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討論 07年2月議会

 私は、定県第1号議案07年度神奈川県一般会計予算案ほか27件の議案に反対の立場から討論を行います。

 

 まず、知事選挙の告示を9日後に控えた今日、第一に申し上げたいのは、新年度予算案、ひいては目下の本県の財政をどう評価するのかという問題です。

 このところ、知事選挙の争点として、このことを挙げる声がしきりです。片や、この4年間で5000億円、県債残高が増えたことをやり玉に挙げて借金体質というかと思えば、片や、一人当たり県債残高や実質公債費比率が低いから「全国一健全財政だ」と。

 一つのものを見て、180度違う二つの見方が乱れ飛んでいる、どちらが正しくて、どちらが間違っているのか、ハッキリ言って、どちらも×、我が身を売り込まんがための人を惑わす言辞というほかありません。

 民間の方のおっしゃる5000億円も借金増やして4000万の退職金を受け取る、ふざけるなというのは、よくわかります。いま、我々も月53万も政務調査費もらって、領収書付けなくていい、ふざけるなという声にさらされていますから。しかし、領収書付けなくていいと居直る人がこぞって推してたんじゃ、借金体質批判も様にならない、それで議会も重い腰をあげて、改革検討会議をつくることになった。依然非公開とか、交渉会派の皆さんが本気なのかポーズなのかよくわからないところはありますが、とりあえず、ふざけるなという声に対応することになったことだけは確かです。

しかし、松沢知事はどうしたか、ふざけるなと言われたのは退職金のことなのに、そこは報酬審議会の「上場企業のトップと同等論」で逃げて、逆に「全国一健全財政」の論陣を張ってきた。退職金を返上した上で、感覚論ではなく、制度政策論で切り返したら、その陣立ても鉄壁のものになったでしょうに、大変残念なところです。

双方ともに、相手方しか見えていない。借金が増えたのは事実だけれど、その主要な責任はどこにあるのか、知事の財政運営が主要な責任なら知事を非難すればいい、予算は否決するべきだ。そのための徹夜ならよろこんでお付き合いしましょう。でも借金を批判する方を推しておられる皆さんは、今日もそうですが、ずっと予算に賛成してこられている。本当は知事のちいさな一挙手一頭足より、現在の地方行財政制度の構造的問題と、橋本・小渕・森と続いてきた日本列島公共事業漬けの政治に、わが神奈川県も翻弄されてきた歴史が、借金体質をいまだ脱けだせない大きな原因であると理解されているはずです。

知事はと言えば、首都圏連合、道州制を打ち上げ、地域主権へとこの国のかたちをかえるという論陣のチャンピオンだったはず。それがなぜ「健全財政」をことのほか言い張るのでしょうか。すでに「健全財政」なのならば、ことさら改革は必要ない、健康優良児がもっと寄こせなんて、ひよわな地方へのいじめにしかならないでしょう。知事選を戦うことになる相手方の批判をいかに防御するかしか考えてないから、4年前のマニフェストの精神を棚上げしたような論法になるのだと思います。

いま、健全財政の自治体があるのか、神奈川と並んで、実質公債費比率、県債残高の数字がいい京都府は、財政力指数が0.5に足りません。財政力指数が高くて、経常収支比率も最も低い東京都は、公債費比率が異常に高い、万一オリンピックなんてやったら、起債に国の許可が必要な団体になり下がるでしょう。そして、神奈川県は、県債の数字はいいし、財政力指数も2位だけど、いかんせん経常収支比率が最悪の赤字は脱したけれどまだ95%、全国39位となってしまう。三拍子そろった自律的な財政が確立している健全自治体なんてどこにもないんです。

新年度予算の何よりの特徴は、2000億円の県民税の増収でしょう。そして、このところの企業の業績回復で、リースバックも県債償還金の積み立て不足も全部解消しても、まだタミフルが前倒しで買えた、いいことづくめのように見えますが、2000億円の税源移譲分は、譲与税、交付税の減と税交付金の増でなくなってしまう。健全財政なんて安心したり自慢したりしてる場合じゃない。今日せっかくマニフェスト配布を公費負担する条例が成立するのにそんなことに使われては全くのムダ。知事はそもそも、対立候補のことは全然気にしないと言ってたはずなんですから、いい数字の説明より悪い数字を取り上げて、地域主権の改革の意図するところこそ述べるべきなんです

また、「県庁をぶっ壊す」なんてどこかで聞いたことを言ってる人がいるみたいですが、まったくもってお門違い、敵は霞が関にあり、借金漬けをしいてきたホンボシをこそあげなければなりません。

