

Illustrated by Kouji KISHIMA
山田洋次監督最新作!
『おとうと』
主演:吉永小百合 笑福亭鶴瓶 原作:幸田文
2009年撮影 2010年公開予定!
切通理作著
『山田洋次の<世界>』(ちくま新書 \740.-+税)
全国書店にて絶賛発売中!
当サイト連載『山田洋次の軌跡』が紹介されています!_
<はじめに>
山田洋次監督といえば、『男はつらいよ』シリーズで知らぬ人はいないでしょうが、それだけではありません。『男はつらいよ』第一作の前に14作もの監督作品を世に送り出しているし、『男はつらいよ』シリーズと並行する形で、『家族』
『故郷』 『幸福の黄色いハンカチ』
『息子』 『学校』など、数多くの作品を世に送り出しています。1961年デビュー作の『二階の他人』から、2000年11月に公開された『十五才 学校IV』まで七十作を越え、第一線で撮り続けた監督はそういないでしょう。
<山田洋次監督の監督デビューまで>
1931年9月13日、大阪府豊中市生まれ。3人兄弟の次男。1933年に一家で満州(現:中国東北部)に渡り、終戦まで各地を転々とする。1947年に山口県宇部市に引き上げてくる。
1948年旧制山口高校に入学するが、教育改正で633制に変わったため、入学後1年で旧制高校はなくなる。このときの経験が『ダウンタウン・ヒーローズ』に反映されていると思われる。1950年東京大学入学。大学時代に映画研究会に属していた。
1954年に卒業し、補欠合格で採用された松竹(日活には合格していたらしいが、結局松竹を選んだ)に入社(同期に大島渚監督など)、大船撮影所に演出助手として配属される。 助監督として一番最初についたのは川島雄三監督作品『昨日と明日の間』(1954)。その後渋谷実監督、野村芳太郎監督のもとにつく。映画のクレジットに初めて名前が載ったのは、野村芳太郎監督作品『月給13,000円』(1958.3.11公開)に脚本として。
助監督として脚本家として大船撮影所で働くが、1961年SP映画『二階の他人』で監督デビューを果たす。
ここで、故黒澤明監督の山田洋次監督についてのコメントを引用しておきましょう。
「山田君にも言ったんだけど、何を尊敬できるって、『寅さん』のシリーズをあれだけ撮り続けるっていうことだよって。出てくる人の一人一人の性格がちゃんと書き込めているから出来ることなんだろうけど」
実力はありながらなかなか映画が撮れない監督というのも大変だろうな、と思いますが、会社のために常に撮りつづけることを義務付けられた監督というのは、おそらく70年代以降、山田監督の他にいないでしょう。その苦労がわかるから、黒澤監督は敬意を表しているんですね。
そんな山田洋次監督の作品群のうち、『男はつらいよ』シリーズを除いたそれ以外の作品は、意外にも全部観たことがある人は少ないと思います。「じゃあ、一度『寅さん』以外の山田監督作品を紹介してみよう」という理由で、友人のホームページで「山田洋次の軌跡」なるタイトルの連載をはじめたのです。
今回、自分のホームページを立ち上げるのに際し、連載時には不足していたデータ部分などを補強して、ここに再連載することにしました。
もしそちらの方を読んでみたいという方がいましたら、友人のホームページへいらしてください。
下記の監督作品一覧をご覧ください。タイトルをクリックすると、作品紹介のページに飛びます。
<山田洋次監督作品リスト>(カッコ内は公開日)
注)それぞれ作品紹介には<ストーリー>が書いてあります。これから映画を見てみようと思う方はご注意を。
「二階の他人」“Nikai no tanin”(1961.12.15)
「下町の太陽」“Shitamachi no taiyo”(1963.4.18)
「馬鹿まるだし」“Baka marudashi”(1964.1.15)
「いいかげん馬鹿」“Iikagen Baka”(1964.4.29)
「馬鹿が戦車でやって来る」“Baka ga Tank de yatte kuru”(1964.12.26)
「霧の旗」“Kiri no Hata”(1965.5.28)
注)この作品のみ脚本に山田洋次自身のクレジットがなく、橋本忍単独クレジット。
「運が良けりゃ」“Un ga yokerya”(1966.3.19)
「なつかしい風来坊」“Natsukashii Furaibou”(1966.11.12)
「九ちゃんのでっかい夢」“Kyu-chan no Dekkai Yume”(1967.1.2)
「愛の讃歌」“Ai-no-Sanka”(1967.4.29)
「喜劇・一発勝負」“Kigeki Ippatsu Shobu”(1967.8.5)
「ハナ肇の一発大冒険」“Hana Hazime-no Ippatu Daibouken”(1968.1.3)
「吹けば飛ぶよな男だが」“Fukeba Tobuyona Otoko daga”(1968.6.15)
「喜劇 一発大必勝」“Kigeki Ippatsu Dai-Hissho”(1969.3.15)
「男はつらいよ」(1969.8.27)
注)『寅さん』シリーズ第1作。
「続・男はつらいよ」(1969.11.15)
注)『寅さん』シリーズ第3作「男はつらいよ フーテンの寅」(1970.1.15)は森崎東監督作品、第4作「新・男はつらいよ」(1970.2.27)は小林俊一監督作品につき監督作品リストから除外。
「男はつらいよ 望郷篇」(1970.8.26)
「家族」“Kazoku”(1970.10.24)
「男はつらいよ 純情篇」(1971.1.15)
「男はつらいよ 奮闘篇」(1971.4.28)
「男はつらいよ 寅次郎恋歌」(1971.11.20)
注)このあたりから『寅さん』シリーズの盆と正月の公開が定着。
「男はつらいよ 柴又慕情」(1972.8.5)
「故郷」“Kokyou”(1972.10.28)
「男はつらいよ 寅次郎夢枕」(1972.12.29)
「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」(1972.8.4)
「男はつらいよ 私の寅さん」(1973.12.16)
「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(1974.8.3)
「男はつらいよ 寅次郎子守唄」(1974.12.28)
「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」(1975.8.2)
「同胞」“Harakara”(1975.10.25)
「男はつらいよ 葛飾立志篇」(1975.12.27)
