自然と科学の雑談

もくじ  UFOに間違えられる星 金星    肥料と毒ガスとアオコ  しし座流星群を見よう  なぜ原子力にこだわるの?  霞ヶ浦周辺の低地と台地  冬の第六角   二酸化炭素の融点  燃料電池と太陽電池   パスツールと自然発生   一人で生きられる生物   宇宙の果て   硫酸銅が手についたら  川の下流が広くなるわけ  夏休みの科学研究  様々ないわくのついた星−火星  どうしてバカなの  20世紀最後のしし座流星群  ノーベル賞のプラスチック  レーザーポインターはナイフと同じ 光がなければ色はない アルカリ性食品は体にいいの?! ヌルデの木を守ろう 世界の誰もが納得する単位 エレキギターの仕組みと遊び方 変だよマイナスイオン

血液型で性格が違う?
 テレビ番組の影響か,A,B,O,ABの血液型で性格が違うという印象を持っている人がいるようです。
 明らかに,間違いです。
 人間が,たった4種類の性格しか持たないことになります。
 日本人だけだって,1億2千万ほどいます。
 性格が人それぞれに違うのが当然です。
 もし血液型によって性格が異なると主張するなら,「個性」とか「1人1人の人格」とかを論じる資格はありません。
「そうはいっても,テレビで見たよ。A型の子,B型の子,O型の子,AB型の子だけを集めて子どもたちの行動を見ると,血液型によって全然違った行動をしているよ。A型の子達は仲良くしているのに,B型の子達はけんかするとか。あれはどうなの。小学校に上がる前の小さな子どもたちだから,演技しているわけじゃないでしょう。」
 そんな反論が返ってきそうです。
 それには,冷静に対処したいと思います。
 どうするかと言えば,血液型をネタにしてテレビ番組を作る立場になって考えることです。
 番組を作りながら,子どもたちの様子を見ていて,「大した差は出ないじゃないか」と思ったら,視聴率を取れるでしょうか。
 取れるはずはありません。プロジェクトは解散,仕事がなくなります。プロジェクトのリーダーの立場だったら,部下の仕事をなくすわけにはいきません。
 ですから,絶対に性格が違うような印象を受ける映像を作りたくなります。
 そうなれば,やり方は簡単です。たくさん録画しておいて,編集するだけです。もちろん,「血液型が違えば性格も違う」という印象を与える場面だけを選りすぐります。
 あなたは「本当に,血液型が違えば,性格も違う」と思いますか。それとも,編集上の問題だと思いますか。
 
レーザーポインターはナイフと同じ
 NHKクローズアップ現代「レーザー光線があなたを狙う」を見たでしょうか。2000年12/4の放送です。
 レーザーポインターによる網膜熱症(もうまくねっしょう)の事例が急増していることを知らせる番組でした。
 きずついた目の網膜は回復しません。二度と治らないのです。

 番組によれば、おもちゃとして数百円で売られているレーザーポインターの出力を実測してみると、クラス3B相当のものがあるとのこと。
 このデーターを聞いて,わたしはおどろきました。
 JISに適合する製品では、保護回路が組み込まれていて出力をクラス3A相当(5mW以下)にしています。私の持っている物は,外国製ですが5mW以下の出力です。一応安全。
 しかし,安物にはそれがないという説明でした。
 輸入販売でJISの適用を受けない形で野放しになっているようです。
(JIS 日本工業規格のことで,日本の安全基準と考えればよいです。)

 今年のはじめ,わたしの仲間が実験の安全に関する本を作りました。
 それには、「レーザーポインターはクラス3Aなので、ぐうぜん目に入るぐらいなら問題なし」と書いてあります。
 しかし、クラス3B以上となると話は別です。
 保護めがねをしないと危険なレベルです。ほんのちょっとでも,目にきずをつけることになります。
 手にレーザー光を当てても何ともありません。
しかし,目に入った場合には,目の中をきずつけてしまうことがあります。
 持っている人は,そういう危険性を十分理解してください。

 レーザー光は,遠くまで行っても広がりません。その光が目に入ると,目の凸レンズで更に集中し,1点で網膜に像を結びます。これは,虫眼鏡で太陽の光を集めて紙を焦がすようなものです。目の弱い部分である網膜を攻撃すること,凸レンズで光が集中すること,レーザー光は広がらないことなどが重なって,目に傷害を与えることになのです。

 レーザーポインターの実験
 レーザーポインターは,まじめな実験に使うことが出来ます。
 コップとレーザーポインターがあれば,楽しくできる実験です。
 食塩は水に溶けます。
 水に溶けたら,食塩は塩化物イオンとナトリウムイオンがバラバラになって,動き回ります。
 イオンの一つ一つは目に絶対見えないくらい小さいので,光を当てても光りません。
 ところが,イオンや分子のような小さな粒でなければ,見ることが出来ます。
 逆に言えば光を当てれば光ります。
 チンダル現象は,そんなことを見る実験です。
 赤ワインはチンダル現象がでて,ブランデーは出ませんでした。
 こんな実験をやってると,まるで飲兵衛のように思われてしまいますね。ははははは。

「マイナスイオン」は変だと思いませんか?
 近頃巷で「マイナスイオン」という言葉を良く聞くようになりました。
 大手の電機メーカーでも,「マイナスイオンで空気をきれいに」と宣伝しているのですから,これは放っておけない感じがします。
 というのは,「マイナスイオン」とは,通常義務教育で学習するイオンとは,全く別物だからです。
 まず,イオンの定義ですが,「電気を帯びた原子,原子団」ののことです。つまり,塩化物イオンCl−,水酸化物イオンOH−などがそうです。+の電荷を持つ水素イオンH+,ナトリウムイオンNa+もあります。
 巷でいう「マイナスイオン」とは,このCl−,OH−のことではないのです。
 イオンのような安定して存在する物質ではなく,−の電気を帯びた物ぐらいのあやふやさと存在の不安定さを併せ持つ,正常な脳味噌で考えたら極めて怪しい物質なのです。
 それでも,体にいいとか空気をきれいにするとか,効能が先に言われているのです。
 これだけで,私は,「何だ,そんな研究もされていないのか。話にならないな。」と信用しません。しかし,大手家電メーカーまで「マイナスイオン」を宣伝文句にするようでは,この国の科学リテラシーは大変低く見られているのではないかと心配になります。
 では,「マイナスイオン」の定義が見つかりましたので,紹介しましょう。
 これは,市民のための環境学ガイドというwebページで見つけたものです。

 日経トレンディーによるマイナスイオンの定義
 ○水分子が刺激を受けて分解し,発生した陰性の原子が他の水分子と結合した物を指す。
 ○身体への影響は未解明の部分も多いが,一般的には血行促進,新陳代謝の活性化,空気の浄化や脱臭効果などがあるといわれている。

 水が刺激を受けると分解することは,間違いありません。水の電気分解は,中学の教科書にも載っています。
 2H2O→2H2+O2
 しかし,発生するのは水素と酸素です。しかも,原子ではなく分子です。
 ここは,理解不可能な文面なので,パスすることにしましょう。
 何らかの形で,発生した陰性の原子という物は存在します。
 例えば,放電で酸素分子からオゾン分子ができますが,水に溶けるとマイナスになりやすいです。
 だから,オゾンがマイナスイオンの実体かというと,これまたはっきりとは言えません。オゾンには脱臭,殺菌の効果があります。また,新陳代謝は活性化するでしょうね。しかし,オゾンは活性酸素そのものです。体に取り入れたら,良いことはないわけです。
 付け加えるならば,発生したマイナスイオンは化学的に安定なのか,という問題があります。つまり,「マイナスイオン」ができたとしても,数分の1秒で化学変化してなくなりはしないかということです。硫酸イオンSO4 2-とか硝酸イオン NO3- なら,安定して存在します。これは,酸性雨の成分なので,実証済みです。
 このように,実体もよく分からない物質なので,イメージだけが先行していると思われます。
 みのさんの番組でも,○○という食品に含まれている○○○という成分がよい,ぐらいの説明はします。「マイナスイオン」を売る物にしている人達は,是非その実体を明らかにして欲しいものです。

