肥料で死の湖になった
       霞ヶ浦は自然科学を知らない人間の産物
 
 霞ヶ浦と言えば、かつてはワカサギなどがたくさん取れ、泳ぐことのできたきれいな湖でした。
 ところが、浅く、水の流れがゆるいなど、汚れがたまりやすいというところがあります。付近の住民が、生活排水などを流すことにより、どんな影響を与えたでしょうか。
 生活排水の中には、菌類・細菌類の分解者に分解されることにより、植物の肥料になる物がたくさん含まれています。
 肥料が増えると、いったいどのようなことが起きるのでしょうか。
 
 肥料が増える→植物が増える→それを食べる動物プランクトンが増える→それを食べる魚が増える→それを食べる鳥も増える...
 このように、肥料が増えれば、生産者の緑色植物が増えることにより、消費者がどんどん増えることになるでしょうか。
 それが本当かどうかは分かりませんが、アオコが大量発生していることだけは、間違いありません。アオコが大量発生すると、だいぶ臭くなります。
 これは、いったいどういうことでしょうか。
 アオコは光合成しますから、大量発生しても問題はなさそうですが、どうして問題になるのでしょうか。
 
 アオコが大量発生すると、水面がアオコに被われます。すると、水の中の植物に、光が届かなくなります。
 こうして、次々と水中の植物が、光合成ができなくなります。このため、水中の植物に、死が訪れます。それを食べる魚も減ります。
 冬になり、アオコも枯れてしまう季節になります。すると、アオコの死体を分解者が分解しなければなりません。温かい季節になり、分解者が活躍し出すと、これが臭いにおいになります。アオコの臭さは、枯れて分解されているアオコの臭いなのです。
 分解者が生物の体を分解するとき、酸素を消費して二酸化炭素を出します。
次の年もアオコが大量発生すると、分解しなければならないアオコがまた増えます。
 こうして、湖の中は慢性的な酸素不足になります。また、分解されないアオコの死体が漂い、水が汚れます。水の汚れは、光が入ってくるのを妨げるので、ますます中の植物の光合成を妨げます。さらに、酸素不足になります。
 下のグラフは、霞ヶ浦の総漁獲高を示しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 漁獲高は、最盛期の1/3ほどに減ってしまっているのです。湖の魚達が減っていることは、十分に考えられます。
 たとえ、肥料という植物の成長をよくする物を与えても、人間が自然のバランス、ピラミッドをくずすようなことをすると、大変なことになります。
 先の先まで自然科学の法則を使って予想しなければなりません。(宮内主斗)
*霞ヶ浦研究会編『ひとと湖のかかわり 霞ヶ浦』(STEP)には、霞ヶ浦の現状について、更に具体的に説明してあります。

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