼らをいろいろな意味で成長させるのでした。そして彼は自分のやりたいことをつきとめるのです。というふうに青春物としては面白いのですがとにかく喫煙シーンが多すぎます。ユースホステルが舞台で高校生なのにタバコも酒も出てくるというのはいくら事実でもそこまでやる必要はありません。新人の俳優が新鮮な演技で楽しませてくれましたが喫煙と受動喫煙の被害が心配される作品です。
69、「アマルフィ 女神の報酬」 西谷弘 日 ××
ローマでのG8の日本代表団の受け入れ準備が忙しい日本大使館に、外交官の黒田が赴任します。そんなとき日本人観光客の子供が誘拐事件に巻き込まれます。予算を使い放題の外務省や監視カメラを逆手に取った犯人達の作戦は今の社会を皮肉っていておもしろいです。政治家は誠実に仕事をしないといけませんよ、というメッセージが伝わってきて政権交代の昨今にはタイムリーな内容でした。
タバコの扱いは、誘拐された子供の母親役のアラフォーの星、天海祐希が事件後1日目と2日目にホテルのベランダに出て2回喫煙します。その後喫煙のせいでもないのでしょうが走るとぜいぜいしてしまいます。そのためか3日目は一度タバコをくわえますがふっと考えてポケットにもどすというシーンがありました。どう解釈したらいいのかよくわかりませんが吸うのをやめたのは結構なことです。ちなみに彼女は看護士役です。そのほかでは外のカフェのシーンで隣席の女性が喫煙していました。イタリア警察の署内は無煙でした。
68、「ナイトミュージアム2」 ショーン レヴィ 米 ○ ☆
おなじみの夜警だったラリーは発明家になってテレビショッピングの売れっ子で大金持ちになっていました。そんな彼にある時「助けて!」という電話が入ります。なんとラリーの仲間たちがスミソニアンの倉庫に閉じこめられることになってしまったのです。博物館の展示物が夜になると動き出すというのは前作と同様ですが、動き出すものの種類が増え、絵画や写真の中にも入り込めるようになったり、リンカーンや「考える人」も動き出してにぎやかさ倍増です。ラリーを助けるのは女性初の飛行士アメリア。彼女のおかげで黒人にも飛行士への道が開けたというエピソードが加わったり、二人は魅かれあい、「今を大切にしたいの」という気持ちが感動的です。「真の幸福とは?」の問いかけにラリーがみつけた答えとは・・・。吹き替え版で観ましたが監修を「ハンサム★スーツ」の脚本を書いた鈴木おさむさんがしています。日本語のギャグが笑えます。
無煙で家族みんなで楽しみながら、「今この時をたいせつに」とか「本当の幸せはどこにあるか」など考えさせられます。
67、「セントアンナの奇跡」 スパイク リー 米伊 ××× PPキャメル
郵便局に切手を買いに来たひとりの移民が局員にいきなりドイツ製の銃で撃ち殺されます。そして物語は40年前に遡ります。1944年イタリアトスカーナ地方。川をはさんで対峙している米独軍。熾烈な戦闘のさなか4人の黒人兵が敵地に迷い込んでしまいひとりの少年を助け小さな村にたどり着きます。そこにいたのは黒人差別をしない素朴な村の人々でした。一部の村人はパルチザンとして独軍と闘っていたのです。黒人兵とパルチザンそして独軍、心理的実践的さまざまな戦いが繰り広げられますが少年の不思議な力で一人の黒人兵だけが生き残ることができたのです。
通常のアメリカ映画だと独軍は悪者としか描かれませんが、ドイツ兵にも厭戦の気持ちはあったし人道的な人もいたし、パルチザンにも裏切り者はいるなど平等に描かれています。当時のアメリカでのひどい黒人差別を知ると64年後に黒人大統領が登場することこそ「アメリカの奇跡」ではないでしょうか。
ところで、タバコでは大問題作です。喫煙シーンがあるばかりでなく、村で唯一英語を話せる女性を口説くのに「アメリカタバコどう?キャメルだぜ。マイルドでなんとかでかんとかで〜〜」とキャメルの宣伝をするのです。そして彼女もそれに乗っかってしまうのです。一般の映画評では今年度のベスト10に必ず入るであろう秀作なだけにタバコマネーの介入が残念です。
66、「HACHI 約束の犬」 ラッセ ハルストレム 米 ○
渋谷駅前の待ち合わせポイントして有名なあのハチ公の物語に感動した日系アメリカ人の制作です。舞台をアメリカ東部の1990年代に変えましたが、飼い主が亡くなってから9年もの間夕方5時に駅に迎えに来るという設定は全く同じです。加えて飼い主の友人に日系人の同僚を登場させたことで、秋田犬を通して日本の精神性を紹介したものにもなりました。ハチを演じた3匹の犬たちが人間にあまり媚びないところがいいです。ラストのシーンが感動的です。一途に待ち続けるハチが亡くなった人のことを想う大切さを伝えます。お盆の季節にちょうど良い映画でした。
無煙で家族で安心して観れじっくり感動を共有できます。
65、「群青」 中川陽介 日 ○ ☆(無煙映画賞候補作)
沖縄の小島に病気療養でやってきたピアニスト。彼女に一人の漁師が恋をします。ふたりはやがて結婚し娘=涼子を授かりますが、ピアニストはしばらくして亡くなってしまいます。涼子は同い年のふたりの男の子一也と大介とともに3人で仲良く成長するのですが、高校を卒業する時期を迎え3人は微妙な関係となっていきます。涼子は漁師となった一也との結婚を父親に打ち明けますが「まだ一人前ではないだろう」と言われ、一也は無理な漁(深い海にある宝石サンゴを採る)をし帰らぬ人となってしまうのでした。正気をなくした涼子のもとに島を出ていた大介がもどってきますが、涼子の心は閉ざされたままなのでした。沖縄の自然が沖縄のリズムとともにとても気持ちよくで印象的です。
タバコに関しては、海辺の居酒屋などの場面や大介の大学入学祝いの宴会の場面もありましたが無煙でした。内容も問題ないので主役の長澤まさみちゃんは主演女優賞候補です。
64、「鶴彬 つるあきら」 神山征二郎 日 ×
プロレタリア川柳作家として10代からその才能が認められますが、治安維持法違反の罪で捕らえられ、わずか29歳で獄中病死した富山県出身の本名喜多一二の半ドキュメンタリー作品です。治安維持法という悪法の下たくさんの人が犠牲になりましたが、敗戦でその法律は廃止されました。「たばこ事業法」というより多くの犠牲者を出している悪法も早くなくさなければいけませんね。
タバコは主役は吸わないのですが友達などの周囲がキセルや紙巻きなどを何回か吸っていました。
63、「蟹工船」 SABU 日 × ☆☆
厳密にいえば「蟹工船 2009」です。言葉使いや衣装などは現代的で、1953年の作品とは印象が全く違いますが、原作(小林多喜二)が伝えたかった労働者が社会の主役であることや、軍隊の銃口は時としては国民に向かうというメッセージはきちんと表現されていました。
原作ではタバコモクモクの船内もこの作品では無煙でした。惜しいことに回想の場面で土地を奪い取る資本家が1回喫煙します。会社の偉い人が船内で葉巻を手にしていたのと、張り紙に「逃亡者を発見したものに懸賞としてたばこ2箱」とありました。主役の松田龍平に少し凄味が出てきて将来が楽しみですが、禁煙してからだを大切にしてほしいものです。
62、「ノウイング」 アレックス プロヤス 米 ○
50年前に予知されていたさまざまな事故や自然災害がその後次々と発生します。そして最後には人類の滅亡がやってきます。しかし、選ばれたふたりの少年と少女は神に導かれ新たな星に降り立つのでした。炎上する飛行機や暴走する地下鉄の映像のものすごい迫力が売り物ですが、実は選民思想に基づいたキリスト教のプロパガンダ映画ともいえる内容です。
タバコはなし。その点だけはおすすめです。
61、「MW ムウ」 岩本仁志 日 ○
手塚治原作のサスペンス映画です。16年前に小さな島で起き、闇に葬られた毒ガス(MW)製造とガス漏れ、そして島民全員の虐殺という国家機密事件がありました。しかし奇跡的にふたりの少年は逃げ出して大人になったのですが、ひとりは牧師にもうひとりは毒ガスを微量ながらも吸ってしまったためか悪魔のような復讐の怪物になっていたのです。そして事件に関係した人を次々と殺戮していくのでした。
