2点伺います。
まず、第1点は、教育基本法改正、それから教育再生会議の報告が出ました。ゆとり教育の見直しということが言われています。このこととの関係で、今後の教員の配置ですとか、少人数授業の実施ですとか、そういうような取組がどうなるのかということについて、ちょっと分からない点もあるし、危惧もあるので、ちょっと伺ってみたいと思うんですけれども、今回、ゆとり教育が見直しをされるということになっているわけですけれども、今、学習指導要領の学習内容の削減、あるいは授業時間数の削減というのが、やり玉に上げられているわけですが、そもそも、ゆとりある教育現場をつくっていこうというこの取組というのは、三位一体でやられてきたものだと僕は思っているんですよね。
一つは学習内容削減、それと同時に、生きる力をつくるために地域や人とふれあう総合学習をやっていくというのが一つにあり、もう一つは、5日制の導入ですとか、授業時間数削減をすることによって、これもまた地域とのふれあいなどを進めていくということがあり、もう一つは、文科省も教員の定員の改善計画をやってきて、少人数教育ができるような裏づけをつくっていくと。この三つが一体のものとして、ゆとりある教育現場をつくっていこうという取組だったと思うんですよね。
今、その中で、学習指導要領の内容を削減したことは悪だった。総合学習は意味がなかったというふうになり、授業時間数を削減したこと、これも学力低下を招いた根本であるということで、これも悪であるということになっている。そうしたら、その三位一体のうちのもう一つの少人数教育をできる限り進めていこうという取組はどうなるのか。これに関しては触れられていないわけですね、教育基本法の論議の中でも、今の教育再生会議の中でも触れられていない。ただ、文科省が新しい改善計画を出そうとしても、これが出せない状況にある。非常に厳しい状況にあるというのは、客観的な事実だろうと思います。
そういう中で、今後、県としてはどういうことを望んでいくのかということをちょっと伺っていきたいわけですけれども、まず、今、午前中から話を聞いていて、この中・高一貫校の計画を見ていて一つ気になったのは、ここで複数担任制を実施しますよということになっているわけですね。この複数担任制というのは、どういう定数配置でやろうとしているのか。それから、一般の中学校や高校での今の複数担任制というのはどういう状況にあるのか、これを最初にお願いできますか。
定数の面からお答えさせていただきますが、現在、中等教育学校の定数については、あくまで標準法の算定基準に基づいた配置基準で進めるというふうに、教職員課としては理解しております。
もう一度答えさせていただきます。
現在、教員の24学級規模程度の学校を考えますと、前期課程で教員が18名配置できるのではないかと思っております。その中で、学級数を1学年4クラス、12クラスなので、その中で割り振りをしながら、副担任制をしくクラスをつくっていきたいということというふうに副担は理解していますが。
一般の学校は、今、現状どうですかという、比較してどうですかということなんですけれど。
これは、いわゆる学校の一例になるかと思いますけれども、定数配置というより、担任が中学校の場合なんかにいまして、それで副担任というのを、例えば二つのクラスを1人の副担任が見るというような学校もございます。それから、チームティーチングとか、あるいは少人数指導というようなところで、教科担任が2人になって分かれてくる。そういうような例はございます。
例があるかどうか聞いているのではなくて、今、新しくつくる学校は、全部複数担任制でいきますよということを言っているわけですよね。それを、今、聞いたら、県単の配置をするのではなくて、標準の配置の中でやりますよという話だった。そうすると、標準の配置でできるんだったら、普通の学校で全部やっているわけですか。
一般的には、学級担任は、当然各学級に1人ごとですが、学級担任の不在日等に補助的な役割を果たすということで、校内で副担任を定めております。したがいまして、その副担任の位置づけを複数担任制の位置づけに変えたいというふうな理解を私どもはしております。
余計分からなくなったんだけれども、副担任というのは、非常時の、いてもいなくてもいいけれども、急におなかが痛くなって帰ってしまったときに、担任の役割をあとをやってもらいますよという位置づけなのか。では、ここで言う新しい複数担任制というのは違うんですか。
複数担任につきまして、基本的に担任がいらっしゃって、それから定数の配置の中で、比較的手があいている先生があわせて一緒に教科を指導していくという、そういった形を検討していきたいという形でございまして、具体体には、これから検討を詰めさせていただくという、段階でございます。
