青春の悩み相談ゲーム
小原茂巳さんの追試
 
 楽しく明るく悩み事をうち明け,相手を思いやって答える。そんな体験が簡単に楽しくできるゲームである。
 子ども達にも人気があるので,小原茂巳さんの実践を紹介したい。

準備 B4を4分の1に切った藁半紙 人数分×2ぐらい
 
 小原さんは次の手順で行っている。

1.悩み相談用紙を配る
2.あなたの悩みを書きましょう。
3.「ペンネーム」で相談者の名前を書いてもらう。
4.悩み相談用紙を回収する。
5.集めた用紙の順番をバラバラにして,子ども達に配る。
6.今度はあなたが回答者!
7.回答も「ペンネーム」で。
8.相談用紙を回収する。
9.用紙の順番をバラバラにする。
10.いよいよ「悩み相談」の紹介。
11.ウケた作品の作者(ペンネーム)を板書
12.「ベスト3」にプレゼント
小原茂巳「青春の悩み相談ゲーム&大人の悩み相談ゲーム」『たのしい授業』(仮説社)2000年10月号
 
 匿名で悩みを書き,匿名で答えるというところが気楽にできる鍵である。
 また,10の悩み相談の紹介では,かつての人気番組「欽ちゃんのドンとやってみよう」で欽ドン賞を選ぶような楽しさがある。
 以下,小学校4年生に実施した結果を示す。
 用紙を配布して,説明する。

説明1 今から「青春の悩み相談」をします。みんなの悩み事を書いて,誰かに答えてもらいます。
 とはいえ,悩み事なんかない人もいるでしょうし,恥ずかしい人もいるでしょう。
 だから,ウソの悩み事でも良いです。名前は書かなくても良いです。ペンネームで良いです。
 
 書き出しを与えると,書きやすい。
 用紙を配布して指示する。

指示1 用紙を半分に折りなさい。
指示2 折った左側に,次のように書きなさい。
   「あのう,実は,悩みがあるんです。」
    続きは,自分なりに書きましょう。
 
 書き出しの文を板書し,後に続く文を考えさせる。
 どうしても書けない子には,「兄弟のことで悩んでることはないか」,「友達のことで悩んでることはないか」,「投稿班のことで悩んでることはないか」と,観点を与えると書きやすい。
 早く書き終えたこ子には,提出させる。
 早く終わった子には,2枚目,3枚目を書かせる。
 この点が,小原さんのやり方と異なる。小原さんは一斉に回収した。だが,私の学級の実態に合わせると,こちらのやり方になる。時間差調整である。
 頃合いをみて,用紙を適当にシャッフルして,配る。

指示3 今度はあなた方が回答者です。
    右側に悩みの答えを書いていきます。
    書き出しは,「それではお答えしましょう。」か,「あのね」で   す。
    うまく答えられなければ,とにかく相手が喜ぶように書いてあ   げなさい。(*)
      *最後の指示は宮内が追加
 
 書き出しの文を板書し,その後を考えさせる。
 書き終わったら,必ず教師のもとに届けさせる。
 それをせずに,質問者に届けたら不愉快な思いをする子も出たからだ。言っても分からない子どもはいる。
 ここは,元実践に忠実にやりたい。
 早く終わった子には,2枚目,3枚目の回答をさせていく。
 ある程度揃ったら,頃合いをみて発表に移る。
 黒板に,「すばらしい」「いいね」「ふざけんな!」と書いておく。元実践ではそうなっていないが,これは欽ドンの「バカウケ」「ややウケ」「ドッシラケ」の真似である。
「では読みます。
 あのう,私,悩みがあるんです。お姉ちゃんが,だんだんはげしくいじめるようになってきました。たたいたり,意地悪を言ったり。どうしたらいいでしょう。 ペンネーム マウスさん。
 では,どんな回答が待っているでしょうね。読みます。
 それではお答えします。そんなときにはね,気合い入れて戦えば良いんだよ。負けずにがんばれ。 ペンネーム ムーミンさん。
 うーん,この答えはどうかな。」
 こういう答えには,「ふざけんな」という声が多い。黒板の「ふざけんな」の下にその紙を置く。「いいね」という声もあったら,両方の中間に置けばよい。
 こうすれば,良い答えはみんなが認めてくれる。そうでないのはみんなが否定的に評価してくれる。だから,答える方も質問を出した方も良い。
 私のクラスで評判がよかったものの例を挙げる。

 聞いてください。実はぼく,逆立ちができないのですけど,どうしたらよいでしょう。 メガネ
 あのね,練習を先生に手伝ってもらって,逆立ちしたときの感覚を覚えればきっとできるよ。がんばれ。 ハテナ
 

 ねえ,聞いてください。実は,家の妹が少しのことですぐ泣くんですよ。どうしたらいいでしょう。 なし
 それはね,ほっとくのが一番。でも,おかあさんに言われたら,キチンと話した方がいいよ。うちにも妹がいるから,よく分かります。うちもね,ちょっとしたことですぐに泣くの。その時はほおっておいて,お母さんに言われたら,キチンと話します。そうすれば分かってくれるよ。
  みかんより
 
 このゲームは道徳や学活などで,何度か行う価値がある。回数を重ねれば,質問の仕方も回答の仕方も上手になってくる。