勧善懲悪のわかりやすい話ではなく、「悪」が主役なので(実はもっと大きな悪が存在するのですが)全編にわたって緊張感のある展開となっていて肩のこる作品です。
タバコは無煙ですが、唯一冒頭で起きる誘拐事件の被害者の女性の写真がタバコを持ってポーズを取っています。この写真が何回か映ります。女性は薬物依存もあり、人格を表わす小道具としてマイナスイメージを表わしています。スモークフリーですがタバコフリーではありません。
60、「サンシャイン クリーニング」 クリスティン ジェフズ 米 ×× ☆
姉のローズはシングルマザーで仕事はハウスキーパー、妹のノラは父親と同居して自立できず、父親も怪しげなものをセールスしているがままならず、といった家族を中心に話は進みます。ローズの不倫相手の警官から「金になるからやってみないか」と勧められたのは殺人や自殺などの現場のクリーニングです。姉妹は「やるっきゃない」と始めるのですが、軌道にのりだした頃ノラが大失敗をしてしまうのでした。どうしょうもない妹なのですが彼女にもつらい心の傷があったのです。「リトルミスサンシャイン」の制作チームの第2弾ということで期待しましたが、期待の笑いはなくどちらかというとちょっと切ない胸がキュンとなる作品となりました。それでもラストがさわやかで希望が感じられ救われます。
タバコはローズの息子を預かっているときにノラが喫煙します。子供の前の喫煙は××です。母親の思い出の品がタバコの吸い殻で、ノラが落ち込んだ時にしみじみ口にくわえる場面があり印象的に扱いすぎです。
59、「ディア・ドクター」 西川美和 日 ××× ☆
過疎の村で献身的に働く医師のもとに若いおぼっちゃまの研修医がやってきたところから物語は始まります。その仕事ぶりに研修医も心を動かされ、「彼こそが本当の医者だ」と尊敬をするようになっていきます。ある一人の患者の「家族には自分の病気のことを知られたくない」という願いに応えようとした時に実は彼がニセ医者だったという秘密が明らかになってしまうのでした。
前作「ゆれる」で各賞を総なめ(とはいっても無煙映画賞は取ってませんが)した西川監督の過疎地の医療や末期患者の医療など様々な問題を織り交ぜた上に、田舎の美しい自然と主役の笑福帝鶴瓶さんの名演で秀作となりましたがタバコの扱いでは大いに問題です。(残念ながら今回も無煙映画賞の対象外ですね。)
・失踪したニセ医者を捜査する刑事へのわいろに村長が渡したのは数箱のタバコ。
・「禁煙」という張り紙の前で製薬会社のセールス担当者がしみじみ喫煙。
・ニセ医者がばれるとそれまで吸わなかった鶴瓶さんが駅の売店でタバコを買いその場で火をつける。
・駅のホームの喫煙所で逃げる鶴瓶さんと刑事二人がニアミス。3人とも喫煙する。
などタバコを小道具に使いすぎです。
電通が制作に名を連ねているとタバコが出てくるというのは私の考えすぎでしょうか。気になります。
58、「愛を読むひと」 スティーヴン ダルドリー 米 ××
15歳の少年がひととき愛し合った初恋の相手は母親ほども年上の過去のあるそして人には言えない秘密を持つ女性でした。法科の学生に成長した彼が次に会ったとき彼女はナチスの協力者として法廷で被告席にいたのでした。彼女は秘密を隠し通すため冤罪を受け入れ無期懲役になります。その後彼は彼女を支えるため、出会ったころにしていたこと「本を読んで聴かせる」を続け、送られたテープが箱いっぱいになるころ彼女は初めて「字を書く」ということに挑戦するのでした。彼女は読み書きができなかったのです。手紙も書けるようになった頃模範囚として釈放が決まるのですが・・・。
ヒロインを演じたケイト ウィンスレットがアカデミー主演女優賞を獲得しましたが、たしかに名演です。ただ、アカデミーとタバコの関係も胡散臭いものがあるようにこの映画もタバコがたびたび出てきます。1970年から80年の場面では学生が講義を聴きながら喫煙したり、彼女の罪を知るといたたまれず喫煙するなどの使われ方が気になりました。
57、「劔岳 点の記」 木村大作 日 ×× ☆
日本地図の空白部分である剱岳登頂をめぐり、陸軍から命令を受けた測量技師と案内人および周囲の人々と、競うかのように初登頂を目指す日本山岳会のチームの姿を美しく厳しい自然とともに描きます。オールロケ、CGなしという今では珍しい姿勢を通したのは名カメラマンでこの映画初監督の木村大作です。彼の映画に対するかたくなな姿は映像だけでなくエンドクレジットにも表れます。すべての俳優スタッフを「仲間たち」と平等に扱っています。映画はスタッフの一人がかけても出来上がらないということを伝えたかったのでしょう。
スタッフのひとりひとりを大切にするなら喫煙シーンも止めてほしかったですが、山岳会チームのメンバーや荷揚げの仕事をする人が休憩の場面などでタバコやキセルを吸っていたのは残念です。ただ、陸軍の幹部の部屋でのやり取りではテーブルの上に灰皿、タバコ、マッチがそろって映りますが喫煙シーンはありませんでした。軍人=タバコというのは卒業したようです。
56、「斜陽」 秋原正俊 日 ×
太宰治生誕100年記念の作品です。没落していく旧家の母子の姿を描いています。母親は衰弱していきますが、娘は息子の友人の文学者と出会ったことで生きる希望をとりもどします。みなさん御存じの名作ですね。ファッションが古い割にケータイが出てきたり時代考証がめちゃくちゃなところも太宰らしくておもしろいです。しかし、失礼ながら温水洋一さんの作家役は荷が重すぎたようでいまひとつでした。もう少しアクのある人にやってほしかったです。
タバコはその温水さんがたびたび喫煙していました。
55、「守護天使」 佐藤祐市 日 ××× PPセブンスター
06年度の無煙映画賞の監督の作品だったので期待しましたが、今回は非常に残念ながらモクモク映画でした。
通勤電車で会う高校生に初恋をした中年のサラリーマンが怪しい闇サイトのグループから彼女を守ろうと決意し、応援に元引きこもりの少年や高校時代の同級生が立ち上がります。予想外の展開となり面白い作品ですがタバコが多すぎました。3人が集まるマージャン荘の常連さんが常に喫煙しているのは未成年者もいるのに配慮がありません。禁煙のじゃん荘こそ現代的ですよね。その上やくざは喫煙者というのも当たり前すぎてつまらないです。もうひと工夫してほしいですね。共同テレビジョンの椛沢さんもう少しがんばってくださいね。
54、「岸辺のふたり」 マイケル=デュ=ドゥ=ドゥヴィット 蘭英 ○ ☆☆☆
2001年のアカデミー賞短編アニメ部門を獲得した作品です。「8分間の永遠」と賞される大変すばらしいアニメです。セリフは一切ないのですが名曲「ドナウ川のさざ波」が鉛筆書きのシンプルな画面に美しい色を添えています。ボートで出かけたまま帰らない父を思い続ける娘の姿は観る者の記憶の底にある子供のころの思い出のひきだしをあけたり、遠くに行ってしまった人を思い起こさせたりさせるのです。愛する人を思い続けることで奇跡は起きるのだと信じたくなります。 このような名作が無煙でうれしいです。アニメなので対象外ですが。
53、「インスタント沼」 三木聡 日 ××× ☆
仕事がうまくいかないOLのハナメはひょんなことから行方不明だった父親を探し出します。あやしげな骨董屋を営む父親からちょっとおかしな人生の楽しみ方を教わるのでした。人生がうまくいかないのは子供のころ沼に沈めてしまった招き猫の呪いなのだと気づくハナメは招き猫を救うことで自分の運も開けると考えます。
麻生久美子がハナメをはじけて好演しているほか、加瀬亮、風間杜夫、松坂慶子などのベテランがいつもとは違うイメージの役を楽しそうに演じていました。 理屈ではなく観ていると元気が出てくる不思議な作品でした。
