公開質問状
平成19年2月15日
小林市教育委員会
佐藤勝美 教育長殿
小林中学校体罰被害者の会
小林中学校の体罰事件について
半年前の8月1日に発生した小林中学校の体罰事件では、体罰を受けた2人の生徒は転校し、体罰をした男性教諭は減給処分(刑事上は罰金刑)が科せられました。体罰を加えた教諭は勿論、体罰を受けた生徒にとっても残念な結果となりました。
小林中学校では昨年度に生徒の目に傷害を負わせる大きな体罰があり、今年度も5/23、7/6に少なくとも2回発生しており、小林中学校も認めております(10/18日付け小林中学校の回答)。また、8/1の体罰事件に関する臨時PTA総会(8/24)の場で、佐藤芳信校長は二度と体罰を起こさないと公言したにも関わらず、わずか1ヶ月後の9/29の登山遠足で体罰が発生しています。
小林中学校の校長は、昨年度の傷害を負わせた体罰事件を報告せず、今年度の体罰事件については、市教育委員会へ次のように数ヶ月も遅れて報告しております。
5/23の体罰 → 10/25付けで報告
7/6の体罰 → 9/13付けで報告
9/29の体罰 → 12/6付けで報告
体罰が発生したら、すぐに調査・報告し、教育委員会から指導を仰ぐ体制ができていれば、8/1の体罰は防げたはずです。従って、8/1に体罰を加えたのは男性教諭ですが、教育委員会へ報告せず、体罰を容認する状況を作り出した校長の責任は極めて重大です。
この事件を教訓とし、二度と体罰を発生させないことが重要です。また、同時に万一体罰が発生しても、最小限の被害で済むような対処の仕方も検討されなければなりません。また、いじめによる自殺問題発生以来、教育委員会や学校が事実を隠蔽する例が続出し、教育委員会や学校の信頼が急落しております。信頼回復のためにも、正確で素早い誠実な対応、正確に報告する姿勢が求められています。
以上のような趣旨で、以下の質問について教育長殿のご見解をお聞きしたく、公開質問状を作成しましたので、回答をお願い致します。質問及び回答は一般に公開し、体罰被害者の会のホームページ等にも掲載しますので、そのつもりでご回答下さい。尚、2月22日までに回答下さるようお願いいたします。また、一般に公開の関係で質問の再掲は避け、回答のみをお示し下さるようお願いします。
1.教育委員会が定めている学校管理規則では、生徒に事故による傷害が発生したときには、速やかに教育長に報告しなければならないとあります。しかし、昨年度に小林中学校で発生した体罰では、女性教諭が女子生徒の頬を叩いて目に怪我をさせたことを体罰した女性教諭が認めているにも拘わらず(10/18付け小林中学校の回答)、小林中学校の校長は、「保護者から表沙汰にしないで欲しいという要望で報告してない」と回答しております(11/6日付け小林中学校の回答)。小林中学校のように、保護者から表沙汰にしないで欲しいという要望があった場合、傷害が発生しているような体罰でも教育長に報告しないで良いのでしょうか、回答をお願い致します。
2.小林市の昨年9月の定例議会で、「小林中学校で昨年度に大きな体罰があり、市の教育委員会に報告していると校長が述べているが、本当はどうなのですか」という質問に対し、教育長は「大変よろしくないというふうに思います。ですから、正しく報告するように指導したいというふうに思います」と答弁されておられますが、未だに中学校から事故報告書が提出されていません。これは、一体どういうことなのでしょうか。教育長が指導されておられないのか、中学校の校長が教育長の指導を無視しているのか、詳しい説明をして下さい。
3.教育委員会へ事故報告については、速やかになされなければならないと思います。しかし、小林中学校では、今年度の5/23、7/6、9/29の体罰事件について、市教育委員会へ数ヶ月も後に報告されています。小林中学校の報告が遅れたのはなぜか、小林中学校の校長はどのような説明を市教育委員会へしているのか、遅れたことについて市教育委員会はどのような指導をされたのか、指導をしても報告が早くなっていないのはなぜか、校長から事情を聴取され、はっきりと説明して下さい。
4.半年前の8/1に体罰をした男性教諭は体罰の常習者で、私どもが指摘した多くの体罰を本人及び中学校側も認めています(11/6付け小林中学校の回答)。この教諭が行った体罰のうち少なくとも本人及び中学校側が認めた体罰については、小林中学校の校長は市教育委員会へ報告しなければならないのではないでしょうか。
5.半年前の8/1に起こった体罰を周りで目撃しながらも止めなかった3人の教諭も、昨年度から今年度にかけて体罰をしており、本人及び中学校側も認めています(11/6付け小林中学校の回答)。この3教諭が行った体罰のうち少なくとも本人及び中学校側が認めた体罰については、小林中学校の校長は市教育委員会へ報告しなければならないのではないでしょうか。
6.半年前の8/1に発生した小林中学校における体罰事件で、20〜30発にも及ぶ酷い体罰を受けて怪我した生徒に対して担任の女性教諭(昨年度生徒に体罰を加えて目に傷害を負わせた)が夏休みの課題が終了していないという理由で、午後3時頃まで怪我の治療や昼食をさせず、教室に居残りさせたのは体罰に当たると思いますが、どうでしょうか。教育長の判断をお示し下さい。