 どうも,「アルカリ性食品は体によい」という単純なイメージを信じ込みやすい日本人をねらった,賢い(?)商法なのかなという気がします。
 別な定義もありました。電気を帯びた酸素が水に溶けた物だそうです。(2002年8月7日付茨城新聞)
 酸素分子が電気を帯びることはありますが,そんな状態が長く続くはずはありません。すぐに+の電気を帯びた物にくっついて,電気的に中性になります。そんな不安定な物が,どこにどう作用するのか大変疑問です。
 その新聞記事には,「効能は科学的に未解明」とあります。

 テレビなどの宣伝の影響で,子どもたちは「マイナスイオンは体にいい」などと思っているようです。
 しかし,その実態は,実証されたわけでも何でもないのです。
 ぜひ,市民のための環境学ガイドをごらんください。もしくは『理科教室』誌2003年10月号をお読みください。

東の月はどうして赤く見えるの
 月の観察を宿題に出すと,こんな疑問を持つ小学生がいました。
 確かに,満月を観察すると,低空では真っ赤に見える月が,上空上がっていくと白っぽくなるので不思議に思うのです。
 低空でも赤くて,上空でも赤かったら何とも思わないのですが,これはいったいどうしたわけでしょう。
 そういえば,夕日が赤いのに,昼間の太陽は赤くありませんね。このことは,赤い月の問題と関係が深いことを意味します。
 つまり,空に低いところにある何かが原因で,赤く見えるのです。
 それは,ほこりです。
 空に舞い上がったほこりが原因で,赤く見えるのです。
 そのほこりがすさまじく高いところまで舞い上がっていれば,高く昇った月も赤く見えるはずです。

エレキギターの仕組みと遊び方
 先日,カミサンとダンス☆マンのライブに行って来ました。赤坂ブリッツでのライブです。このようなのに出かけるのは,学生時代以来ですから,17年ぶりです。(年齢を計算しないように)
 ダンス☆マンのアルバムを初めて買ったのが,2002年の3月。それ以来ハマりました。なんといっても,音がいいですね。それに,自分の若い頃に流行った曲のカバーがあって,懐かしい思いがします。
 最近は,ドラムがコンピューターを使ってしまうことが多いのですが,このバンドはちゃんとしたドラマーがいます。ベースやギター,キーボードもそれなりの腕を持っている人だと分かりました。これなら,見てもガッカリさせられることはないと踏んだのです。
 予想は大当たり。アルバムでは渋くて大して目立たないドラマーが,巧いんですね。左手が右手と同じように動くし,フォームはきれいだし。左手でシンバルをクラッシュしたり,ハーフオープンのハイハットをスパッと打ったりするのが,格好良かったです。
 ベーシストも派手なフレーズはなかったのですが,左手のフォームがきれいだし,ノリがとても良かったです。ギタリストが,女性だと初めて知りました。開演前にムスタング(ジャガー?)が置いてあったので,「あれ,どうしてストラトキャスターを使わないんだろう」と思ってましたが,手の小さい女性にはこの方が弾き易いんでしょうね。
 そして,ピストン西沢さん。「ロックグループ」でギターソロを弾くことが分かっていたのですが,ステージ上にギターアンプがなくて心配してました。それが,自分の体より大きなマーシャルアンプとともに登場し,ヘビーメタルのフレーズを弾きまくってましたね。ジミヘンもやるし,曲のエンディングなんか,ディープ・パープルのライブの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と同じじゃないですか。分かる人には分かって笑えました。
 ピストンさんが,ギターのピックアップにおもちゃの光線銃を近づけて,電子音を出していました。これは,物理の好きな人なら理屈を解明する楽しみを味わえたはずです。ギターのピックアップは,弦の振動を感じる磁石があり,その磁石が微妙に振動します。弦は磁石につきますからね。その磁石の周りにコイルが巻いてあります。コイルの近くで磁石が振動すれば,電磁誘導で電流が流れます。その電流をアンプで拡大するのがエレキギターの仕組みです。
 それなら,おもちゃの光線銃のピコピコいう音が,どうしてギターから出るのでしょうか。弦が振動しなくても,ピックアップで拾えるのはどうしてでしょう。
 弦が振動しなくても,その代わりになる物があれば音が出ます。電流の流れているスピーカーは,その典型的な物です。スピーカーには,コイルと磁石があります。コイルに交流電流が流れると,激しく向きの変わる磁界ができます。その磁界と磁石の磁界が作用し合って,振動します。それで音が出るのです。ギターのピックアップにある磁石かコイルに,スピーカーの磁石かコイルが作用して,音が出るようになるわけです。
 それが本当か確かめるために,私は自分の携帯電話のスピーカーを使って確かめました。携帯電話の発信音をギターのピックアップ近くで鳴らすと,予想通りアンプからその音が出ました。
 それはともかく,おじさんおばさんから若者子どもまで,みんなで楽しむことのできたライブでした。久しぶりに,血が騒ぎました。

 スピーカーとアンプをつなごう
 20年ぐらい使っていたステレオのスピーカーが,おかしくなりました。高音が出ないのです。3ウェイスピーカーのツイーター(高音用のスピーカー)が1つダメになったのです。修理に出しても部品は置いてないでしょうから,思い切って改造することにしました。サラウンドスピーカーを安く買ってきて,故障したスピーカーと直列接続したのです。
 元のスピーカーと新しいスピーカーは,同じ抵抗の物にします。直列接続した場合,抵抗の大きい方に大きな電圧がかかります。つまり,どちらかのスピーカーだけが大きな音で鳴るようになってしまうのです。
 鳴らしてみると,抵抗が倍になったので音が小さくなりましたが,いい感じです。改造して5ウェイスピーカーにしたような物です。低音からシャリッという高音まできれいに出ます。ただし,安いスピーカーをつないだので,大音響には耐えられません。
 そのスピーカーはSONY製です。中音がくっきり出るのが特徴です。低音もしまった感じがしまます。SONYのアンプと組み合わせると,その特徴がはっきりします。昔のSONYの製品にはかなりはっきりした特徴があったのです。
 実は,中高域でなく低域と高域を重視したSANSUIというメーカーのアンプも持っています。そのアンプをSONYのスピーカーにつないだときの音が気に入っています。SONYのアンプは,パイオニアのスピーカーとつないで,中高域をバリバリ盛り上げるようにしています。この2つのアンプと2系統のスピーカーを同時に使うと,かなり迫力あるサウンドになります。
 そのシステムを,テレビにつなぎました。
 音楽もいいですが,ワールドカップのスタジアムの盛り上がり,野球の球場の盛り上がりが再現できるようです。やはり,テレビの音響より,古いステレオの音響の方がはるかに優秀です。みなさんも,試してみませんか。

 世界のみんなが納得する単位

 1798年,日本では江戸時代であるが,フランスでは大変なことが起きていた。フランス革命だ。王様や貴族達を市民がたおして新しい国をつくった。
 新しい政府は,次々に新しい政治の計画を立てた。今まで教育を受けられなかった人も受けられるようにした。さらに,フランスがひとまとまりになれるように,単位を統一することも大事な問題であった。
 その当時,ヨーロッパでは面積の単位だけで400種類も使われていた。
長い距離を表す単位にマイルというのがあるが,陸上では1マイルは約1.6kmだが海上では約1.9kmになる。ただしそれはイギリスの話であって,ドイツ,イタリア,ローマ,スエーデンでは同じマイルといってもそれぞれ長さが違う。
 これは,商人や職人にとって大きな問題だった。長さや体積や重さの単位が地方や国によってちがってしまっては,作った物のやりとりがしづらくなる。科学者達も国によって単位が違うと研究がやりにくいので困っていた。
 そこで,どうせなら,世界中の人たちに使ってもらえる単位をフランスの単位にしようということになった。
 それなら,何を基準にしたらよいだろうか。だれかの足のを基準にしたフィート(英語で足という意味)ではだめだ。それで,2つが考えられた。
 ひとつは,振り子である。1ふりする時間がちょうど1秒になる長さは決まっている。だから,その長さにしようというもの。
 もう一つは,地球の赤道から北極までの長さを1000万分の1にした長さを基準にしようというもの。だが,地球大きさをくわしく測らなければできない。大変な仕事だ。
 会議では,「世界中の人たちがびっくりするような事をやりましょう。そうしないと,世界の人たちがこの単位のことを注目してくれないですよ。」という意見で決まった。地球の大きさを測るのだ。
 地球の大きさを測り,その円周の4000万分の1を1メートルとすることにした。
 それにしても,測るのは大変なことだ。戦争中の国に入って逃げ回りながら測ったこともあった。測定器を見て「悪魔がやってきた。」とさわぐ村人によく説明しなければならないこともあった。それで,10年近くもかかってしまった。
 その間に,重さの基準はすんなり決まった。1mの10分の1の長さを1辺とする立方体を1リットルとした。1リットルの水の重さを1kgとした。世界中に水はあるから,それを基準にしたのだ。
 こうして地球と水を基準とするメートル法が,1800年,フランスで実施されることになった。しかし,今までになれた単位から変えることをいやがる人が多く,なかなか広まらなかった。それで,1840年に法律ができた。メートル法以外の単位を使うと,罰金を取るというものだ。これで,メートル法はやっとフランス全土に広がった。
 その後,世界にメートル法は広がり続け,日本でも1885年に取り入れられた。今では世界のほとんどの国でメートル法が使われるようになった。
 