しかし、タバコの扱いは問題ありです。OL時代に女同士の愚痴のはけ口が喫煙所です(オフィスは禁煙なので屋上で喫煙)。パンクロッカーはスモーカーというのも常套的でそのうえバンク役の加瀬亮君ちょっと喫煙回数が多すぎでした。からだが心配です。
52、「ウルトラミラクルラブストーリー」 横浜聡子 日 ××
青森のいなかでばあちゃんと農業をして暮らすちょっとおかしな青年が、東京からわけありでやってきた保育士に恋をします。ある時農薬を浴びるとなんとなく頭がすっきりしたような感じがし行動も少し落ちつきます。「なんか変ったみたい」と言われ、たびたび農薬を浴びるのですが・・・。恋は人を行動的にするのはわかりますがちょっとやりすぎかなといった感じです。
全編津軽弁で青森の豊な自然はいいのですが、飛行機で農薬をまくのはなんとかならないのでしょうか。これが日本の農業の現状といえば現状なのでしょうが・・・。
タバコは主役級は吸わないのですが、後景で農家のおやじさんが吸っていたり、葬式の後の席で多くの人が喫煙していました。農協の窓口では禁煙マークがちらっと映ります。
51、「ターミネーター 4」 マックG 米 ○
ご存じシュワちゃん演ずる「ターミネーター」の続編です。時代は2018年。地球は人類とマシンとの核戦争で荒れ果てわずかに生き残った人もいまだにマシンの「人間狩り」におびえながらあちこちに散らばって生きています。
そこに現れたのは2003年死刑になった人の体を利用して作られた脳と心臓だけが人間という半人半マシン。おなじみのおとなになったジョン=コナーとともにマシンと戦うのでした。戦闘シーンの展開が早いのでゆっくりつじつまを考えている暇がないのだけれど、近未来の話なのに妙にラジオとか身に付けているものが古臭いのがちぐはぐで、今までのストーリーとどう重なってくるのかよくわからなくなっています。この手の作品はあまり深く考えなくてもいいのかもしれませんが・・・。まだ、続いていくようですがそろそろ限界かな。
タバコはさすがにそれどころじゃない状態なのか出てきませんでした。
50、「ハゲタカ」 大友啓史 日 ×××
テレビではおもしろかったのに映画にしたら白けちゃったというパターンの代表作です。登場人物はみんな実力のある俳優なので一つ一つの場面はよくできているのですが、それが一つの作品としてまとまっていないのです。共感できる登場人物がいない、みんな中途半端でちぐはぐな描き方です。あれこれ盛り込みすぎなのです。また社会性もなし。何を伝えたいのか全然わからないのです。久々につまらない映画でした。どんな名優の名演も脚本がだめなら意味がないということでしょうか。(脚本 林宏司)
タバコ的には大問題作です。日中のハゲタカつまり主役と悪役のふたりが喫煙します。それぞれに関わる派遣工と元ハゲタカも喫煙します。それだけでなく「最近はどこも禁煙になっちゃってこんなところでしか吸えない。」というセリフがあります。このセリフは元ハゲタカで現在は旅館の社長のセリフですが、ちなみに彼の旅館は全室禁煙で経営は順調だそうです。前半はタバコを吸わなかった主役が彼を応援にたのむときのセリフが「タバコ1本くれる?」と、まるでタバコが仲間のシンボルのようです。中学生の不良仲間のセリフみたいですね。悪役の赤いハゲタカが派遣工を利用するために近づく場面でもタバコが使われています。そのほかファミレスで食事をする場面でも平気で喫煙していました。NHKドラマではこんなにタバコが出てきた記憶がないのですが、いったいどうしたのでしょうね。制作はNHKエンタープライズです
49、「ガマの油」 役所広司 日 □
少年院から出所する友達を迎えに恋人とのデートを切り上げて急いで行く途中交通事故会ってしまった息子。その息子のケータイが鳴り父親は思わず息子のふりをしてしまいます。電話で声を聞くことしかできない恋人を思う少女、親友を自分のせいで死なせてしまったと心をとざす少年、息子を亡くした悲しみをなんとか乗り越えようとする父親、3者はいつしか存在しない息子を通して心が通い合っていくのでした。タイトルは父親が子供のころ出会ったガマの油売りがいくつかの人生訓を聞いた思い出からつけられました。生きること死ぬことを考えさせられます。
登場人物はだれもタバコを吸わないのですが、冒頭に渋谷の雑踏が映りそこで残念なことに喫煙所にたむろして喫煙する人が映ってしまいました。役所広司初監督の作品ですが、監督はロケの細かいところも見逃さないでほしいものです。ちなみに、同じ場面でセンター街の「路上喫煙禁止」の横断幕も映ります。
48、「おと な り」 熊澤尚人 日 ○ ☆
都会のアパートに住むカメラマンの聡と花屋に勤める七緒は隣同士ですがお互いに顔は見たことがありません。お互いの生活する音だけがなにかほっとさせる存在なのでした。二人にはそれぞれ男女がからんだ小さな事件が起こりますがなかなか二人は出会わないのです。いつになったら出会うのかちょっとイライラさせられながら物語は展開していきます。
おとなの恋を扱った作品ですが無煙でした。その上タバコフリーです。
・コンビニで買い物するシーン。いつもならここで店員の後ろにタバコがズラリなのですが、タバコフリー。
・コンビニの看板に付き物なのが「酒・たばこ」。しかし「酒」のみでタバコフリー。(コンビニはファミリーマート)
・ふたりがすれちがいながらも通っている喫茶店。ここも灰皿なしのタバコフリー。
・後半で二人が出会う高校の同窓会の懇親会場もタバコフリー。
無煙映画担当としては「熊澤監督はもしかして無煙映画評を読んでいるのではないか」と思わせるほど完璧なタバコフリーフィルムでした。2009年度の無煙映画賞候補です。麻生久美子は「女優賞」当確ですね。
上映館のリニューアルした新宿ピカデリーも全館禁煙でした。
47、「天使と悪魔」 ロン ハワード 米 ×! ☆
「ダ ヴィンチ コード」のシリーズ第2弾です。ヴァチカンでカトリック教皇の死と次の教皇を選ぶコンクラーベを前に4人の候補が誘拐されます。その謎を解くためにあのラングドン教授が呼ばれます。誘拐犯は開発されたばかりの新エレルギー物質を手に入れていたのです。その物質は片手で持てる大きさですがなんとヴァチカンのみならずローマ全体を爆破させる威力を持っていたのです。さあ、ラングドン教授はこの謎が解けるのでしょうか。真犯人はまさに「天使と悪魔」でした。最後まで気の抜けない作品です。
タバコはコンクラーベに招集された枢機卿たちが会場に入る前に数人が喫煙しています。入り口でのチェックでタバコのパッケージも映ります。また、ラングドン教授が謎を解くためにヴァチカンの資料室に入ります。そこは資料の保護のために密閉され酸素や気圧が電力でコントロールされています。ところが停電で酸素の供給が止まってしまいます。そのとき見張りについていた職員はすぐに息が苦しくなり教授から「タバコを吸っているのか?」と聞かれ「ええ、少し」という会話が交わされます。やはり喫煙者はすぐに息苦しくなるようですね。ちなみに助かった後懲りもせずに喫煙しているのは納得できません。中途半端な扱い方でした。
46、「ベイビイ ベイビイ ベイビイ」 両沢和幸 日 △ ☆
大手出版社の副編集長としてさっそうと仕事に励む陽子(観月ありさ)は新雑誌の編集長に抜擢されますが妊娠が発覚します。すると抜擢の話も消え、悩みながらも産婦人科で出会った妊婦仲間やあてにはならないけど「おれの子を産んでくれ」とすがる赤ちゃんの父親(谷原章介)に励まされ仕事を辞め出産する決意をします。ドタバタのコメディーではありますが、女が男社会で仕事を続けることの難しさやキャリアからはなれることのさみしさなど笑わせながらも考えさせられます。それにつけても観月ありさは素敵です。日本映画界唯一の美形コメディアンヌです。もしこの作品が無煙だったら主演女優賞はまちがいなかったのに・・・
たった1度父親のカネラマンが仕事を頼みに行った胡散臭い出版社の薄汚い編集長がタバコを吸うのです。残念です。「惜しかったで賞」候補?にでもしましょうかね
45、「60歳のラブレター」 深川栄洋 日 ××
