113、「トロン レガシー」 スティーブン=リズバーガー  米 ○
 パソコンの中の世界にはいってしまったデジタルゲーム業界のカリスマを救い出そうとする息子がデジタルの世界に入り込んで戦います。アメリカ映画はどの時代や空間、社会でも戦うのが好きです。
 さすがにデジタル空間ではタバコはありませんでした。

112、「信さん 炭坑町のセレナーデ」 平山秀幸監督 日本 ×× PPハイライト
 昭和30年代、炭坑町に子連れで戻ってきた母子がその周囲の人々と織りなす物語です。息子の子供仲間の大将である「信さん」は両親を亡くし、叔父夫婦に育てられていて寂しい思いをしていたので都会から戻ってきた美しい母親(小雪)にひとめぼれをします。その純粋な恋心は大人になるまで変わらないのですが成長して炭坑夫となった信さんは炭坑で事故にあってしまうのでした。
 当時の炭坑町のようすを再現しています。「たばこと塩博物館」の協力というだけのことはあり、タバコ屋で話が進む場面が多く、当然タバコ屋のおばさん(中尾ミエ)は登場するたびにタバコをくわえていました。炭坑夫役の岸部一徳、光石研も喫煙。また、大人になった息子(池松壮亮)がスーツで現れるとタバコを吸うといういつものパターンもありました。時代考証を正確にするのはいいのですがタバコはここまで正確にしなくてもいいのではないでしょうか。
 「タバコは文化だ」とよく言われますが、炭坑町が時代とともになくなったのと同様タバコも時代が変わればなくなるのだということに気付いてほしいです。
 なお、この映画を上映していた新宿ミラノ座ではJT提供の「おとなのマナー講座映画館編」を上映していました。

111、「酔いがさめたらうちに帰ろう」 東陽一監督 日本 ×
 アルコール依存性を乗り越えた実在の報道カメラマンの原作を映画化しました。漫画家の妻とは離婚していますが二人の子供とともにアルコール病棟に面会に行ったり、外出許可が出ると家族で食事をしたりします。妻が「こんなの家族って言えるのかねえ」と言うと小さい声で「家族だよ」という子供のセリフが泣かせます。浅野忠信がアルコール依存症患者の恐ろしいようすや弱い姿を迫真の演技で表現しました。
 タバコは精神病院内に喫煙所がありそこで患者役の光石研などが喫煙していました。また、家族で喫煙所のテーブルでお弁当を食べるシーンがありましたが、子供もいるのに残留タバコ煙が気になりましたし、一般的に喫煙所で食事っていう状況はあり得ないのではないかと違和感を感じました。また、ニコチン依存性もりっぱな病気だということをここの病院は知らないのでしょうか。精神科の医師のみなさんもっとタバコについて勉強してください。
 居酒屋のシーンなど無煙だったことと病院内の禁煙マークがいくつも映ったことはよかったです。

110、「ハリーポッターと死の秘宝」              監督 米 ○
 シリーズ最終章のその1です。当初の子供たちが随分おにいさんおねえさんに成長し、ファンタジーというよりはラブロマンスに変わりつつあるようでした。
 青少年がターゲットの作品が無煙なのは大変良いことです。

109、「ノルウェイの森」 トラン=アン=ユン監督 日本 ××××
 村上春樹の世界的ベストセラーの映画化です。小説もなんでこんな小説が売れるのかわかんない内容ですが、映画もやはりつまらない映画になりました。予告編で流れていたビートルズの名曲「ノルウェーの森」も本編ではラストまで聞けないので予告編だけで充分ですよ。
 タバコもその予告編でも充分モクモクでしたが、本編はさらにひどく学生寮の先輩の永沢(玉山鉄二)が登場するたびに喫煙、女子学生のみどり(水原希子)、恋人の直子が入院している療養所の同室者レイ子(霧島れいか)も原作通り喫煙します。おまけにJTの卓上塩まで登場します。主役の松山ケンイチが煙は見せますがタバコをくわえる場面がなかったのは唯一評価できます。
 ファッションや小物類。街の様子や学生運動などは時代考証がたいへんよくできていました。

108、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」 山崎貴監督 日本 ×××
 2199年地球は外宇宙ガミラスからの攻撃を受け放射能に汚染されわずかに生き残った人々が地下で細々と生きていました。そんな時に謎の物体が落下、カプセルの中には14万8千光年先のイスカンダルには放射能を浄化する装置があるという情報がありました。そこで、地球防衛軍はヤマトを建造、イスカンダルへ向かいますがガミラスの執拗な攻撃を繰り返します。はたして放射能浄化装置は地球に持ち帰れるのでしょうか。
 時代は異なるものの3本戦争ものが続きうんざりでした。イスカンダルに頼らなくても放射能汚染を防ぐにはどうしたらいいのか考えましょう。
 うんざりしただけでなくあきれたのはなんとタバコが地球の地下の住民やヤマトの船内でも喫煙していることです。なんでタバコが栽培できるの?船内は密室なんだからタバコを吸うなんてありえないでしょう。まあ、ケムタクこと木村拓哉が喫煙しなかったのは唯一評価できるかな。

107、「ロビン・フッド」 リドリー=スコット監督 米 ○
 13世紀のイギリスは十字軍遠征から帰国する騎士団が暴れたり、各地の小国がイングランド王に抵抗していましたが、フランス軍が攻めてきたことをきっかけに、前の戦いの英雄ロビンが先頭に立って小国とイングランドをまとめ一丸となって戦いフランスを追い出すのですが・・・。
 戦争はいつの時代もいやなものです。
 13世紀なのでタバコはありません。

106、「ラスト ソルジャー」 ジャッキー=チェン監督 中国香港 ○
 前221年、戦国時代の中国は「梁(りょう)」のひとりの名もない兵士(ジャッキー チェン)が凄惨な戦いの中、敵国「衛(えい)」の将軍を捕虜として捕え故郷の「梁」へ向かいます。ところが、将軍の実の弟が将軍の命をねらって追ってくるのでした。農民出身の兵士と将軍という正反対の立場の二人が旅を続けるうちにお互いを理解し合い、追ってから逃れるために助け合うようになります。そして、命からがら「梁」へ戻ってきますがなんとすでに「梁」は「秦」に滅ぼされていたのでした。
 平和な社会で畑仕事を夢見る兵士の願いは万国の庶民の願いです。さすがジャッキーですね。
 前221年ですのでタバコは出てきません。

105、「レオニー 」 松井久子監督 日本 ×
 彫刻家イサム=ノグチのアメリカ人の母親の一生を描いた作品です。20世紀の初頭レオニーは編集者を募集していた野口と出会い妊娠します。しかし戦争が始まり野口は帰国、数年後幼い息子を連れてはるばる日本へ来ますが野口には妻がいたことがわかりレオニーはひとりで生きることを決意します。「芸術には国境がない」とイサムに芸術の道を勧めるのでした。
 20歳の優秀で将来性のある学生時代から、異国で頼る人がいなくても気高くそして二人目の子供を出産するたくましい母親時代と、孤独な晩年のレオニーをエミリー モーティマーが好演しました。
 タバコはニューヨーク時代出版社の社長が高価そうなパイプをたしなみます。また、日本の野口の自宅で友人が喫煙しました。煙もわからないほど一瞬です。どちらもタバコがなくてもなんの問題もないのですが。

104、「武士の家計簿」 森田芳光監督 日本 ××
 加賀藩の算用係として代々つかえてきた猪山家の入拂帳と手紙をもとにして書かれた歴史書が原作です。武家の体面を保つために気が付いたら莫大な借金を抱えていた猪山家はそれに気付いた息子(堺雅人)の代になって売れるものはすべて売った上でできる限りの倹約をして元服したばかりの息子に家計簿をつけさせ借金を返済していきます。息子は祖父の葬儀の晩にもそろばんをはじいている父親に反発をするのでした。
 残されていた古文書の入拂帳と手紙をもとに一つの家族の物語を完成させた脚本がよくできていました。「子供は(親がしてくれたことを)忘れてしまうものなのです。」というセリフが心に残りました。
 タバコは堺雅人の母親役の松坂慶子キセルを何回かふかしていました。そのせいか父親(中村雅俊)は心臓発作で亡くなります。

103、「ふたたび swing me again 」 塩屋俊監督 日本 ××
 大学のバンドでトランペットを演奏している大翔(ひろと)は死んだと聞かされていた祖父がハンセン病の療養所から一時帰宅するという話を父親(陣内孝則)から聞かされます。祖父(財津一郎)が来ると母親は戸惑い、姉の縁談は破談になり、大翔の恋人も去っていきます。そんな中、祖父が「行きたいところがある」と家を出たため成り行きで大翔がついていくことになるのでした。実は祖父は若いころのジャズバンドのメンバーとの再会が目的でした。
 今も残るハンセン病への差別や患者たちの苦悩の歴史を随所に織り交ぜ、そしてラストの夢だったライブハウスでの演奏シーンは感動的です。多くの人に見てほしい作品です。
 タバコはなんと陣内孝則が何度も自宅の居間で喫煙します。これではハンセン病が治癒してもタバコ病になってしまいます。そのためか祖父は心臓発作を起こしてしまいます。そのほかにも過去のバンドのシーンでコントラバス担当が喫煙しますが、彼ひとり再会時認知症になっていました。
 この作品は「厚生労働省」「日本医師会」が推薦をしていますが、タバコの扱いに対してはカットさせるなどの指導をぜひしてほしいものです。

102、「乱暴と待機」 冨永昌敬監督 日本 △
 意味不明なタイトルですが、内容は復讐する目的で復讐する相手の女と2段ベッドの上下で寝ているという奇妙な男女の住む家の隣に越してきた妊婦と無職の夫の夫婦が織りなすちょっと乱暴だがおかしくて変に納得してしまうストーリーです。天井から覗き見をする変な男を浅野忠信が、臨月が近いのに暴れまわるたくましい女を小池栄子が好演しています。無職のくせに覗かれているのも知らず隣の女と浮気をするだらしない男を演ずる山田孝之もはまり役です。
 タバコはほとんど出ないのですが、小池栄子が経営するスナックのシーンでかすかに煙がたなびいてしまったのが残念です。

101、「ゴースト もういちど抱きしめたい」 大谷健太郎監督 日本 ××
 1990年公開の名作「ゴースト ニューヨークの幻」のリメイクです。主役の男性ジュノを韓国人に設定したのは新鮮で、ソン=スンホンも韓流スター好みの日本女性には受けていました。オリジナルではウービー=ゴールドバーグが演じた物語のカギとなる霊媒師を樹木希林が好演しました。それでもやはりあの感動には追いつけませんでした。
 女社長の七海(松嶋奈々子)は韓国から陶芸の勉強に来ている青年ジュノと出会います。恋に落ちた二人は幸せな日々を過ごしますが、ある事件にまきこまれ七海は殺されジュノが犯人かと疑われます。ゴーストとなった七海は霊媒師の力を借りてジュノを救うのでした。
 タバコは殺人を依頼された悪者どもが喫煙します。喫煙=悪のパターンです。でも、タバコって本当に悪者の必須アイテムでしょうか。悪役の健康とスタッフの健康のためにもタバコ以外でもう一工夫してほしいところです。

100、「さらば愛しの大統領」 柴田大輔 世界のナベアツ監督 日 ××
 「世界のナベアツ」が大阪の知事に当選し、自ら大統領になって独立をしようとしますがそうはさせじと暗殺予告が警察に寄せられ、阻止しようと警察が乗り出しますが・・・。
 映画が始まる前に注意事項として「100%アホになって大笑いしてください」とわざわざ警告しますが、全然笑えないすべりっぱなしの作品です。本当の喜劇はアホにならなくたって笑えます。「吉本興業、映画代1000円返せ」と言いたいです。一応最後まで観ましたけどできれば87分という時間も返してほしい。
 タバコも刑事役の宮川大輔がいつも喫煙し、本人を含め周囲もかなりタバコの被害を受けていました。ひとつタバコネタとしては同僚の刑事がタバコを吸わない理由が「昔、タバコを買いに行かせた奴が車に引かれて死んでしまった。自分がタバコを吸っていたせいで死なせてしまったのでそれ以来タバコを止めた。」というセリフがありました。そのとおりですね。喫煙者は常に周囲を殺しているんです。
 斜めの線が反対の(右上がり)禁煙マークが1度映りました。これはイヤミかそれとも無知かは不明です。
 喫煙者の宮川が走るシーンでは息切れしていました。ここで、「アカン禁煙しょ。」と言ってたらねえ。

99、「マザーウォーター」 松本佳奈監督 日 ×× PP
 さりげない街(京都)の中で、豆腐屋、ウィスキーしか出さないバー、コーヒーだけのカフェなどを営む7人の人々の日常を描きます。淡々とした時間の流れの中でぽぷらちゃんという1歳くらいの子供がみんなの間を行き来しています。たいした事件は何も起こらず7人の組み合わせがいろいろ変ってとりとめのない会話をしますが、それがこの映画のおもしろさといえるでしょう。しかし、「かもめ食堂」路線も以後3本は楽しめますが4本目はちょっと飽きましたね。制作チームへひとこと贈ります。「脱皮しない蛇は死ぬ」
 タバコは加瀬亮がバーでたびたび喫煙します。バーは喫煙所という古いイメージにとりつかれているようです。また、彼は本当にニコチン依存性なのか、肺の奥のほうまでしっかり煙を供給しています、という吸い方で、とても心配です。銘柄ははっきりしませんが明らかにPPです。
 なお、そのほかにもパスコのパンを小林聡美が持って現れたり(テレビCMみたいに)、バーのカウンターにどーんと山崎(ウィスキー)を置いたり、ビールはいつもプレミアムモルツだったりとPPだらけの映画でした。