では、その複数担任というのはホームルームの担任ではなくて、教科をチームティーチングでやるという意味なんですか。今の話だと、教科指導を2人でやるというイメージですよね。どういうことなの。
言葉が足らずに申し訳ございません。
複数担任でございますので、教科だけではなくて、ホームルームの運営自体を複数の担任でという形でございますから、ただ、そうは言っても、定数上の制約があります。それをどういう形で運用していくのかという部分については、これから検討させていただきたいと思っています。
今、話を聞いてよく分かったんだけれども、これを読むと、何かすごくいい学校みたいに思うわけです。新しい取組をどんどんやっているみたいだと。今、担任の、12月に質問したけれども、余りにも教師の多忙感が大変で、子供に向き合う時間がないよというのをどうするか。複数担任でやりますよと言ったら、何か安心できる感じがするんですよね。でも、結局聞いたら、県単で配置をしてあえてやるなら、それは一つの手だと思うけれども、こういう特別な学校だけやるのはどうかと思うけれども、それは一つの手だと思うけれども、やはり結局、標準の今の定数の中でやりますよということなら、これは逆に、やる気のある教師を集めて、その人たちがもっと今より多忙になるけれども頑張ってもらいますよと。そういう計画だということですね。それでいいですか。
暫時休憩いたします。
(休憩 午後 時 分 再開 午後 時 分)
再開いたします。
失礼いたしました。
細かい定数の数をお話させていただきますと、3学年4クラスで12クラス。複数で考えますと24名必要でございます。中学校の方の標準法で、今試算いたしますと、教員数は20名程度になると考えておりまして、その差が若干出ます。しかしながら、後期分がございまして、後期分の教員数がさらに35程度含まれるというふうに、いわゆる高等部分ですね。そことの教員の連携の中で複数担任制を賄えるというふうな考え方をとっております。
そうすると、これは6年間一貫にするから、中学校よりも高校の方が教員の配置数が多いから、6年間一貫にすることによってできることなんですよということですか。
委員御指摘のとおりでございます。
分かりました。
そうしたら、でも、それを売り物にするということは、今、教育現場としては、こういう複数担任制がとれるような定員配置が望ましいという考え方にあるということですよね。6年間の一貫教育にしたら、そういう操作をすることができる。でも、今の中学校にはそれができないということなわけですよね。そうすると、このわずか160名の子供たちに複数担任制がとれたとしても、神奈川の教育はよくならない。不登校は減らないわけです。やはり、新しくつくろうとする高校と同じような体制がとれるように、定員の考え方を改善していくということが必要なのではないですか。
委員の御質問が、複数の教員が教室に入っていくという意味での少人数授業、それは、あるいはチームティーチングというふうな御指摘だとすれば、本県におきましては、平成16年度から、従来、こういった加配、いわゆる国に認めていただけている定数の加配部分を活用いたしまして、少人数学級の展開も含めまして、小学校1年から始めて、現在、小学校2年まで拡大してまいっているところでございます。
加配があることは分かります。全県で言えば、小学校1,200人、中学校900人ぐらいでしたか、900人ぐらいだったね。2,000人ぐらいの加配の教員が来ている。これは、国がゆとり教育を進めるために行ってきた定員改善計画の中で、ついた加配の配置なわけですよね。今、しかし、そのゆとり教育の根幹が揺らいでいるわけですよ。これから今後この加配が積み増しになるかどうかは分からない。
その上で、今県がこの中等学校をつくろうとするときに、複数担任制が必要なんですよということを出してきたということからすれば、やはり、その体制をすべての中学校にとれるような体制を求めていくということをやらないといけないのではないかと思います。わずか160人のエリートなのかどうかは分かりませんけれども、生きる力というか、いろいろな力を総合的に持った子供を育てようという、そのねらいはいいとしても、複数担任で、そういう子供の生きる力を全面的に発育させるためには、今と違う複数担任という体制が必要なんだということを言うわけですから、それだったら、これを全中学校にいかに実現するかということを考えなければいけないのではないかと思いますけれども、そういうふうには考えられてはいないんでしょうか。
現在のところ、全中学校全クラスに複数担任制を導入した場合の人的な必要数及びそれに伴う人件費の負担額等については、申し訳ございませんが、私どもまだ検討したことはございません。