団塊の世代前後の3組のカップルと、わけありの娘と恋人のそれぞれの愛の姿を描いています。定年離婚、妻の急病、大人の恋などストーリーはありふれていますが、味のある俳優たちの好演で飽きさせません。おとなが安心して楽しめる作品です。
しかし、タバコの扱いは大問題作です。戸田恵子扮する売れっ子の翻訳家がほとんどのシーンでスパスパ喫煙します。キャリアウーマン=タバコという古臭いワンパターンです。井上順扮する5年前に妻を亡くし、娘と二人暮らしの医師と仕事の関係で初めて会う席でタバコを吸うシーンは常識ではありえないでしょう。いくら喫煙者でも自分がたのんで会ってもらっている人が現れたらすぐに消しますよね。彼女はしばらく吸い続けます。また、タクシーと思われる車内でも喫煙します。子供の前でも、食事が始まっても平気で喫煙です。さすがに、井上順の娘に「お母さんはタバコなんて吸わなかった。」(もうひとこといいセリフあり)と鋭く突っ込まれます。その後、彼女はひとりになったときベランダの椅子に座ってしみじみとタバコをくゆらすのです。娘のセリフは何のためだったのか、戸田さんの持っていた妙に高級そうなブランドのシガレットケースも気になりました。
そのほか、30年前の手紙の主を金毘羅さんから届けに来ている石田卓也扮する若者も車の中で喫煙します。このタバコシーンには何の必要性もありません。
44、「重力ピエロ」 森淳一 日 ×
連続放火事件の現場近くに残されたのは謎の落書きです。落書き消しを仕事にしている弟にたのまれ、一緒に張り込みをすることになった兄。落書きの文字は遺伝子配列と関係があることに兄は気づきます。実は24年前に放火された場所と同じ場所で忌まわしい連続レイプ事件が起きていたのです。そして兄弟の母親はその事件の被害者のひとりだったのです。重い内容ですが見ごたえのある作品に仕上がっています。
悪役の渡部篤郎の不気味さがいいのですが、悪役だからタバコというのはちょっと一般的すぎます。タバコはなくても問題ありません。また、放火犯かと思わせる男がライターで火を点けたのはアップのタバコでした。これもよくある肩すかしです。
43、「鈍獣」 細野ひで晃 日 ××
小学校時代の同級生デコヤンが田舎に帰ってきます。実は彼は小学校時代のことを小説に書いているのでした。しかし、書いてほしくはないある事件をめぐり、同級生たちはデコヤン殺人計画を立てるのです。殺鼠剤でもトリカブトでも死なないデコヤン。本当に鈍いのでしょうか。それとも人の痛みを顧みない人こそが鈍いのではないのでしょうか。ということを伝えたかったのかもしれませんがはちゃめちゃすぎていまひとつ理解できません。お笑い系なのかサスペンスなのか不完全燃焼でした。
タバコは冒頭で南野陽子がタバコをもってくゆらせます。口には持っていきません。吸殻入りの灰皿が交番やバーで映ります。デコヤン役の浅野忠信に南野がタバコを勧めますがそのパッケージは「DEATH
CIGARRET」。タバコを吸ったデコヤンに「あれ?タバコ吸うんだ?」「吸わない吸わない」とすぐに消すシーンがあります。交番には「路上喫煙、ポイ捨て禁止です」の張り紙が度々映ります。タバコ的にもどっちなんだかよくわかりません。
42、「鴨川ホルモー」 本木克英 日 △ ☆☆
ホルモーというオニ合戦を真面目に行う京大生の話です。奇想天外ですが、ついこの間まで陰陽師が現役だった(今もかな)京都ならそれほど違和感はないかもしれません。客観的には現実的ではない話だけれど、いつのまにか引き込まれ楽しめます。なんといっても見せ場はメンバーが素っ裸で踊る(女人禁制の神社で)ワンサカワンサのレナウン娘の曲がサイコーです。筆者の好みの映画です。
タバコは残念なことに最初の新歓コンパの会場で紫煙が漂ったり、京大の学生寮で吸殻いっぱいの灰皿などが映りました。主な登場人物は吸いません。
41、「ミルク」 ガス ヴァン サント 米 ××
アメリカで同性愛者として初めて公職に就いた実在のハーヴィー=ミルクをショーン=ペンが演じました。1970年から78年の話ですが、選挙事務所やパーティ会場での喫煙シーンが多すぎます。でも主役は喫煙しません。
暗殺した犯人が身近な人で二人を殺したにもかかわらず、「ジャンクフードの食べすぎで正常な判断ができなかった。」という理由でわずか5年で釈放されたそうです。
40、「バーンアフターリーディング」 ジョエル&イーサン コーエン 米 ××
拾ったCDにCIAの機密情報がはいっていると思い込んだおバカな男女が一攫千金をねらうのですが、元CIAや不倫をしている保安官などを巻き込んでとんだ大事件となってしまいます。意外な俳優がいつものイメージとは真逆なキャラを演じていて意図はおもしろいのですがいまひとつまとまりにかけてしまいました。コーエン兄弟といえどもたまには駄作もあるようです。
タバコはプリンストン大学の同窓会でほとんどの参加者が葉巻やシガレットをスパスパと吸います。CDを売り込みに行ったロシア大使館でも大使館の担当者がスパスパでした。
39、「余命1カ月の花嫁」 廣木隆一 日 ××
乳がんと診断された千恵は症状が隠せなくなり、恋人の太郎と別れることを決意します。しかし、太郎は「一緒にがんばろう」と励まします。ところが、病魔は千恵の体を蝕み「余命は長くて1カ月」と宣告されます。太郎はウエディングドレスを着せてあげたい、結婚指輪をさせたいと思い実現させるのでした。
実際に病気と闘う姿をドキュメンタリー番組として撮影し、若年の乳がん患者の存在をマスコミを通して一般に認知させ、20代の検診の必要性を訴えた長島千恵さんがモデルになっています。「明日があるのは奇跡」という彼女のメッセージがよく伝わってくる作品です。
タバコは千恵の父親役の柄本明がたびたび喫煙します。実は千恵の母親は卵巣がんで千恵が10歳のときに亡くなっているのにもかかわらず、その後も父親は喫煙を続けていたことになるのです。タバコががんの原因ということを知らなかったのでしょうか。ちなみに原作は2007年4月5日が結婚式です。タバコががんの原因であることをもっともっと周知させなければなりません。がんの予防は検診よりも禁煙、受動喫煙を避けることですよね。
また、病院の外でも白衣の数人の喫煙シーンもありました。
38、「GOEMON」 紀里谷和明 日 × ○
1582年豊臣秀吉の時代が舞台です。秀吉は貧しさに苦しむ庶民とは裏腹に軍備の増強に莫大な金を使っていました。そこに現れたのがご存じ五右衛門です。金持から盗んだ小判を庶民に分け与え、影のヒーローになっていました。歴史の自由な解釈もありCGを多用することでこれまでの時代劇とは全く次元が異なる作品となりました。予想を超えたシーンが展開し飽きさせません。冷酷無慈悲な秀吉を奥田英二が好演しています。悪役がうまいとヒーローも映えますね。
タバコは、五右衛門と言えばやはりキセルという既成の概念は紀里谷監督も乗り越えられなかったようで、五右衛門役の江口洋介が数回キセルを吸っていました。そのほかでは遊女役の女性も1度キセルをくわえます。江口洋介も喫煙シーンの多い俳優で気になります。。
37、「おっぱいバレー」 羽住栄一郎 日 ×
新任の中学校教師はやる気のない男子バレー部の顧問をやらされます。なりゆきで「一勝したら先生のおっぱいを見せてください。」という部員からの願いになんとなく約束してしまいます。そして弱小チームのバレー部員たちは練習に励むのですが・・・、事はそう簡単には行きませんよね。それでも頼りなかった先生も彼らとともに成長していくのでした。
1979年が舞台なので当時のヒットメロディーがバックで盛り上げています。大笑いしながらも後半はほろりとさせるシーンもあります。終盤でボロボロにやられる場面はオーディションで選ばれた若い俳優たちの見せ場です。