98、「あの夏の子供たち」 ミア ハンセンラブ監督 仏 ×××
 映画プロデューサーの父は別荘での休暇中もケータイで仕事ばかりしているほど仕事人間です。それでも3人の娘たちはパパが大好きでした。ところが仕事が行き詰まりパパはいきなり自殺をしてしまいます。残された母親と娘たちは悲しみや苦しみを乗り越え人生を歩み始めるのでした。
 原題は「父と娘」で、監督自身の体験がもとになっている作品です。父親と過ごしているときの生き生きとした子供たちと亡くなってからの悲しみに包まれた子供たちを3人の子役が好演しています。
 タバコは父親が常に喫煙しています。オフィスも喫煙可でほかの職員も喫煙しています。こんな甘ったれた仕事ぶりだから倒産したのかもしれません。また、仕事相手の禁煙のオフィスでも「君は別さ」と特別扱いされ喫煙します。ひどいのはケータイで話しながらタバコを吸って運転する場面もあり、自殺しなくても交通事故を起こしていたかもしれません。
 フランスには無煙映画賞がないせいかタバコ会社がのさばっているようです。とても残念です。

97、「セラフィーヌの庭」 マルタン プロヴォスト監督 仏 ×
 1912年パリ郊外で家政婦として働くセラフィーヌは「絵を描きなさい」という神の声を聴き貧しいながらも絵を描いていました。間借り人のドイツ人画商に絵の才能を見いだされますが、戦争がはじまり画商は引っ越してしまいます。戦後しばらくしてから再会し本格的に彼女の作品を売り出そうとした矢先世界恐慌が襲い計画は頓挫します。彼女の精神はバランスを失い崩れていくのでした。
 豊かな自然だけを友として讃美歌をうたいながらとりつかれたかのように絵を描く純粋な、そしてだからこそ壊れやすい主人公をヨランド モローが体を張って演じセザール賞(フランスの映画賞)主演女優賞ほか7部門を受賞しました。
 残念ですが無煙映画賞は対象外です。(フランスにはないけど)画商の妹が数回喫煙しました。時代的には喫煙率はもっと高かったと思われるので一応考慮はしているのかもしれません。

96、「SP 野望編」 波多野貴文監督 日本 ○
 要人警護のチームSP(要人警護官)が政治家が引き起こす陰謀に巻き込まれ、仲間内でも敵味方に分かれた戦いが繰り広げられます。テロ事件を自作自演して恐怖をあおって国民を支配しようとする手法は常に権力者の使う手ですが、それを身を張ってくい止めようとする主人公井上を岡田準一がスタントを使わずにまさに身を張って演じています。そのせいか緊張感のある展開でストーリーはよくわからないものの(テレビのシリーズを見ていないと細部がわからないのがちょっと残念)画面にくぎ付けで2時間があっという間で「え、もう終わり?」という感じです。とにかく来年3月の「革命編」を見ないと中途半端なままです。堤真一の悪役もなかなかいいです。
 タバコは無煙です。公安の事務所は灰皿なしでしたが、レストランと一般家庭のテーブルで灰皿がありました。小道具係が置いたのでしょうか。こんなところにも目を配ってほしいものです。

95、「雷桜」 廣木隆一監督 日本 ○
 将軍家に生まれたが心の病を抱えた斉道(なりみち)は転地療法を勧められ側近の故郷へやってきます。山へ入った時に天狗と出会います。その天狗は山の中で父親と暮らしている娘(雷)だったのです。当然二人は恋に落ちるのですが、実はその娘は側近の妹で生まれてすぐに陰謀に巻き込まれ誘拐されていたのです。父親と思っていた男は誘拐した赤ん坊を殺すことができず、使命を果たせず裏切り者として追われる身でもあったのです。事情は複雑なので、恋物語だけでなくチャンバラシーンもあります。斉道と雷は身分を超えて愛し合うのですが、この恋は成就することができるのでしょうか。
 タバコは無煙です。

94、「インシテミル」 中田秀夫監督 日本 ○
 自給11万2千円で7日間の「リトルワールド」という心理実験に参加するアルバイトがあります。それぞれお金の必要な事情をかかえた10人が集まりました。暗鬼館という不気味な密室で行われる実験というのはすべての行動はカメラで監視されて、いくつかの約束事があり守らないと排除されるということでした。なぜか各自の部屋には異なる武器が与えられていました。そして一晩目にメンバーの一人が射殺死体で発見されたことからお互いが疑心暗鬼になり次々と殺人事件が起きるのでした。はたして、7日目に生き残っているのは誰なのでしょうか。
 現実的にはありえない話ですが、セリフの中に「武器」を持つことが安全なのか、持たないことが安全なのか、武器は抑止力になるのかといった会話があり現実世界の紛争解決に武力が必要なのかということを考えさせたいという意図があるのかもしれません。それにしても殺しすぎでしょう。人殺しでお金を儲けるのは倫理的にいただけません。
 タバコは無煙でした。興味深いセリフとして参加者にアルコール依存の人がいてその人に対し「今日一日飲まないでいよう、とすればいいんです。一日一日続ければきっと止められますよ。」と。このセリフはニコチン依存の人にも使えそうですね。ちなみにこの人は7日間酒を飲まず断酒できました。よかったね。
 
93、「ナイト&デイ」 ジェームス=マンゴールド監督 米 ○
 平凡な女性ジューン(キャメロン=ディアス)は空港で偶然(のように)出会ったいい男(トム=クルーズ)は実はCIAから追われている元エージェントだったからさあ大変です。オーストリア、スペインと観光どころではないスリル感あふれる逃亡劇が始まります。
 各地で繰り広げられるアクションやカーチェイスがおもしろいだけでなくホロリとさせる展開もいいです。
 主役のトム=クルーズとキャメロン=ディアスがちょっとおじさん、おばさんになってしまっているのが残念といえば残念ですが、まあしょうがないですね。このふたりだからできたのかもしれないので。
 タバコはもちろん無煙です。

92、「おにいちゃんのハナビ」 国本雅広監督 日本 ○ ☆☆
 新潟県片貝町では毎年出産、新築、成人、還暦などの人生の節目などに個人が想いをこめて、また同級生が集まってみんなで花火をあげるお祭りがあります。そのドキュメンタリー番組がきっかけで作られた作品です。
 半年の入院から退院して自宅に戻った華(谷村美月)を迎えたのはひきこもりになって部屋から決して出てこない兄(高良健吾)でした。自分のために中学卒業前に転校したから友達もできずひきこまってしまった兄の太郎を何とかしようと華は少々乱暴な行動に出ます。いろいろあってなんとかアルバイトの新聞配達も続けられるようになり、次は成人会への入会を後押しします。おにいちゃんの花火を観ることを楽しみにしている華でしたが白血病が再発し帰らぬ人になってしまうのでした。またひきこもってしまいかけた太郎のケータイに華からのメッセージが届きます。
 丁寧なよく練られた脚本で新聞配達中に出会う人や病院で出会う人などの小さなエピソードがすべて花火大会でひとつになります。花火もすばらしいのですがそこに集う人々の姿が感動的です。お勧めの作品です。
 タバコは祭りや桟敷席など人が集まる所でもいっさいありません。無煙です。無煙映画作品賞か高良健吾の主演男優賞もいいかな。

91、「ブロンド少女は過激に美しく」 仏西ポルトガル ×
 100歳の世界最高齢の女性監督の作品です。向かいの部屋に住むブロンド少女に恋をした男は仕事の世話をしてくれる叔父さんから交際を止められたためにひと旗挙げようと離れたところで仕事をし大金を手にし戻ってきます。ところが、だまされて大金もなくしやっと婚約をを許されたブロンド娘はとんでもない女だったのでした。
 100歳の監督が描く恋物語はちょっときついですが人生とはこんなものなのかもしれません。
 タバコは叔父さんが葉巻を手にしますが火をつけるところまででした。

90、「ミックマック」 ジャン ピエール ジュネ監督 仏 ××
 父親が地雷撤去作業中に地雷で殺され、それを知った母親は心を病み入院します。一人で生きてきた主人公バジルはビデオ店で仕事中発砲事件に巻き込まれ頭に弾丸がはいったままになってしまいます。仕事もなくし困っていると各自が奇妙な特技を持つ集団に助けられます。そして、バジルは彼らとともに地雷と弾丸を作っている二大武器企業にスパイ映画さながらの、でもちょっと笑えるミックマック(いたずら)をしかけるのでした。
 笑わせながらも人殺しの道具で大もうけをしている企業を痛快に風刺し世界の平和を願っています。武器輸出をしようとしているどこかの国の防衛大臣には是非見てほしいです。
 タバコは冒頭に地雷撤去をしている父親がくわえタバコで作業をしています。また、悪人たちが葉巻を吸いテーブルの上に居るハエをグラスの中に入れタバコの煙を吹きこんで殺す場面もあり煙の毒性を伝えています。ジュネ監督には次回作で平和な社会で次々殺戮を繰り返すタバコ会社にもミックマックをしかけてぎゃふんと言わせてほしいです。

89、「死刑台のエレベーター」 緒方明監督 日本 ×
 1957年に公開されたフランス映画のリメイク作品です。医師の恋人に夫を殺させふたりで生きていくはずでしたが、ちょっとした手違いから完全犯罪どころかたまたま居合わせた若いカップルを巻き込んで大事件になってしまいます。チラシやカメラといった小さな小道具が大きな役割を持っていて脚本に無駄がありません。オリジナル作品がよくできている上に日本の裏社会や国際協力ボランティアなどを絡ませ新たな作品に生まれ変わりました。
 タバコは、ホテルのバーで主人公の医師の友人二人が喫煙します。また、計画が失敗したことがわかったとき妻がタクシーの中で「タバコもらえる?」運転手「私は吸わないんです」というセリフがあります。舞台は横浜ですので一流ホテルならバーも禁煙ですし、タクシー内は横浜じゃなくたってほぼ全国禁煙なので運転手のセリフは「タクシー内は禁煙です。」でないとおかしいですね。監督の勉強不足が残念です。

88、「桜田門外の変」 佐藤純や監督 日本 ○
 「1860年 桜田門で大老の井伊直弼が水戸藩士により暗殺されました。」と歴史の教科書では1行ですまされかねない事件ですが、その陰には関わった人々の予想をはるかに超える死者や被害者が存在したことは教科書にはない真実なのでしょう。また、いわゆるテロリズムでは世の中は変わらないことはよくわかります。当時の水戸藩に何が起きたのか明らかにしたかったのか、茨城県が全面協力で製作しました。
 斬りあいや自刃の場面がリアルすぎて疲れます。もっと観客の想像力を信頼してあっさりと撮ってもいいのではないでしょうか。
 タバコはタバコ盆が一度映りますが無煙でした。

87、「ラストメッセージ 海猿」 羽住英一郎監督 日本 ○
 海上保安庁職員が身を呈して民間人を助けるといういつもの筋書きです。今回は海上の天然ガスプラントに船がぶつかり天然ガスが漏れ出したら大爆発を起こしてしまうという設定です。その上台風が直撃するという大惨事です。実際にメキシコ湾での事故や中国との共同開発の話もあり絵空事ではない説得力はあります。シリーズ最後の作品(でしょうね)としてはよくできました。また、今回でラストにするという製作側の決断は納得できます。内容的に3作が限界でしょう。集客力があるからとズルズルしないのは賢明な判断です。
 タバコは無煙でした。プラント内の食堂では禁煙マークがいくつも貼ってありました。ということは他の場では喫煙可ということなのかと勘ぐってしまいますが、まあよしとしましょう。

86、「大奥」 金子文紀監督 日本 ××
 謎の疫病で若い男性のみが死に至り、その結果社会を動かすのは女性になり、当然のことながら将軍も女性でした。そして大奥には3000人ともいわれる美しい男たちが集められていました。その大奥に家族の生活のためひとりの若者が志願しました。野望や嫉妬策略が渦巻く中、8代目吉宗(柴咲コウ)が登場します。
 女の世界がなんと清々しいことでしょう。古臭いしきたりをバッサバッサと打ち破る吉宗が小気味よいです。現実の社会でももっと女性が出てくればもうすこし住みやすい世の中になりそうです。
 タバコは大奥内でキセルがたびたび使われていました。禁煙のおふれが出なかったのが残念です。

85、「十三人の刺客」 三池崇史監督 日本 ○ 
 将軍の弟(稲垣吾郎)は残虐な性質で罪なき民衆を意味もなく殺戮し非道の限りを尽くしていました。ついに暗殺の計画が立てられ、たった13人で参勤交代の途中を襲うことになりました。暴君といえども主君は主君、手を焼いてはいるものの守るのが勤めの300人の軍勢と13人の刺客との死闘が繰り広げられるのでした。
 稲垣吾郎が上品な顔で残虐なことをするのでより不気味さがでています。闘いの場面は街道沿いの宿場全体に罠を仕掛けたり火薬を爆発させたりと大がかりな戦闘シーンが続きます。暴力を描くのが得意な三池監督らしい映像です。戦いの後には無常感がだけ漂います。
 タバコは出てきません。無煙です。「スキヤキウエスタンジャンゴ」がモクモクだったことを考えると三池監督も世界のタバコ事情を学んだようです。ただ、残念なのは、女性を性的に奴隷のように扱う場面があり、ポルノについても世界は厳しくなっていることを知ってほしいです。あの場面をカットすれば賞が取れたかも・・・。ちなみに今年のヴェネチア国際映画祭の出品作品でした。
 