○メートルはフランス語
 英語では,メーターという。フランスで発明されたメートルなので,フランス語が日本に入ってきた。メートル→metre 
 リットルもメートルを元にして作られた単位なので,フランス語。英語だと,リッターになる。リットル→litreの他にアール→areもフランス語である。
  文献 板倉聖宣編著 『ピタゴラスから電子計算機まで』(国土社) 発明発見シリーズ
      『広辞苑』(岩波)


ヌルデの木を守ろう
 小正月の行事で,「ならせ餅」というのがあります。山で採ってきたヌルデの木の枝に,ついた餅を丸めた物をつけていくものです。枝の一部は次の日に食べる小豆粥の箸にします。
 ところが,このヌルデの木がなかなか手に入らなくなりました。
 昔なら,ヌルデはそこら中の林に生えていました。ヌルデからタンニン酸を採り,染料の原料にしたのです。塗るのに使うから,ヌルデなのかも知れません。タンニン酸は,防腐・防水効果があります。食べられない渋柿が田舎にはたくさん植えてあったものですが,それは柿渋からタンニン酸を取り出すためです。カサに塗って防水効果を出したのです。番傘はそうやってできました。
 話を元に戻しますと,我が家の林には,先祖代々使っていたヌルデの木が豊富にあったはずなのです。
 そのヌルデが,ほとんど枯れてしまいました。
 原因は,大気汚染,水質汚染....なんて関係はないでしょう。竹が生えたためです。
 竹は成長が早く,すぐに背が高くなります。それで,ヌルデの木に日が当たらなくなって,枯れてしまったのです。植物殺すには,日に当てなければすぐです。光合成ができませんから。
 ヌルデの木を守るには,よく手入れをして,余計な竹を生やさないようにすることなのです。
 というわけで,2001年の年末から年明けにかけて,竹をばっさばっさと切りました。特に新竹といって生えて1年未満の物を切りました。切ったら畑で燃やしてしまいます。
「なんだ,環境破壊ではないか。」と言わないでくださいね。
 竹を切ったことで,日当たりが良くなり育つ樹木があります。
 竹を燃やして残る灰は,畑でカリウム肥料になるのです。
 もちろん,発生する二酸化炭素は,樹木が光合成で使います。

最も美しい形に最もみにくい数字

 すべての形の中で一番美しい形といったら,円と球だろう。
 どこから見ても円や球はいつも形が同じだ。こんなバランスの良い形はないだろう。
 古代の学者達は,「だから,太陽や月もまるいし,太陽や月や星は円をえがいて地球をまわるのだ。」と想像した。
 古代ギリシャの学者たちは,円や球の美しさに感動して,その美しさを神様とか宇宙のしくみに結びつけて考えていた。
 しかし,その学者達にも納得がいかないことがあった。それは,円や球のまわりの長さや面積,体積を求めようとするとすんなりとはいかないことだった。
 円のまわりの長さは,直径のほぼ3倍である。これは,大昔から知られていたことだった。
 円の中にちょうどはいる正六角形を書くと,半径と正六角形の辺の長さが同じになる。半径×6=直径×3だ。円のまわりの長さは,その外側なのでそれより長いことは明らかだ。
 では,4倍なのだろうか。直径の4倍は,円がぴったりはいる正方形である。それより短いことは明らかだ。
「この世で最もバランスの良い形である円,そのまわりの長さなどがかんたんで美しい数字で表せないとはどうしたことなのだ。」と学者達はこまってしまった。
 それでも,2000年以上前に,アルキメデスという学者は計算することができた。だいたい直径の3.14倍が円周になると!
 中国だって負けていない。劉虐という学者によって3世紀半ばには,3.1416まで計算されていたのだ。
 日本の円周率の研究は,江戸時代のものだ。それには,3.16だと書かれていた。その後,3.16ではなく3.162277だとされた。これはなぜだろう。
 試しに,かけ算をしてみると良い。
 3.16×3.16= 9.9856
3.162277×3.162277= 9.999995824729
 10に近づくではないか。位の基本となる10に!
 日本の学者達も,円のような美しい形を表す数字には,何か意味がかくされていると考えたのだ。
 ところが,日本の学者もアルキメデスと同じ計算方法を見つけた。それで,円周率は3.1415926としなければならないことをはっきりさせた。
「3.16でなければ,円周率がただの割り切れない数になってしまう!」
 円周率が3.14だとわかったことは,多くの学者達にとってショックなことだった。
 話を300年ぐらい前まで進めよう。その時代になると,円周率を求める複雑な計算式が発見された。それで小数点以下72けたまで計算された。そこまでやっても,割り切れなかった。その200年後には,707けたまで。それでも割り切れなかった。その当時は,円周率をどれだけ正確にたくさんのけたまで計算するかという競争がはげしかった。
 しかし,円周率はどこまで計算しても絶対に割り切れないことがわかってしまった。今から100年ほど前のことだった。最もバランスの良い美しい形は,最もみにくい数字で表せることがわかったのである。
 コンピューターを使って,100億けたまで計算できるようになった現在でも,円周率はどこまで計算しても割り切れない数であることにかわりはない。
3.14159265358979323846264338327950288419716939937510582097494459230   まだまだ続く。 文献 板倉聖宣編著『ピタゴラスから電子計算機まで』(国土社) 発明発見物語シリーズ
     『平凡社世界大百科事典』 円周率,中国数学,劉虐

アルカリ性食品は体にいいの?
 酸性食品が体に悪いらしい。アルカリ性食品がよいらしい。体を弱アルカリ性に保つことが大切だ。酸性体質は生活習慣病のもとだ。
 良く聞くかもしれませんが,これらはすべて間違っています
 かつて,食品を燃やした残りを水に溶かし,それが酸性かアルカリ性かで酸性食品・アルカリ性食品を決めたことがあります。酸っぱい梅干しは,クエン酸などで酸性です。リトマス紙をつければ,赤く変化します。しかし,クエン酸は燃えて二酸化炭素や水になってしまうので,灰を水に溶かすとアルカリ性。よってアルカリ性食品に分類されます。肉類が燃えると酸性を示すことにより,酸性食品に分類されます。
 これだけ見ると,「肉類等の食べ過ぎの傾向がある日本人には,アルカリ性食品が必要なのではないか。」という印象を与えます。しかし,両方食べること,バランス良い食事をすることは,酸性食品だアルカリ性食品だとか言わなくても,生活の常識としてすでにあります。困るのは,「酸性食品は体に悪いので,食べてはいけないのではないか。」という誤解が広まることです。バランスの良い食事が大切なのに,肉類等を全くとらなくなっては逆効果です。
(菜食主義者の方は,肉類に代わる蛋白源,脂肪源を食べています。)
 人間の体の中では,食べ物を燃やしてしまうというような単純な変化ではなく,もっと複雑なことが行われています。今の学説では,とっくに酸性食品・アルカリ性食品という分類は意味のないものとされています。かつてはいろいろな国で言われてましたが,今でもこだわっているのは日本ぐらいでしょう。
 食べ物だけでなく,体質で「酸性体質」とか「アルカリ性体質」とか言うこともあります。では,血液はどうなっているのでしょうか。血液には二酸化炭素が溶けているため,弱酸性になっています。ただし,体液は全体的に弱アルカリ性になっているようです。人間の体は,食べ物によって酸性に傾いたりアルカリ性に傾いたりしたら,ちゃんと活動できなくなります。ですから,一定に保とうとするはたらきがあります。ホメオスタシスといいます。よほどな重病でない限り,体が酸性やアルカリ性に変化することはありません。
 バランスの良い食事をすることには意味があります。しかし,酸性だアルカリ性だとか言うことには,ほとんど意味がありません。日本も早くこのような俗説が駆逐されるように望みます。
 特にマスコミ関係者は,国民の知る権利を保障する自覚を持ってお願いします。
 食べ物によって体が酸性やアルカリ性に変化しないことは,百科事典にも載っている知識です。マイペディア,平凡社世界大百科事典などで確かめられます。
 