来る知事選挙は、願わくば新しい国のかたちをつくるための一里塚となる論戦が行われる場となることをかすかに期待するとともに、法人関連の税収増、2000億円の自主財源の増といういわば他力本願によってではありますが、3っつの10%目標のうち県債発行を自主財源の10%以下にするという最後の残された目標が、今年度末も新年度も達成できる見込みとなっている以上、1400億円以下という当面の抑制方針も自主財源10%も、もはや意味のない数字であり、税源移譲後の新しい環境で次の県債の削減目標をどうするのか、明確な方針を示すことを求めておきたいと思います。

 

次に、職員・教職員の定数条例に関連して申し上げたいと思います。

知事の4年前のマニフェストは、安全安心、防犯を大きなテーマにあげ、警察官の1500人増員を目標に挙げました。警察官こそ国の措置を超えては増員できなかったものの、新年度のスクールサポーターなど非常勤の配置できっちり4年で1500人増員を果たしました。そして、犯罪件数は大きく下がった。1500人増がそのためにどれほどの効果があったものかは定かではありませんが、県の方針としては、警察力の強化は第一に人員の増だという明確な意思と方針があったことは確かです。

一方、県内の学校におけるいじめなど問題行動の発生認知件数は、全国ワースト2位になっていますが、この4年間で教員の数もちょうど1500人増えています。同じ1500人増やして一方は成果が上がり、一方は悪化した。これはどういうことでしょうか。

教員については、同じ1500人増やしたものの、それは、生徒数の増とゆとり教育路線にそった国の定員の改善計画によるもので、県としてはスクールカウンセラーは張り付けてきたけれど未然防止という点ではまったく成果が上がらない、「美しい国路線」の先駆けともいえる知事が推奨してきた押し付けボランティアやあいさつ運動なども効果はありませんでした。

こうなったのは、やはり、マニフェストの位置づけからして、刑法犯の抑止には人員増を環にした警察力の強化という大方針を明確にしていたけれども、子育て教育日本一を掲げながら、政策としては、ボランティア推奨だとか行政の方針足りうるものではなかったマニフェストの弱さがゆえだったと思います。それは、マニフェストにあげられてはいたものの、児童相談所の体制整備は事故が起こってからの後追いになったことに象徴されてもいるところです。

今後は、警察の次にどこに重点を置くのか、学力の向上、学校の再生のためには教員の質の向上、ダメ教師の排除より、今現場で苦労している教師が校内分掌の消化に手いっぱいで生徒に十分向き合えないという環境を改善することがまず焦眉の課題であり、これはきめ細かな少人数指導を可能にする体制の充実なしにはできません。

知事は、新しいマニフェストを数々の条例提案で彩ろうとしているようです。理念型条例を並べればうつくしも見えますが、効果のほどは実際の施策によるものであることは、警察官増員の例でも、マニフェストになかったインベストの例でもはっきりしているのではないでしょうか。

今後は、自主財源の増加、法人税収の回復という条件をどこに生かすのか、教育もそうですし、国の制度が毎年後退し、持たざる者にますます苦しくなっている医療や福祉についてどうやって県民を支えるのか、具体的に示すことが求められていると思います。

その点、石原都知事はさすがというか、あれだけ弱者に差別的な言辞をはいてきた人が、浅野さんという強敵が出現したと見るや、すぐさま住民税の減免を打ち出して大衆の心理をつかみに来る、マヌーバーではあるけれども少なくともこの間の税制改正には間違った面があると、国にNOをいう立場をとったことになります。浅野さんも借金増やしたと攻撃されてますけど、「施設解体宣言」をして、ともに生きる社会をつくるという国の施策の先を行った理念で武装して福祉政策を進めてこられました。

知事とは一度池子の問題でこの「NOと言えますか論」をやりましたけれども、その後も行政制度論としての地域主権は主張しても、税制、介護保険、障害者自立支援、これらについては、国の後追いという立場からちっとも出ない、県民は国に物申し「健全な財政」を県民のために最大限生かす知事を望んでいることを申しあげておきたいと思います。

 

最後に、定員の拡大をしたにもかかわらずなお350人の定員超過の志願者が殺到している定時制の入試の問題について一言申し上げます。知事は「意欲と能力のある生徒に対しては、さまざまな手だてを講じて定時制で受け入れることができるよう県教委には伝えた」とのことですが、こう言われたからには、予算と体制に知事も責任をもって対処されることを求めて、反対討論を終わります。

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