福島の山荘の現状報告
2011.5.23
例年ですとこの季節は窓を開ければ心地よい風が家の中を駆け巡っていました。しかし、今年は放射能に汚染されているためそれができません。なんと悔しいことでしょうか。
6時半になればラジオ体操をして体をほぐします。そして1日が始まりました。そんな日常がつぶされてしまったのです。土をいじり作物を育てることはとても楽しいことです。また、自分の作った野菜は本当においしいのです。
外で作業ができないと悔やんでいたところ、常陸太田市の人が田植えを一緒にやらないかと誘ってくれました。以前陸稲は1回だけ作ったことがありますが田植えはバリ島でやった程度です。ほとんどは機械で植えてしまうのですが私たちのために20坪程度を残してくれたので手で植えました。足を取られたり腰が痛くなったりとなれないことで大変でしたがなんとかやりとげました。
すると今度は畑も使っていいといいます。大豆だけは作りたいと思っていた私たちには渡りに船です。すぐに借りることにしました。もう隣の畑では大豆が芽を出しています。早速ポットに種をまき、苗づくりをしないといけません。結局のんびりとこの夏は過ごそうと考えていたのですが少しは忙しくなりそうです。
4月30日から5月3日まで、ナマケモの知人の呼びかけに応える形でボランティアに参加してきました。気仙沼市本吉の学校行事で使っている”冬水田圃”を復活させる作業です。大きな瓦礫を撤去したあと細かいガラスの破片や石などを取り除いていきます。子供たちが安全に素足で入れるように丁寧にやったつもりですがどうでしたでしょうか。
ボランティアの人たちは中学校の1室で寝泊まりし、調理室で食事を作って食べることができました。私たちは近くのキャンプ場から毎日おにぎりなどを作って通い昼食の差し入れをしました。ほとんどの人がカップめんやレトルトなどの食料でしたので暖かい味噌汁もあり大変よろこばれました。
この地は毎年4月になると訪れていました。本吉の美しい海岸も無残な姿をさらしていました。昨年昼食を食べた道の駅の敷地内にある小さな食堂は土台だけを残してすべてが消えていました。以前案内してもらったことがある赤枯れした松林や磯浜はどうなってしまったのでしょうか。残念ながら今回は見ることができませんでした。ただ2度ほど訪れたことがある”冬水田圃”だけはなんとか復活させることができました。
この不幸な事態を招いた責任は歴代政府と電力会社にあります。国策として原発を推進した政府、問題があるのを隠し人々をだまし続けながら運転を続けてきた東電、これらにかかわった人々の責任は重大です。政治家、官僚、学者と呼ばれる人々、企業、マスコミ、CMに登場するタレントなどなど実に多くの人たちがいます。しかしながら今回の事故を前にしてどれだけの人が「ごめんなさい」「間違っていました」と言ったでしょうか。反省も責任も取らないこの社会は異常です。
私たちは20数年、東電の1株株主として活動してきました。株主総会では私たちの主張は全く無視されていました。しかしもう言い逃れはできません。たとえ株券が紙切れになろうとも(東電がつぶれて紙切れになれば本望です)東電はきちんとした保証をすべきでしょう。そうなるよう今年は総会にも久しぶりに出席して行く末を見極めたいと思っています。
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2011.4.20
4月初旬と中旬の2回、山荘と周辺の地域を回ってきました。3月11日の地震は田村市では震度6弱の揺れがありました。山荘内は一部棚から物が落ちる程度でそれほど被害はありませんでした。周辺の道路にも異常はなし。しかし、より内陸部の郡山方面の方がひどく、道路が陥没したり波打っていたりしていました。また、瓦屋根の家はほとんどが被害を受けていてシートがかぶせられていました。
問題は原発事故による放射能です。初旬の時点では山荘周辺の農家には屋内退避の指示が出ていて、畑での作業はしないようと言われていました。例年ですと、田圃に水が張られていたり、畑の準備がなされているのですが屋外はひっそりとしていました。
初旬はそんな状態でしたので18時間ほどの滞在で山荘を後にしました。
中旬には、ある医師がガイガーカウンターで放射線量を測ってくれるということになり、常陸太田市(パンの店 こころ)、田村市常葉町(きとす山荘)、須賀川市(銀河のほとり)、飯舘村(なな色の空)、いわき市(病院)を回ってきました。山荘周辺は意外と放射線量の値は低く、0.006〜0.048マイクロシーベルト程度でした。ただし、木製のテラス上は0.16とちょっと高いです。これはどこでもそうですが木の表面では放射能が滞ってしまうためと思われます。周辺の畑は、0.014〜0.048でした。
以前に比べて放射線量が低下してきたためか、畑での作業もできるようになったようです。お隣の畑ではジャガイモの種植えが済んでいました。やっと少しは外での作業ができる状態のなったようです。
以下に回ってきたところの放射線量を記します。単位はマイクロシーベルト。
銀河のほとり・・・地上1.5m:0.012 地表面:0.07
なな色の空・・・ :0.33 :1.69
病院 ・・・ :0.011 :0.018
パンの店こころ・・・ :0.012
原発の状態が少しは落ち着いているとはいえいつ爆発してもおかしくない状態です。私たちは政府の発表やマスコミ等で繰り返されている現状報告は信用していません。なぜならばほとんどの人の発言は以前から原発は安全だと言って推進してきた人たちだからです。批判的立場だった人はほとんどでてきません。きっと出さないのでしょう。しかしながらいまの時代はウェブサイトでいろいろな人の意見を聞くことができます。これは大変ありがたいことです。それらに基づいて自分で判断するしかないのでしょうね。
ということで、当山荘でのすべての作業は中断したままです。このままの状態では長期の滞在や畑での作業は行うことはできません。野菜が果樹の収穫ができないことはとても残念なことです。私たちはこうやって神奈川の家へ避難することができますが、となり近所では一人暮らしのお年寄りがそこから離れられずに暮らしています。本当につらくさびしい生活です。一刻も早く前の生活に戻ることを願わずにはいられません。
東京電力には必ず責任を取ってもらいましょう。原発はすべて止めてもらいましょう。もう2度とこのような事故が起こってほしくありません。また、ほかでこのような事故が起これば日本列島は放射能で覆われてしますのです。
原発の電力に頼らない生活は可能です。そのような暮らしを楽しくみんなで築いていきましょう。