光がなければ色はない
 こんな会話調の読み物はいかが?
「ねえ,どうして竹の葉は緑に見えるの。」
「どうしたんだい,急に。そんなの,葉緑体があるからに決まってるじゃない
か。」
「でも,車で夜道を走ったとき見たら,緑に見えないじゃないの。色がなくなる
みたい。だから,ふと不思議に思ったわけよ。」
「そうか,それなら光と物との関係だね。じゃ,順番に説明するよ。月のことを
考えてごらん。月は何で見えるの。」
「それは,月があるからでしょ。」
「そうだね,見えるためには物がないとだめだ。でも,月があっただけじゃ,見
えないよ。月は光を出しているわけじゃないからね。」
「そうよね,月は太陽の光を反射していると聞いたことがあるから,光が当たっ
て反射しなきゃいけないのね。」
「だから,月は光を反射した部分によって,いろいろな形になるわけ。満ち欠け
だね。太陽から出た光が月に反射して,その光が目にはいるから見えるんだ。じ
ゃ,月は何色の光を反射していると思う。」
「えっ,ちょっと難しいわ。」
「簡単だよ,月は白く見えるから白色の光を反射しているんだよ。」
「なあんだ,単純ね。」
「それじゃ,竹の葉が見えるわけを説明してごらん。」
「分かったわ。太陽から出た光が,竹の葉に反射して,その光が目に入って見え
るわけね。ん?何か変じゃないの。鏡ならともかく,竹の葉が光を反射するの。」
「真っ暗な部屋に竹の葉を持っていって,スポットライトのような強力な光を当
てると,何と部屋が緑っぽくなるよ。竹の葉は緑の光を反射しているわけだ。」
「へえ,本当にこんなのが緑の光を反射しているのね。じゃ,残りの色はどうな
るの。」
「吸収するわけだよ。プリズムで光がいろいろな色に分かれるのを見たことがあ
ると思うけど,太陽の光は元々たくさんの色が混じって白くなっているんだ。」
「それでわかった。竹の葉は,赤とかの光を吸収して緑の光を反射するから緑に
見えるのね。」
「その通り。じゃ,カエデの葉が紅葉して赤く見えるわけは分かるね。」
「応用問題じゃないの。赤以外の光を吸収して,赤の光を反射するからよね。じ
ゃ,寒いときに黒っぽい服を着るのは,光を反射しにくくてドンドン吸収するか
らね。」
「冴えてるね。逆に夏の白い服は,光を反射して吸収しにくい色なんだ。」


 ノーベル賞のプラスチック
「今年のノーベル賞で,日本人が何の研究をしてもらえたか知ってるかい。」
「プラスチック!」
けっこう知っている人は多いようです。
 でも,このプラスチックのすごさまで知っている人は,あまりいないかもしれません。このプラスチックは,電気を通すプラスチックなのです。
 プラスチックは,ぞうげの代用品としてのセルロイドが元祖です。その後,ベークライトという「電気を通さない部分」の部品を作るために作られました。
 プラスチックは熱するとやわらかくなり,どんな形にでもすることができました。この性質が,工業にぴったりで,以後たくさんのプラスチックが作られるようになったのです。
 4年生だと,「金属が電気を通す」ということを勉強してきています。わたしは,「金属はピカピカびりびり」と教えます。
 ピカピカしているところは,必ず電気を通すのです。通さないところは,ヤスリをかけてやればよけいな物が取れ,電気が流れます。
 ところが,プラスチックは,ピカピカしていません。金属光沢はないのです。どう考えても,電気を通しません。でも,どんな形にでも簡単に作れるプラスチックが,電気を通したらすごい物ができるはずです。
 そんなゆめのようなことをやってのけたのが,今回のノーベル賞の研究です。
   文献 大沼正則編『化学工業の発明発見物語 鉄からプラスチックまで』(国土社)

20世紀最後のしし座流星群
 寒い中,今年もしし座流星群観察にちょっと参加しました。
 2000年のしし座流星群は,99年に大量に流星が降ってしまったので残りしかありません。大した数は期待できません。それに,月明かりに邪魔させます。
 そこで,場所は,いろいろ考えた末,自宅の庭。北から東にかけて屋敷森や倉があるので,昇ってくる月がかくれるからです。
 新聞紙をしいて,寝ながら見ました。
 (流れ星の観察は,寝ながら行うのが基本です。立っていると疲れます。肩がこります。お馬鹿さんみたいに口が開いてきます。)
 0時11分 強力なのが飛びました。東から西に向けて,オリオン座と大犬座
      の間を突っ切っていきました。明るさは1等星か,それ以上でした。
      長く地面と水平に飛んだので,印象的でした。
 0時19分 今度は,天頂から東の方に。明るさは1等星ぐらい。短くスパッ
      と燃え尽きました。場所は双子座。二人にまとめて「胴あり!」と
      いう位置に。
 待っている間に,双眼鏡ですばるやヒアデス星団。それにオリオン大星雲などを双眼鏡で眺めてました。でも,寒いし月明かりが目にはいるようになってきたので,これにて退散。
 ちょっとの時間でしたが,見えて良かったですよ。
 同じ流れ星を見た方,ぜひメールをください。 メール
 ちなみに,2001年は,月なし.日曜の早朝!そしてある説では,1時間あたりなんと1万5000個飛ぶとの予測がでています.(日本を含む東アジアで) 国立天文台ニュースにのっています.


UFOに間違えられる星 金星
 2000年10月,午後6時半から7時ごろ,西の空に明るい星が見えます。この星は相当明るいですから,初心者でも簡単に見つけることができます。人によっては,「一番星」と呼ぶかもしれません。
 その星は金星で,別名「宵の明星」と言います。文字通り明るい星で,太陽,月の次に明るいのです。望遠鏡で見ると,いろいろな形に見えるので楽しい星です。
 あまり明るいので,「UFOではないか」と騒がれることがあります。確かに,飛行機とは違って動かないし,普通の星とは違って瞬かないので,惑星を見慣れていない人にとってはおかしな物に見えるのでしょう。
 その点,昔の人はよく星を見ていたらしく,水,金,火,木,土星の五大惑星を注目していました。古代中国には,「物は何でも5つの物がくみ合わさってできている。その5つとは火,水,木,金,土だ」という五行説がありました。偶然明るい惑星は5つしかなかったので,五行の名前を当てはめたのです。金星は大白星という言い方も昔はしました。
 ところで,「火,水,木,金,土」は,どこかで聞いたことがありませんか。そうですね,これは曜日です。金星より明るい太陽(日)と月を加えれば,曜日になります。
 このように,惑星の名前や曜日と古代中国の五行説は深く関わっています。意外にも剣道にも五行説が関わっていて,5つの構えに火,水,木,金,土の名前が付いています。上段の構えが「火の構え」と呼ばれます。
 金星の大気は,地球の温暖化に示唆を与えてくれます。金星の大気はほとんどが二酸化炭素です。それで表面の気温が500℃近いのです。この気温は金星よりずっと太陽に近い水星の気温を上回ります。
 地球でも二酸化炭素の増加で温暖化が起きると言われています。金星のことを考えると,二酸化炭素の問題は,地球に大きな影響を与えることが予想できますね。温室効果ガスというのは,デタラメではないのです。
 そんなことを考えながら,金星を見てみましょう。ただの一番星が,地球環境を考えるきっかけにもなりそうです。