84、「君に届け」 熊澤尚人監督 日本 ○ ☆
 2009年度無煙映画作品賞受賞監督の作品です。高校生のなかなか伝えることができない初恋のお話です。爽子(さわこ)(多部未華子)は一日一膳をこころがけ、人に迷惑をかけないようにそれだけを考えているような珍しい高校生ですが、髪が長くいつも静かにしていることから誰も爽子と呼ばず貞子と呼んで恐れていました。それでも、肝試しで進んで貞子役をやったことがきっかけで友達もでき、憧れている風早(三浦春馬)くんとも話ができるようになるのでした。爽子の想いは届くのでしょうか。
 お行儀のいい上品な青春映画です。暴力やハダカもなく誰もが安心して楽しめます。かつての自分の初恋を思い出して懐かしむのもいいかもしれません。
 タバコは、爽子が小学生のころ缶を拾ってゴミ箱へ入れる場面でタバコ屋の看板が映り「なんで?」と思いましたが、実は高校生になって同じ店が映りますがなんとそのタバコの看板は薄汚く汚れタバコのこの字など消えかけていました。つまり熊澤監督はこうしてタバコの現実(消えてゆく運命)をさりげなく描いていたのです。アッパレ!
 食堂やお祭りの場面も無煙です。バス停の禁煙マークはたびたび映りました。(予告編でもこのマークは映っていて気持ちよかったです。)

83、「恋愛戯曲」 鴻上尚史監督 日本 ○ 
 売れっ子脚本家の真由美(深田恭子)は新作のドラマの脚本をホテルに缶詰になって書いていますが一行も書けていません。抜擢されたプロデューサー向井(椎名桔平)は必死になって「なんでもやります」と言ってしまいます。「それなら私と恋におちて」と真由美から言われ困ってしまいます。テレビ局の内部の勢力争いやスポンサーの意向なども絡んできておもしろいおはなしになりました。テレビ局が舞台で無煙と言うのも評価できますね。難は深田恭子がかわいすぎて落ち目の女王という雰囲気がちょっと足りなかったかな。

82、「京都太秦物語」 山田洋次・阿部勉監督 日本 ××
 昭和の映画全盛期ににぎわっていた太秦商店街を舞台にドキュメンタリー風のドラマにしました。クリーニング屋の娘は豆腐屋の息子と幼なじみです。しかし、勤務している大学の図書館にやってくる教授が彼女にひとめぼれします。とらさんを思い出させる山田監督お得意のギャグもあり笑えます。
 タバコは相変わらず登場します。特にクリーニング屋(この人は役者ではなく本当のクリーニング屋さん?)が洗濯物の中で喫煙するのはやめてほしいものです。また、商店街で万引き事件が起きますが、その少年があやまるシーンではスクリーンの枠にぴったりのタバコ自販機やタバコの看板が入っていて、山田監督はさすがに上手にタバコの宣伝をしていました。こりないですね。
 この映画の喫煙者は、クリーニング屋のおじさん

81、「シルビアのいる街で」 ホセ ルイス ゲリン監督 仏西 ×××
 6年前パリの街で出会った女性を探し街を歩く青年はスケッチブックにカフェなどで女性のスケッチをしています。そして、6年前の彼女をみかけ追いかけるのですが、はたして探していた彼女なのでしょうか。ひとつまちがえればただのストーカー男なのですが追う青年と追われる女性が清々しい印象で奇妙なおもしろさがあります。
 タバコは残念ながら斬新さはなくカフェで喫煙し、バーでは禁煙マークの前で平気で喫煙する人もいます。また、「タバコ1本ちょうだい」とねだる若者もいました。2007年の作品にしては問題ありです。

80、「君が踊る、夏」 香川秀之監督 日本 ××
 母親の急病で5年ぶりに故郷の高知へもどったカメラマン志望の新平(溝端淳平)は気まずく分かれた高校の同級生香織(木南晴夏)と偶然再会しますが、実は5年前に香織の妹が小児がんで手術をしていたことを初めて知ります。妹のさくらは「私もヨサコイを踊りたい」と香織にお願いします。その気持ちに応えようと一度解散したグループの再結成をするのでした。一方、東京の新平の友人がたまたま見つけた新平の写真をコンクールに出品し、見事にグランプリの選考に残りますが受賞するにはその当日参加しなければなりません。その日時はヨサコイの日程と重なっていました。新平はみんなから説得されて東京の会場に出かけるのでしたが・・・。
 四万十川や桂浜など高知の名勝がロケに使われていて自然が豊かな様子がよくわかります。また、ヨサコイ踊りのスケールの大きさも見応えがあります。
 タバコは、新平の上司のカメラマン役の藤原竜也がなんとオフィスで喫煙します。監督に言われたからいやいや口にくわえてるって感じでした。新平の恋のライバルでもある司役の五十嵐隼士が宴会の席で一人だけえらそうに喫煙します。20人くらいいるまわりの同級生は誰も吸いません。ひとりが喫煙すると周囲のみんなが受動喫煙被害を受ける最悪の状況でした。また、老舗旅館の調理師が喫煙しあわててボヤ騒ぎを起こすというタバコネタもありました。これは火事が必要なシーンであったためその原因をタバコの不始末に求めるといった演出です。出火原因の第3位がタバコだからでしょうかね。
 この映画での喫煙者は、藤原竜也、五十嵐隼士 

79、「BECK」 堤幸彦監督 日本 ××
 退屈な高校生コユキ(佐藤健)が帰国子女のギタリスト竜介(水嶋ヒロ)と出会ったことでバンドのおもしろさにのめりこんでいきます。ギターの特訓をしてメンバーに迎えられ友人もでき恋もします。BECKと名付けられた彼らのバンドはグレイトフルサウンドという屋外の大コンサートに出場することになるのですが・・・。残念なのは最後まで彼らの名曲が聴けなかったことです。演奏だけで生の声が聴けないのはかなり消化不良ですね。
 タバコは主役級は吸わないのですが、彼らをスカウトする女性(松下由樹)が喫煙しながら彼らに話をします。ライバルグループのプロデューサー役の中村獅童も喫煙します。彼もタバコがついてまわりる役者ですね。海老蔵に習って禁煙すればもっといい役者になれるのにと思いますが。そのほかにも周囲でチラチラ煙が見えたり吸い殻いっぱいの灰皿もありました。ただ、バンドが練習をするスタジオ内には禁煙表示がしっかりありました。
 この映画の目立った喫煙者は・・・松下由樹中村獅童 二人とも全く必要のない喫煙シーンでした。

78、「悪人」 李相日(り さんいる)監督 日本 △ ☆☆
 吉田修一原作のベストセラー小説の映画化です。ひとつの殺人事件に関係する人々を描き、誰が本当の悪人なのかを問いかけます。育ての親である祖父母にはやさしいものの人付き合いの不器用な土木作業員裕一を妻夫木聡が好演しています。殺人を犯してしまった裕一と逃避行をする光代役の深津絵里も職場とアパートの往復だけの退屈な日常の中で、初めて人を愛したいという思いから自首を引きとめてしまう複雑な心情をよく演じていました。また、被害者佳乃役の満島ひかりも人を馬鹿にした態度が憎々しくくらい上手です。金持ちで人を傷つけても何とも思わないやりたい放題の大学生役の岡田将生も初の悪役に挑戦しほんとにいやなやつでした。こういう映画を観るとささいなことがきっかけで犯罪が起きるということをつくづく考えさせられます。悪い人っていったい誰なのでしょうか。出演者全員が名演技で見応えのある作品に仕上がりました。久石譲の音楽もいいです。
 タバコは、大変残念ながら佳乃が同僚と居酒屋で食事をする場面で隣席の数人が喫煙していました。主な登場人物が喫煙しなかっただけに残念です。居酒屋にタバコがつきものだという考えはもう変えていただきたいですね。そのほかではなかったのでおまけで△にしました。

77、、「トイレット」 荻上直子監督 日本 ××
 カナダで暮らしていた母親の死をきっかけに残された3人の子供と、日本から呼び寄せたばかりの英語が全く話せないばーちゃん(もたいまさこ)と、ネコのセンセーの奇妙な同居生活が始まります。日本映画ですが全編英語です。3人の孫たちはそれぞれロボットオタク、ひきこもりのピアニスト、エアギター好きの女子大生とばらばらな兄弟でしたが、無言のばーちゃんと生活していくうちにさまざまな小さなトラブルを解決していきます。そして、そのような中で家族の絆が生まれてくるのでした。
 演技力のある俳優たちが上質の作品にしました。ユーモアもありネコのセンセーも名演技であきさせません。
 しかしながら、タバコは大問題です。ばーちゃん役のもたいまさこがリビングで喫煙し、孫に「洗練されていない人が吸うものだよ」とたしなめられるのに、なんとその孫にタバコをすすめるのです。ばーちゃんの気持ちを理解しようとしてか彼は一緒にタバコを吸ってしまいます。日本人て野蛮なことをするなあととても嫌な気持ちになりました。打ち解けてみんなで庭で食事をする場面でもまた二人は喫煙していました。そのせいかその後すぐにばーちゃんは死んでしまいます。これはタバコを吸うと早死にしますよという警告ともとれますが・・・?。もたいまさこもタバコがついてまわる俳優です。肌につやがないのは年齢のせいだけではないようです。大きなお世話ですが、彼女が倒れると荻上監督は困るだろうな。
 この映画の喫煙者は・・・もたいまさこ (58歳の割には老けていませんか)

76、「東京島」 篠崎誠監督 日本 ○
 桐野夏生のベストセラーを映画化しました。無人島に漂着したひとりの女清子と23人の男たちのサバイバル生活が始まります。そこに中国人も漂着し、その上フィリピン人の女たちも加わり、殺人事件が起きたり放射性廃棄物の不法投棄があったりしますが彼らはどうなるのでしょうか。
 無人島ですので当然のことながら無煙です。原作では不法投棄をしているのが日本人と伝えるためか「セブンスターの吸い殻が落ちている」という表現がありましたが映画ではさらりとフィルターらしきものを手にするだけでした。
 原作がおもしろすぎるので映画はちょっと物足りない出来でした。ちなみにPPはエルメスのスカーフです。

75、「オカンの嫁入り」 呉美保監督 日本 ×× PPハイライト
 整形外科の個人病院で看護士をしている母陽子(大竹しのぶ)は娘月子(宮崎あおい)と二人で大家のおばちゃんに支えられながら慎ましく生活していましたが、ある晩陽子が泥酔し金髪の若者研二を連れ帰り「結婚する」と月子に宣言します。月子は反発しふたりの関係にひびがはいります。実は陽子は余命1年と宣告されていたのでした。研二は見た目はヤンキーですが月子を大切にし陽子への想いもまじめなようすに月子のかたくなな気持ちも少しずつほぐれていくのでした。月子にはあるトラウマがあり電車に乗ることができません。はたして二人の関係はどうなっていくのでしょう。
 宮崎あおい大竹しのぶの上級な演技が見所です。ぶつかり合う場面でも大阪弁がほのぼの感を出しています。母娘で観るのにおすすめです。
 タバコは残念なことに整形外科医(陽子にずっと惚れている)役の國村隼が食堂と病院の喫煙所で喫煙します。陽子がガンになったことに対し、彼がタバコを吸いながら「なんでやろ」とくりかえす場面は思わず「お前のそのタバコの受動喫煙が原因だろうが!」とスクリーンに叫びたくなるほどです。また、陽子が入院している病院内になんの囲いもない喫煙所があるというのもあきれるのを通り越して笑えます。大阪ってタクシーの禁煙化も遅いけど医師会の意識も随分低いんですかね。なお、國村隼はタバコ場面多い俳優です。この頃顔色悪いしちょっと心配です。
 この映画の喫煙者は・・・國村隼 (タバコ顔が気になります)

74、「ハナミズキ」 土井裕康監督 日本 ××
 名曲「ハナミズキ」のイメージを題材に映画にしました。北海道が舞台で漁師の息子に恋をした紗枝ですが自分の夢をかなえようと東京の大学へ進学します。一時はすれちがってしまうふたりですがいつかまた出会えるのでしょうか。
 漁師が喫煙し、高校生が大人になるとみんなモクモク吸い始めます。あの美しい曲には薄汚いタバコは似合わないんですが。北海道は女性の喫煙率が日本一だそうですが、女性が吸わなかったのは良かったです。

73、「瞳の奥の秘密」 ファン ホセ カンパネラ監督 西アルゼンチン ××× ☆☆
 定年退職をした裁判所の事務官ベンハミンは25年前に起きたある殺人事件について小説に書いています。そのことでかつての上司であり今は検事になっているイレーネのもとを訪れ伝えます。25年前の事件では真犯人が逮捕されたものの軍事政権にとって有用だった犯人は保釈され、なんとSPになっていたのです。被害者の夫はそれを許すことができずある行動にでます。25年後にすべての謎がとけたのですが、同時にベンハミンとイレーネの封印されていた恋心も解き放されるのでしょうか。
 おおげさな演技ではなく、かすかな瞳の動きで心情を表現できる名優がそろい大変おもしろい作品です。さすがアカデミー賞(外国語賞)受賞作です。
 タバコに関してもやっぱりアカデミー賞はタバコがお好きらしく25年前のシーンだけでなく現在のシーンでもタバコが多すぎです。名優をタバコの害から守ってほしいものです。