複数担任でもいいし、30人学級でもいいし、あるいは数学の授業や理科の実験の授業についてチームティーチングをやるだとか、少人数授業にするだとか、どういう取組でもいいんですけれども、やっぱり、このゆとり教育ということを言われてきたときに、そういう少人数授業の実践の場面をいかに充実させていくのかということが、一つのかぎだというふうに考えられてきたし、文科省も基本的にはその線で定数計画を考えてきたし、やってきたわけですよね。今の現状があるわけですよ。それはやったけれども、結局やはりいじめは増えている。不登校は増えているという状況だと。
それに対してどう対応するのかということが今問われているわけで、今その県教委がとっている立場は、この間教育長が中1を40人学級にしますよということを発表された。いいことだと思います。その県教委の考え方としては、やはり少人数教育を、これを進めることは、今の学校現場の様々な困難な問題に対して効果があるはずだという考え方に立っているから、この中1の40人学級もやろうとするし、中等学校においては複数担任制もやろうとするわけですね。基本的にそういう考え方に立っているわけですよ。
しかしながら、非常に残念なのは、それを今標準の教員の配置の定数の中でしか考えていない。僕は、この教育長の会見の記事を見たときに、マニフェストの達成度合いで一番悪かったのがこの教育関係だから、そこに大逆転のちょっとヒットを打つために相当な決意をして、新しい取組をするのかなというふうに思いました。若干思ったけれども、よくよく聞いてみたら、今までの研究、協力校方式で、国から来た加配をチームティーチングではなくて、35人学級にしてもいいですよ、どっちか選んでくださいよという話でしかない。結局、文科省のふんどしで相撲をとっているだけで、神奈川県として、自分のふんどしを締めて、本当に今の教育現場の困難に立ち向かおうという相撲になっていないということだと思うんです。
今の中等学校に関しては、6年間一貫にすることによって、若干の上積みをすることができる制度的な余裕があったということだと思うんです。やはり、今のゆとり教育の否定の中で、少人数教育をどうするのかということに関しては、基本的な考え方をもう一度はっきりさせてほしいというふうに思っていますし、そのための取組は、文科省の人のふんどしを当てにするだけではなくて、県としても出費も含めた、正教員ではなくても、非常勤講師であっても、全県に一挙にが難しければ、ある程度、順を追ってでも、何でもやり方はいろいろあると思うんです。やはり少人数教育を充実させるという方向に沿った施策の方向性をしっかり示す。中等学校だけではなくて、全県的な施策として示すということが必要ではないかということを最初に申し上げて、この項は終わります。
次に、もう一つ、今の教育再生会議絡みで、出席停止ということが出てきているんですよね。だめ教師排除、問題行動のある生徒排除、こういう排除の論理自体は僕は間違いだというふうに思っているんですけれども、その再生会議の報告が出て、安倍首相の指示で、近いうちに文科省が通知を出すという方向になるのではないかというような報道があるんですけれども、県教委としては、このあたりの状況を今どういうふうにつかんでいられますか。
文部科学省からの今回の再生会議を受けた通知はまだいただいておりません。
通知はもちろんまだなんでしょうけれども。
もう一度、出席停止そのものは学校教育法か何かに定められている措置なわけですよね。これまで、県教委としては、出席停止だとか停学だとかいうことについて、どういうふうに取り扱ってきたのか、その基本的な考え方はどういうことだったのか、それをお願いします。
今回、再生会議で出席停止の話題が出ておりますけれども、実は、これは、ここで初めて出てきた話題ではございません。平成12年に教育改革国民会議の中で、教育法を変える17の提案というものが出されまして、その中で問題を起こす子供への教育をあいまいにしないという提言がなされました。それを受けて、学校教育法が改正されまして、出席停止について、様々な事項が明確になったということでございます。
そして、その平成13年に出席停止制度の運用の適正なあり方という通知が国から来ておりまして、それを受けて、私どもは市町村にも流しているということでございまして、そのときの法改正の趣旨といたしましては、出席停止の要件の明確化、それから手続に関する規定の整備、それから、出席停止期間中の学習支援等の措置を講ずること、この三つが大事であるということでございまして、これを踏まえて、適正な運用をするようにということで、市町村に対して指導しております。
それを踏まえた適正な運用をした結果、この間いじめの問題があったけれども、私立では結構そういう措置は多いけれども、公立では余り例がなかったということだったわけですよね。それは、その適正な運用というのが、余りそういう排除的な措置はとらない方がいいという基本的な考え方があったから、こうなったということでいいですか。
先日の報道あるいは議会でお話しした内容は高等学校の懲戒のことでございます。この出席停止と申しますのは、義務教育の小・中の問題でございまして、あれとは別だというふうに考えています。
