理科の部屋 オーロラオフ
ニフティーの「理科の部屋」の人たち,小森さん,左巻さん,轟さん達とカナダにオーロラを見に行ってきました。
午前8時過ぎ,日本では朝の連続テレビ小説の時間です。そんな時間,カナダのノースウエスト準州の州都イエローナイフでは,まだ真っ暗。明るくなるのは,10時を過ぎてからです。それもそのはず,ここは北緯60度を少し超えたあたりのツンドラ地帯です。
(このように針葉樹があるのだから,タイガだという話も.. 拡大)
そんな中,オーロラを見にこの地を訪れました。
(−29℃の町中で。これでも昼間だから温かい方。 拡大)
州都と言っても,水戸市のように大きくはなく人口は玉造町並み。町に病院が一つしかないという田舎です。そこに,毎日100人前後の日本人観光客が訪れています。
さあ,夜にホテルを出て観察場所(郊外のバンガローみたいなところ)に向かいます。ごっつい防寒ブーツを履き,強力な防寒服を着ていきます。なにせ,氷点下30度以下になります。マスクをして呼吸をしていても,鼻の穴の中が冷たく感じます。眼鏡は息が凍るのですぐに見えなくなります。
(普通の靴と比べて分かる,強力ブーツと防寒具 拡大)
いよいよ快晴の空の下,観察を始めました。早速見えています。でも,「なあんだ」という感じでした。見た感じ,ただの雲のようだからです。よく写真で見るオーロラは色つきですが,それは何分もシャッターを開けているからです。ふつうに見えるのは白だと思っていいです。
ところが,そのオーロラの中にはだんだん成長するものがあります。だんだん明るくなるものです。そうなってくると,色がわかるようになってきます。薄いピンクのような赤と緑っぽい部分が見えてきました。こうなると,「おおっ」という感じです。
(本物は白く見えます)
天体観察用の双眼鏡でオーロラを見てみました。すると,残念ながら何も見えません。星がよく見えるようになるだけで,役に立ちませんでした。残念。オーロラは根気強く目で見るものなのです。
そうしているうちに,オーロラが動くようになりました。雲が風に乗って動くようなものだと思ってください。でも,それだけではありません。カーテンのようなオーロラが現れ,それがそよ風に舞うように動き出すと,これは絶景です。「ウォーッ」という感じです。観察していた人たちの歓声がわき起こりました。
動きの少ないオーロラは,長時間(2分ぐらい)シャッターを開けて色が写るようにすると良いでしょう。ところが,そよ風に舞うようなオーロラは,写しようがありません。長い時間シャッターを開けてられないからです。
「ならば,ビデオに撮れば良いではないか」という人もいるかもしれません。でも,ほとんど無理です。まず,オーロラの光は弱いので,ビデオの感度では無理だからです。かなり明るいものは撮影に成功しましたが,そのようなオーロラはなかなか現れません。それに,電池の問題があります。氷点下30度前後という寒さの中では,すぐに電池がだめになります。カメラでさえ,メカニカルシャッターのカメラしか使えません。電子式シャッターのカメラは,すぐに動かなくなります。(私のメカニカルシャッターのカメラも,途中で凍って動かなくなりました。)
プロの撮影したビデオもありますが,早送り(普通に再生しても編集段階で早送り状態で録画してあります)をしながら動くオーロラを見せられても「うーむ」となってしまいます。感動は薄まってしまいます。やはり,現地で凍える寒さの中で見ないとこの感動は味わえないでしょう。
つまり,最高のオーロラは,現地で自分の目で見るしかないのです。実際,「もう一度見に行ってもいいな」という気になります。
さて,現地で気がついたことをいくつか書き留めてみます。
○年明けのカナダの空港には,日本では絶対に見ることのできない物が置いてありました。それは何でしょう。
答えは,クリスマスツリー。そういえば,カナダでは正月飾りをするのにクリスマスツリーを片づけることはないんだなあと納得しました。
○使い捨てカイロを氷点下30度の外に置いておきました。どうなったでしょう。
さあ,どうなったと思いますか。カイロは封を切ってもんで暖めてから出しました。ならば,何とか暖かい状態のままだったでしょうか。もちろん,雪に埋めたわけではありません。
答えは,冷たくなりました。カイロは鉄の粉と酸素が化合することにより暖まります。化合反応は,分子と分子が衝突することによっておきますが,温度が低いと衝突しても化学変化するに至りません。酸素と紙がぶつかっても燃えませんが,火をつけて温度を上げてやれば燃えるのと同じです。温度が低すぎると,化学変化が進まなくなるのです。
実は,「使い捨てカイロをカメラに貼れば,カメラは無事動くだろう」と思っていました。しかし,凍り付いてシャッターの動かなくなったカメラに力無く冷たくなって張り付いていたカイロがありました。悔しい思いでした。
次の日にはカイロ4つを使い,タオルとマフラーでカメラを覆って,何とか持ちこたえることができました。写真さえ撮っていれば,寒さなど気にならず厳寒の外で観察を続けられました。
○氷点下30度の中,ろうそくは燃えるでしょうか。
答えは,燃えました。火をつけてろうの固体を気体にし,それが酸素と化合するから燃えます。最初にともした灯は,それをやってのけられるだけの熱量を持っていたことになります。
同じように,たばこを吸っていた人もいましたが,火が消えることはありませんでした。
続きの詳しい写真を見る ただしオーロラの写真は1枚しかありません
イエローナイフのオーロラ観察 現地に詳しい野口さんのサイトへ
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