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県民企業常任委員会 07年6月議会
◆ 県立新ホールの設計は周囲の歴史文化と調和しているか
◆ 開港文化の街にそぐわない75メートルビル
◆ 旧露亜銀行の高さで再開発すべきもの      

 それでは、次に県民部の関係で質疑させていただきます。
文化芸術振興の条例をつくるという話になっていますが、これと新ホールとの関係について、若干質疑をさせていただきます。
他の部局の所管にわたらないように気をつけて質問をさせていただきたいと思います。

 まず、今度条例をつくるということですが、今、国の方には、文化芸術振興基本法があります。これの県の中での所管はどこになりますか。


文化課長
私ども文化課ということになるかと思います。


木内委員
 それでは、この基本法の第28条というのがあります。国は公共の建物等の建築に当たっては、その外観等について、周囲の自然的環境、地域の歴史及び文化等との調和を保つよう努めるものとする。こうなっていて、最後の第35条が、地方公共団体の施策で、地方公共団体は、前条までの国の施策を勘案し、この地域の特性に応じた文化芸術の振興のために必要な施策の推進を図るよう努めるものとするとなっています。この第28条と第35条の規定がありますが、この所管も文化課ということでいいですか。


文化課長
この法律につきましては、青少年の文化芸術活動の関係ですとか、あるいは文化財保護の関係など、かなり広範囲にわたって規定されています。
今、個々の条文について、第28条及び第35条がどこの所管かというお尋ねでございますが、少なくとも第28条につきましては、国が公共の建物等の建設に当たってということでございますので、国の行うことについて規定したものと考えておりますので、県として所管課があると考える必要はないと考えております。


木内委員
いやいや、だから第28条だけ言わないで、第35条を一緒に言ったわけです。第35条は地方公共団体が、前条までの国の施策を勘案し、必要な施策を推進しなければいけないとなっているわけです。だから地方公共団体も、公共の建築物の建築に当たっては、その外観等について、地域の歴史及び文化等との調和を保つよう努めなければいけないということでいいはずです。それを所管する県庁の中のセクションはどこですかと聞いているのです。


文化課長
第35条につきましては、前条までのすべてを受けてという規定でございますので、そういう趣旨では、文化課が所管と考えてよろしいかと思います。


木内委員
ということは、文化課が今この新ホールを建てようとしているけれども、県民部として、あそこに建てられる建物は公共の建築物ですか。それとも再開発で建てられるものは、公共の建築物ではないのですか。


文化課長
県民新ホールにつきましては、少なくとも公共の建築物と考えてよろしいと思います。


木内委員
ということであれば、その新ホールは、その外観等について、周囲の自然的環境、地域の歴史及び文化等との調和を保たなければいけないと法律で規定されているわけです。今、設計にそって、今年中に着工されるのでしょうけれども、あの新ホールの建物というのは、この国の基本法との関係で、どのように県民部としてはとらえているのでしょうか。


文化課長
法律の規定は、外観等について、周囲の自然的環境、地域の歴史及び文化等との調和を保つよう努めるものとするという規定でございます。
現在整備を進めております新ホールにつきまして、この規定に照らして、私どもとしては妥当な取組をさせていただいていると考えております。


木内委員
地域の歴史及び文化と調和を保った建物であると県民部としては考えている。その考えられる具体的な根拠は、どういうところですか。


文化課長
今回、計画させていただいております施設でございますが、新ホールについて申しますと、外観、デザインでは、例えば1階から2階までの低層部につきましては、旧露亜銀行側のエントランスの周りは、石張り素材を採用しており、旧露亜銀行の外装デザインと調和を考慮させていただいております。
それから、同じく低層部でございますが、B2地区側の中華街側は、横浜を感じさせるれんが調タイルを使用するといったことで、落ち着いた雰囲気を出していきたいと思っております。今、例に申し上げたような点で、周囲、あるいは文化的環境との調和については、配慮させていただいていると考えております。


木内委員
新しい建物を、低層階と高層階で分設するという言い方を設計者はしているけれども、低層階は旧露亜銀行だとか、48番館のイメージを取り込んだ外装を施して分設をするわけです。
では、それが本当にこの地域の歴史及び文化等に調和を保ったことになるのかというように思います。文化というのは、いろいろと舞台を観たり、音楽を聞いたりということもあるけれども、やはり町並みというのは、一番多くの人に一番触れる機会の多い文化の薫りというものではないかと私は思います。あそこに50メートルだとか75メートルだとかという大きいのを建ててしまって、海岸への通景だとか、海への通景、あるいは海岸が48番館のところから左側に見えますと、その設計の中に書いてあるけれども、ビルの中に挟まって、向こうに少しだけ見えますという状況です。では、見えればいいのかという、それが本当に調和をした在り方かということを、今つくられようとしている建物について思います。そういうところから考えて、今、県民部が新しい文化振興の条例をつくろうとしているけれども、これと、アーバンデザインというか、そういうものは、どこか、包含をするものになるのでしょうか。それともアーバンデザインというのは、全く建築の世界の話で、文化とは切り離されたものととらえているのでしょうか。