72、「パリ20区、僕たちのクラス」 ローラン カンテ監督 仏 ×
 国語の教師と24人の中学生の姿を描いたドキュメンタリーを思わせるドラマです。フランスの学校にはアフリカや中国からの移民の子供も多く彼らの家庭環境はさまざまです。そんな中でも子供の気持ちを尊重した授業をしようと孤軍奮闘する教師の姿や、教科書を自由に選べる教育制度や職員会議には生徒の代表も参加する開かれた学校運営も描かれとても興味深い内容です。残念なのはクラスのトラブルメーカーであった生徒が退学させられ彼がいなくなるとクラスが落ちついてしまいますが、それでいいのかちょっと疑問が残りました。
 タバコは生徒と問題を起こしてしまったときに学校の食堂で教師がぼんやりタバコを吸います。食堂の職員が「禁煙ですよ」と注意すると「誰もいないから」と言い訳を言います。目の前の職員の姿は見えないのでしょうか。残念ながらフランスでも職員の受動喫煙防止までは意識がむかないようです。

71、「ペルシャ猫を誰も知らない」 バフマン ゴバディ監督 イラン ××
 イランでは1979年のイスラム革命以後いわゆる西洋文化に対して厳しい規制をしているそうです。そんななかでロンドンで自分たちの音楽を演奏するために何でも相談に応ずるという男を紹介してもらいます。彼に偽造パスポートを用意してもらう手筈を整えたり、足りないバンドメンバーを探してもらったりするのですが・・・。
 実際この映画の撮影も無許可でゲリラ的に行われ主役の二人は撮影終了後わずか4時間でイランを離れたということです。
 イスラムといえばアルコールは禁止ですがヤミでは手に入るようでした。また、タバコの規制はほとんどなくどこでも喫煙していました。

70、「ビューティフル アイランズ」 海南友子監督 日本 ×
 気候変動の影響をまともに受けているツバル諸島、ベネチア、シシモコフ(アラスカ最西端)の過去と現在の水位や氷の状態を描いたドキュメンタリー作品です。環境問題を扱った作品なのに残念ながら無煙ではありません。シシモコフの先住民がアザラシ猟のあとふたりそろって喫煙します。こんなシーンは全然必要ありません。ベネチアでは広場の人ごみなども煙はなし。街全体が禁煙なのでしょうか。
 
69、「闇の列車、光の旅」 キャリー ジョージ フクナガ監督 米メキシコ ×××
 南米のホンジュラスからメキシコを通ってアメリカをめざす少女とメキシコの「やくざ組織」の1員の少年が出会ったのは国境を越えて走る列車の屋根の上です。組織のボスが襲おうとした少女を、少年がそのボスを殺してまでして助けたのでした。実はその少年は愛する人をボスにより殺されていたのです。ふたりは愛する人を失いながらもなんとかアメリカを目指すのですが組織の追っては執拗に迫ってくるのでした。
 12,3歳の少年に殺人を課すというメキシコの「やくざ組織」の実態もすごいが(刺青がまたすごい)、命がけでアメリカを目指すホンジュラスからの人々の姿もまたすごいです。形は全く違うが、貧しいものに襲いかかる日本の貧困ビジネスを彷彿とさせます。
 「やくざ組織」=タバコの古いパターンどおりのモクモク映画でした。大人の俳優が納得して吸わされるのも問題ですが何も知らない赤ちゃんを抱きながら喫煙する場面がありかわいそうでした。虐待ですね。

68、「キャタピラー」 若松孝二監督 日本 ○ ☆☆
 ベルリン映画祭で主演女優賞を寺嶋しのぶが受賞した作品です。日本が戦争に突き進んでいた時代、戦場から軍神として帰国した夫は四肢を亡くし聞くこともしゃべることもできない姿となっていました。残っているのは食欲と旺盛な性欲で、妻は「銃後の妻」として必死にその世話をするのでした。かいがいしく、そして時には残酷になってしまう妻の苦悩を演じた寺嶋しのぶの演技はさすがに女優賞です。
 国内では賛否が分かれるような戦争の真実を描いているため監督のねらいは海外での評価だったのでしょう(タイトルも英語だし、ちなみにキャタピラーは芋虫の意。オープニングクレジットなどすべて日本語と英語で表記。戦争ものですが無煙でした。タバコなんて出したらFCTCに反し、評価されないことをちゃんと知っているようですね、若松監督は。次は監督ご自身の禁煙が課題かな。才能のある監督はタバコをやめて1本でも多くの作品をファンのために撮ってほしいですね。

番外、「ゴッド ファーザー」 フランシス=コッポラ監督 1972年 米 ××× ☆
 TOHOでは、「午前10時の映画祭」といって過去の名作を1週づつ上演するプログラムがあり、往年の作品を観てきました。マフィア物の金字塔といっていいでしょう。今もこのジャンルではこの作品を超えたものはないですね。
 タバコはモクモクでしたが、主役のマーロン=ブランドは吸っていませんでした。また、麻薬をどうするかというマフィアの親分たちの会合で「バカな黒人たちを相手にするならいいんじゃないか」というセリフがあり、数年後のタバコ会社のセリフとよく似ているなあと思いました。ちなみに1963年頃からが舞台なのでまだ、タバコの害には気づいていなかったようですね。

67、「きな子〜見習い警察犬の物語〜」 小林義則監督 日本 ○
 テレビのレポート番組で何度も試験に落ちてもあきらめずに訓練を続ける警察犬訓練犬の話が視聴者の共感を呼んで人気者になった実在のラブラドールレトリバーの「きな子」をモデルにしたお話です。もちろんきな子はかわいいのですが、訓練所のなまいきな小学生役の女の子の演技がとても上手でした。きな粉は現在もまだ訓練中だとか・・・。何事もあきらめないという勇気はもらえるかもしれません。
 試験会場のひとごみの場面が心配でしたが無煙です。考えてみれば臭いで判断する犬たちの前で喫煙したら犬が混乱しますよね。タバコ関連もありませんでした。 

66、「ちょんまげぷりん」 中村義洋監督 日本 ○ ☆
 180年前の江戸時代からひょんなことから現代の巣鴨に現れた侍の安兵衛はひろ子と友也母子に救われます。礼節をわきまえた好青年の安兵衛は仕事に忙しいひろ子に代わって家事や育児をすべてつつがなくこなすだけでなくケーキ作りの才能をみせるのでした。ケーキ作りコンテストに入賞した安兵衛はケーキ職人として就職し仕事をすることの喜びを知ります。しかし、ひろ子や友也との時間はなくなり、うまくいっていた3人の関係にひびがはいってしまいます。
 シングルマザーの大変さや父性を求める友也の気持ち、そして仕事があることの充実感など娯楽映画ながらもピリッと社会性をさりげなく織り込ませたのはさすが中村監督です。3人の俳優がそれぞれとても好演しています。その上無煙で言うことなし。できれば続編を期待したいところです。

65、「インセプション」 クリフトファー=ノーラン監督 米 ○
 睡眠中の脳に侵入し夢を支配し潜在意識を捜査することを仕事にしているコブ(ディカプリオ)の元にサイトー(渡辺謙)という謎の日本人が現れ、彼からライバル企業の後継者の脳に入り込むことを依頼されます。いざ、侵入してみると彼の潜在意識はしっかりと武装されていていきなり攻撃されてしまうのでした。夢のような話と言えばそのとおりですね。しかし、同じように脳内の闘いを描いた「マトリックス」の時よりは少し現実感があるかもしれません。いずれにしても他人の夢まで支配しようとするのはアメリカ的と言えばアメリカ的です。
 タバコ関係ではディプカリオ(いつもプカプカ喫煙しているから)と揶揄されているディカプリオがなんと喫煙せず無煙の作品でした。彼が大人になってからは初めてではないでしょうか。世界は変わっているのですね。

64、「BOX 袴田事件 命とは」 高橋判明監督 日本 ×××× PPピース
 1966年(昭和41年)に静岡で起きた強盗殺人放火事件、いわゆる「袴田事件」を題材に人を裁くことの重さを描いています。袴田事件の裁判を担当した熊本裁判官は袴田が無罪であると思いながらも多数決で死刑を言い渡します。その後辞職し無罪を証明しようと40年取り組むのですが、いまだに袴田氏は死刑囚のままです。
 冤罪事件はなぜ起きるのでしょうか。警察、検察、そしてうな丼で丸めこまれてしまうような新聞記者には是非見てほしい作品です。
 お勧め映画ですがタバコはモクモクです。取り調べ警察官や死刑を当然視する裁判官も喫煙します。この裁判官はなんとピースのパッケージを立てて吸っているのです。いくらなんでもこれはやりすぎでしょう。ただ、主役の萩原聖人(裁判官)と新井浩文(被告)は喫煙しませんでした。タバコはいやな奴しか吸わずマイナスイメージと言えばいえるかもしれません。ただ、高橋監督は最近珍しくインタビューでも喫煙しているのが気になります。(キネマ旬報6月上旬号34ページ)

63、「ドン ジョヴァンニ」 カルロス=サウラ監督 伊西 ○ ☆
 1787年ウィーンでモーツアルトと劇作家のポンテが「ドン ジョヴァンニ」を製作する過程をそれぞれの私生活を織り交ぜながら描いています。当時の衣装をまとった男優女優どちらもとても魅力的です。劇中劇で歌劇を楽しむこともできます。目と耳の保養になりますね。
 タバコは存在している時代ですが無煙です。タバコがなくてもまったく問題ありませんでした。

62、「モダン・ライフ」 レイモン ドゥパルドン監督 仏 ×
 後継者がいなくなってしまった南部フランスの農民の姿を追ったドキュメンタリー映画です。農業国と言われるフランスでも将来を悲観した農民がいて、日本の農村と同じような状況が起きていることが意外でした。ある一家には新聞広告で知り合ったふたりの子持ちの女性が都会から嫁いできますが、80歳を超えた叔父兄弟とはうまくいっていません。別の一家は老夫婦と息子がひとり、彼はいやいや農業をしています。中には都会から若い夫婦もやってきますが結局は農業をあきらめてしまいます。偏屈な男はひとりでいます。などなどフランスの農業事情もなかなか大変なようです。
 タバコは、偏屈な一人暮らしの男のみ常に喫煙していました。昔風のタバコなのか吸っていないと火が消えてしまうようでときどき火をつけ直していました。

61、「私の優しくない先輩」 山本寛監督 日本 ×
 心臓病のヤマコは高校生が100人の小さな南の島に引っ越してきました。高校の南先輩が大好きですが告白できず妄想は広がるばかりです。ひょんなことからマット部のいつも汗臭いジャージの不破先輩にラブレターを見られてしまい、勝手に「南先輩への告白大作戦」が立てられてしまうのでした。
 タバコは憧れの南先輩が神社の裏で不良グループと喫煙しています。その時のヤマコの反応は「タバコなんて」と否定的でしたが・・・。その後そのことを口止めするために「つきあってもいいよ」という南先輩はとてもいやなやつですね。ということでタバコはマイナスのイメージで使われています。

60、「ボローニャの夕暮れ」 プーピ アヴァッティ監督 伊 ×××
 1945年前後のボローニャに暮らす一家の破壊と再生のお話です。娘が起こした殺人事件がきっかけでそれまではうまくいっていた家族がばらばらになってしまいます。父親は娘を溺愛していますが母親は冷淡です。その上アパートの隣室に住む父親の親友の警官と妻の関係も怪しいものがあります。そのため父親は身を引いて娘が収監されている精神病院近くへと単身で引っ越します。そして数年後退院した娘とボローニャに戻った父娘は見知らぬ男と一緒に居る母親と再会するのでした。
 タバコは当時をそのまま再現しているのか男も女もモクモクです。タバコ屋のシーンでは、店員の背後には当時のタバコがズラリと並んでいました。

59、「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」 大森立嗣監督 日本 ×××× PPマルボロ、セブンスターその他
 養護施設で兄弟のように育ったケンタとジュンは同じ解体屋で非人間的な労働を強いられていました。二人はある時愛に飢えていたカヨちゃんと知り合ってつきあいはじめたましたが、その頃からピンはねをしたり、暴行をする上司への抵抗心が芽生え、事務所をめちゃくちゃにし、上司の高級車をぶち壊し、トラックにバイクを積んでケンタの兄がいる網走をめざすのでした。
 解体屋での過酷な労働、給料のピンはねなど社会の最下層で生きる若者の姿は見るに堪えないほど熾烈です。一方愛に飢え誰の後でも付いていってしまいそうな女性も悲しいです。どんな環境に生まれようと若者が将来に希望が持てる社会にはなってほしいものです。
 タバコはモクモクです。タバコ会社の思惑通りです。カヨちゃんなど女性が吸わなかったのは救われましたが、ほとんどの男優は喫煙していました。とくにもういい年の柄本明(息子の佑も共演し彼は吸わず)や小林薫はそろそろタバコ病が危惧されます。また、服のまま海に入った後ポケットからタバコを出して吸うのはちょっとおかしいですね。そうまでしてタバコを吸わせたかったのでしょうか。(ケータイで話すのは防水タイプかなと解釈できますが・・・。)

58、「必死剣 鳥刺し」 平山秀幸監督 日本 ○
 藤沢周平原作の時代劇です。いつものように東北の小さな藩が舞台です。政治に口を出す横暴な側室を殺してしまい、当然打ち首となるところがなぜか寛大な措置がとられ、謹慎がとけると藩主の警護役となった兼見ですが、その裏には筆頭家老の策略があったのです。豊川悦司と吉川晃司の切りあいなど殺陣が見所のひとつですが、ちょっと血しぶきが多すぎでしたね。ここまでリアルにやらなくてもいいのではないでしょうか。
 そろそろ、藤沢ものはあきてきたな。
 タバコは出てきませんでした。