肥料と毒ガスとアオコ
 肥料と毒ガスとアオコ,この3つに共通点があります。「アオコから毒ガスが出るはずないよ。出たのはガスではなかったはずでは。」と結論を急がないでください。実は,肥料と毒ガスには,深いつながりがあったのです。
 話は第一次世界大戦当時のドイツのことになります。ドイツは,チリ硝石の輸入が止められて,大変なことになりました。チリ硝石は,窒素肥料の原料です。これがないと,植物はタンパク質を作ることができず,したがって農作物の収量が極端に落ちて食糧不足になります。
 窒素肥料は,アンモニウムイオンもしくは硝酸イオンで,窒素原子を含みます。空気中にいくらでもある窒素分子では肥料になりません。空気中の窒素分子からアンモニアを合成できればよいのですが,それは不可能に近いことでした。
 その不可能を可能にしたのが,F・ハーバーという科学者でした。空気を三百気圧というすさまじい圧力をかけ,爆発の危険におびえながら(何度か工場を爆発させているらしい)アンモニアの合成に成功したのです。
 数万人の軍隊がチリ硝石の輸入を止めた連合軍に,たった1人のドイツの科学者が立ち向かって勝利したのでした。そのハーバーは,熱心な愛国者で「悪魔に魂を売っても,ドイツに勝利を」という人でした。そして,塩素ガスの兵器開発に中心となって関わりました。そうです。毒ガス兵器の開発者になったのです。人の命を救う肥料の開発と毒ガスの開発を,1人の科学者がやっていたのです。
 ハーバーの奥さんは毒ガス開発に断固反対し,自殺して夫に抗議しました。その後,ドイツは敗戦を迎えます。妻と祖国を亡くし,失意のどん底にあるハーバーのもとにノーベル賞受賞の知らせが届きました。もちろん,アンモニア合成の功績のためです。農地が荒れた戦後には,肥料が多くの人々に求められていたのです。ハーバーのアンモニア合成法は,ドイツはもちろん全世界の農業生産を向上させました。一躍英雄となったハーバーですが,ナチスが政権につくとドイツを追放されてしまいます。彼はユダヤ人だったのです。
 その後,アンモニアはふんだんに使われ,肥料になっていきました。昔,肥料の代名詞といわれた硫安は,硫酸をアンモニアで中和したものです。その硫酸は,石炭・石油を燃やして出る亜硫酸ガスから作ります。こうして化学肥料が安価に出回るようになりました。
 霞ヶ浦に流れ込む窒素が,アオコ発生の原因です。その窒素は,空気中の窒素分子ではなく,窒素原子を含むアンモニウムイオンや硝酸イオンなどです。ハーバーの発明は食糧危機を救いましたが,その弊害で湖の富栄養化が起きているのです。


しし座流星群を見よう
 あまりマスコミは騒いでおりませんが,しし座流星群を今年も見てみませんか。流星群は毎年同じ時期に見られるものです。去年だけ見られるというのではなく,数は少ないにしても毎年見られます。ただし,寒さ対策はしてくださいね。
 98年は11月17日がピークでしたから,今年もその日前後にピークを迎えます。残念ながら,数は少ないでしょう。1時間に30個見られたらいい方かなあという気がします。(流星の予想は難しく,正確なところは分かりません。)
 
 この種の情報は,いろいろなところから入手できます。もし,インターネットを使える状況でしたら,次のところを見てください。
http://www.starclick.co.jp/ ここでは,季刊の雑誌(CD-ROM)を作っています。700円+税+送料で,きれいな画像を含めた情報が入手できるのですから,安いものです。(このホームページだけを見るのでしたら,無料です。)
 
星空の連帯のページも,ぜひ見たいです。話題の星の解説があります。
 アストロアーツのページには,今月の星座の図が載っています。

 
なぜ原子力にこだわるの?
 JCOの事故は,茨城県に多大な影響を与えました。しかし,最近,原子力のPRをする新聞広告が目に付きます。「原子力はいらない」という人もいますが,どうして原子力が推進されているのでしょうか。
    参照 原子力資料情報室のサイトへ
 まず,ウランは石油と違って工業用原料にならないので,発電に使う以外に利用法がないことです。これに使わなければ,兵器にするしかありません。
 次に,石油の残りが少なくなっていることです。あと40年前後でなくなると言われています。現在,火力発電所を建設するとき,石油火力発電所は許可になりません。石炭かガスを燃やす発電所なら許可になります。石油は本当に残り少ないのです。
 第三に,高速増殖炉が完成すれば,1000年もの間発電し続けられると考えているからです。ウランは70年,石炭は230年でなくなると言われていますが,プルトニウムを利用するとなればかなり長い期間発電することができるはずなのです。
 もんじゅの事故で挫折しかかっていますが,日本が高速増殖炉をあきらめないのは,この夢のエネルギーを手に入れるためです。
 太陽電池があるではないか,という人がいます。コストがかかるけど,必要な電力を確保できればよいでしょう。ところが,日本の建物の屋根すべてに太陽電池パネルをつけても,日本で必要な電力の3%しか賄えないと電力会社では計算しています。太陽電池だけに頼れば,今までの生活の97%は我慢です。
 反対派は,安全確保の問題を挙げています。今回の事故のようなことが起きてはなりません。事故が起きたら周辺の被害は火力発電所の比ではありません。風評被害だけでも大変な額になりました。
 また,これが最大の問題なのですが,廃棄物の処理ができないことです。日本には廃棄物の最終処分地はありません。できたとしても,ただ保管するだけで解毒処理などをするわけではないのです。放射性物質は,煮ても焼いても毒なのです。しかも,一カ所に固めといたら,また危険な状態になります。
私たちができることは節約でしょうけど,他に何かないか考えてみてはどうでしょう。
  JCOの事故の詳細 (アサヒコムのトップページからたどってください。茨城新聞のサイトでも特集を組んでます。


霞ヶ浦周辺の低地と台地
 茨城県行方郡玉造町は,台地と低地とに分かれます。霞ヶ浦ふれあいランドのあるのが,低地です。低地は主に水田があるのでわかります。台地は坂の上。B&Gなんかがそうです。
 それらの土地は,どうやってできたと思いますか。
 5〜6000年前は縄文海進といって,温暖化した地球の氷河がとけて海の水が増えていました。それが現在の陸地に入り込んでいました。
 玉造町はそれが非常にわかりやすくなっています。台地が当時の陸で,坂を下りたところにある低地が当時の海(霞ヶ浦)でした。
 では,玉造西小のすぐ下の地層(台地)と,玉造町駅のすぐ下の地層(低地)では,どちらの方が古いでしょう。
 小川南中の3年生の授業では,生徒たちがこんな議論をしていました。
・低地 地層は下からできてくるので,下の方にある低地の方が古いと思う。
・多分,地層ができあがってから浸食を受けて,けずりとられたのが低地の地層だと思う。削られて古い地層が出てきたのだと思う。
・台地 台地だから,縄文時代にも陸だった。つまり,縄文時代にはすでにできていた地層だから古いと思う。
・台地から土砂がくずれてきて,低地の方にたまったので新しい地層といえる。
 現在のところ,定説はこうなっています。
 海だったところに砂などが堆積して,地層ができてきました。
 それがあるとき,氷河期といって気温の低い時期がやってきました。玉造町で言うと,全体が陸地になり,今の低地の部分は蛇行する川によって浸食を受け,削られて低くなりました。そのあと,地球は温暖化し,氷河がとけてその水が海を広げた。海がここまで入ってきました。(縄文海進)海があったら,そこでは堆積作用があります。
 低地には,新しい土砂が堆積し,新しい地層ができました。谷津田は縄文海進の時に堆積した比較的新しい地層なんです。台地の方が古い地層です。
 坂を上り下りしながら,縄文海進の時代,氷河期の様子を想像すると楽しくなります。

