ジャガイモの実


 ジャガイモの実は,よく食べるイモがそうだと思っている人が多いようです。
 しかし,実とは,花が咲いた後にできる物です。
 詳しく言えば,花のめしべのもとに子房があります。子房とは,「子どもの入っている房」のことです。種になる胚珠,それが子どもです。
 めしべの柱頭についた花粉が花粉管を伸ばし,精子を胚珠まで届けます。胚珠の中には卵細胞があって,受精します。
 それで,種子に育つのです。
 では,ジャガイモの実は,どんな形をしているのでしょうか。

 見てみると,ほとんどミニトマトのように見えます。トマトもジャガイモもナス科の植物であることがしみじみ分かります。
 ミニトマトの実のように見えるのは,キタアカリという品種。
 少し大きめで,ミニトマトとはちょっと違った形の実になるのが,トウヤという品種です。

 ジャガイモの品種改良 ルーサー・バーバンクの話
 ジャガイモはイモで増えるので,種でふえる植物とは違う特徴があります。それは,同じ特徴を持つイモが増えるということです。種から育てると,元のジャガイモとは違う特徴のあるイモになります。受粉して別のジャガイモの花粉がつくのですから,当然といえます。
 ところが,ジャガイモは1000年以上もイモから増やしていたので,種を作る能力が弱くなっていました。花が咲いても実がならないことがほとんどだったのです。今でも,時々「ジャガイモにミニトマトがなった。」という驚きのニュースが新聞に載ることがあります。
 日本が明治になった頃,アメリカでは西部開拓の時代でした。栽培が簡単でたくさん採れるジャガイモが求められていました。その品種改良をするために,ジャガイモの種をまいて育てようとしたのが,ルーサー・バーバンクです。
 まず,実がなりやすいジャガイモで,種から育ててみました。ところが,親の特徴と大して変わらなくてガッカリしました。
 次の年には,実がほとんどならないといわれているアーリー・ローズという品種の種を探してまきました。実を探すために,新聞広告を出したぐらい,必死で探したのです。1年や2年では見つからず,数年かかったといいます。
 それで,たった一つ見つかった実の中にあった23粒の種をまいて育ててみました。すると,23粒の種から育ったジャガイモは,どれも少しずつ違った特徴を持っていました。その中で,たった一つ,収量が多く保存が利き,しかも味も良い物がありました。それを,バーバンクポテトと名付けて売り出しました。バーバンクポテト西部開拓の人達に,瞬く間に広まりました。それは,バーバンクがジャガイモの改良を思い立ってから,10年目のことでした。
 バーバンクは,良いジャガイモを作っただけでなく,植物を改良する方法も確立したのです。
 これで気をよくしたバーバンクは,トゲなしのサボテンを作ることにも成功しました。それ以外にも,二千種類にも及ぶ植物の品種改良を,研究していたといいます。
   道家達将編著『生物の発明発見物語』(国土社)より

大きさは,ミニトマト並み。 中には,種が入っています。 ヘタの形はほとんどトマト。


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