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討論 06年12月議会
◆ 知事多選自粛条例案に賛成   万機公論に決すべし
      徹夜議会-自民の穴熊戦術不発
      五箇条のご誓文ー原案は時間的分権論
◆ 4年で4千万円、48ヶ月支給の知事退職金条例に反対 
       職員と同じく知事も報酬×在職年数に改正すべき
◆ 東部方面線も新幹線新駅もは「もったいない」  

 私は、ただいま議題になっております期数条例ほか、何件かの条例案に関して、所管常任委員会の審査結果に反対する討論をさせていただきます。

  まず、知事の任期期数条例に関してです。
今回の委員会審議は未明の採決となりました。自民党県議団得意の穴熊戦術が久々に発動されたわけですけれども、今回は残念ながら、不発だったと言わざるを得ないと思います。「知事が議会開会中に新聞に投稿したから議会軽視だ」と言うならば、私からすれば、国会開会中に連日インタビューに応じている、ぶら下がり会見をしている、小泉首相や安倍首相はどうなるのでしょうか。

  ここで思い出していただきたい言葉があります。
「万機公論に決すべし」。
「広く会議を興し万機公論に決すべし」

近代議会政治の出発点となった、この「五箇条の御誓文」のこの精神は、会議を興したら、公論は議会の中でしか行ってはならないというような狭い考えなのでしょうか。決してそんなことはないはずであります。
この「万機公論に決すべし」、由利公正の原案、福井藩士ですね、「議事之体大意」。最初はこうだったんです。
「万機公論に決し私に論ずるなかれ」。
自民党は、知事が投稿したということを、私に論じていると、自分のパフォーマンスのために私に論じていると、それは議会軽視だということだったんだろうと思います。しかし、議会だけが公論の場ではありません。その他の場所で論陣を張ることは、私に論じている、これが議会軽視とする、こういう、議会を閉ざされたものとすることこそ、私はこの公論を私に論ずるという考え方になると思います。

  そして、この期数条例の内容について申し上げたいと思います。この「五箇条の御誓文」の原案である、由利公正「議事之体大意」、「万機公論に決すべし」は第5条でした。
その前の第4条は、「貢士期限を以て賢才に譲るべし」。当時、各藩から有能な士が中央政府に出ておりました。この「貢士」は「期限を以て賢才に譲るべし」。今から140年前に、既にこの由利公正は、その後、木戸孝允によって、天皇主権の御誓文にする過程で、この第4条は削除されてしまいますけれども、由利公正自身は「時間的分権」の考え方─知事が言う、時間的分権の考え方を、明治の政体を立てる段階で考えていたということであります。

  昨年12月の定例会に、知事がこの期数制限に関して自粛条例を提案された際に、私は、マニフェストでは「禁止」なのに、「自粛」では、現在の法体系の制約の中で、川崎の阿部市長がつけた道を後追いしているだけではないかという、物足りなさを感じると。私たちは松沢知事に全面的支持を与えないがゆえに、一代限り、禁止ではなく自粛という限定的な「時間による分権」という、制度論からすると甚だ不十分な提案ですけれども、そのねらいを支持して賛成をいたしました。
 今回、私がこれは不十分だと言ったその点を改めて、禁止条例を提案をされた。そのことはそもそも評価をさせていただきたいと思います。

  そして、今回の議会の中でのこの議論、つまるところ、問題は1点だったと思います。憲法上、法令上の疑義がある、それを今、総務省が検討をしている、なぜそれを待てないのか、そんなことを勝手にやっていいのか、こういうご議論だったと思います。
ふだんと逆転しているんですね。集団自衛権の解釈に関しては、内閣法制局がそれを独占しているのに、いつもこれに反発をしている皆さんが、総務省が解釈をしているんだから、そのもとでやれ、それに従順になれ、けんか腰になるな、こういうふうにおっしゃってきた。一般質問の中では、逆に、今、複式簿記を導入しよう、石原知事がいいことをやっているんだから、それをやったらどうかと。これは国がとめているのに、石原知事がやっていることはやれと言う。そして、この期数条例に関しては、総務省がとめているんだから、やめろと言う。私は、いいものは倣うべきだと思います。

