◆ 県営水道値上げ案に反対
◆ 県職員給与改定に反対
官民格差を是正し、国に右にならえではなく
雇い主である住民が納得できる公務員制度を
私は定県第199号議案 知事の在任の期数に関する条例外23件の議案について、所管常任委員会の採決結果に反対の立場で討論をいたします。
まず第1に、知事の在任の期数に関する条例、いわゆる多選自粛条例についてです。
委員会においては、松沢知事限りの4選自粛を規定する提案であり、政治家個人の理念を宣言するものにすぎず、条例にするまでもないと否決をされました。
確かに、現在の公職選挙法との関係などから、恒久的な多選禁止条例ではなく、一代限りの自粛条例となったために、自分のことならわざわざ条例にするなとか、「県政の停滞と腐敗を防ぐために知事の多選禁止を制度化する」とうたったマニフェストを果たすための見せかけにすぎないとか、なるほどそういう受けとめ方が出てくるのは、ある意味理解できます。
私も個人的には、再選もされていないのに、4期のことを言うのはちょっとおこがましくないかいとは思いますし、マニフェストでは「禁止」なのに、「自粛」では、現在の法体系の制約の中で、川崎の阿部市長が既につけた道を後追いしているだけではないかという物足りなさも感じます。
しかし、マニフェストで県民に約束したことを形にしようとすると、すべてパフォーマンスと言われたのでは、知事も身動きがとれなくなってしまいます。
多選禁止については、古くは1954年の知事3選禁止法案以降、3度の議員立法の試みが廃案となってきましたが、現在、民主党が、「知事、政令市長は4選以上は推薦しない」としているほか、公明党も、「3期以上務めた知事への推薦は原則的には認めない」としておられますし、自民党も選挙制度調査会において法案を準備されたこともあるわけです。このように総論において、多選は避けるべきであるという考え方を大方の政党が認めているにもかかわらず、さきの横浜市長選挙のように、この原則を逸脱した対応が事実としてばっこしてきました。
変人だった小泉さんが、異例の長期政権、絶大な力を握ってしまう時代です。憲法改正を射程に、自民・民主の大連立の話も聞こえてくる中で、これから松沢知事がどうなるかわかりません。再選の関門をもしくぐり抜けたら、大化けして、揺るぎない力を万が一持ってしまうかもしれないわけです。ですから、私たちは、松沢知事に全面的な信任を与えないがゆえに、一代限り、禁止ではなく自粛という限定的な「時間による分権」という、制度論からすると甚だ不十分な提案ですが、多選による弊害を起こさないというそのねらいを支持し、原則破りをみずから排除して、みずからの被選挙権を条例で制限しようとすることは、あえて否定するものではありませんので、この議案は可決すべきものと考えます。
その上で申し上げますが、私自身は、いずれも3期で終わった細郷、高秀という横浜の市政にかかわった経験からすると、知事の言う停滞と腐敗は決して首長の多選を主因として起こるものではなく、1期目、2期目でも、トップがいよいよ独断的になり、役所はイエスマンで固められてしまうということは往々にしてあるし、その一番のもとは、選挙が、業界団体から組合まで、ぐるみ選挙で行われ、議会が総与党化して、行政に対して批判する力を失ってしまうところにあると思っています。
知事は、もともとマニフェストでは、この多選禁止と住民の直接投票制度を、新たな自治基本条例で位置づけるとされていたわけで、多選でなくとも、いわゆるなれ合いによって地方政治が停滞することを避けるためには、議員や政党がみずから切磋琢磨することはもちろんですが、真に住民が主権者たり得るツールを新たに持つことも必要とされています。今回、自治基本条例と切り離して、この自粛条例を提案されたわけですが、一方の、直接投票制度、基本条例の提案も必ず行うように求めておきたいと思います。
次に、定県第230号議案 県営上水道条例の一部を改正する条例について。
今回の提案は、平均改定率は12.3%でも、基本水量8立方メートル以下が加入者の4分の1を占める家事用使用世帯にとっては18%の値上げ、さらに、平均的な使用量の家庭は軒並み18%から20%と高い改定率になります。これは節水を心がけてきた県民ほど増税になる一方、業務用の多量使用者については、逆に12%の値下げという改定で、もったいない運動やマイアジェンダ登録を推進する知事の姿勢とはかけ離れ、矛盾していることは既に先日から指摘してきたとおりです。
来年度から、定率減税の廃止に向けた増税が始まり、国と地方分で約2兆円の負担増です。そこに水道料金値上げで県水利用者全体で64億円の負担増となり、さらに07年施行の水源環境保全税では、これも個人の県民にのみ38億円の増税が重なります。
