ミョウバンの結晶づくり
大物をねらわずに,1日で作る
 結晶作りといえば,ミョウバンが一番です。三角形を8つ合わせたようなきれいな形,大きく成長する結晶,プロに近い人が作ればとてもきれいです。

 小学5年の理科の教科書(大日本)に,ミョウバンの結晶づくりが載っていました。これで,チャレンジする人が多くなるのではないでしょうか。
 しかし,この方法はむずかしいです。最もむずかしいのが,小さな結晶を糸でしばることです。教科書ではかんたんに,「結晶を糸につける」と書いてありますが,そう簡単にはしばれません。しかも,1回しばっただけではだめで,2回,十文字にかけるようにしばらないと,途中で落ちてしまうことが多くなります。
 きちんとしばることができても,きれいな形の結晶が作れるかというと,そう簡単ではありません。
 教科書では60℃という温度が示されていますけど,その温度では冬場には,急に冷えてしまうことになります。また,それくらいの温度になると溶ける量がかなり増えるので,大きな結晶はできやすいですが,こぶのような形になったり,透明でなくなったりすることがあります。
 確実に作るなら,夏場ならこうします。
 温度の管理が大変ですが,これをしないと結晶がきれいにできません。
 温度を高くして,ミョウバンをできる限り溶かします。40℃でぎりぎり溶けるまで溶かしておきます。かき混ぜながら,ゆっくり温度を下げます。40℃になったら,水溶液だけを別のビーカーに入れます。
 この時少し温度が下がりますから,温度を上げて42℃にします。(このとき,限界までは溶けていません。)そのタイミングで小さな結晶を水溶液の中に入れます。小さな結晶は,少し溶けますが,時期に温度が下がって今度は結晶が大きく育っていきます。

*今までは温度を下げるだけだと思われていた結晶作りで,千葉の高校生が,小さな結晶を入れる前に水溶液の温度を2℃位上げることを夏休みの自由研究で発見し,総理大臣賞を受賞しました。その高校生は,1辺が5cm位の大物を作っていました。多分,指導教官は盛口襄さんでしょう(再加温法の発見者)

 1日ほど待つと,1辺が1cm程度の透明なミョウバンの結晶ができます。だいたい10個作って,6〜7個ぐらいできます。
 きれいな単結晶にならずにこぶが付くようなら,水溶液の中に偶々ミョウバンの粒同士がぶつかってくっついた種結晶のような物ができていたのです。こういうときには,温度を42.5℃ぐらいに上げてやり,飽和状態から遠くしてやって,微少な種結晶が作られるのを防ぐと良いです。
 しばった種結晶が溶け落ちてしまうようなら,それは温度が高かったためです。飽和状態から遠いため,種結晶まで溶け出してしまったのです。
 こうやって,ベストな温度を探って作っていくのです。

 参考になるページ
 化学の部屋  杉原先生の理科室

 ただし,私がこれくらいできるようになるのに修行した期間は2ヶ月。とてもじゃありませんが,小学5年生が1時間でマスターできないと思いました。
 そこで,簡単な結晶作りにチャレンジすることにしました。色が透明なら,形が悪くても良い,でこぼこができるけど,気にしないという方法です。

 前日の内に,水300gに60gのミョウバンを溶かしておきます。スーパーなどで売っている焼きミョウバン(アンモニウムミョウバン)です。
 熱湯を使えば,すぐに溶けます。次の日になると温度が下がるので,溶け残りはビーカーの底で結晶になっています。その上の水溶液は,限界まで溶けた最も濃い水溶液です。
 その水溶液を100mlほど,200mlのビーカーに入れて,ミョウバンを5gほど追加して温度を上げ,溶かします。追加で溶かした分が,新しく結晶として取り出せる分です。
 新しく追加したミョウバンは,低温ではなかなか溶けません。ここは,かき混ぜるよりふたをして温度を上げた方が賢いです。沸騰する頃には,きれいに無色透明の水溶液になっています。

 その水溶液を試験管に入れ,割りばしを1本入れます。
 温度が下がってくると,雪のようにミョウバンの結晶がふってくることもあります。劇的な変化はせず,少しずつ割り箸に結晶がついてくることもあります。割り箸についた結晶を見て楽しみましょう。

 同じように,石に結晶をつけたり,小枝につけたりするのも面白いです。芸術的な作品もできますから,後で試しましょう。

 次の日,ここまでできたら,あとは割りばしを引き抜いて,お持ち帰りをするだけです。試験管の下にたまったミョウバンの結晶も悪くはないので,濾過してお持ち帰りです。
 たまに固まって割りばしが抜けないこともありますから,その時は強引に引き抜くか,温度を上げて取り出すか,自分で決断しましょう。
 子どもたちに持ち帰らせる場合,ラベルを付けてあげると良いです。物質名,化学式,溶解度などを書いたラベルです。

 なお,試験管に溶液を入れた瞬間の雪降り状態は,なるべく避けたいです。結晶が大きく成長しません。試験管を温めておくなど,工夫をしたいところです。
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