  由利公正さんが、アメリカの大統領制度を想定して、この期数制限を「五箇条の御誓文」に盛り込もうとした、その精神を今に生かすことは必要だと思います。

  今、全国の47都道府県の知事の中で、3期以上の職にある者、4期以上の職にあるものは17%、一般首長は8%です。倍の数字になっている。そして、福島や岐阜のような事件も実際に起きたわけです。ここで、この期数制限を民主主義のルールとして制定をする、これは今多くの県民、国民が望んでいることでもあり、私はこの条例案は可決すべきものであると思います。

  その上で、知事に一言だけ申し上げたいと思いますが、知事は投稿されたことを批判された、議会が紛糾をした、このことについて、議会外で発言をしてはいけないというルールはない、これは言論の自由だとおっしゃいました。でも、この条例案の提案そのものが、知事の権力、絶大な権力を、これは制限すべきだという考え方から来ている。一県議の私が新聞に投稿しても、それは掲載されません。知事だから掲載をされたと思います。やはり知事があの投稿をされたこと自体が、真摯に、この必要な条例案を成立をさせるためにしたことなのかどうか、本当に真摯な行動を一貫してとっておられるのか、そのあたりについては、しっかりと胸の中をもう一度考え直していただきたいと思います。

  次に、第106号議案及び第140号議案、知事の退職金及び給与の報酬のカットの条例案について申し上げます。
9月の定例会において、我が会派の長谷川くみ子議員から、知事の退職金の問題を指摘いたしました。知事は年金がないから、知事や市長は総理と同じ激務であるのに、やめた場合や選挙で落ちたら年金もないため退職金が保障されている、こういう考え方を繰り返し今も述べておられます。
しかし、このご主張は、実はこの期数制限条例と背反をします。年金がないからとおっしゃる。でも、12年以上はやったらいけないというふうにご提案をされた。22歳から60歳まで38年間ある。12年しか知事をやらなければ、残り26年、年金加入の最低年限である25年を超えているわけです。知事に退職金を保障する、年金がないから退職金として保障するんだ、この考え方は今回提案された期数条例とは本当に背反をしている。私は、今回、49カ月から48カ月に退職金の算定の月数を変更するのではなく、一般職員と同じように、4年間の4を掛ける、このように改正をすべきだったと思います。知事は9月定例会で、報酬審議会の意見を聞いて判断をしますと言われた。しかし、結局、49から48という、こういうご提案しかなかった。非常に残念に思っております。

  最後に、この補正予算に関して申し上げます。
 神奈川東部方面線、19億2,000万円の第1期工事に対して、自治体負担分3分の1のその3分の1を県が負担をするという予算案でありますけれども、私は3点ばかり問題があると思います。

  まず1点は、6月の県議会で、ここで申し上げましたように、新幹線新駅とこの東部方面線、二つも同時につくるのはもったいない、これは整理をするべきだというふうに申し上げました。その整理がされた形跡がございません。
 もう一つの問題は、今、毎年横浜市から県に対して、地下鉄の建設費用20億円の要求が来ております。これをこのところ、ずっと1億円に減額をして予算査定をしてまいりました。横浜市の要求、20分の1に減額査定をしている。今回、東部方面線に関しては、なぜ3分の1の要求をそのまま満額受けとめたのか、この間の、県の経済状況からしてきた判断とも一貫性がございません。
 もう一つは、市との2対1という負担割合ですけれども、横浜市の中で、この東部方面線の恩恵を受ける人々の割合と、神奈川県全体の中で東部方面線の恩恵を受ける割合、これは明らかに違います。2対1よりも、私は大きな開きがあると思います。しかも、横浜市は既に累積債務残高を減少に転ずるという財政状況に入っている。神奈川県は、知事のおっしゃるとおりならば、あと数年間はそのような局面に入ることができないという経済状態の中なのです。その中で満額、横浜市のこの要求額を受け入れるということは、神奈川東部方面線が通勤の緩和のために大きな効果があるとしても、これは神奈川県には本来はできないことだろうと思います。第2期工事において、この負担割合の問題を正しく解決をされていただくようにお願いをいたしまして、私の討論を終わります。
ご清聴ありがとうございました。

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