タバコは食堂や居酒屋で周囲の客が数人喫煙しています。時代的にはその通りだったのでしょうがタバコがなくてもなんの問題もないのですが。また、別れた彼氏のライターを再会した時に返しますが、その時の彼氏のセリフが「俺タバコやめたんだよ。」です。昭和54年ですからタバコの害に早く気づいた方ですね。
36、「スラムドッグ・ミリオネア」 ダニー ボイル 英 ××
アメリカのアカデミー賞作品賞受賞作です。インドが舞台なので当然無煙でしょうと期待していましたが、いきなり煙がモクモクのシーンで始まります。舞台がインドなだけで監督はイギリス人でした。警察官や悪役が喫煙していました。監督はインドではタバコのシーンは禁止になっていることをご存じないのでしょうか。残念です。ちなみにアカデミー賞を取るのは例年モクモク映画ですね。
内容もインドでの宗教対立や子供への虐待などシリアスなテーマを扱っているにしては面白くしすぎです。単なるロマンス映画になってしまいました。
35、「ニセ札」 木村祐一 日 ×
終戦後間もない物資のない田舎で新千円札の贋札を作って村の生活をなんとかしようと立ち上がった人々の話です。実際に起きた事件が元になっています。賢くても貧しさゆえに学校に行けない子供の現状に悩み、義憤にかられた校長先生も計画に加わります。お金とは「紙か神か」「国家は貧しい人々に対し何をしているのか」など現在にも通じる問題を投げかけます。
タバコはニセ札作戦の総司令官役が会議中に数回喫煙します。時代考証もしっかりしていて1950年らしく両切りのタバコを使っていました。
34、「相棒シリーズ 鑑識 米沢守の事件簿」 長谷部安春 日 × PPキャビン
大ヒットした「相棒」から派生した作品です。(スピンオフというらしい)元々の作品では地味な役どころに主役を持ってきたものです。警察の天下り先の法人の女性職員が自殺します。実は鑑識米沢の別れた妻とそっくりで、そのうえ他の警察に勤める刑事の元妻だったのです。自殺とは思えないという元夫の刑事とともに米沢も真相に迫ります。しかし警察の天下り先だけにさまざまな困難が降りかかります。天下った理事長のセクハラや税金の無駄使いなどが表に出てきます。ふたりの予想通り自殺ではなく殺人事件で、原因として横領という事実も出てくるのです。さて犯人は・・・。
トップスターはいなくてもそこそこ楽しめます。難を言えば鑑識が主役なんだからもう少し鑑識という仕事の見せ場がほしかったですね。
タバコは怪しい私書箱の管理人が顔も見せずに小さな窓口に吸殻でいっぱいの汚らしい灰皿とともに真っ赤なパッケージのキャビンがしっかり映ります。そのほかは警察ドラマですが無煙でした。
33、「ザ バンク」 トム ティクヴァ 米 ×
世界第5位の銀行が武器輸出にからんでいるという闇の世界を描きます。主人公の国際警察官(原題は「国際警察」)はその闇を暴露しようと奮闘しますが関係者は次々と消されていきます。銀行の目的は武器を売ることで借金をさせ紛争国家を「借金の奴隷」にすることなのです。終盤で銀行のトップを追い詰めますが「俺を殺しても何も変わらない」とうそぶきます。。そして実際にトップの顔が変わっただけなのです。武器を商売にしている大国が世界を牛耳っている時代がいつまで続くのでしょうか。
タバコは冒頭のシーンで二人の怪しげな男が車内で交渉をする際に「まあ、リラックスしろよ。」という感じで一方がタバコを出して二人で吸います。その後一人は車から出るとすぐに路上にポイ捨てし、数分後には心臓発作で急死してしまいます。毒殺かと解剖されますが原因はわかりません、という設定でタバコが使われています。もともとタバコは毒物ですからね。当然と言えば当然ですよね。
32、「レッドクリフ U 未来への最終戦争」 ジョン ウー 中日 ○
1800年前が舞台なので当然無煙です。
中国軍を動員しての大スペクタクル映画で見どころは満載ですが、古今東西を問わず戦争は悲惨なのだということを描いています。監督が伝えたかったのは「戦争には勝者はいない。」というひとことです。女性が敵側の兵士にまぎれこんでスパイをしますがどう見ても男には見えず、もっと中性的な俳優を使ってほしかったですね。
表題のごとく最終戦争にはならず、世界では相変わらず戦争が続いています。何んとか止めさせたいものです。
31、「バオバブの記憶」 本橋成一 日 ○ ☆
ダカールから車で2時間の小さな村の話です。そこに住む少年の日常と樹齢数百年のバオバブの木とのかかわりを織り交ぜながら描くドキュメンタリーです。バオバブは若葉や実は食料に皮はさいて縄にします。生活の中で役に立つ植物であるだけでなく病気になると祈祷師はバオバブの下でおまじないをしバオバブの精霊が病気を治します。自給自足に近い生活ですが30人の大家族を養うためには父親だけでなく12歳の少年も牛おいなどの仕事をしなければならず学校には通えません。しかし妹は学校に行っています。複雑な少年の気持ちを知ってか知らずかバオバブの木は数百年の時を生きているのです。一方では首都近郊には開発のために無残に切られたバオバブの林もあります。声高に環境問題を訴えていませんが私たちがしてきたことを振り返るきっかけになる作品です。
30、「フィッシュストーリー」 中村義洋 日 ×××× PPハイライト! ☆☆
2012年、彗星の地球衝突まであと5時間というときに避難もせずに中古レコード店で聴いている曲は「フィッシュストーリー」。1975年、売れないバンドが「俺たちのやっていることが役に立つのかよ」と思いながらも最後のレコーディングをしているその曲は「フィッシュストーリー」。1982年、禁煙の車内で喫煙する友人に「禁煙だよ」と言うこともできない気弱な大学生に勇気を与えたその曲はカーステレオから流れる「フィッシュストーリー」。2009年、シージャックに巻き込まれた女子高生と正義の味方になりたかった青年の話。そして2012年、彗星の衝突を回避するために立ち上がった正義の味方とは・・・と、いくつもの話が最後にはひとつになります。一生懸命やっていることは巡り巡って誰かを動かす原動力になるのだというメッセージが込められた前向きな作品です。
しかし、タバコの方は全然後ろ向き。1975年のバンドのメンバー4人が演奏中以外はほとんど喫煙しているし、82年の場面でもおバカちゃんの学生が喫煙します。最悪なのは小さな子どものいるところで喫煙する場面です。虐待以外の何物でもないですね。内容がおもしろかっただけに大変残念です。
29、「ホノカア ボーイ」 真田敦 日 ○
ハワイのホノカアという町の小さな映画館が舞台です。大学を休学してホノカアの映画館で働くことになった主人公を取り巻くかつての移民の人々、だからでしょうか、日本語を話します。豊かな自然のなかでほのぼのとしながらも人は孤独であり、だからこそつながっていたいというせつなさをユーモアと意外なキャスティングと哀愁のある音楽で表現しています。
無煙映画です。灰皿、タバコなどもなく、禁煙マークはしっかりと映ります。ハワイだから当たり前かもしれませんが・・・。こんなところだったら、空気もおいしいし、のんびりと気持ちよく過ごせそうです。
28、「ジェネラルルージュの凱旋」 中村義洋 日 ××
08年の「チームバチスタの栄光」と同じ原作者で監督も同じ。今回は救急医療の問題(自殺者、急性アル中、軽傷者が多く本当に必要な人が後回しになってしまいかねない現状)や医療費、製薬会社、病院経営などシビアなテーマを織り交ぜ、娯楽作品として楽しみながらも、医療について考えたり疑問が生じたりする内容の濃い作品となりました。
タバコは、悪者がふたり院内の隠れ喫煙所で喫煙しますが、いくら悪者でも演じているのは善良な俳優だし自分自身の健康を守る権利はありますよね。悪者=タバコという認識はそろそろやめていただきたいですね。周囲のスタッフにも受動喫煙被害が及びます。みんなが健康で次のシリーズを撮ってほしいものです。
良かった点としては病院内の禁煙マークも映っていました。病院だから当たり前と言ってしまえばその通りですが、今だに禁煙になっていない病院もあるようなので禁煙表示は評価したいと思います。
