皆既月食の写真

 2000年7月に,皆既月食がありました。
 私は望遠鏡(10cm反射)にカメラを取り付けて,直焦点撮影を試みました。撮影場所は,庭先です。何とも安易な撮影です。
 やり方はきわめて適当。
 同じ写真を,露出時間を変えて何枚か撮り,良いものを選ぶという方法です。
 下手な鉄砲も数打ちゃ当たる,という作戦です。

 この日は満月。
 原理的に,月食は地球の影が月にうつることですから,満月の日以外には起きません。
 
 この欠け方は,半月ではありません。半月,三日月は月の直径の両端が光っています。難しい表現ですね。つまり,この写真は,月の直径より出張ったところが光っているので,普通は見られない形なのです。
 この黒い部分が,地球の影です。古代ギリシャ人達は,この影の形が丸くなっているのを見て,地球は丸いと説明していました。

 これも三日月ではないことが分かりますね。三日月だったら,月の直径の端の部分が光っているはずです。この月は直径の端が黒くなっています。地球の影になっているのです。

 露出時間を延ばすと,このように影になっている部分も写すことができます。
 地球の影の部分は,完全な黒ではなく,赤っぽくなっています。

 この赤っぽい部分は,皆既月食の時だけに見られるものです。
 では,影がどうして光のでしょうか。
 何かの光が当たっているのでしょうか。そうでなければ光りません。月は光を出す天体ではないからです。
 その光は,どこから出ているのでしょうか。
 太陽ではありませんね。地球の影になっている月に,太陽が当たるはずはありません。
 他の星はどうでしょうか。これはだめですね。地球の方に光を反射するのですから,地球の方向にある星でなければなりません。地球と月の間に星なんかないのですから,星でもないのです。
 では何かといえば,地球。これしかありません。
 地球の何かが月に向かって光を出し,それが反射して地球に見えるのです。地球の出す光は弱いので,写真には暗くしか写りません。
 この光のことを,地球照と言います。

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