 冬の第六角
 冬の星空は,明るい星がたくさん集まってにぎやかです。オリオン座を中心とする冬の第六角を見つけてみませんか。寒いので,夕方の6時から7時頃,5分ぐらい見てみましょう。
 オリオン座は見てわかりますか。それを中心に話を進めるので,三つ星のオリオンを見つけられるようになってくださいね。
 オリオンはギリシャ神話で言うと狩人です。お供に犬を2匹連れています。オリオン座のすぐ左下が大犬座,もう少し左が小犬座です。
 オリオンは右上に見える赤い星を中心とするおうしと戦います。おうし座のアルデバラン,すばるはとてもきれいですので,是非双眼鏡などで見てみましょう。
 牛がオリオンに追われて逃げ,大犬,小犬が追いかける,だから星は東から西に動いて見えるのだ,なんてこじつけた話もあります。
 オリオンの左上には,ポルックス・カストルという明るい二つの星がある双子座が見られます。さらにその右上にはカペラを中心とする5角形のぎょしゃ座があります。その右下は,おうし座です。こうしてオリオンを中心に一周するのを,冬の第六角と言います。(正確には,リゲル,シリウス,プロキオン,ポルックス,カペラ,アルデバランという一等星の作る形を冬の第六角といいます。)
  星空の連帯のページへ

二酸化炭素の融点
Q.二酸化炭素の融点は−57℃,沸点は−79℃と表に書いてありました。これは本当ですか。沸点の方が低い温度というのは,どうも変だと思うのですが。
A.これはミスプリではありません。
 普通,温度が低いときには物体は固体です。それが融点になると,固体でいられなくなります。普通は,液体になります。また温度が上がって沸点になると,液体でもいられなくなり,気体になってしまいます。
 ところが,二酸化炭素の場合は特別で,融点を超すことは,沸点を超すことでもあるのです。つまり,固体が状態変化していきなり気体になります。
 ドライアイスが二酸化炭素の気体を出して浮き上がる,なんてことを見た人もいるかと思います。
 さて,では,二酸化炭素は液体にならないのでしょうか。
 気体はバラバラビュンビュンですから,その分子をくっつけてしまえば液体になります。普通は,温度を下げて分子運動のスピードを落としてやればベタベタくっつきます。
 ところが,二酸化炭素を液体にするには,その方法が使えません。ですから,無理矢理くっつける方法を採ればよいのです。具体的に言えば,丈夫な注射器に二酸化炭素を入れて,思いっきり押し縮めるのです。そうすれば,分子同士がくっついて液体にできます。

燃料電池と太陽電池
Q.石油がなくなったら,燃料電池を使うというのはどうでしょうか。

A 燃料電池は,仕組みとしては簡単です。水を電気分解できます。ですから,分解の反対で化合させれば電流が流れるという理屈です。
 つまり,空気中にいくらでもある酸素と,水素を用意すれば,発電できます。しかも,通常の電池と違って水ができるだけですから,毒物処理の問題もたいしていりません。普通の電池には強力なアルカリを使ってあったりして,結構危険なのです。
 この電池,すでに30年以上前からロケットで使われていました。燃料の水素,それに酸素,燃やしながら発電しました。アポロロケットの電気は,燃料電池でまかなったのです。宇宙に飛び出した後には,燃料電池でできた水を飲んでいました。
 しかし,この燃料電池のネックは水素です。水素を用意するのに塩酸とアルミニウムを使ったら,意味はありません。みなさんは,アルミニウムがたくさんの電気を使って作られることを知っているでしょう。原料がたくさんの電気を使っていたら,意味がないのです。
 結局,
(それを作るのに必要なエネルギー)<(得られるエネルギー)
になっているか,きびしく見ていかなければなりません。(現時点では大丈夫ですが,発電できる量はきわめて少ないため石油などの代わりにはなりません。)
 太陽電池も,クリーンなイメージがあります。しかし,ヒ素と言う猛毒を使わないと製品ができないこと(廃棄物の問題も大きい),発電の量が少なく,コストも高いという問題点があります。
 新しい技術開発も大切ですが,発想の転換でできるだけ無駄遣いをしない方に物事を進める方も大切です。
 ちなみに,日本では石油の5割が工業用の原料になります。2割が発電用で,残り2割が自動車などの燃料。残りがその他,暖房用などです。使い捨てでなく,リサイクルを,というのは大切なことなのではないでしょうか。

もくじ  UFOに間違えられる星 金星    肥料と毒ガスとアオコ  しし座流星群を見よう  なぜ原子力にこだわるの?  霞ヶ浦周辺の低地と台地  冬の第六角   二酸化炭素の融点  燃料電池と太陽電池   パスツールと自然発生   一人で生きられる生物   宇宙の果て   硫酸銅が手についたら  川の下流が広くなるわけ  夏休みの科学研究  様々ないわくのついた星−火星  どうしてバカなの


パスツールと自然発生説

「何かうまい工夫はないものか。」
 こうつぶやいているのは,「白鳥の首」と呼ばれるフラスコで,微生物といえど親がいることを証明したパスツールである。
 パスツールの活躍した時代,自然発生説が学者達の間でも信じられていた。自然発生説というのは,親がなくても別な物から子孫が生まれ出てくるという考えである。ネズミや貝のような大きな動物が自然発生することは,徐々に否定されてきた。しかし,顕微鏡でしか見えない微生物に関しては,自然発生説は生き残っていた。
 だが,スパランツァーニが,微生物にも親が必要なことを証明しようと立ち上がった。「水の中とかからひょっこりと微生物がわいてたまるか」と実験を考えた。それは,フラスコの肉汁を長時間加熱殺菌して,ガラスで封をすると腐らないという物である。今でいう瓶詰めのような物で,微生物の自然発生説を否定していた。
 これで論敵は沈黙すると思ったが,さにあらず。「空気が加熱されたことにより,変質してしまった。微生物の発生には,生の空気が必要なのだ。」と言って自然発生説を固持した。
 パスツールは,我慢がならなかった。「生きてない物からひょっこりと生物が生まれてたまるか。そんなことを吹聴する連中は許せん!」科学者の研究意欲は,真理を求める知的正義感である。正しい考えが否定されるのを,黙って見ているわけにはいかないのだ。
 しかし,困った。殺菌するのに加熱が必要だ。だが,加熱してない空気にも触れさせなければならない。空気には微生物が混じっているから,それでは腐ってしまう。
 若いパスツールに,バラール(臭素の発見者)がアイディアをさずけた。バラールも自然発生説反対派である。「微生物が落ちてこないように,フラスコの口を下に曲げればいいではないか。白鳥が水を飲むときに下を向くけど,あのような形にしてごらん。」このアドバイスで,フラスコがすぐに加工された。
 そして,加熱した後,外気が入ってきてもスープが腐らない,というフラスコができた。どんな生物にも親がいることを,パスツールは高らかに宣言したのだった。そのフラスコは,現在パスツール研究所におかれていて,中身はまだ腐っていない。
http://ss.niah.affrc.go.jp/~ah-001/pasteur.html でもその写真を見ることができる。