57、「アデル」 リュック ベッソン監督 仏 ×
 1911年、事故の後遺症に苦しむ妹のためにエジプトへ秘薬を求めてやってきたアデルは一つのミイラをパリに持ちかえります。ミイラをよみがえらせる力を持つ科学者に依頼しますが、同時に自然博物館では恐竜の卵が羽化して暴れだしていたのでした。
 タバコは1回目は火をつけずライターのみでしたが、アデルが入浴するシーンではゆっくりと吸ってしまいました。ちなみに時代考証はしっかりしていて両切のタバコでした。しかし、リュック ベッソン監督もそろそろタバコ会社とは手を切った方がいいのではないでしょうか。

56、「ロストクライム 閃光」 伊藤俊也監督 日本 ×××PPハイライト
 あの3億円事件の30年後に起きた殺人事件を担当する定年間際の刑事と新米刑事のコンビが警察のタブーとされる事件の本質に迫ろうとしますがそこにはいまだに高い壁があるのでした。
 3億円事件についてはいろいろな小説や映画がありますが、誰も傷つけなかった稀有な事件として有名です。しかい、実は冤罪で取り調べられていたガードマンが自殺をしていたということは初めて知りました。これがこの殺人事件の犯人を探るヒントになります。
 同じ警察ものでも「踊る大捜査線」とは全く違う社会性の強い作品でその点はさすがに伊藤俊也監督です。しかし、タバコではやっぱり伊藤俊也監督らしいモクモク映画でした。時代は2002年とはいえ多すぎです。あの奥田英二(妻は講演会などでタバコの害などについて言及している)がたびたび喫煙し、彼の灰皿は常に山もりの吸い殻で吸わなくても残留タバコ煙でのどが痛くなりそうです。また、最近は喫煙シーンが見られなかった原田芳雄も喫煙、女性ではかたせ梨乃がおしゃれなシガレットケースから茶色のタバコを出して喫煙していました。伊藤監督ももう少しタバコ問題について社会の変化や世界の取り組みを学んでほしいものですね。有能な監督だけに大変残念です。

55、「ザ ウォーカー」 アルバート&アレン ヒュ−ズ監督 米 ○
 世界戦争ですべての文明が破壊された後、その本さえあれば世界を手に入れることができるという最後の1冊の本を、歩いて西へ運ぶ男とその本を奪おうとする男の闘いを描いています。ちょっと懐かしい西部劇風の展開あり、カーチェイスありと盛りだくさんですがいまひとつどっかで見たような場面で新鮮さが足りません。久しぶりにゲイリー オールドマンが悪役でしたが凄味がなくなってしまい、個人的にはとても残念です。
 タバコはさすがに文明とともに消失したのか出てきませんでした。

54、「踊る大捜査線 3 ヤツらを解放せよ!」 本広克行監督 日本 ×
 係長に昇格した青島刑事(織田裕二)の最初の仕事が湾岸署の引っ越し本部長。ところがそのどさくさの最中に拳銃が盗まれその銃で殺人事件が起きます。そして犯人グループは新しい湾岸署の防犯システムにはいりこみ署員を人質にとり青島刑事が検挙した犯罪者の解放を要求するのでした。
 引越しのどさくさがあわただしいうえに音楽がにぎやかすぎておちつきのないシーンが多かったので疲れます。毎度のことですがもう少し社会性があるといいのですが娯楽映画に徹しすぎなのが残念です。
 タバコはほとんど出なかった(灰皿が1回映る程度)のに最後の最後のワンカットで織田さんが一服してしまいました。彼は常習の喫煙者なのか唇とか顔色が紫色にくすんでいますね。映画の中では健康診断の結果の肺の影は間違いでしたが、織田さん本人の肺も検査してもらった方がいいようですね。
 また、犯人役の小泉今日子もメイクでくすみはうまく隠しているつもりのようですがライトが屈折するせいか斜めの表情には年齢以上のしわや荒れをカメラは逃さず撮っていました。また、メイクでもライトでも隠せないのが歯ぐきの色の悪さです。スモーカーならではの歯ぐき色でした。
 ちなみに、テレビでシリーズ第1作を見ましたが、1998年の作品でこちらは職場のデスク、会議中など常にモクモク吸い殻たっぷりの映画でした。ここ10年のタバコに対する社会の変化が感じられます。とともにまだまだタバコはなくならないぞというタバコ会社のしぶとさも感じられ、そういう意味では社会を反映した作品と言えるかもしれません。

53、「瞬 またたき」 磯村一路監督 日本 ××
 バイク事故で恋人を亡くし自分は軽傷ですんだものの事故当時の記憶を失い心に深い傷をおった泉美は郊外のメンタルクリニックに通っていましたがそこで弁護士の真希子と出会います。事故の真相を知りたいと調査を依頼します。事故の瞬間に何があったのか知ることで泉美は恋人の深い愛を知り強く生きることを決意するのでした。
 ヘビースモーカーの北川景子が主演ですが”清純派”の役どころなので彼女自身は喫煙しません。弁護士役の大塚寧々が携帯灰皿を使って喫煙します。彼女も喫煙することが多くそのせいか肌の荒れがメイクでも隠せないほどで、美しい顔立ちに喫煙のかげが・・・。

52、「パーマネント野ばら」 吉田大八監督 日本 ×××
 高知県の海辺の町にある唯一のパーマ屋の周辺で起きる女と男のおかしくてせつないお話です。子連れで出戻りの直子(菅野美穂)は母の美容院を手伝いながら恋人の教師のもとを訪ねたり幼なじみのふたりの友達の話を聞いたりの生活をしているのでしたが、実は恋人の教師の存在にはある秘密があったのです。
 母親役の夏木マリがたびたび喫煙しています。彼女は完全なスモーカーズフェイスですね。教師の江口洋介も学校のベランダで喫煙、彼も喫煙俳優です。また、雀荘ではモクモクでした。タバコがなければもっと美しいおとなのファンタジー映画になったのでしょうが主演の菅野美穂の名演がもったいない作品になってしまいました。

51、「君と歩こう」 石井裕也監督 日本 ×
 両親が仕事に行き詰って自殺し、自分も後を追って死のうとしていた男子高校生とちょうど家庭訪問に訪れた34歳の女教師がかけおちして田舎から東京に出てふたりで暮らし始めます。石井監督らしい社会をチクリと風刺するセリフやりっぱじゃないけどひらきなおったたくましさとしたたかさをもった女性の描き方が個人的には好きです。(前作は33番の「川の底からこんにちは」)
 タバコは喫煙シーンはなくタバコの宣伝もほとんどなかったので期待したのですが、3年後シーンでくわえタバコでバイクに乗り現れ、教師と再会し、そこで「大人になったね。」というJTのよろこぶセリフがあり大変残念でした。
 タバコではありませんが高校生がコンビニで教師の好きなビールを買うシーンではコンビニの店員が年齢を確認せずに売っていました。

50、「フラワーズ」 小泉徳宏 日本 ××!(反タバコのセリフあり)
 昭和11年、花嫁衣装で家を飛び出した凛にはじまり、その3人の娘そしてその娘と平成21年までの3代の女性の生き方を描いています。見所は6人の女優の競演だけでなくファッションや小道具だけでなく白黒からはじまり撮影方法まで時代とともに変化させ懐かしさもありました。
 タバコは昭和44年の出版社などはモクモクでそこまで再現しなくてもいいのではと思いました。平成21年のシーンでは、鈴木京香が喫煙し妹役の広末涼子に「タバコやめなよ、妊娠してるんでしょ。」と止められます。しかし、再度喫煙しているところへ、そばに来た父親が「タバコくれ」「おとうさん吸わないじゃない」「いいからくれ」とタバコを渡すと父親が箱ごとゴミ箱に捨てるというシーンもあります。無煙映画ではありませんが「名せりふ賞」などあげてもいいですね。

49、「アウトレイジ」 北野武監督 日本 ×××
 暴力シーンばかりのヤクザ映画です。海外の作品には暴力を描きながらも感動を与えるものもありますが、この作品は何のために描いているのかわかりません。俳優にも凄味のある人がいなくておやじさんとチンピラばっかりでしたね。ただ昔のヤクザ映画を北野流に撮りたかっただけのようです。カンヌで賞が取れるわけがありません。
 タバコも多すぎです。たけし本人は吸いませんが、まわりがほとんど喫煙しています。自分の番組で受動喫煙の害について取り上げていたのに北野武には理解できていなかったようです。

48、「ねこタクシー」 亀井亨監督 日本 ×× PPマルボロ
 営業成績最下位のタクシードライバーが公園で出会ったネコを同乗させ評判となり成績も上がります。それだけでなくそれまではぎくしゃくしていた家族との関係もネコのおかげで改善されます。しかし、タクシーに動物を載せることは法的に問題があり、それを解決する努力をするうちに彼の生き方そのものも前向きに変わっていくお話です。
 タバコは主演のカンニング竹山のタクシーに寄りかかっての喫煙から始まり、その後もたびたび喫煙し、それもJTが喜びそうな携帯灰皿を使ったりして「マナーを守ってますよ」っていうのがかえって嫌味です。また、タクシーを止めて客と話をするシーンでは画面の半分をタバコ屋の大きなマルボロの看板とタバコ自販機が数秒収まります。このシーンだけでも宣伝費がかなりかかっているような・・・と思います。だいたい直前まで喫煙している運転手のタクシーは残留タバコ煙がこわくて乗れませんね。共演していたねこたちもかわいそうでした。動物愛護団体はこういう扱いに抗議はしないのでしょうか。

47、「シーサイドモーテル」 守屋健太郎監督 日本 ××
 山の中のさびれたモーテルの4つの部屋で繰り広げられるそれぞれがちょっとおかしくてせつなく情けない物語です。もうひとひねり脚本を工夫をすればもっとおもしろくなった素材ですが、いまひとつ不満が残ります。個性派の俳優がそれぞれいい味を出していたので勿体ない感じですね。
 タバコは喫煙シーンも灰皿もたびたび映りました。未成年の俳優の前での喫煙はやめてほしいです。古田新太は年齢的にもそろそろタバコはやめた方がいいですね。山田孝之も喫煙シーンが多いのが気になります。ただ、やくざが部屋に入るなり「タバコくせえなあ、俺はぜんそくなんだよ」とタバコを取り上げたり、レストランで隣席の男が喫煙していると「人が飯食ってるときにタバコ吸うんじゃねえんだよ」などのセリフはあります。タバコが苦手のヤクザっていうのはなかなかいいですね。

番外 「愛のむきだし」 園子温監督 日本 ×× 2009年
 昨年度の各映画賞で絶賛された作品です。少年ユウは母を亡くし牧師の父親と静かに暮らしていましたが、そこへ父親を激情的に愛するカオリが現れ穏やかな生活は揺すぶられます。ユウはそんな父親の気を引くためと母が残したマリア像のマリアを探すために、盗撮という罪を重ねいつしか仲間から盗撮王子と言われるほどになるのでした。そしてカオリの元夫の連れ子であるヨウコはユウがただひとりマリアと思うその人だったのです。そこへ現れたのが怪しい新興宗教団体の幹部の女です。女はユウとヨウコの間に入り一家を新興宗教にとりこもうとするのでした。
 4時間を超える作品で前半はラブコメディ風ですが、後半になると一変して血がドバドバのアクション映画になったりシリアスなセリフを聞かせる映画になったり七変化です。そこが評価されたのかもしれません。
 タバコは高校生の悪い仲間が喫煙しています。俳優はどう見ても三十路のオッサンですがね。新興宗教の女も喫煙します。

番外 「ワンダフルライフ」 是枝裕和監督 日本 × 1999年
 死んだ人が天国へ行く前に1週間滞在し人生での一番印象的な思い出を選ぶのですが、それを面接をして手助けする仕事をする人との交流を描いたファンタジーです。映画を通して人生を考えさせる秀作です。10年前の作品で今主役を演じているような俳優が端役で出演しるのを見ると是枝監督の才能発掘力がうかがえます。
 タバコは、会議などの場面で数人が喫煙していたり吸い殻いっぱいの灰皿が映ったりしたのが残念です。

番外 「カティンの森」 アンジェイ ワイダ監督 ポーランド ×× 2009年
 昨年岩波ホールで上映され話題になった作品です。横浜の唯一の名画座ジャック&ベティで観てきました。神奈川県が受動喫煙防止条例を施行してからは都内で観るよりも神奈川で観てあげたいと思っています。今後も都内の上映より少し情報が遅れますがご容赦ください。というわけで番外となりました。
 さて、「カティンの森」です。戦後旧ソ連圏のポーランドでは口に出すことも憚られた1940年ソ連によるカティンでのポーランド人将校1万5千人の虐殺事件を帰りを待つ家族の姿を通して描きました。ワイダ監督の父親も犠牲者のひとりです。いつの時代も、そして今もまだ残酷な戦争が続けられていることを伝えたかったのだと思います。  
 タバコは1940年から43年の軍隊は喫煙シーンが多かったです。そこまで忠実に再現する必要はないのではないでしょうか。ワイダ監督も人を傷つけるのは戦争だけではなくタバコもそうだということに気づいてほしいものです。

46、「レイルウェイズ」 錦織良成監督 日本 ○
 49歳のエリート社員が故郷の母親の急病と同期の友人が事故死したことをきっかけに、子供のころの夢だった電車の運転士になるという物語です。運転手になるためには家族とは東京と出雲とで別れて暮らすことになりますが、夫が楽しそうにしていることで妻と娘ともそれまでのばらばらだった関係が修復されていくという家族のドラマでもあります。出雲が舞台で海のお祭りの再現も見事です。
 タバコは無煙です。駅の事務室にはハートの禁煙マークもあります。そのほかにも禁煙表示が映りました。ただ、社長室の応接セットのテーブルに灰皿があったのが残念です。