木内(ひ)委員 ということは、出席停止に関しては、国からの通知を市町村に流しました。それは、教育改革国民会議の基本的な考え方に沿った考え方で、これまで県教委も対応してきましたということになってしまうわけですか。
そのとおりでございます。
基本的にはそのとおりでございます。もう少し補足いたしますと、出席停止というのは性行不良であって、他の児童・生徒の教育に妨げがあると認める児童・生徒があるときに限って、懲戒という観点ではなく、学校の秩序を維持し、他の児童・生徒の義務教育を受ける権利を保障するという観点から設けられている。そして、その出席停止を命じる場合には、出席停止期間におきます学習に対する支援その他の必要な措置を講ずると。ここを踏まえて、県としても、市町村を指導しているところでございます。
今、室長は、教育改革再生会議の考え方と同じだと言うんだけれど、12月5日に、毎日新聞に阿久澤部長のコメントが載っています。一律適用は間違いとなっています。どうですか。
申し訳ございません。訂正いたします。私どもの考えのもとになっておりますのは、先ほど御説明しました平成12年の教育改革国民会議の考え方でございまして、今回の再生会議につきましては、また別でございます。
そうなんですか。改革会議と再生会議は別物なんですか。僕は同じ線の上に乗っているものだと思うんだけれども、でもここで、まだ、この再生会議の議論が、今のようにはっきりまとまる前の段階だけれども、少なくとも部長は、この一律適用は好ましくないという考え方をおっしゃられているわけですよ。今、いろいろ学習措置を講じた上でというふうに言うけれども、今の学校現場でそんなことができるんですか。教師が多忙感にさいなまれている中に、そんなものを持ち込んで対応できっこない。もしやるとすれば、結局、親への話し掛けも、子供への話し掛けも、そこの責任をあいまいにしたまま、強権的な措置だけがひとり歩きしていくという現状にならざるを得ないと思うんですよ。そういうことを、もし、国の考え方、今、再生会議でやっている考え方を受け入れるということであれば、そういう措置をどうするかということをはっきり言ってもらわなければ、本当に不安でたまらないと思うんです。
申し訳ございません。まだ、私の説明が足りませんで。
確かに、先日、学校教育担当部長が一律に適用するものではないというお話でございました。平成13年度の趣旨につきましても、出席停止を行う場合には、それ以前に、一定期間校内において他の児童・生徒と異なる場所での特別の指導計画を立てて指導するというふうなことでありますとか、児童・生徒に対する指導の過程において家庭との連携を図り、保護者の適切な指導上の援助を行うことということが前提となっておりまして、指導を尽くした結果、どうしても必要ならば行うというような考え方でございます。
そして、出席停止になった場合は、これは出席停止を行いますのは教育委員会でございまして、具体的に、では、出席停止になった児童・生徒は何をするかと言いますと、多くの場合は、教育委員会の施設、教育相談センターでありますとか、教育委員会の施設に行きまして、そこで、教育委員会の指導主事でありますとか、相談センターの指導主事、あるいは県の教育事務所の指導主事などが指導するということになっております。
それも、今、全体的な議論の流れと非常に矛盾していると思うんですよね。教育委員会は統廃合するよと。小さな市町村には、もう、教育委員会を持たせないよというようなことを一方で言いながら、出席停止は学校現場から問題行動のある生徒を引き離して、教育委員会の手にゆだねるよということをやろうとしているわけですよね。非常に矛盾している。
やっぱり基本は、学校現場の中で、いじめる側、いじめた側、いじめられた側双方に対して教師集団がどういう対応をとれるかということが第一であって、そこの出席停止までゆだねてしまうというのは、学校現場の責任放棄になってしまうという危険性を大きくはらんでいるわけです。そういうことを今再生会議は勝手に無理やりねじ込んでこようとしてきているわけで、僕はやはり、学校現場からすれば、今の流れに対してはっきり物申すことは必要ではないかというふうに思うんですよ。
今の教育委員会の改廃の問題に関しても、これまで、政令市の人件費の負担と人事権の背反の問題がずっと言われてきたけれども、そういうことは全くさておいて、市町村教育委員会を統廃合しますよというようなことだけ、今、国が言っているわけだし、非常に教育地方分権の流れと相反する、今の再生会議、政治日程のためにやられているとも言われていますけれども、こういう今の流れに対して、地方の立場から、地方で教育現場を抱えている立場から、はっきり国に言うべきことは言ってほしいということを申し上げて、私は終わります。