27、「カフーを待ちわびて」 中井康友 日 ××
神社の絵馬がきっかけで出会った二人ですが、沖縄の小さな島を訪れた彼女は何かいわくありげです。そのうえこの島には開発の波が押し寄せてきます。ゆるゆるとした時が流れる島を舞台に主人公だけでなく、村の仲間の気持ちもお金のためにこころが揺らぎます。さて二人のカフー(果報、幸せ)はどこにあるのでしょうか。
沖縄の旅から帰ってすぐに観たので、きれいな海のある沖縄へはまた行きたいなどと思ってしまうほど、自然がとてもきれいです。
タバコは主役の玉山鉄二が数回喫煙します。煙が彼女の方へ行かないように手で払ったりしますがそんなことでは受動喫煙被害は防げませんね。また、売店のはげた看板にもたばこの文字が映っていました。
26、「ダウト 〜あるカトリック学校で」 ジョン=パトリック=シャンリイ 米 ×
ケネディが暗殺された翌年の1965年のカトリック教会の学校が舞台です。教会をもっと開放的なものにしようと試みる神父(フィリップ=シーモア=ホフマン)と、今まで通り厳格にしようとする校長(メリル=ストリープ))との議論がみものです。。若いシスターの報告で神父と生徒との同性愛の疑惑が浮かび上がってきます。戯曲が元になっているだけに神父と校長のバトルシーンは両者互いに譲らずの名演技で緊張したドラマとなりました。
タバコは、神父がくだけた食事の席で平気で喫煙していました。キリスト教社会では問題ないのでしょうか。
25、「ホルテンさんのはじめての冒険」 ベント=ハーメル ノルウェー ×××
表彰されるほど真面目に電車の運転手の仕事をしていた主人公ホルテンさん。67歳で定年退職をする最後の勤務にひょんなことから遅刻をしてしまうことから起きるいくつかの出来事をほのぼのと描いています。
タバコ的にはホルテンさんがパイプを手放さず勤務中もレストランでも喫煙しています。職場の休憩所のような場所では他の職員が葉巻を吸ったりもしていました。ノルウェーもまだまだ野放しなのでしょうか。(ちなみに2007年の作品です。)また、パイプ屋でのエピソードなどもあり「パイプは〜〜に限る」などのセリフもありました。
24、「ポチの告白」 高橋玄 日 ×××× ☆☆
警察犯罪の実態を描いています。もともとは気のいい警官だったのに、あくどい課長に目を掛けられたばかりにさまざまな悪事に手を出すことになっていきます。結局は上司に利用されるだけ利用された揚句、自分自身も壊れてしまいます。主役の菅田俊の怪演に負うところも大きいのですが、実際に起きている警察犯罪がモデルになっていることもありなかなか説得力があります。
はじめはタバコを吸わなかった主人公が課長から「サツにはタバコが似合う。」と勧められたり、「署長がハッカ入りが好きだからメンソールを吸っているけど、本当はラッキーストライクが好きなんだ」「タバコを忘れた。」などと喫煙シーンが多いだけでなく、タバコ関連のセリフが多いのも気になりました。サツにはタバコが似合うというよりも悪い奴にはタバコが似合うということでしょうか。終盤に改心をした時には「タバコはやめました。」とも言わせています。
出演者スタッフにとっては受動喫煙被害の大きい作品でした。
23、「チェンジリング」 クリント=イーストウッド 米 ×× ☆
1928年のロサンゼルス、ある日ひとりの男の子が行方不明になります。母親は警察に捜索を依頼しますが思うようには動いてくれません。当時、警察は腐敗や市長との癒着など市民からの信頼を失いつつありましたが、この事件をきっかけに挽回しようと偽物の子供を「子どもがみつかった」と母親に会わせます。「この子ではない」と母親は警察に訴えますが逆に精神病院に入院させられ非人間的な扱いを受けます。その病院には警察官などを訴えた多くの女性が収容されていたのです。母親を心配していた教会の牧師の努力で母親は解放されますがもっとショッキングな事件に息子が巻き込まれていたことを知らされます。あきらめない母親の新たな闘いが始まるのでした。
アクション女優のイメージの強いアンジェリーナですが、この映画では演技派としての実力発揮です。イーストウッドらしい権力批判の社会的なドラマになりました。
しかし、タバコのシーンは時代を考慮しても多すぎました。特に警察のシーンで第三者の警官がタバコをくわえてカメラの前をゆっくり通ってタバコの宣伝をしたり、子供を取り調べるシーンでタバコを吸いながらというのは児童虐待になりますね。時間の経過をタバコの灰の長さで表現するというのも使い古された演出です。才能のある監督なのですから早く受動喫煙についてお勉強してタバコを使わずに空気のきれいな名画を撮ってほしいものです。
22、「少年メリケンサック」 宮藤官九郎 日 ×××××
25年前のパンクバンドを復活させようという音楽プロと中年になったバンドメンバーとのドタバタ劇です。着眼点は面白いし、キャストもなかなかの役者がそろっていますが、なにか大きなものが足りないのでただのうるさいドタバタ劇でしかありませんでした。才能のある宮藤監督だがニコチンで脳が働かなくなっているんじゃないのかしら。残念ですね。と言いたくなるくらい喫煙シーンの多いモクモク映画でした。特に佐藤浩市扮するギタリストは常にタバコを手放さず満員の車の中でも喫煙します。高校生の時代にも喫煙。ライブハウスや食堂のシーンでも客の多くが喫煙。これでは出演者はたまったものではありません。無煙だったのは音楽プロのオフィスのシーンくらいでした。
また、酔っぱらったおっさんたちが酒の勢いで行くハダカ同然の服を着た女性がいる何とかマッサージの店には「禁煙ルームあります」の看板が嫌みのようにぶら下がっていました。宮藤ってホントにやなやつですね。
受動喫煙で健康被害は受けるし、「篤姫」のあとの最初の主演映画がこんな迷画であおいちゃんはかわいそう。次回からはもっと監督を選びましょう。
21、「ベンジャミン・バトン」 デビット=フィッチャー 米 ××
物語は2003年にハリケーンカトリーナが接近している病院で死を前にしている老婆が娘に日記を読んでもらうというところから始まります。
1918年アメリカのボタン会社の経営者夫妻が授かった赤ん坊はなんと80歳の老人のようでした。母親は出産と同時に亡くなってしまい、動転した父親は赤ん坊を捨ててしまいます。老人施設に捨てられた赤ん坊はそこで育てられ、不思議なことに年々若返っていくのでした。そして、祖母の面会に来た少女と出会います。二人はそれぞれがさまざまな経験をしながらもお互いの年齢が近い人生の半ばで家庭を持つのですが・・・。
実際にはあり得ない話ですが、「もし時計が逆にまわったら」という空想は誰もがしますね。そんな空想を見事なドラマに完成させました。また、特殊メイクの技術がお見事でした。そしてブラッド・ピットはいい男でしたね。
タバコは時代的に吸われているのはしかたがないにしても登場しすぎです。さすがに主役のブラピは吸わないがケイト・ブランシェットは1度吸います。また、現代の場面で死にかけている母親から実は本当の父親は別人だったことを知らされた娘は混乱を抑えるためにタバコに火をつけます。これは”ストレス解消にはやっぱりタバコ”という常套手段で、フィッチャー監督としては工夫がなさ過ぎですよ。ちなみにすぐに看護師から「ここは禁煙よ。」とたしなめられます。
20、「感染列島」 瀬々啓久 日 △
南の島から持ち込まれた病原菌がたったひとりの患者から瞬く間に全国に蔓延してしまうという怖い話です。病院内の場面が多いので”禁煙”の文字がたびたび映ります。残念なことにフィリッピンの現地ロケで、原因究明に離島に向かう医師(妻夫木聡)と細菌学者(藤竜也)が乗るボートの船頭さんがタバコを吸っていました。
