「受動喫煙」とは、タバコを吸っていない人が近くの喫煙者のタバコの煙を吸ってしまう行為をいいます。


喫煙者が口から吸い込む煙が主流煙で、タバコの先から流れ出る煙が副流煙です。副流煙は微細なガス状の微粒子となって同じ空間に拡散します。煙は肉眼で見える場合とほとんど見えない場合があります。見えないからといって煙が漂っていないということはなく、タバコを吸っている人がいる時は目に見えなくとも常に副流煙が漂っていると考えて間違いありません。

現在タバコを吸う家族と暮らしている人や職場でタバコを吸う人がいる場合受動喫煙により、肺がん・副鼻腔がん・子宮頚がん・心筋梗塞・くも膜下出血・脳梗塞・乳幼児突然死症候群・気管支喘息・急性肺炎・中耳炎・アデノイド・扁桃腺炎などが起こることが明らかになっています。

非喫煙者の何%が受動喫煙によって死ぬのでしょうか。タバコの煙を吸わされている非喫煙者を一生観察すると、そのうち1〜3%が心筋梗塞、0.7%が肺がんで死にます。喫煙者のいる家庭の赤ちゃんの0.1%が乳幼児突然死症候群で死にます。これら3つの関連疾患だけで、非喫煙者の1.8〜3.8%の命が奪われるのです。

日本で受動喫煙によって命を奪われる非喫煙者は年間数千人を下らないと言われています。しかもその後ろには受動喫煙の被害を受けている数千万人の非喫煙者がいるのです。10万人に1人以上の犠牲者を出さないという環境汚染の規制ルールをタバコの煙にも適用すべきです。ちなにみ、死亡確率は排ガスの場合が10万人対して350人、受動喫煙の場合は5000人です。

「空気清浄機」ではタバコの有害物質は除去できません。


多くの場所でタバコの煙の有害物質を除去できると考え、空気清浄機を設置していますが、微粒子状物質を取り除くことはできてもニコチンなどのガス状の有害物質を取り除く能力はなく、受動喫煙の防止にはなっていません。このことは、最近、日本電気工業会や厚生労働省も認めており、「空気清浄機」の使用は逆にタバコ煙の拡散を助長することともなりかねないのです。

直接の消費者だけでなく周囲の人をこれほど傷つけ殺すタバコという商品を、真実を覆い隠して売り続けるタバコ会社の責任は計り知れません。同時に喫煙者は、自分が出す煙の罪深さを思い知るべきでしょう。
21世紀は、タバコと健康な市民生活は共存できない時代なのです。

<参考>
・「タバコ副流煙の恐怖」 宮本順伯著、中央公論事業出版刊
・「週刊金曜日・たばこ その5 受動喫煙編」 松崎道幸著