「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」(1976.7.24)
「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」(1976.12.25)
「男はつらいよ 寅次郎と殿様」(1977.8.6)
「幸福の黄色いハンカチ」“Shiawase-no Kiiroi handkerchief”(1977.10.1)
「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」(1977.12.29)
「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」(1978.8.5)
「男はつらいよ 噂の寅次郎」(1978.12.27)
「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」(1979.8.4)
「男はつらいよ 寅次郎春の夢」(1979.12.28)
「遥かなる山の呼び声」“Harukanaru Yama-no Yobigoe”(1980.3.15)
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」(1980.8.2)
「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」(1980.12.27)
「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」(1981.8.8)
「男はつらいよ 寅次郎紙風船」(1981.12.28)
「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」(1982.8.7)
「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(1982.12.28)
「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」(1983.8.6)
「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」(1983.12.28)
「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」(1984.8.4)
「男はつらいよ 寅次郎真実一路」(1984.12.28)
「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」(1985.8.3)
「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」(1985.12.28)
「キネマの天地」“Kinema
no Tenchi”(1986.8.2)
注)大船撮影所50周年記念作品。お盆の『寅さん』をお休み。
「男はつらいよ 幸福の青い鳥」(1986.12.20)
「男はつらいよ 知床慕情」(1987.8.15)
「男はつらいよ 寅次郎物語」(1987.12.26)
「ダウンタウン・ヒーローズ」“Downtown
Heroes”(1988.8.6)
注)お盆の『寅さん』をお休み。
「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」(1988.12.24)
注)「釣りバカ日誌」第1作が併映。
「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」(1989.8.5)
注)お盆公開の『寅さん』最後の作品。
「男はつらいよ ぼくの伯父さん」(1989.12.27)
注)この作品以後『寅さん』シリーズは正月公開のみとなる。
「男はつらいよ 寅次郎の休日」(1990.12.22)
「息子」“Musuko”(1991.10.12)
「男はつらいよ 寅次郎の告白」(1991.12.23)
「男はつらいよ 寅次郎の青春」(1992.12.26)
「学校」“Gakko”(1993.11.6)
「男はつらいよ 寅次郎の縁談」(1993.12.25)
「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」(1994.12.23)
「男はつらいよ 寅次郎紅の花」(1995.12.23)
注)シリーズ最終作。96/8/4渥美清さん死去。
「学校II」“GakkoII”(1996.10.19)
「虹をつかむ男」“Nizi wo Tsukamu Otoko”(1996.12.28)
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」(1997.11.22)
注)「忘れな草」「相合い傘」のシーンと追加撮影あり。
「虹をつかむ男 南国奮斗篇」“Nizi wo Tsukamu Otoko Nangokufunto-hen”(1997.12.27)
「学校III」“Gakko III”(1998.10.17)
「十五才 -学校IV-」“Zyugosai
Gakko IV”(2000.11.11)
注)松竹大船撮影所最後の作品。2000年6月に大船撮影所閉鎖。
「たそがれ清兵衛」“Tasogare
Seibei”(2002.11.2)
注)松竹京都撮影所で撮影。なんと大船撮影所以外で撮影したのはこれが初めて。
「隠し剣 鬼の爪」“Kakushiken Oni no Tsume”(2004.10.30)
「武士の一分」(2006.12.1)
「母べえ」(2008.1.26)
シネマ歌舞伎「人情噺 文七元結」(2008.10.18)
シネマ歌舞伎「連獅子」(2008.12.27)
「おとうと」(2010年公開)
注)『寅さん』シリーズ第3作「男はつらいよ フーテンの寅」(1970.1.15)は森崎東監督作品、第4作「新・男はつらいよ」(1970.2.27)は小林俊一監督作品につき監督作品リストから除外されている(しかしすごいなー。3作目と4作目の間はたった一ヶ月しかないぞ!)。
また、『男はつらいよ 寅次郎紙風船』(1981.12.28)の併映アニメ「シュンマオ物語タオタオ」は原案と監修にクレジットされている。
脚本作品はあまりにも膨大なので、機会があったらまとめます。
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