文化課長
文化芸術振興条例で、今、委員お話しのアーバンデザインといった領域まで取り込んで規定するかどうかというお尋ねだと思いますが、条例に関しましては、本格的な検討はこれからでございますので、そういった領域まで取り込むことが適切かどうかということについては、まだ今後の検討ということでございます。
ただ、冒頭委員から御指摘がございましたように、国の方で平成13年に成立しました文化芸術振興基本法では、建築物についての規定がございます。それから、他県の条例等でも、建築物ですとか町並み保存といったことについての規定をしている例もございます。そういう中で、神奈川県として、これからつくる条例に、そういった内容を盛り込むかどうかというのは、今後の検討の中で整理してまいりたいと考えております。


木内委員
 アーバンデザイン的なものも包摂される可能性があるということですけれども、県民ホールを建てたときに、今、県民ホールと産業貿易センターの間は、非常に広がって、間があいているわけです。あれは当初の計画どおり建てたものではなく、山下公園前の広場的な要素をどうしてもつくらなければいけないという、横浜市の側からのアーバンデザイン的な提案があって、それに沿って県民ホールは、今のあのような敷地内での配置になったはずです。

 せっかくそこで山下公園の前であれだけの広さをつくったのに、今回つくろうというのは、旧露亜銀行と48番館の間のA街区に、75メートルの大きな建物を建ててしまうわけです。そして今、48番館の前にはワークピア横浜という大きな建物があり、それがせっかくその県民ホールと産業貿易センターの間をあけたけれども、その前、壁になってしまっているわけですが、私は本来であれば、旧露亜銀行と48番館の間には何も建てないで、もし再開発をするのだったら、それら全部を取り込んで、旧露亜銀行と48番館を中心に、本当の横浜の開港当時の町並みを基盤にした、まちづくりをするのが、最もこの国の基本法が言うところの趣旨にふさわしい在り方だと思います。

 それを都市再生機構に任せてしまったら、ここは中心市街地だから、高度利用をしなければいけない、中心市街地はイコール高度利用という話になって、結局みなとみらいでつくるのと同じ発想の中での建物になってしまうわけです。
  私は、この基本法の精神にのっとって、あそこをデザインすると、もしどうしても新ホールが必要ということであれば、それこそ地下の中に埋め込んででも、上は旧露亜銀行と同じ高さの中の建物で考えて、48番館と旧露亜銀行の間に、ビジネスビルを建てるなら、それは一番端に持っていくだとか、いろいろと方法はあったと思います。
  結局それはもう決定されて、動いている話ですから、これから後戻りするのは、非常に難しいとは思いますが、もしこれから文化芸術振興条例をつくりますといって、つくったはいいが、県が一番文化を壊しているのではないかということになってしまったら、困ってしまうわけで、今からでもできるところは努力していただきたいと思います。
 それからもう一つ、この文化芸術振興条例の在り方に関してですが、知事のマニフェストを見ても、新しい総合計画の書きぶりを見ても、こうなっています。神奈川はこれまでも、すぐれた文化芸術をはぐくんできました。さらに、若手クリエーターの育成などによって、新しい文化芸術を創造、支援する必要がありますとなっているわけです。ここで言うところの文化振興というのは、新しい若手の文化の振興のための条例ですということになっています。国の基本法というのは、そうではなく、歴史的文化の保存活用やまちづくりの方向性ということに対する公共の責務というものまで含めた骨格になっているわけです。この基本法とマニフェストと、それから今皆さんが出している基本構想の実施計画を読むと、大分落差があります。今後のこの検討方法の中で、今の言う第28条的な考え方について、これからどう取り扱っていくつもりなのか。その辺りをお聞かせください。


文化課長
先ほど申し上げましたが、まだ検討過程ということで、具体的な御答弁を差し上げられる段階ではございません。
基本法につきましては、確かに第28条でこういう規定があるのは事実でございます。ただ、全体的には、基本的には芸術文化、あるいは伝統芸能、文化財ですとか、そういった様々な取組をする一環ということで、第28条の規定も使っていきたいと思っております。
条例でございますが、先ほどお答えしたところですが、指摘のありました国の規定等に関連して、同様の規定を設けるかどうかについて、神奈川の場合には、昨年12月に、景観条例といったようなものも、県の責務として施行されているという点もございますので、こういった先行条例との整合性についても、検討する必要があると考えます。


木内委員
若手クリエーターの育成について、私も学生時代、学生運動の傍ら、アングラ演劇みたいなのをちょっとかじった立場からすれば、是非やってもらいたいとは思うのですが、それをやるからといって、文化を壊されてしまっては困ります。今後、いろいろ県の建物は、建て替え等もあると思うのですが、私はやはりあの新ホールの建物は、愚作だと思っていますので、そういう場合には、基本法に反するようなことにならないよう努力をしていただきたいということと、条例の考え方に当たっては、その辺りを大切にしていただきたいということを申し上げて、質疑を終わります。

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