この映画に関しては「関西土曜ホットタイム」という土曜日午後のラジオ番組の映画紹介の中で「妻夫木君扮する医者がタバコを吸おうと外に出るとそこにいたのが檀れい扮する〜」と説明していました。実際は妻夫木君は気分転換に外に出ただけでタバコは吸うどころかタバコの存在そのものがありませんでした。浜村何某という映画担当者の勝手な思い込みでNHKという公共の電波を通じて誤ったタバコの宣伝をするなんてとんでもないことです。今どきタバコを吸う医者なんて医者じゃないと言ってあげたい。
内容的には単なるパニックもので終わらず、原因不明の感染症も実はエビの養殖場にするためにマングローブの林を池にしてしまったために山の奥まで薪を取りに行かなければならなくなったことが原因だった、ということで環境問題への警鐘もしています。ただ、物語の展開として日本でこれだけ広がっているのに他の国には全く広がらないというのはちょっと腑に落ちない点でもあります。監督としては日本がかつて国家として犯したさまざまな罪に対する罰という意味を込めたかったのかもしれません。
19、「20世紀少年 第2章 最後の希望」 堤幸彦 日 × PP(たばこと塩博物館)
マフィアも警察も吸わないのにどういうわけかたった1回どアップのタバコのシーンがあります。吸ったやつは悪者だったけど、なにか変だなと思っていたら案の定クレジットの協力欄には「たばこと塩博物館」とありました。ちなみに、その数段上には禁煙寺として有名な「とげぬき地蔵高岩寺」の名前もありましたけど。
18、「チェ 28歳の革命」 スティーブン=ソダーバーグ 西仏米 ××××
80%以上のシーンで何らかの形で葉巻やシガレットの紫煙、吸いがらが映っているどうしようもないタバコスパスパの映画です。
内容的にも革命の思想とかあいまいで、彼らがどうして立ち上がったかの説明も弱く、戦争シーンばっかりでした。大宣伝なのに中身はからっぽの典型的な作品です。これではゲバラがかわいそうでしょう。
17、「バルセロナのヴィッキーとキャロライン(原題)」 西米 ××
ひと夏の恋物語ものです。アメリカ人の2人の女性がバルセロナでひと夏を過ごします。出会ったスペイン人は喫煙率が非常に高いです。特にベネロペ=クルスはほとんどのシーンで喫煙していました。そろそろお肌のことを考えた方がいいと思いますが。アメリカ人は吸いませんでした。
なお、この作品は機内で見たもので日本では未公開です。
16、「イーグルアイ」 米 ○
国家を管理するメインコンピューターの反乱。21世紀の「ハル」(「2001年宇宙の旅」に登場したコンピューターの名前を思い出させます。
監視カメラ、ケータイ、ATMなどのすべての情報が国家に管理されていることの不気味さを感じさせます。
タバコはありませんでした。
15、「マンマ・ミーア」 フィリダ=ロイド 米 □
大人気ミュージカルの映画化。ギリシャの小島で母子家庭で育った娘が結婚を機に母親のかつての恋人3人に披露宴の招待状を出したことから始まるラブコメディです。メリル=ストリープをはじめ出演者みなさんが歌もダンスもお上手です。懐かしいアバの音楽に乗ってつい一緒に体を動かしてしまう楽しい作品となっています。
タバコの煙は出ませんが歌詞の中に「タバコ」が出て、その時に火のついていないタバコを手に持って踊る場面がありました。持っていなくても問題はないのですが・・・。
14、「赤い糸」 村上正典 日 ×
中学生の時に出会った二人は誕生日が同じ2月29日。実は8歳の誕生日にも出会っていたのでしたが・・・。いろいろあってふたりの恋はどうなるのでしょうか。つづく・・・。
という内容ですが、前半の中学生の頃の場面では登場人物の役者たちが中学生に見えないのが難ですね。ドラマとしては薬物依存の恐ろしさやDVなど深刻なテーマを取り上げています。クラスメートの自殺未遂事件に対しての対応が甘く、H番の「青い鳥」とは大違いでした。
薬物密売の場になっているバーで買人(主人公の父親)が喫煙します。薬物に関しては「一度やったら簡単には止められない」「やめたってまた始める」「意志のの問題ではなく病気だから治療が必要」などの戒める台詞が多かったのですが、このことばはすべてニコチン(タバコ)という薬物にもあてはまりますね。タバコも薬物であるという認識の必要性を感じました。
13、「ワールドオブライズ」 リドリー=スコット 米 ×× ☆
CIAの命令を下すだけの上司(ラッセル=クロウ)と紛争中の現場で体を張って仕事をしている部下(レオナルド=デカプリオ)の話が中心です。作戦成功のためには部下をもだますというCIAの実態が描かれています。世界の各地で起きている事件(9.11も含め)は、アメリカが”テロ”と言っている事件のほとんどはCIAが仕組んだことなのではないかと思われてしまいます。
ラッセル=クロウが小さい子供もいるのにたびたび喫煙します。主な舞台となったヨルダンでは病室でも平気で喫煙していました。ヨルダンはFCTCを知らないのでしょうか。ただ、いつも喫煙していて”デプカリオ”と揶揄されているデカプリオが無煙だったのはよかったですね。
12、「地球が静止する日」 スコット=デリクソン 米 ○
巨大な球体と共に現れた人間の体をもつ宇宙からの使者は「地球が滅びれば人類も滅びるが、人類を滅ぼせば地球を救える。」と人類が築いたものを破壊していきます。破壊のされ方が原爆を思わせ日本人には見るのが辛い映像になっています。それに対し女性の科学者が「私たち(人類)は変わることができる。」と訴えます。
確かに私たちは変わらなければ宇宙から攻撃される前に自滅してしまうでしょう。オバマさんの「チェンジ」を連想させます。ハリウッドもブッシュさんには愛想がつきたようですね。
タバコについては「チェンジ」のオバマさんはまだきっぱり禁煙にチェンジできないようだし、主演のキアヌ=リーブスも現在禁煙にトライ中といううわさもあり、アメリカといえどもまだまだ煙たい人もいるようですが、この作品は無煙です。
11、「ブタがいた教室」 前田哲 日 ○ ☆
新任の小学校教師が6年生のクラスに一匹の子ブタを連れてきて、「このブタをみんなで飼って食べようと思いま〜す。」と提案します。Pちゃんと名づけられ、子供たちと子ブタはともにすくすくと育っていくのでした。いっしょに過ごすうちに、「Pちゃんを食べるなんていやだ、できない。」と言い出す子が増えていきます。そして卒業式が迫りブタをどうするかと決断をしなければならなくなって26人の子供たちは真剣に討論をするのでした。感動的な場面です。
誰もが植物であれ動物であれ”生きている命”をいただいて生かされていることを再確認し、そのことへの感謝の気持ちを抱くことができます。ラストには「それでいいの?」という物足りなさもありますが・・・。
小学校が舞台なので当然無煙です。街中のシーンではタバコの自販機が1、2回映りました。
10、「K−20 怪人二十面相伝」 佐藤嗣麻子 日 ×××
最近珍しいモクモク映画です。特にカラクリ職人の國村準と明智役の仲村トオルがたびたび喫煙します。主役の金城武が吸わなかったのが唯一救われています。女優の松たか子、高島礼子も吸いませんでしたが・・・。
ストーリーとしては1944年の12月8日に終戦を迎え、職業は世襲でひとにぎりの華族が権力と富を持ち、多くの国民は食べることにも困難を極めていた格差社会に登場したのがご存じ怪人二十面相といった設定です。サーカスの芸人だった主人公は罠にはめられ二十面相にされてしまいますが・・・。
「企業や個人が富を独占するのは間違っている」というラストのメッセージは今の混乱した社会に訴える内容なのですが、いくらVFXにお金がかかったとはいえタバコマネーには頼ってほしくはないものです。
9、「青い鳥」 中西健二 日 ○ ☆
いじめが原因で自殺未遂をした生徒がいた中学校のクラスに臨時教師としてやってきたのは吃音の教師でした。彼はどもりながらも本気で話をし、おとなや子供たちが曖昧に済ませようとしていたその事件にもう一度真剣に向き合わせようとします。
映画の終盤に教師が投げかけた問いにクラスの子供たちがどのように反応するのか静かな場面ながら息をのむような緊張感が観る者にも伝わってきて、自分ならどうするのかと考えさせられます。