水道会計赤字の第1の原因が、使用水量と料金収入の低減傾向のためであれば、今回示されている経営改善計画をさらに深めることによって吸収可能です。
しかし、それを上回る企業団受水費の増加があります。これはだれが負担すべきものでしょうか。知事が水源税提案の最終バージョンで示した、水源開発の第1ステージは、宮ヶ瀬ダムが48%ものむだな水を捨てているという大きな失政で終わっているのです。そのツケ、いわば赤字補てんを、県民の新たな負担で乗り切ろう、これほど安易な解決策はありません。
今回の議会には、湘南国際村開発計画の変更、厚木テレコムパークの民事再生手続の開始が報告され、水源税が成立した途端、その税収の6年分以上に当たる252億円もの森林づくり公社の債務を県に一括償還を求めるという、あり方検討会の提言も行われたところです。国が旗を振った造林政策や水源開発、「地方の時代」を提唱して大きな功績を上げてきた長洲さんも、学者知事として4選5選と重ねると、研究学術系を中心に第三セクターを乱造してしまった。今、そのツケをいよいよ返さなくてはならなくなったわけですが、生じる負担は、決して県民につけ回しするのではなく、事業を推進した責任に応じて分かつべきものです。
私たちは水源開発の債務の償還については、企業団の存廃も含めた徹底した検討を行うこと、政府の責任の分担を求めてきたところですが、全く裏腹に、企業団の経営改革さえ、とば口に立ったとも言えない現状のまま、県民負担のみを行おうとするこの値上げ案は到底認められるものではありません。
次に、定県第231号議案以下、職員と議員の給与及び報酬に関する条例の改正について意見を申し上げます。
一言で言うと、私は公務員と議員の給与報酬は、全労働者の平均賃金を基準にするのが正しい、そして望ましいあり方だと考えています。ご承知のように、人事院勧告という制度で民間賃金ベースに準拠することとされ、そして、来年度から政府は、とりわけ地方での官民格差を是正するとして、給料表を平均4.7%引き下げることにしたわけですけれども、既に指摘されているとおり、この方式は、従業員100人以上の企業で50人以上の事業所の労働者の給与を基準にすることによって、実際の世間の感覚とは大きくずれたものになっていることは明白です。
例えば、日本生命という会社は、7万人の従業員のうち5万3,000人の保険外交員は全国2,000の営業所に散らばっていますから、この50人以上の事業所に当たらないので、いわゆる「日生のおばちゃん」は勧告の基礎から除かれています。その結果、ちまたから公務員の高給批判が出てくるのは当然です。
基準の賃金は全労働者の平均賃金であったとしても、公のために尽くそうという志のある者が担うのが、公務員と議員の本来のあり方だと私は考えます。最低限、すべての常用雇用者の平均賃金を当面の基準とし、住民が決定するものであることが必要です。
提案は、全労働者の35%が非正規雇用、うち7割が年収130万円未満という、ますます不安定化する労働の実態から大きくかけ離れたものであるばかりか、職員の給料表を引き下げるものの、向こう3年間は減収を補てんするという生活権の保障というよりは既得権の保護の色彩が濃く、議員は報酬の月額は引き下げないのに一時金のみ引き上げという、どちらも手前勝手な内容です。
地方主権の松沢知事としては、このような給料表の全面的な改定を行うのであれば、国に準拠することなく、公務員の給与待遇は、「本質的なその雇い主である住民の意思に基づいて決定されるべきである」という原則を生かした、地方にふさわしい公務員の給与のあり方について、あわせて公務員の労働基本権の問題や合理的な人事査定の方法なども含めて、幅広く検討して進めるべきだったのではないでしょうか。国に右へならえのこの改定では、県民の信頼は高まりはしないことを申し上げて、議案に反対をいたします。
最後に、定県第200号議案 相模原市、津久井町及び相模湖町の廃置分合に伴う関係条例の整理に関する条例ほか、合併に係る議案についてですが、住民の意思にそむいた駆け込み合併に重ねて反対するとともに、津久井保健福祉事務所は縮小され、相模原市に編入される津久井町と相模湖町の対応は、新市である相模原市に移行するとされていますが、保健福祉事務所の家庭児童相談室が受けている相談業務は、所管が変わっても、当面、地域の住民サービスとして柔軟に対応すること、保健師などの専門職の人員確保についても、サービスの質を担保するために数の確保は必要であり、合併によるサービス低下を招かないよう強く要望をいたします。
以上、主な理由を申し上げて、反対討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
