「追跡、金庫盗難事件」(特報 首都圏)

  NHK第一TV 8/23/2002 夜 放映

 

埼玉県で金庫を丸ごと持ち去られる事件が続発して、それをルポした番組である。

以下、その概要をお知らせしよう。

 
1.    はじめに

埼玉県警によると、同県では2002年に入ってから6月末までに金庫盗難事件が430件発生。被害総額は約3億5000万円に上るという。狙われた店の多くは、幹線道路沿いの大型スーパーで、盗まれた日時は、月曜日の未明(朝3時−4時頃)である。

 一味の狙いは、次のような点である。

(1)      幹線道路であれば車で逃走するのに便利。それに埼玉県は東京に比較すれば車の混雑が少ない。

(2)      大型店であれば売上金が多く、月曜日の未明で金融機関への入金前であれば、多額の現金が金庫に格納されている。

(3)      東京は警戒が厳しいが、地方は未だ防犯意識が甘い。

 
2.    一味の手口

警察では、埼玉県で犯行を重ねていた中国人グループ6名を逮捕した結果、次のようなことが判明 した。

(1)      カーナビの使用
幹線道路を走って、カーナビで大型スーパーを探す。

(2)     
入念な下見
 来店客数、金庫の設置場所、防犯装置、最寄の警察署までの距離などを入念に下 見する。
 一度だけではなく、2−3回下見をするケースもある。

 また、一味の若い女性に、「アルバイトをしたい」と言わせて狙った店の事務所の様子を探らせ 、その夜のうちに犯行に及んでいる。

(3)      役割分担
 一味は6名で、主犯格は店外路上のワゴン車に残り、残り5名が店内にガラス窓などを破って押 し入る 。現場主任(?)と主犯とはお互いにケータイを繋ぎっぱなしにして、店内、店外の情報 を交換しながら犯 行を進める。

(4)      犯行時間は5分以内
 店内に押し入って、金庫を持ち出すまでの犯行時間は5分までに設定している。このため現場主 任は首からキッチンタイマーをぶら下げて犯行を指揮する。この5分という時間は、警察や警備 員が警報の鳴動から現場に駆けつけるまでの所要時間と踏んでおり、例えば、殆ど金庫を持ち出 せる場面でも5分経過してしまうと、そのまま何も盗らずに逃走している。

(5)      監視カメラ
 警備の監視カメラなどは、事前にカメラの向きを変えて、店内の犯行の様子が写らないようにし ている。

(6)      盗んだ金庫
 丸ごと盗んだ金庫は、逃走中の車内で、大型バールを用いて扉をこじ開ける。二人掛かりでやれ ば、通常の金庫は3−4分でこじ開けられる。こじ開けけて現金を盗んだ金庫は、目立たない場 所へ廃棄する。
 
3.      盗難対策

 このような荒っぽい金庫泥棒に対して、次のような対策がとられている。

1)新型金庫
 「防盗金庫」と称して、価格は通常の金庫の1.5倍から2倍するが、扉がこじ開けにくいよう に、ボルトが太くかつボルトの数も多くなっている。また重量が1トンに及ぶ重いものもある。

2)設置方法の改善

 ◆金庫は下にキャスターがついているので、床と金庫底辺に隙間があく。ここにバールを差し込 まれると移動・運搬が可能になる。そこで金庫下部のキャスター部分を切断して設置した床面と 金庫との隙間を無くす。
 ◆金庫内部に穴をあけ金属製ボルトで金庫と床を固定する。
 ◆金庫の周囲をコンクリートで固めて移動困難にしてしまう。

3)防犯装置の改善

 通常は店内にある赤外線による監視装置が警報を発する仕掛けであるが、これでは店内に侵入後 発報するので遅い。そこでガラス窓を割った音に反応する警報装置を店外に設置する。

4)防犯意識の啓蒙
 経営者によっては防犯意識が薄い者もいるし、また不況のため防犯装置にかけるカネが無いとい う者もいる。
 現に、中国人犯罪に詳しい某中国人は「日本は犯罪天国。日本人は防犯意識が薄い。日本ではカ ネを盗んでも罪が軽い。真面目に働いてカネを溜めるのは大変だが、盗めば一夜で金持ちになる 」とNHK記者のインタビューに答えている (>_<)

5)パトロールの強化
 警察では多発する金庫盗難に備えて幹線道路沿いのパトロールを強化している。

 

4.      その後の状況

 このような盗難対策がとられてから、金庫の盗難犯罪は影を潜めている。
 しかし、警察では、今回逮捕した一味のほかに、同様なグループがまだ複数存在すると次のよう な理由から考えている。

     6月のある夜、埼玉県では一晩で11件の金庫盗難事件が発生したが、これだけの数をひと つのグループだけで行うのは時間的、距離的に無理であること
     静岡県で発生した金庫盗難事件で中国人グループを逮捕したが、一味が使用していたキッチ ンタイマーが、今回逮捕した一味と全く同じ物であったこと。
     連中の犯行が互いによく似ていること。

 このようなことから、これら複数グループの背後には、何らかの犯罪組織が関与しているものと 思われる。「日本の国際化」は一面では「外国人犯罪の増加」を招来している。
 たとえば「ピッキング」、「ドラッグ」、「偽装結婚」、「集団暴力スリ」、「偽札」、「トラ クターや高級車泥棒」、「貴金属店泥棒」などなど、もはや日本は安全な国では無いのだ。 

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