45、「孤高のメス」 成島出監督 日本 ××
 目の前にある命を救い、命をつなぐために初の生体肝移植に挑戦した外科医の医療ドラマです。手術シーンも見所です。堤真一がみごとに演じています。
 タバコは、仕事は丁寧にせず患者を見殺しにするような典型的な権力志向の医師グループがそろってブカブカと喫煙します。悪役にはタバコと言うパターンですが、いくら悪役でもあくまでも仕事上のことなのですから喫煙受動喫煙させられる俳優スタッフが気の毒です。タバコがなくても十分性格描写はできていました。タバコは無駄です。
また、病院の職員食堂のテーブルに安いアルミの灰皿がありました。時代は1989年です。

44、「ローラーガールズ・ダイアリー」 ドリュー バリモア監督 米 ××
 テキサスの田舎町に住む女子高生ブリスは保守的な母親の希望通りミスコンテストの常連です。女らしくつつましやかにと要求される生活でしたが、ある時ローラーゲームのメンバーと出会います。彼女たちの生き生きした姿にたちまちとりこになり母親には内緒でチームに入りメキメキと上達していくのでした。恋も失恋もし彼女は日々を楽しみますが当然母親にばれ反対されますが・・・。
 ミスコンとローラーゲームという対比がおもしろいです。そしてもちろんローラーゲームをしているメンバーの方が生き生きしているというのも女性の監督ならではでしょう。
 タバコ的には保守的です。母親が娘に隠れて喫煙していますが、娘の行動を知った時に思い悩んだ時のタバコが出てしまいます。それも未成年の娘の前での喫煙です。「ジェンダーとタバコ」というWHOのスローガンもべんきょうしてほしいものですね。

43、「トロッコ」 川口浩史監督 日本 ○
 台湾人の夫の死後、初めて夫の故郷の台湾を訪れた妻と幼い息子が夫の家族と触れ合う姿を描きます。原作は芥川龍之介ですが舞台を台湾に移し、日本と台湾の戦中戦後の諸問題を織り交ぜたストーリーになりました。緑を守るために森に木を植える活動をする人や日本人として戦争に行ったのに恩給がもらえない祖父の悲しみなど母子は気付かされます。そして祖父から孫へと受け継がれる家族のきずなを再確認するのでした。
 タバコはなし。灰皿などもなかったと思います。

42、「告白」 中島哲也監督 日本 ○ 
 生徒に娘を殺されたシングルマザーの教師の告白から始まるストーリーは犯人の生徒やその母親の告白へと続き展開していきます。少年法に守られた13歳の犯人に対し冷徹な復讐を企てる教師を松たか子が淡々と演じ不気味です。自分を捨てた母親に認めてもらいたいばかりに凶行を重ねる少年の姿が痛々しいです。もうひとりの犯人である少年を溺愛するあまり殺されてしまう母親を木村佳乃が好演しています。37人のクラスメートそれぞれが13歳という時期の残酷さを表現しています。
 前作「パコと魔法の絵本」では2008年の「汚れた灰皿賞」を受賞した中島監督が無煙の作品にしたことは大変評価できます。まさに「名画にタバコはいらない」です。ただ、血なまぐさいシーンが多いのが難ですが。

41、「ミツバチの羽音と地球の回転」 鎌仲ひとみ監督 日本 ×
 対岸に建設が予定されている原子力発電所の建設反対運動をする山口県の祝島の人々の姿と、自然エネルギーを利用した持続可能な社会へと舵をきったスウェーデンの姿を描くドキュメンタリー映画です。スウェーデンのエネルギー問題への取り組みは私たちに希望を与えてくれます。
 タバコは祝島の反対運動をしている人が数回喫煙していました。会議や人が集まるところでは禁煙にしたいですね。原発問題もタバコ問題も根っこには利権という同じ病魔が巣くっていることに気づいてほしいです。若者が喫煙していなかったのは救いです。スウェーデンのシーンでは街中の雑踏でちょっと煙が見えた程度でした。

40、「春との旅」 小林政広監督 日本 ○ 
 ニシンに取りつかれて北海道の漁場で生きてきた老漁師と孫娘ですが、孫娘が失業したため祖父の居候先を求め年老いた兄弟の元を訪れます。しかしどの家庭もそれぞれが問題を抱え快い返事はなく途方にくれるのでした。
 主演の仲代達也をはじめベテラン俳優が競演し重厚な作品となりました。19歳の孫娘が地方が舞台とはいえ地味でやっぼたすぎるのがちょっと現実離れしているかなと思いました。
 タバコはなし。唯一二人が泊まったホテルの部屋に灰皿がありました。

39、「武士道シックスティーン」 古厩智之監督 日本 ○ 
 剣道を通して描く女子高校生の友情物語です。「書道ガールズ」に展開は似ていますが(主演も同じ)社会性はあまりなく家族とか友情を中心に描いています。剣道などとは無縁な人には新鮮です。俳優はあれこれ書道をやったり剣道をやったり大変だなあと思います。それくらい本気でやっていました。
 タバコは無煙なだけでなく関連グッズも映らなかったと思います。

38、「プレシャス」 リー=ダニエルズ監督 米 ×××
 性的虐待を受け2人目の子供を妊娠した高校生のプレシャスは退学させられ、フリースクールに通い始めます。そこでは彼女と似たような境遇の生徒たちが熱心な教師の下恥じることなくABCから学ぶことができ、ささくれたプレシャスの心も少しずつおだやかになっていくのでした。そして出産後はいつまでも支配しようとする母親からはなれ自分の道を生きていくことを決意するのでした。
 愛されたり大切にされたりすることが人を変えていくという感動的な作品ですが、タバコの使い方は大問題です。虐待する母親がニコチン依存で幼い孫がいても平気で喫煙します。特に新生児を前にしての喫煙は犯罪的です。また、人格者として描かれている校長も喫煙者でタバコのシーンの多い作品でした。そのためかアカデミー助演女優賞と脚色賞を受賞しています。協力に「SMOKE WOOD」という企業か団体の名前がありました。
 
37、「僕たちのプレイボール」 三村順一監督 日本 ○
野球のリトルリーグ70周年記念映画です。球児はアメリカのリトルリーグで野球をしていましたが、肩を痛めマイナーの投手となった父親の元から離れ母と日本に戻り「東陽リトル」に入団します。アメリカと日本では野球の練習方法なども異なり初めはメンバーから浮いていた球児ですが、祖母や近所のメンバーの家族などからアドバイスを受けチームワークもまとまってきます。アメリカの友達との約束「世界大会で会おう」はを果たせるのでしょうか。
 野球選手には喫煙者もいるし、少年野球をくわえタバコで指導するという話も聞いていたので心配でしたが無煙です。東京下町のお祭りシーンや野球の応援席など人が集まるシーンもありましたが無煙でした。タバコ関連グッズもありません。
 
36、「グリーンゾーン」 ポール グリーングラス監督 米  ×
 大量破壊兵器があるという前提でアメリカはイラクを攻撃しましたが、その証拠は見つかりません。ミラー(マット デイモン)の部隊は情報がはいると命がけで捜索をしますが、大量破壊兵器はどこにもありません。疑問に思ったミラーは情報源が誰なのか探りを入れます。コードネームが「マゼラン」という人物からの情報であることまではつきとめますが、機密事項でそれ以上はわかりません。逆に彼自身が狙われることになってしまいます。
 今では大量破壊兵器などはイラクのどこにもなかったとこは世界中が知っていますが、それにだまされて前線で命がけで闘っていた兵士たちは今どう思っているのでしょう。緊迫した臨場感のある映像ですが、ドキュメンタリータッチにするために必要以上にハンディカメラを使っているので画面が安定せず目が疲れたのが残念です。
 タバコはアメリカ兵やイラクの要人が喫煙していました。

35、「書道ガールズ」 猪股隆一監督 日本 ○ ☆☆☆
 愛媛県四国中央市は紙の生産が日本一です。ですが商店街はさびれ活気ありません。四国中央高校の書道部は賞を取る部員がいるにもかかわらずみんなそれぞれの事情をかかえバラバラでした。そんな時、産休代替えの教師が顧問になることから物語は始まります。彼は指導らしい指導はしないでゲームばかりしていましたが、ある時校庭で書道パフォーマンスをし部員の心を動かします。部員の父親が経営する文具店が閉店すると聞き商店街で「閉店祝い」に父親が大好きな「王将」の曲に合わせ書道パフォーマンスをします。それがきっかけとなり街を元気にするために「書道パフォーマンス甲子園」を開くのでした。店をたたむだけでなく、母子家庭の母親が入院したり、書家の父親から反対されたり、和紙の職人が火事を出したりと現実は厳しいのですが「あきらめたらなにもできない」と立ち上がる女子高生の姿が健気です。参加高校の各書道パフォーマンスの楽しさには驚かされます。
 タバコは出てきません。灰皿などの関連グッズもはっきりとは映りません。泣いて笑って感動して元気の出てくる作品です。無煙映画賞候補です。

34、「矢島美容室 ザ ムービー」 中島信也監督 日本 △
 とんねるずのバラエティー番組を映画にした作品です。テレビでただで観るならいいけれどチケットを買ってまで観る内容ではありませんでした。まじめに演じているのかギャグなのか中途半端で、面白がっているのは出演者やスタッフたちだけだったのではないでしょうか。
 タバコは禁煙マークのあるスタジオで社長がパイプをくわえていました。(煙はなし)また、ミスコンの審査会場でも同じ社長がおなじようにパイプをくわえていました。フジテレビが制作ですがフジテレビの社長がモデルなのでしょうか。

33、「川の底からこんにちは」 石井裕也監督 日本 ×× ☆☆
 「しょうがないですよね」と「すいません」のことばで仕事も恋もなんとなくやり過ごしていた佐和子(満島ひかり)に、父親が倒れたので実家に戻って来いという電話が叔父からかかってきます。迷った挙句帰ったのは佐和子だけでなく付き合っていた彼氏も子供をつれて同行したのでした。実家のシジミの加工工場は倒産寸前で職員は口の悪いおばちゃんばかりです。アル中のように昼間からビールを飲んで憂さを晴らしていた佐和子ですが、同行した彼氏を友達に取られたり、父親の姿を見ているうちに「中の下で何が悪い」と開き直り、「もうやるしかない」と初めて自分の力で人生に立ち向かうのでした。
 都会での派遣仲間のしおれた会話に対して、工場のおばちゃんたちが対照的に生き生きとしています。「中の下」の国民が団結すればもっといい国になるかもしれないですね。笑ったり泣いたりしながら元気がもらえる作品です。
 タバコは面倒見のいいちょっとエッチな叔父さんが喫煙者で何回か喫煙しました。子役の出演している場面で吸い殻がいっぱいの灰皿があり残留タバコ煙が心配でした。また、シジミ漁の漁師が喫煙していました。

32、「すべては海になる」 山田あかね監督 日本 ×
 高校生の頃援交をしていたが本当の愛を知るために本を読み始め書店員になった27歳の夏樹(佐藤江梨子)は今では「愛のわからない人へ」というコーナーを任されています。あるとき万引きをした主婦を捕まえますがその事件がきっかけで高校生の息子光治(柳楽優弥)と出会います。壊れかけている家族を彼は一人立て直そうとしていました。夏樹は光治を放っておけずつながりを持とうとしますが・・・。そう簡単にはいかないのでした。
 タバコは光治の妹が家のベランダで喫煙します。(タバコを持っている姿と煙のみで実際に吸うところは映らず。)また、夏樹のコーナーに集まる人を宗教に勧誘している男が喫煙所の近くでタバコに火をつけようとします。書店の事務所の来客用テーブルに灰皿が置いてありましたが、実際にあそこで喫煙したら売り場まで煙が出てくることでしょう。一般の人は喫煙所に行くのですから来客も喫煙所に行ってもらうのが当然ですね。
 主要な登場人物は喫煙しませんでした。
 
31、「トリック 霊能力者バトルロイヤル」 堤幸彦監督 日本 ○
 最強の霊能力者カミハエーリが治める村で次のカミハエーリを選ぶために全国から自称霊能力者が集合し生死を賭けた霊能力バトルが開催されます。賞金目当てにやってきたのは自称天才美人マジシャン山田(仲間由紀恵)と因習を止めさせるために村の若者から依頼されてやってきた物理学者上田(阿部寛)は反発しながらも協力して闘いを勝ち進んでいくのですが・・・。 
 馬鹿馬鹿しいB級ギャグが満載で笑えます。マジックのネタ明かしもおもしろいです。知ってしまえば「なーんだ」というようなトリックにみんなだまされているんですね。タバコについても喫煙者が早くタバコのトリックに気づいてほしいものです。
 前作も無煙でしたが、今回も無煙でした。

30、「チャンドマニ 〜モンゴルホーミーの源流へ〜」 亀井岳監督 日本モンゴル ×
 ホーミーと呼ばれる遊牧民の歌唱法は首都のウランバートルから1500キロ離れたチャンドマニ村がその発祥の村とされています。その村から金になる仕事を求めてウランバートルに来ている青年とウランバートルの芸術劇場でホーミー奏者として活躍している青年が正月の休みにチャンドマニへ向かう長距離バスで出会います。立場の違う二人の姿をドキュメンタリータッチで描く中でモンゴルの都会と田舎の生活や価値観の違い、大切なものはなんなのかを問いかけます。
 タバコは皮工場の労働者や旅の途中で出会う人バスの運転手が喫煙していました。