いつもはちょっととぼけた役の多い阿部寛が愁いのある役を演じ新境地を開きました。
8、「ぼくのおばあちゃん」 榊英雄 日 ×
父親ががんで早く死んだためおばあちゃんに育てられた主人公の子供時代、ばあちゃんが亡くなるころの中学生の時代、現在の自分も子供がいるものの家庭を顧みず住宅販売の仕事に追われています。また販売相手の家族も問題をかかえていて・・・というふうにいくつかの家族の話がからみあってひとつの物語となっていきます。近すぎていつもは感じないけれど家族っていいものだと思えてきます。
タバコは父親が死んだ時のお通夜の席で同級生の寺島進が喫煙しますが遠景でちらっと映ります。また商店街のタバコの看板が何回か画面に入ります。
反対におとなになった主人公に上司が「タバコないか」とねだると、主人公「タバコやめました。」、上司「この裏切り者」という場面がありました。
7、「ウォーリー」 米 ○
29世紀人類は地球を汚しすぎてしまい住むことができなくなり、宇宙船で宇宙をただよっています。そこでは労働するものはなく、すべてをコンピューターで制御されたロボットがこなしていて、人々(というかアメリカ人)は
歩くこともせず椅子に座ったまま食っちゃね状態でだれもがトドのようになっています。
いっぽう地球ではお掃除ロボットのウォーリーがただひとり黙々と廃棄物処理をしています。彼は感情を持っていて廃棄物を処理しながらも自分のお気に入りのものは自分のすみかにコレクションしています。彼の最近のお宝は芽を出したばかりの小さな草です。そんな彼は夜ひとりで繰り返し見ているビデオの恋人同士のようにいつか誰かと手をつなぐことを夢に見ているのでした。そこへ、地球の様子を探索するため超新型のロボットが宇宙船から送り込まれてきます。なんと彼女が探しているのは「緑の植物」だったのです。そしてふたりはその植物をめぐって・・・。
ディズニーの作品なのでもちろん無煙で、ウォーリーの部屋にはガラクタの中に薄汚れた禁煙マークもあるほどです。ちょっと気になるのはウォーリーのコレクションのひとつにライターがあったことです。過去の遺物としてなら納得できますが29世紀にそのライターがまだ火をともすというのはどう解釈したらいいのでしょうか。ライター会社の宣伝とも取れるのですが。
ロボットなのに感情表現がとても豊かで恋をしたときの切なさなどもたくみに表現しています。「人間は自分で土を耕して緑を育てることこそが大切なのだ。」というメッセージも十分伝わってきます。トドのようだった人々がやっとの思いで自分の足で立ち上がる時に流れる「2001年宇宙の旅」のテーマ曲が効果的です。家族そろって楽しめます。
6、「特命係長 只野仁」 植田尚 日 ××××
主役の高橋克則をはじめ赤井英和などがたびたび喫煙します。タバコの出ていないシーンがないくらい多いです。そのうえあのタバコ宣伝医師西川史子も出ているし観ていて腹が立ってきます。世の中にこんなに演技が下手な役者もいるのかとびっくりするほど下手な演技が多いです。久々に「観なきゃよかった」と後悔しました。
こんなくだらない映画をテレビでガンガン宣伝できるのはタバコマネーの黒い力がものを言っているのでしょうか。
5、「252 生存者あり」 日 ××!
海底地震が原因で海水温が上がり巨大化した台風が東京を襲います。高潮で崩れた新橋の地下鉄構内に取り残された元レスキュー隊員を含む数人と、彼らを救い出そうとするレスキュー隊のドラマです。
レスキュー隊の仲間を見殺しにし、それがもとでレスキュ-隊を辞めた主人公(伊藤英明)が転職をした外車の販売シーンで客に逃げられ一服しようとライターを出しますが、上司に声をかけられあわててライターを落とすといったシーンがあります。後に、そのライターが地下に取り残されたとき明かりとして役に立つ、という場面もあります。
また、マンションのベランダで喫煙していると妻が来て「タバコ吸ってるの?」と尋ねられ伊藤が「やめた方がいいんだよね。」、妻「健康のためにはね。」、夫「もう吸わないよ。」と吸殻を携帯灰皿にいれる、という場面があります。最近携帯灰皿がよく使われるようになりましたが、タバコ問題は吸い殻の問題じゃないんですけどね。
聴力障害を持つ伊藤の娘を演じた子役がけなげで存在感がありました。ただ、閉じ込められた中でいくら医者とは言え輸血までするのはちょっと無理があるのではないでしょうか。ドラマだからと言われればそれまでですが。
4、「ハッピイフライト」 矢口史靖 日 ×
飛行機が無事運行するためには乗務員や整備の仕事だけでなくいろいろな人が関わっていることを教えてくれる“働く人”の映画ですが、そこは「ウォーターボーイズ」の矢口監督らしく遊び心いっぱいの楽しい作品に仕上がっています。
気象を担当るオフィスで、パソコンも苦手のアナログ職員役の岸部一徳がオフィスの片隅にある喫煙所でたびたび喫煙します。職場のお荷物になっているものの雷でパソコンが機能しなくなると大活躍をします。古いタイプの人にはタバコがふさわしいというイメージなのでしょうか。また、彼の使っている灰皿の渦巻き模様も台風に見立てられて活躍?します。
作品としては若手の実力派が各所をおさえ説得力のある内容になりました。次に飛行機に乗るのが楽しみになります。
3、「闇の子供たち」 阪本順治 日 ××
臓器密売や幼児買春などが行われているバンコクの闇の世界を新聞記者や、NGOのボランティアの目を通して描いた作品です。
新聞記者役の2人が喫煙するほか、幼児密売の男たちもみんな喫煙します。タイはタバコの規制が厳しいのを監督は知らないのでしょうか。それとも闇の世界はタバコ社会と言いたいのでしょうか。
一瞬ですがタバコをくわえた子供の姿も映ります。幼児買春や臓器の密売はもってのほかですが、タバコも直接間接にどのくらい人を傷つけているのか、また、タバコをめぐる世界の流れがどうなっているのかを名監督ならもう少し勉強してほしいものです。
2、「私は貝になりたい」 福澤克雄 日 ×××
B級戦犯を扱ったかなり古いテレビドラマのリメイクです。映画の内容はどうということはないのですが、タバコの宣伝のしすぎですね。
主人公一家の理髪店の向かいがタバコ屋なので、家の中から通りを撮ると必ず「たばこ」の看板がはいり、道に出ると今度は「たばこ」の桃太郎旗が風になびいています。
収容所の中でも元の上官の石坂浩二が主人公の房を訪ねる時に持参した”手土産”がタバコで、同房者と3人でしみじみ一服するというご丁寧にタバコの宣伝までします。
元になったフランキー堺さんのテレビドラマは「反戦」の意図もあったようですが、今回の映画は「(タバコの)宣伝」の意図しか感じられない作品となりました。
1、「その日のまえに」 大林宣彦 日 ××
余命数か月と宣告された妻と、結婚当初に住んでいた思い出の街を夫が歩きます。そこに数人の同じように”その日”を前にしている人がからんできて、フィナーレはお盆の迎え火代わりの花火大会へと話を運びます。妻の名が”とし子”で花巻の出身、チェロを弾く人、駅の車掌など宮沢賢二の世界を織り交ぜながら幻想的に死を描いています。大林監督らしい作品と言えます。
タバコについても喫煙者の監督らしくなんと妻の主治医が病院の非常階段へ出てセブンスターを吸うシーンがあります。ここでも(タバコの)”つらい時やストレスにはタバコ”というイメージを植え付けています。
また、コンビニで買い物をする場面でも、カウンターの後ろのタバコの陳列棚が効果的に映ります。
・映画名、監督、製作国、禁煙度、PPの有無、お勧め度の順です。
(PPとはProduct Placement の略で、映画やテレビなどの中で実際の企業名や商品を登場させ視聴者に印象づける方法のことをいう。)
・禁煙度:○は喫煙シーンなし、△は喫煙シーン数回、×は多いほど喫煙シーンも多い。
・!はタバコ関連のセリフあり。
・お勧め度:☆が多いほどお勧めです。