一人で生きる生物はいない
地球に最初の生命が誕生した頃、その生物はどのような生活をしていたでしょうか。
 その問いに答えるのに、「何を食べていたか。」「どうやって、子孫をふやしていたか。」を考える人は、生物がよく分かっている人です。
 生物は、すべて、「食べる」「ふえる」という特徴を持っているからです。
 最初の生物は、アメーバのような生物でした。
 周りにある有機物を食べていました。それで、分裂(無性生殖の一種)で子孫を残しました。
「なんだ、それではタイトルとは違うではないか。最初の生物は、一人で生きていけるではないか。」と思う人もいるでしょう。
 ところが、最初の生物には、致命的な欠点があったのです。
 それは、地球にある有機物を食べていることです。
 その有機物があるうちは良いのですが、食べた分は必ず減ってしまいます。
 いくら子孫をふやしたとしても、そのうちに食べ物がなくなって全滅することは、目に見えています。
 でも、長い年月のうちに、最初の生物から進化した生物が現れました。
 その生物は、無機物から有機物を作れる生物でした。つまり、光合成をする生物です。最初のは、単細胞の小さなものでしたが、それでも光合成のはたらきはちゃんとしていました。
 そうなると、無機物さえたくさんあれば、植物はどんどんふえて無敵のようです。古代の大気は、二酸化炭素がほとんどでした。だから、いくらでも二酸化炭素を使っていけそうです。しかし、そうはいきません。
 光合成の副産物で出来る酸素は、オゾン層を作ったりして良いのですが、生物の体と化合してしまうと燃えたと一緒のことですから、困ったことになります。それに、二酸化炭素もそのうちになくなってしまいます。
 ですから、子孫をどんなにふやしても、絶滅の危機が待っています。
 でも、長い年月のうちに、酸素を消費して二酸化炭素を出す生物が進化して現れました。酸素呼吸をする生物です。
 それまでの呼吸方法は、酸素を必要としませんでした。それでも、何とかエネルギーを取り出せたのです。酸素という化学変化しやすい物質を使う呼吸は、大きなエネルギーを取り出せるようになります。体を成長させるだけでなく、動き回るのに必要なエネルギーが得られるようになります。
 こうして誕生したのが、動物です。植物も、二酸化炭素を供給してくれる動物なしには生きられないのです。
 動物は、一人で生きていけるのでしょうか。もちろん、食べるものがなければ生きられません。ですから、動物のえさになる植物がなかったら、飢え死にします。肉食動物も、餌になるのは草食の動物です。ですから、植物がないと、めぐりめぐって飢え死にするのです。
 ところで、植物は、二酸化炭素と水さえあれば生きていけるのでしょうか。いいえ、そうではありません。窒素、リン、カリウムなどの無機物が必要です。これがなくなると、植物以下すべての生物が全滅することになります。
 そこで忘れてはならないのが、動植物の死体を食べて無機物にしてしまう分解者という生物です。キノコやカビの仲間です。分解者がいるらか植物が生きていけるのです。それで、めぐりめぐって、すべての生物が生きていけます。ただし、生産者も消費者もいないところでは、分解者はえさをとることが出来ません。すべての生物は、一人では生きていけないのです。
 最近、砂漠化が問題にされています。植物も生えていない砂だけの土地。ここには、生産者はもちろん、消費者も分解者も生きていません。一度こうなってしまうと、簡単には元に戻りません。生産者も消費者も分解者もそろうまで、長い長い年月がかかるのです。現在、生物が生きられない土地=砂漠が人間の手によって広げられています。

宇宙の果て
 宇宙に果てはあるのでしょうか。
 あります。
 宇宙は約100億年以上前(120〜150億年とも言われます)に,ビッグバンで始まりました。針の先より小さなところから始まり,現在でもどんどんふくらんでいるのです。
 でも,「果てがある」ということと,そこまで行けるということとは別です。宇宙で一番遠いところは,光の速さで100億光年以上離れています。さらに,今でもどんどん遠ざかっています。
 1光年は約10兆kmです。その距離だって,地球の直径の何倍になるか計算してみてください。(地球の直径を約一万kmとしてみましょう。10兆÷1万=    )
 とんでもない距離だと分かるでしょう。その100億倍ですから,想像ができないでしょうね。私もできません。
 つまり,宇宙に果てはあるのですが,私たちの感覚ではそれは無限大に遠いところにあります。

硫酸銅が手についたら
Q.硫酸銅が手に付いたら,水洗いをします。そのとき,硫酸銅が流れていってしまうわけですから,他の生物が死んだりしませんか。
A.銅の化合物(○○銅という名前が付いている)は,たいがい毒です。足尾銅山の鉱毒も,○○銅の仲間が原因です。銅の毒性が強いところは,今でも砂漠化しているといいます。
 こういう物を流しに捨てると,下水処理場に流れ込みますが,そこで問題が起きます。トイレの中身はそこで微生物に食べられてきれいになりますが,硫酸銅はそのまま残ります。量によっては微生物を殺してしまうこともあります。
 下水処理場に流れ込む前に処理しないと,これは大変ですね。ですから,私は硫酸銅が流れ込むおそれがあるとき,酸化鉄をあらかじめ流しておきます。実は,これで,銅の毒がおさえられるのです。酸化鉄は,鉄のさびのことです。つまり,流れる途中に鉄のさびがあれば,同様のことが起きます。
 ですから,手洗い程度のことなら,問題はありません。
 ただ,手洗い程度のことでも,環境のことを考える姿勢はすばらしいと思います。
 ちなみに,銀は安全ですが,○○銀は毒です。硝酸銀も危ない危ない。しかし,これが食塩で白くなった状態なら,流してもそれほど問題のない状態になります。

川の下流が広くなるわけ
Qなぜ,川の上流の方が流れ方が速いのに,せまいの。
 ぎゃくに,川の流れのおそい下流の方ははばが広いの。
Aかんたんに言うと,水の量のちがいです。
 上流の山を流れる水の量は,たいしたことはありません。
 少しの水が速く流れるのですから,けずるはたらきが大きいことは分かりますね。
 そしたら,少ししかない水がけずるのですから,底の方しかけずれません。Vの字の底に水が流れて,底がますます深くなっていきます。
 山を水がけずって谷ができますが,それは流れの速い水のためです。
 そんな谷川がいくつか集まって中流の川になり,水の量がふえてきます。
 水の量がふえ,流れがゆっくりになって底をけずらなくなれば,わきをけずっていきます。それで,川のはばも広くなっていきます。
 小貝川と鬼怒川が合流して利根川に流れ込みますから,利根川はかなりはばの広い川になることが分かるでしょう。
 そのような下流に行くと,水の量はありますが,ほんの少ししかかたむいてないのでけずるはたらきは小さくなります。
 海にどんどん砂や土を運ぶだけになります。
 もしこれが速い流れなら,底をどんどんけずって深くなっていくことでしょう。でも,けずって深くなるほど流れは速くないのです。
 まとめます。
 水の量が少なくて底をけずる上流では,深い谷ができます。
 水の量が多くて底をけずらない下流では,横に水が広がってけずっていき,広い川になります。
    流れが速いときには深くけずり
    流れがゆっくりの時には,幅が広がるようにけずる


夏休みの科学研究
 夏休みの科学研究は,けっしてつらいものでも大変なものでもありません。できるだけおもしろテーマを見つけ,観察・実験を楽しんでください。
 観察・実験をした後は,模造紙に書いたりする必要はありません。ノートに記録を残せばよいのです。(町の作品展に出す人だけは,主論文,掲示物を作るようになります。これは,後で担任の先生に相談してください。)
「校内展に出して,面白い実験をみんなに紹介すればいいや」という人は,ノート1,2ページ分。町の作品展に出品したい人は,できるだけたくさん記録を書いてください。

提出するもの
◎実験や観察の記録を書いたノート(野帳)←必ず
  自分のやったこと,その結果,自分が思ったことなどを自由に書き
 ます。
○実験や観察の写真(デジカメ可)←あれば
○実験や観察に使った道具,作ったもの←あれば

