デュマ『モンテ・クリスト伯』の全貌

 私のページに目録をおいてあるデュ・ボアゴベの調査をした副産物で、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』について、続編がたくさん存在することがわかったので、簡単に報告しておきます。ボアゴベは19世紀末は人気作家で、その著作のほとんどが英訳されている。その著書をよく収めていた「シーサイドライブラリ」は、黒岩涙香が愛読していた叢書でもある。その目録を眺めてみると、今でも有名なコナン・ドイル、ラドヤード・キプリング、ドーデー、フロベール、ディケンズなどがいる一方で、ファーガス・ヒュームや、ボアゴベ等ミステリ史の片隅でしか覚えられてない作家も多数いて、時代をうつす鏡としてなかなか興味深い。恋愛ものや家庭小説で人気のブラッドン夫人やM.フロレンスなど、大量に目録に載っています。

  しかし、多作家だったデュマの載っている小説数はすごいです。今まで邦訳されたのが氷山の一角にすぎないのがよくわかります。モンテ・クリスト伯のシリーズにかぎっても、以下のように目録にあります。 (カッコ内はページ数)

THE COUNT OF MONTE CRISTO part1「モンテ・クリスト伯(前編)」(460)

THE COUNT OF MONTE CRISTO part2「モンテ・クリスト伯(後編)」(460)

MONTE CRISTO AND HIS WIFE「モンテ・クリストとその妻」(187)

THE SON OF MONTE CRISTO 「モンテ・クリストの息子」(187)

THE FRATRICITE SEQUEL TO THE SON OF MONTE CRISTO 「兄弟殺し/モンテ・クリストの息子続編」(184)

THE COUNTESS OF MONTE CRISTO「モンテ・クリスト女伯爵」(189)

THE DAUGHTER OF MONTE CRISTO「モンテ・クリストの娘」(176)

THE BRIDE OF MONTE CRISTO 「モンテ・クリストの花嫁」(189)

いかがでしょう。人気が出たら「柳の下にどじょう」を狙うのは、洋の東西を問わないようです。「宇宙戦艦ヤマト」の続編のように、延々と続くシリーズだったんですね。目録にのっている本の中には、まださらにこれの後日譚と思われる小説までありますが、それは別にしても、一体どれだけ長さがあるのでしょう、このシリーズ。講談社文庫で完訳された「モンテ・クリスト伯」は、原稿用紙に換算しておよそ4500枚くらいでした。その長さが、この「シーサイドライブラリ」では、460頁の二巻になるわけです。版組が同じとして、このシリーズ、さらに1200頁近くあるわけですから、全体では一万枚は軽く越える大長編なわけです。

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