29、「アンダンテ 〜稲の旋律〜」 金田敬監督 日本 ○ ☆☆☆
 音大を中退してから10年以上、仕事をしても続かず対人恐怖症でひきこもるようになってしまった千華はあるきっかけで千葉の農業青年と文通を始めます。田んぼの手伝いなどにも出かける様になり、自然の中で働くことで千華の心の屈託も徐々にときほぐされていくのでしたが・・・。
 千華を心ならずも縛り付けてしまっていた母親や家族を支配している父親など家族の問題に農業問題をからませた重くなりがちなテーマですが、適度なユーモアを織り交ぜた脚本やベテラン俳優の演技で見応えのある作品に仕上がりました。主役の千華を演じたミュージカル女優新妻聖子のラストの独唱は聴きごたえがありました。
 タバコですが、一般的には有機農業者には意外にも喫煙者が多いのですがこの映画では喫煙者は出てきませんでした。祭りや野外コンサートなどの人が集まる場面でも無煙でした。唯一駅の待合室に灰皿のようなものがありましたが、無煙映画賞候補作といたしましょう。

28、「てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡」 李闘士男 日 ×× PPセブンスター たばこと塩博物館協力
 沖縄のサンゴの再生にかけた男とその家族友人を描いた作品です。てぃだは太陽のことです。沖縄の海がきれいでした。
 タバコネタは多かったです。母親役の原田美恵子が息子である主人公(岡村隆史)を評して「初めに勤めた木工所ではタバコが原因でボヤを出し・・・」と始まり、鬼のような漁協長(國村隼)が「市場でタバコ吸うな」とどやしたりします。ここまでは実際には煙は映らないのですが、化学物質に敏感なサンゴの養殖水槽の部屋で岡村がタバコを吸おうとすると、友人に「タバコはいいの?」と言われ禁煙を宣言します。しかし、だまされて借金をしてしまったときにはどういうわけかセブンスターが手元にあって喫煙し、自分が貼った禁煙の張り紙をはずしてしまいます。子役の前での喫煙シーンも1回ですがありました。喫煙したのは主人公役の岡村隆史がほとんどで、そのほかには漁協の会合で喫煙している人が何人かいました。沖縄も「会議は禁煙」にしましょうね。女性の喫煙シーンがなかったのは良かったです。
 
27、「パレード」 行定勲監督 日 ×××
 都会のマンションの一室で共同生活をしている若者の群像劇。表面的にはなんのトラブルもないのですがサトルという18歳の男娼が加わったことをきっかけに微妙な変化が生じてきます。街では連続殺人事件が起き、都会に生きるものの危うさを描いています。
 共同のマンションの部屋は禁煙です。林遣都演ずるサトルが加わると彼がパチンコ屋で喫煙するのを皮切りにいっしょに居ることの多いメンバーのひとりでイラストレーター役の香里奈とたびたび喫煙しています。特にタバコを吸いながら「朝の清々しい空気を汚すのが快感」というセリフは屈折した性格描写かも知れませんがいただけません。また、サトルは18歳の設定なので未成年の喫煙は問題ありです。実際林遣都は1990年生まれで撮影時20歳だったのか微妙なところです。また、ゲイバーのホステスが客の前で平気で喫煙するのもプロとして失格ですよね。

26、「アリス イン ワンダーランド」 ティム バートン監督 米 △ 
 「不思議の国のアリス」のその後を描きました。19歳になったアリスは婚約を迫られ答えに窮しウサギの穴に落ちてしまいます。そこでは姉妹が赤の国と白の国に分かれ、赤の国の女王は残酷な強権政治をしているにでした。アリスは帽子屋や動物たちに助けられ予言にあるとおり困難に立ち向かっていくのでした。
 ディズニーの作品なのでまさかタバコが出るとは思わず安心して観ていたのですが、なんと不思議の国の青いいもむしが水パイプのようなもので煙をただよわせいやがるアリスに煙を吹きかけたりしていました。青いいもむしアリスに哲学的な助言をする役どころでそういう存在が喫煙というのは好ましくありませんね。帽子屋役のジョニー ディップが喫煙しなかったのは良かったです。

25、「のだめカンタービレ最終楽章 後編」 亀山千広監督 日 □
 前編が無煙だったので期待度が高かったのですが大変惜しいことに街の雑踏のシーンでひとりだけ歩きタバコをしている人の煙が映ってしまいました。また、こちらは大変残念なことにのだめの実家のシーンでテーブルの上にタバコと灰皿が置いてありました。こちらは意図的に置いたのかな・・・ということで前後編合わせての無煙映画賞候補にはなりませんでした。
 しかしながら、日本のクラシック界がアフィネス財団などのタバコマネーにどっぷり浸かっているという現実を考えれば音楽関係の若者の登場人物に喫煙者がいなかったということは画期的だったのかもしれません。敢闘賞をあげてもいいかな。
 前編同様若者をクラシックへ導いた功績は大きいものがあるでしょう。

24、「半分の月がのぼる空」 深川栄洋監督 日 □ 
 肝炎で入院した裕一は心臓病で何年も入院をしている里香と出会い恋に落ちます。普通の高校生活をしていない里香に友達の協力もあって学園祭に参加したり、夜中に病院を抜け出して展望台へ出かけたり、と楽しい時を過ごします。一方医師の夏目は心臓病の妻を自分が執刀したのに助けられなかったことから二度と心臓手術はしないと決め内科の医師になっていました。そして里香は手術をしてくれる医師を探し転院をすることになるのでした。
 この作品にも大きな仕掛けがあって後半になって観客は「そうだったのか」と気づかされます。この仕掛けのおかげで、不治の病→別れ→涙という単なる浪花節ドラマにならずにすみました。
 タバコは裕一たち高校生のたむろしている部屋であやしい煙がスクリーンに映っていました。タバコを吸っているような気配はなかったのですが、あの煙はいったいなに? ということで□です。

23、「シャッターアイランド」 マーティン スコセッシ監督 米 ××× PPラッキーストライク
 1954年精神犯罪者だけを収容する監獄の島で一人の女性が消えたという情報の下、保安官のテディは初めて組む保安官とともに島にのりこみます。しかし、院長はじめ職員や看守までもが何かを隠しているようで謎は深まるばかりでした。その上テディは火事で妻を亡くしたことや戦争中にドイツ兵を虐殺した記憶がトラウマとなってうなされます。解決の糸口もつかめず島はハリケーンに襲われ逃げ出すこともできず、失踪した女性を探していると崖の穴倉に隠れている人を発見するのですが、実は・・・。この映画には大きな仕掛けがあり、それを見ていない人に言ってはいけないという注意があるので気になる人は映画館へどうぞ。
 主演のディカプリオはまさにディプカリオで、プカリプカリと吸っていました。ただ、ストーリーの中で「タバコに何か薬物が仕込まれているかも」と言われると次に勧められた時には「禁煙したんだ」と言ってました。しかし疑念が晴れるとまた吸ってしまいました。彼はタバコだけでなくちょっとメタボの心配もでてきましたね。
 1954年とはいえ喫煙シーンが多い作品でした。
 

22、「ソラニン」 三木孝浩監督 日本 ××× PPマルボロ
 60万部突破したコミックの映画化ですが、脚本がつまらないのか前半などはあくびがでそうなくらい退屈な内容でした。学生時代にバンドをやっていた仲間たちですが今はバンドは続けているものの現実の生活という壁にぶつかります。一方バンドメンバーの種田と学生時代から同棲している芽衣子(宮崎あおい)もOLをしていますがいきなり退職してしまいます。バンド仲間はプロをめざそうとしますがうまくいきません。そんなとき、種田はバイク事故であっけなく死んでしまいます。種田が生きていた証を残そうと芽衣子はギターを特訓し、種田の残した曲「ソラニン」を熱唱するのでした。
 この作品はあの宮崎あおいにタバコを吸わせるためだけに撮ったと言っても過言ではないでしょう。まず、OLのころ仕事がいやになると建物の片隅でタバコをくわえます。自宅でも目覚めの一服をします。その後ご丁寧にも禁煙をさせ、結局は恋人の死をきっかけに再び喫煙させるという、苦しいときにはタバコだよ、という展開になります。宮崎以外にも喫煙シーンは多く大変問題のある作品です。16番の「スイートリトルライズ」同様タバコの宣伝のために作られた映画といえます。

21、「ダーリンは外国人」 宇恵和昭監督 日本 ○ ☆☆☆
 原作は小栗左多里の人気コミックです。アメリカ人の男性と、彼と交際している漫画家をめざす日本人のさおりとのふたりを通して、外国人が感じている日本語や日本人の習慣についての素朴な疑問や意外な行動などをコミカルに描きながら、人間関係の本質にやさしいことばで鋭く迫る大変上質な秀作です。特に母親役の大竹しのぶの心のこもった演技は泣かせます。「みんなちがってみんないい」という金子みすゞの詩を連想させます。
 暴力やハダカもなく誰もが安心して鑑賞できるのもいいですね。外国人が集まるパーティーや結婚披露宴などのシーンもありましたが無煙でした。タバコフリーでもあり、2010年の無煙映画賞の候補作です。

20、「オーシャンズ」 ジャック ペラン監督 仏 ○
 クジラ、アザラシなどの大型海獣が主な出演者なのでタバコの心配はありません。導入部などで子供と学者が登場しますが無煙でした。
 セイウチの母親が赤ちゃんを慈しむ姿やイルカたちの3回転ジャンプは感動的です。唯一の悪役は日本の漁師さんです。この映画を見るとしばらくはマグロを食べるのは遠慮しようかなという気になります。ただ、絶滅危惧種を大事にするのは必要ですがその前に戦争でヒトを殺すのをなんとかしてほしいものだとこの手の作品を見るたびに思います。

19、「ライアーゲーム」 松山博昭監督 日本 ×
 コミック誌→テレビドラマ→ 映画という最近多くなってきた形式の作品の一つです。
 ライアーすなわちだましあいのゲームに11人が参加します。お互いに信頼すれば容易に全員が賞金を得ることができるのですが、それぞれの思惑が絡みあうなか正直者のナオは窮地に立たされながらも信じることを説得するのでした。はたして人は信ずるに値するのでしょうか。
 タバコは数回映りますが、必要性はありませんでした。

18、「マイレージ マイライフ」 ジェイソン ライトマン監督 米 ○
 年間320日あまり出張し、労働者のリストラ通告を仕事にしているライアンの唯一の楽しみはマイルをためることです。人との関係は深入りせずシングルで親兄弟とも疎遠な生活ですが特にさみしいわけではありません。ひとりで自由に行動していましたが、上司から若い女性の部下の指導をまかされたかとと思えば、今度はホテルのバーでやはり出張ばかりの女性と親しくなります。出張先での逢瀬を重ねるうちに彼の心境も変化し彼女とともに妹の結婚式に出席したりするのですが・・・。安易なハッピーエンドではないところが大変面白いです。
 ホテルのバーや結婚式などでもタバコはなし。無煙です。

17、「幸せのかくれ場所」 米 △
 アメリカ南部の裕福な母親が黒人の少年を助け生活の場を与え教育を受けさせ体格の良さを生かしてアメフトの選手として育てるという実話に基づいた作品です。南部が舞台だけにいまだにある黒人差別や民主党員へのこだわり、ライフル協会の会員など一般のハリウッド作品ではあまり出てこないようなタイプのアメリカ人が登場します。一方ではドラッグ漬けの母親や貧しさゆえに悪の道にはいってしまう兄弟の姿も描かれます。
 母親の勢いにつられ初めはとまどいながらも黒人の少年を受け入れていく夫や子供たちがいいです。母親役のサンドラ=ブロックが好演しています。
 タバコは、黒人の不良少年たちがたむろしている酒場の場面で煙が映りました。

16、「スイートリトルライズ」 矢崎仁司監督 日本 ××× PP
 主演の中谷美紀が無理やり喫煙させられたといういわくのある作品です。1回だけ吸わされたのかと思っていましたが何度も吸っていました。「いやだけど仕事だから吸っている」という雰囲気が感じられました。他にも彼女と仕事上の付き合いのある女性も喫煙します。中谷演ずる主婦と浮気をする男も喫煙し、タバコ煙の露出度はかなり高い作品です。その上「一日10本って約束してるの」というセリフを言わせたりして、10本ならいいのかなと意図的に勘違いをさせています。
 内容は原作が江國香織なので期待はしませんでしたが、夫婦の双方がそれぞれ不倫をし結局は元の鞘におさまるという陳腐でまったくつまらないものでした。タバコ会社が女性をターゲットにして宣伝用に撮った映画と断言しても構わないでしょう。中谷美紀の事務所は彼女の活かし方を間違っています。一時の金儲けよりもっと作品を選んで彼女の実力が発揮させてほしいものです。
 

15、「シャーロック ホームズ」 ガイ リッチー監督 米英 ××××
 ホームズといえばパイプというイメージ通りパイプのシーンが多く、また女性も当時おしゃれとされていた白いパイプを使っています。エンディングクレジットの協力にはTOBACCOなんとかの文字がありました。タバコ関係組織が協力しているようです。タバコ会社にはこれ以上のキャラクターはいないのでこれからも続編ができるのでしょうね。
 内容は探偵ものというよりはアクション映画でホームズって体育会系だったのかとびっくりです。タバコ会社からたっぷり資金をもらったせいか19世紀のロンドンの街並などがよく再現できていました。