7.上の6に関して、小林中学校から8月16日に市教育委員会に提出された事故報告書(中学校の事故報告書)には、学校側の指導として居残りさせておきながら生徒の下校時刻すら記載されておらず、極めて無責任です。生徒の担任だった女性教諭は、この生徒の下校時刻を1時30分と答えておりますが、それは後で日程から考えた時刻で、直接時計で確認したものではなく、証拠は全くありません(11/16日付け小林中学校の回答)。一方、被害者側には、午後3時の下校を裏付ける多くの証拠があります。
証拠
@教室で居残りさせられたクラスメイトが午後2時頃まで一緒にいたことを証言している。
A生徒の下校が遅く心配して母親がクラスメイトや父親に電話している時刻がNTTの通話記録に残っており、その時刻は午後1時40分〜午後2時20分である。
B母親が来校した時刻には、学年会(午後1時30分〜2時40分)が終了しており、学年主任、担任などと会っている。また、担任が生徒の様子を見に行っている。
C中学校を出た母親が3時丁度に父親の職場に来た(父親の職場まで車で3分)。
D生徒も、教室の時計を見て、午後3時まで教室で課題をしたことをはっきり覚えている。
@〜Dの証拠から生徒の下校時刻は午後3時が事実です。中学校の事故報告書には、生徒の下校時刻が記載されておらず、母親の来校時刻についても13時15分という虚偽の時刻が記載されております。体罰に関係する重要な事柄ですので、正しい生徒の下校時刻と母親の来校時刻について小林中学校に再調査・再報告を指示していただけませんか。
8.小林市の昨年9月の定例議会で、「学校側と保護者側の意見に食い違いがある場合には、事故報告書には両論併記できないか」という質問に、教育長は「両面併記、これも取り入れることはできます」、「どちらが正しいのかについては寄り合うところがあれば、そうして一本化した方が望ましい」と答弁されています。また、「それでも合わない場合には両論併記していただけるか」という質問に「もうそれはそのとおりだと思います」と答弁されています。
しかし、保護者側が再三報告書の訂正を要求したにも拘らず、小林中学校の校長は虚偽の回答を繰り返し、最後は「体罰をした職員も罰金刑の刑事罰、県教育委員会から減給処分、校長も戒告処分を受け、処分が出ているので、再提出する気はない」と不誠実な回答しています(12/11付け小林中学校の回答)。処分が出ている・いないに拘わらず、正確な報告をしなければならないはずですが、いかがでしょうか。また、市議会で答弁されたように、保護者側が意見文を教育委員会に提出すれば、両論併記としていただけるのでしょうか。回答をお願いします。
9.体罰は教育基本法の禁止事項を犯す行為ですので、校長は学校で発生した全ての体罰を教育委員会へ報告し、教育委員会の指導を仰ぐべきです。それが体罰の予防策になります。教育長は、学校で発生した全ての体罰について速やかに報告するように市内の小中学校へ指導済みだと思いますが、何月何日どのような題の通知文で指導されたかをお示し下さい。万一指導しておられなければ、早速文書にて通知して指導していただけませんか。
10.神奈川県大磯町の教育委員会では、「体罰防止のためのガイドライン」を策定し、インターネット(http://www.town.oiso.kanagawa.jp/kyoiku/bodyhitbousi.pdf)上で公開しております。
それを見ますと、体罰が発生したときに校長や教諭がどのように対処すべきかがはっきりと書いてあり、大変参考になります。小林中学校の校長や体罰をした教諭がガイドラインに沿って対応していれば、警察沙汰にもならず、生徒は転校せずに済んでいたはずです。
今後、体罰による犠牲を無くし、体罰による被害を最小限に抑えるために、小林市教育委員会も大磯町教育委員会の「体罰防止のためのガイドライン」を参考にされ、体罰防止と体罰後の対処を目的としたガイドライン等を策定し、各学校へ配布・指導していただけませんか。
参考<大磯町教育委員会『体罰防止のためのガイドラインより抜粋』>
8 体罰事故への対応
体罰事故が発生してしまった場合、次のとおりの対応を行うことが必要です。なお、ここにあげる対応以外にも被害児童・生徒のために最善の対応を取るようにして下さい。
ア 体罰を加えた教諭の対応
※ 怪我の状況の確認…怪我の状況の十分な確認を行う。外見上怪我がなくても鼓膜などが破れている場合がある。
※ 怪我の治療…適切な応急処置をした上で養護教諭に診せ、必要に応じて医師の診断を受けさせる。
※ 校長への報告…直ちに校長(不在の場合は教頭)に体罰事故の報告を行う。
※ 謝罪など…被害児童・生徒に謝罪し、できるだけ速やかに校長は教頭と被害児童・生徒宅を訪れ、保護者に謝罪するとともに体罰に至った経緯と事実関係を説明し、被害児童・生徒の心身の回復のための対応を説明する。
イ 校長の対応
※ 謝罪…保護者へ連絡し、誠意を持って対応する。
※ 事実の把握…体罰を加えた教諭、被害児童・生徒、目撃した教諭や児童・生徒から状況を聴取し、正確な事実の把握に努める。
※ 報告…体罰が発生した場合は、教育委員会へ速やかに口頭(電話など)で報告し、必要な指示を受ける。
その後、事実関係を正確に把握した上で、「体罰に関する事故報告書」を作成、提出する。(市町村立学校:校長→市町村教委→県教委)