<テーマ例1 面白そうな実験をやってみよう>
・電子レンジで押し花を作ろう
・空きかんのオカリナ作り
・牛乳パックから紙作り
・巨大シャボン玉を作ろう
・紙で作るブーメラン
・スライム
・原始火起こし
・食塩の結晶
・牛乳パックでとうふ作り
・ぷーっとふくれるカルメ焼き
・アサガオの色水遊び
・ドクダミを色水でそめよう
 理科室にやり方がかかれているプリントがあります。おうちの人と読んで,やってみましょう。
 プリントの通りやってどうだったか,特にうまくいかなかったことをしっかり書いてください。みんなが失敗しないように,詳しく解説が書ければ立派な研究になります。
 うまくいったら,改良しましょう。「もっと大きくできないか」,「もっと小さくできないか」,「もっと簡単にできないか」,「もっと別な材料でできないか」など,工夫してどうだったかを記録しましょう。
<テーマ例2 本やテレビの実験で面白そうなものをやってみよう>
『子どもにうける科学手品77』など,科学実験に関する本はたくさん出ています。『子どもの科学』にも実験特集があります。また,自由研究のやり方を書いた本もあります。
 NHKの「やってみよう何でも実験」や日本テレビの「伊東家の食卓」などの実験を真似てやってみてもいいです。
 インターネットで,面白い実験を調べてもいいですね。
まずは,その通りにまねしてやってみます。
次には,いろいろ工夫してみてください。
<テーマ例3 教科書の実験をもっとやってみよう>
 5年生の微生物の観察,6年生のものの燃え方,でんぷんの実験,4年生の電流の実験,太陽電池を使った工作など,理科室を使ってやりたい実験があったら,やってみよう。
 教科書には,自由研究のヒントが書いてあるので,それをやってもいいです。
 理科室や顕微鏡,太陽電池パネルなどの道具を使うときには,担任の先生か宮内(主斗)先生の許可が必要です。
○町の作品展に入選をねらうなら,このテーマが一番です。
<テーマ例4 宇宙をながめよう 流れ星>
 8月12日前後何日かは,毎年流れ星のたくさん見える日です。ペルセウス座流星群といいます。
 今年は月が明るくて条件が悪いのですが,どのくらい見えるでしょう。過去十年では1時間に60個ほど流れ星が見られた年もありました。しし座流星群よりも,見応えがありました。
 30分ごとに何個流れたか,記録を取ってください。
<テーマ例5 科学館や科学のイベントに参加しよう>
○工業技術院一般公開(つくば市) 7月後半 荒川沖駅から無料送迎バスありで,研究者がいろいろな実験を公開します。
○青少年科学の祭典 東京科学技術館 参加費無料 7月後半から8月
 その他,科学博物館・水族館・動物園・植物園のたぐいの見学レポート
 茨城県ミュージアムパークは宿題解説をしてくれます
<テーマ例6 生物の精密スケッチ>
 動植物のスケッチをしてみましょう。理科室にある見本のように,ていねいに描いてください。1枚描くのに5時間ぐらいかかるかもしれません。ですから,動かないものを選んだ方が,描きやすいです。(見本のレベルで描けそうにない人は,このテーマを選ばないように。)
すばらしい作品は理科室に掲示しますが,このテーマでは町の作品展には出せません。
<テーマ例7 科学の読書>
 科学の本には,面白いものが多くなりました。次の著者のものがお薦めです。
 板倉聖宣,かこさとし,米村傳次郎,江川多喜雄,黒田弘行,左巻健男
 他に,シートン動物記をお薦めします。
読んだら,内容をみんなに知らせる文章を書いてください。ノート1ページ程度です。読書感想文(国語)の方に提出してもいいです。
○本のマネをするのは,悪いことではありません。でも,マネをしたことをごまかすのは悪いことです。
  

様々な曰くがついた星 火星
 SF小説にタコのような体をした「火星人」が紹介されて以来,火星には生物がいるのではないかという話があります。何度となく話題に上りますが,現在では否定されています。それに,今年はノストラダムスの予言というのがマスコミで騒がれています。本人は,「恐怖の大魔王がなんたら」,「その後火星が支配する」と書いてます。何のことやら??でも,世界が滅亡するなどとは一言も書いてないと分かります。
 古本屋さんで昔に出たノストラダムス関係の解説書を読むと,1999年7月を前に,第三次世界大戦が起きる,大阪で核爆発が起こるなどという誰が読んでも「はずれてるじゃないか」という内容がたくさん書いてあります。それなのになぜか,「99%の確率で当たっている」といっている人たちがいるんですから不思議です。このへんを詳しく知りたい方は,『トンデモ超常現象99の真相』(洋泉社)などが参考になります。
 ノストラダムスの予言というのは,当たったように見せかける技を高度に使ったトリックです。また,マスコミなども視聴率稼ぎでそれに合わせているところがあります。信じてしまって,「どうせ世界は滅亡するんだから,どうでもいいや」と自暴自棄になってしまう人が出てしまう悪影響を考えてほしいものです。
 さて,5/2に地球と火星がかなり接近しました。そのため,晴れた夜8時過ぎに空を見れば,赤く明るい火星は誰でもよく分かる輝きをしています。つまり,見れば必ず見つけることができます。
 さらに,今年は,火星が乙女座の一等星スピカのすぐ近くにあります。白いスピカと赤い火星が仲良く並んでいる姿は,とても見応えがあります。
 赤い色が血の色を連想し,火星は戦争を予感させる星と昔は言われました。火星Marsは,軍神マルスを意味します。古代日本でも,災星と呼ばれたことがありました。『火曜日は火の用心』(国土社)という本がありますが,その程度の迷信だったら許せたのにと思います。(この本は,迷信のことも詳しく解説していておもしろい本です。)
 火星は赤い色が物騒な連想を呼んだだけで,見ていてはとてもきれいな星です。赤い光が恐ろしくては,赤信号で落ち着いて止まっていられませんよね。

どうしてバカなの ちょっと哲学的な問題
「私はどうしてバカなの」という質問が,中学3年生からありました。
答えは,「私もバカですので,お互いにがんばりましょう。」となります。 この問題は,「バカとは何か」をきちんと考えないと,バカな答えしか出ませんので,この問題から考えることにします。
 国語辞典で引いてみると,面白い答えが出てきます。一度引いてみると良いでしょう。新明解が,一番面白いです。
 ただし,現実問題としてどういうことがバカなのかを具体的に調べないとはっきりするものではありません。
 私はパソコン通信の会議室では,ずいぶんバカな部類に入ります。企業の研究部にいる人の知識と比べると,理科教師の科学の知識なんて勝負になりません。いままで何度誤解を訂正されたり,知識の不足を指摘されたことか。つまり,科学研究の最先端からすれば,理科教師は相手にならないくらいのおバカさんなのです。
 ただし,「だから問題になるのか?」となると,そうとも言えません。私は,そういう人達と『ダイオキシン100の知識』という本を作りました。そんなときには,ダイオキシンに関する最先端の研究を理解する必要がありました。でも,それ以外の時には,バカでも不自由はしません。何でもかんでも最先端の研究成果を知る必要はないのです。知りたいことがあれば,教えてもらえば生きていけます。
 今世紀最高の天才といわれるアインシュタインは,自分の家の電話番号を知らなかったと言います。普通の人から見れば,救いようのないほどのおバカさんです。でも,本人に言わせれば,「電話帳で調べれば分かることを,何で覚えなくてはならないんだ。」と,困った様子はありません。世の中,バカでも不自由しないのです。
 このように,おバカさんであっても困らなければ問題はありません。例示として私とアインシュタインを並べてさらりと書いてしまうあたり,自分の図々しさが見えてしまってバカだなーと思いますが,まあいいでしょう。
 ようするに,人生は,何に関してバカになるかを決めることだと思うのです。例えば,町内のそば屋さんは,その仕事に関する知識はすさまじいものです。天ぷらそばの天ぷらの揚げ方は,「なるほど」と思います。家庭で揚げるのとは違って,大きなサクサクの衣がついています。あの衣をつける揚げ方は,工夫の産物です。仕事をしている人はどんな仕事でも,その専門性を生かして,プライドを持ち,世の中の役に立っているのです。でも,それ以外のすべての分野ですごいわけではないですよね。
 中学卒業後,商業高校に進むと,簿記など経理の仕方を勉強します。工業高校に進むと,工業の実習をします。つまり,自分にとって詳しい専門分野ができますね。でも,工業を選んだ人は,商業で賢くなる可能性を捨てているわけです。自分に合った道を選ぶというのは,選んだ以外の事に関してバカになると決めることなのです。
 このように,「私はどうしてバカなのでしょう。」と悲観することは,とてもバカなことです。世の中誰でもバカなのですから。得意な分野もあれば,不得意な分野もあって当然なんです。
 ただし,私としては,細かいことは別にして,中学理科で勉強する原子のこと,生物のことなんかはきちんとすべての日本国民が理解してて欲しい,そうすれば世の中もっと良くなる....と思っています。 
UFOに間違えられる星 金星    肥料と毒ガスとアオコ  しし座流星群を見よう  なぜ原子力にこだわるの?  霞ヶ浦周辺の低地と台地  冬の第六角   二酸化炭素の融点  燃料電池と太陽電池   パスツールと自然発生   一人で生きられる生物   宇宙の果て   硫酸銅が手についたら  川の下流が広くなるわけ  夏休みの科学研究  様々ないわくのついた星−火星  どうしてバカなの
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