14、「猿ロック」 前田哲監督日本 ×××
 天才鍵師通称サルには開けられない鍵はありません。その腕は警察からも依頼がくるほどです。そんなサルの弱点は「女に弱い」です。あるときわけありの美女まゆみに頼まれて金庫のカギをあけたところなぜかふたりは警察とヤクザに追われる身になってしまいます。
 警察とやくざの双方が喫煙します。裏でつながっていると習慣まで似てしまうのでしょうか。ふたりを助けるサルの友人も喫煙します。禁煙の署内で喫煙する刑事もいて、タバコが小道具として重宝されていました。映画製作とタバコ会社が裏でつながっているようなそんな気もする作品です。心のカギを開けるのはいいけれどタバコはサルくんにも開けられない魔法のゴミ箱にしっかりかぎをかけて捨てたいですね。

13、「ハート・ロッカー」 キャサリン ビグロー監督 米 ×××× PP
 米アカデミー賞の主要部門を独占した作品です。イラクでの爆弾処理をする兵士の死ととなりあわせた緊迫する状況がよく描かれています。しかしそれだけなのです。「心に鍵をかけ」ないとできないようなきつい仕事をなぜしなければならないのか。その戦争を起こしたアメリカの責任などには全く触れていません。なんでアカデミー賞をとれたのかといえば、タバコです。主役のジェームズがニコチン依存症でたびたび喫煙します。それもアップで何度もタバコが登場します。喫煙者は彼一人ですが一応彼がヒーローということですのでタバコ会社としては申し分ありませんね。アカデミー元夫婦対決で「アバター」が負けたのは喫煙シーンが少なかったからかもしれません。内容的にはまだ「アバター」の方がよかったと思います。

12、「交渉人 THE MOVIE」 松田秀和監督 日本 ×××
 テレビドラマの映画化はつまらなくなることが多いのですが(「クロサギ」「ハゲタカ」など)この作品は予想外によくできています。娯楽映画として楽しみながら社会に巣くう真の悪がどこにいるのか考えさせます。ショッピングモールでの人質立てこもり事件の後、今度は立てこもり犯の解放を要求するハイジャック事件が起きます。交渉人の宇佐木玲子が命を張って交渉するのですが・・・
 タバコは悪役の反町隆史が数回喫煙します。また飛行機内でバカな客役の成宮寛貴も喫煙し、スッチーに注意されますが開き直って煙を吹きかけるというスモークハラスメント行為をします。立てこもり犯役の津川雅彦が喫煙しなかったのは意外でした。
 ウサギちゃんが再生するのかちょっと心配。

11、「人間失格」 荒戸源次郎監督 日本 ×××× たばこと塩の博物館協力
 昨年から続く太宰治生誕100年記念作品のひとつ。太宰の代表作をイメージ通りに映画化しました。出演者のひとりひとりが出しゃばらずにそれでいて確実に役割を果たし映像もきれいでいい作品です。
 しかし、タバコの扱いは問題です。冒頭から大楠道代が葉巻をゆったりと吸うシーンで始まり、男性の出演者はほとんどが喫煙します。1940年頃とはいえタバコが多いです。その上タバコ屋の娘と結婚するなどタバコネタづくしです。いくらタバコ会社からの協力を受けているとはいええげつなさすぎです。「お酒はよしましょう。」などアルコールに対しては理性的なセリフもあるのが逆になんだか妙です。おまけにこんな標語が映ります。「国は国防、たばこは社交」。主人公は血を吐いて武蔵野病院に入院してしまいますが、タバコの吸いすぎも原因のひとつでしょうね。

10、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」 三浦大輔監督 日本 ×××
 弱小おもちゃメーカーの営業社員の田西は職場のちはるに恋をしていますが、人がよすぎるせいかうまく事がはこびません。性欲はコントロールできずバカなこともしでかします。ライバル会社の青山にも相談しアドバイスも受けるのですがなぜかうまくいかないのでした。
 主役の峯田和伸と悪役の松田龍平がいい。ちょっとエッチな青春物として面白い作品になりました。
 タバコは多すぎです。上映開始後いきなりの居酒屋の場面ではモクモクでエキストラのみなさんもかなりの受動喫煙を受けています。ちはるも酒の席や階段の踊り場にある喫煙所でたびたび喫煙しています。風俗嬢役のYOUもほとんどのシーンで喫煙していました。主役級の男性ふたりが無煙でしたが、最近の作品にしてはタバコ露出が目立ちました。

9、「新しい人生のはじめかた」 ジョエル ホプキンス監督 英 ○
 娘の結婚式に出席するためにNYからロンドンにきたハーヴィー(ダスティン=ホフマン)を迎えたのは彼と離婚後に再婚した妻と娘の幸せそうな姿でした。そしてヴァージンロードは継父と歩くと娘に告げられ、その上NYの職場からは「もうお払い箱だ」という電話が入ります。やけ酒を飲む彼の隣には一人の本を読む女性がいました。実は彼女も40代でシングル、今の状況を変えたいと思いつつもうまくいかず、ハーヴィーと話を交わすうちにうちとけてくるのですが・・・。ロンドンの観光名所がさりげなく紹介され、景色もきれいです。
 大人の会話が楽しめます。泣かせどころもいくつかあり誰でも新しい人生をはじめる勇気がわいてくるかも知れません。まあ、映画のようにはうまくいかないかもしれませんが。
 タバコはなし。結婚披露宴やカフェなどの場面でも無煙でした。

8、「ウィニングチケット」 シャーンドル カルドシュ監督 ハンガリー(2003年の作品) ××
 1956年のハンガリーが舞台です。男がサッカーくじで大金を当てますがその当日なんと後にハンガリー動乱と呼ばれる市街戦が勃発。大金を抱え右往左往した挙句、彼はその大金を使ってある行動を起こすのでした。
 タバコは主人公初め周囲の多くが吸いますが、彼の母親は「神が喫煙を許すのなら頭に煙突をつけたことだろう。」と息子の喫煙を嘆きます。
 ちなみに当時のサッカーハンガリー代表チームは4年間無敗の記録がありその立役者だったプスカシュは動乱時にスペインに亡命し、その後はスペイン代表になったそうです。

7、「インビクタス」 クリント イーストウッド監督 米 ○ ☆☆
 1995年ラグビーのワールドカップが南アフリカで行われましたが、その大会に弱小チームだった南アフリカ代表チームをなんとか優勝させたいと願うマンデラ大統領はチームの主将と会います。彼は大統領の想いを受け止めチームを変えていくのでした。
 スポーツが国家主義に利用されるのは好きではありませんがそれは置いといて、新しい国づくりのために自分のSPに白人を採用することから始め、「自分が変わらなければ・・・」というマンデラの人間性がよく表現されています。イーストウッドの演出はさすがでラグビーを知らなくても楽しめます。タイトルは「負けざる者」「征服されないもの」の意でマンデラが30年の獄中で励まされた詩の題名です。
 タバコはなし。「敵を知らなくては闘いには勝てない。」という言葉は反タバコ運動にも言えますね。マンデラに励まされました。

6、「おとうと」 山田洋次監督 日本 × ☆
 女手ひとつで娘と姑の生活を支える吟子(吉永小百合)には問題を起こしてばかりの弟鉄郎(笑福亭鶴瓶)がいました。いつも弟をかばう姉でしたがあることをきっかけに絶縁してしまいます。しばらくして大阪の警察から弟が病気で保護されたという連絡がはいります。鉄郎はすでにあと数カ月の命となり民間のホスピスで最後を迎えるのでした。 厄介な家族をめぐってそれぞれがさまざまな対応をします。でも最後にはひとりの人として認めようとする姿は弱者の味方山田洋次監督らしいですね。ベテラン俳優がわきを固め笑いもありよくできた作品です。最後に死なないで寅さんのようなシリーズものにしてほしかったですね。
 タバコは主な出演者は無煙ですが、ホスピスの入り口が喫煙所になっていたり、談話室で喫煙したりしていました。福祉施設での火災が社会問題となっていますが、いくらホスピスでもタバコは制限する必要があるのではないでしょうか。最後まで前向きに生きたいですよね。また、職員の受動喫煙被害も問題です。
 
5、「サヨナライツカ」 イ・ジェハン監督 韓日タイ ×
 辻仁成原作。1975年のバンコクで出会った裕福な沓子と結婚を半年後にひかえたエリートビジネスマンの豊は叶わぬものとは知りながらも求めあい逢瀬を重ねます。しかし所詮はその時だけのものと豊は日本に戻り結婚家庭も仕事も順調に時は過ぎて行きました。そして25年後久しぶりにバンコクに来た豊を迎えたのは意外な姿になった沓子でした。
 登場人物がみんな経済的に恵まれた人ばかりで現実感のないラブストーリーですが、舞台がタイなのと中山美穂が12年ぶりの主演ということで身体を張って体当たり演技をしていたのでなんとか最後まで楽しめました。また、韓国の監督の日本映画というのは文化交流としては評価できます。
 タバコは75年の場面では豊の上司が喫煙者で彼は25年後も喫煙していました。そのせいか声がかすれていましたが。また25年後の豊もオフィスで喫煙します。いい年になって喫煙者と言うのもなんだか妙でした。

4、「ゴールデンスランバー」 中村義洋監督 日本 × ☆
 伊坂幸太郎原作。新首相が凱旋パレード中にラジコンヘリにしかけられた爆弾で爆死します。その直後、「おまえ、オズワルドにされるぞ。」という言葉を残してこれまた親友が爆死します。その親友の言った通り犯人に仕立てられていく青柳。必死に逃げる青柳を助けるのは学生時代の友人と意外にも連続殺人で指名手配されている犯人でした。殺人犯の彼はなんと整形手術をし手配写真とは別の顔になっていました。青柳の学生時代の友人4人と、ビートルズの名作「ゴールデンスランバー」に関わる思い出をからませながら青柳の必死の逃亡が続くのでした。
 青柳を最後まで信じる両親や友達の姿が人間不信の社会に一石を投じています。ラストにはちょっと不満もありますが、この映画の公開で政治家の暗殺だけは日本の闇社会もやりにくくなったということで良しとしましょう。
 タバコは学生時代の場面で吉岡秀隆が数回喫煙していました。彼のタバコ露出度は高くあの倉本聡(ドラマ「北の家族」)や「男はつらいよ」での小さいころからの受動喫煙の影響でしょうか。

3、「つりバカ日誌20ファイナル」 朝原雄三監督 日本 ○
 あの「つりバカ」も最後は無煙でした。厳密には三途の川で並んでいる人々の中にタバコを持っているのがちらりと見えましたが煙は出ていなかったのでおまけをしてあげましょう。かつてはかわいい一人息子の前でも平気でタバコを吸っていたハマちゃんでしたね。それに対しての筆者からの抗議に対して無視をした松竹さんもやっと社会の変化に対応できるようになり嬉しいことです。
 ラストの演出も楽しくできていました。その年その年の社会世相を取り上げた喜劇がなくなってしまうのはちょっとさみしいですね。新しいシリーズを期待しています。もちろん最初から無煙でね。

2、「アバター」 ジェームズ キャメロン監督 米 ××
 呆れてしまって評価のしようがありません。すばらしい映像はうたい文句のとおりです。ストーリーも海兵隊がまだ侵略行為をしているというのは現在のアメリカを皮肉っているのだと思えばまあ、許してあげましょう。しかしどうしても許せないのはシガーニー=ウィーパー(「エイリアン」で主役をやった勇敢な女性)がいきなり「私のタバコ、タバコをちょうだい」と要求することです。いくらなんでも宇宙でタバコを吸うか。彼女はその後もたびたびタバコを吸いました。興ざめです。たしか「エイリアン」でも喫煙してましたね。疑いようもなくタバコ会社と深い関係があるのでしょう。
 3D上映でしたが目が疲れるしそれほど効果もない上に料金が高くなるので3Dはやめてほしいです。

1、「パチャママの贈りもの」 松下俊文監督 日本 米 ボリビア ○ ☆☆☆
 2010年最初の作品が無煙でした。なんだか縁起がいいですね。
 「パチャママ」というのは先住民のことばで「母なる大地」のことです。話はボリビアの塩湖で塩を切り出しているケチュアと呼ばれる先住民の父子の姿から始まります。山に日が沈むと今日の仕事は終わりです。家に帰るとつつましいけれど暖かい食事が待っています。家族や友達に囲まれて息子のコンドリは穏やかに生活しています。そしていよいよ年をとった祖父に代わって父親とリャマの背で塩を運ぶキャラバンに同行します。「車で行けばいいのに」と言う人もいますが、「車が入れない山の上で待っている人がいるから」と昔ながらの旅に出ます。途中動けなくなっている車を押したり、薬草を取ってそれを困っている人にあげたり、はちみつ取りを手伝ったりしますがすべて「おたがいさま」。そして1年ぶりで会う山の村の人々は野菜やトウモロコシなどと塩を交換します。物々交換です。貨幣というものがいらない世界なのです。 お金のやりとりでしか評価しない経済学から見れば貧しい生活になるのかもしれませんが彼らはとても幸福そうです。掟はたったの3つだけ。「盗むな」「嘘をつくな」「なまけるな」部厚い法律書があってもあまり幸福感のない経済大国とどちらが本当に豊かなのでしょうか。

          

2010年タバコはだめよ! 
     映画評(2010年1月〜2010年12月)

・映画名、監督、製作国、禁煙度、PPの有無、お勧め度の順です。
(PPとはProduct Placement の略で、映画やテレビなどの中で実際の企業名や商品を登場させ視聴者に印象づける方法のことをいう。)
・禁煙度:○は喫煙シーンなし、△は喫煙シーン数回、×は多いほど喫煙シーンも多い。
・!はタバコ関連のセリフあり。
・お勧め度:☆が多いほどお勧めです。