中国 貴州省・広西チワン自治区を訪ねて

 今回の縄文を訪ねるツアーでは中国少数民族の苗民族(長角苗、四印苗)とトン民族の村を主に歩いた。
どちらも”歌垣”という男女が歌を歌うことで思いを伝え合う伝統が残っている民族なので、どの村を訪ねても歌と踊りのショーが楽しかった。中高生ぐらいの子どもが照れながら踊るところがある一方、”1等賞”を取ったグループはリズムは単調なのだが隊形変化などもあり自信に満ちていて見事なショーを見せるところもあった。
 
 観光客相手ではない本来の夜の歌垣は大きなかがり火を囲んで男女が輪になって踊る。その様子は正に日本の盆踊りのルーツと納得した。女の子がきれいに民族衣装を着ているのに対し、男の子たちがスーツを着ているのがちょっと残念。(文化大革命の時、男性の民族衣装は禁止されたそうです。)
 
 女性の髪形も縄文そのもの。髷の作り方が復元された土偶の髪型と全く同じ。後姿は縄文人をみるようでした。
また、女性は大きな耳飾をつけていますが、耳には1センチ以上の穴と言うよりは切れ目ができていました。これなら、発掘されたあのうるしの透かし彫りの耳飾もすんなり収まりそうです。
 
 村のようすは雲南地方とそれほど変わりませんが、雲南で主流だったトラクターがここでは見られず、馬車が現役でした。立って馬をコントロールする女性のかっこいいこと。でもほとんどの人は徒歩。
 
 田んぼには刈り取ったわらが塔のように積んであり(牛の飼料)家の軒下にはコウリャンやとうもろこしが干してあり、豚や鶏が自由に歩き”持続可能”な農業が営まれているようすがうかがえた。

 食べ物で印象に残ったのはトン民族のもちやおこわで懐かしい味がした。

 中国南部を3回ほどツアーで回りさまざまな民族を見てきたが、それぞれが似ていて異なる。結論は”いくつもの縄文”ということだろうか。


 
 貴州省は雲南省と比べてまだまだ素朴だ。子どもの写真を撮ってもお金をねだられることはなかった。民族衣装も女性の中には普段着として残っている。ホテルも簡素だし、観光地も静かだった。それだけ観光化が進んでいないということかもしれないけど。

 今回は縄文との関連で、穀物や豆類について注意して見て来た。緯度は低いけれど、高度があるため(1800〜2500メートルの地域を移動)この時期はかなり冷え込んだ。そのためか、コウリャン(もろこし)やトウモロコシの栽培が盛んで、民家の軒先に干してある光景をよく目にした。インゲンやササゲもあった。珍しいところでは湯葉が細く刻んで売られていた。安いのでみんなで買ってしまった。

 豆腐もよく見かけた。食べ方は網の上でよく焼き、中に辛目のたれをはさんで食べる。ひとつ食べたが結構おいしかった。露天ではこんなのやうどんが好まれているようであった。

 竹製品をいろいろ捜していたのだが、トン民族の歓迎会場でだけ小物が売られていた程度。日常生活の中で使われている背負子や片口箕やざるなどは見かけたが、街中で売っているところはなかった。この程度のものは村の中でだけでやりとりしているのであろうか。