(note-2.htm) 「本人の確認について」


  「情報システム管理者心得帳」小浜健二著、中央経済社、平成5年、pp.145-148
  の抜粋を主体に補足を加えた。

◆本人の確認方法には昔から三つの方法がある。
(1)本人しか知らないことに着眼する方法(知識)

 例の「ヤマ」と言えば「カワ」と答える合言葉がこれで、「パスワード」とか「暗証番号」などで、お馴染み
の方法である。
 他に、姓名、生年月日、現住所、電話番号、生まれ年のエト(または星座)なども利用される。このうち、
現住所とかエトなんてのは意外に盲点で、案外本人しか知らないことがある。その点、星座の方は結構、
運勢などの話題で友達同士が知ってしまうことが多いかもね。

 アメリカのホテルでは貴重品を預かる際に、預託者の妻や母の旧姓を書かせるところがある。万一、
預託者が預り証やキーを無くしたときに、旧姓を聞いて本人確認を強化するためである。

 数字の組み合わせで開錠する数字ロックの錠前も、本人の知識に依拠している。
    (注)この錠前は、いつも同じ数字を押すものだから、特定の4ケの数字だけ、手垢で汚れたり、
      メッキが剥げたりしてるマンションなどがある。ときどき、数字の組み合わせを変更せねばならぬが、
      たとえばマンションの住民全員への周知徹底が困難というのが、難点である。

      また、数字の押し方であるが、2つ一緒に押させる方式もある。たとえば、9、8、7と6(同時)、5と
      計4回押す、なんてハイブリッドなものもある。

      更に、「スクランブル錠前」なんていうのがある。これは10ケの数字がテンキーみたいに液晶上に
      現れる仕組みで、しかも、毎回この数字の現れ方(配置)が乱数で出鱈目に表示される。従って、
      数字を4つ押すにしても、毎回、液晶上の異なる個所を押すから、液晶画面の汚れ方、損傷部位も
      画面全体に分散する (^o^)      

(2)本人の持ち物に着眼する方法(所有物)

 鍵や印章(ハンコ)が代表的な物である。錠前は鍵を持つ人を「本人」とみなして、扉を開けるのだ。
銀行では、通帳と印章の持参者を本人とみなして、届け出印影と合致すれば、支払いその他に応ずる。
そして、銀行のこの行為は正当なものとして免責される。
 
 磁気カード、クレジットカード、社員証、制服なども、同様に持ち物に着眼するものである。運転免許証や
パスポートには本人の写真が貼付されているので、本人確認用としてよく用いられる。

  (注)「印章」はハンコ、「印鑑」は印章で押捺した「印影」である。
   クレジットカードも偽造防止のために、本人の顔写真をエングレイブ(彫りこみ)したものがある。

 持ち物による本人確認法の長所は、識別が簡単であること。
 一方、短所は、偽造、紛失、盗難の惧れがあり、代理が可能なこと、などである。

 さて、「持ち物」の中には、「使い捨てパスワード」(またはワンタイムパスワード、ダイナミックパスワード)
に利用されるパスワード生成器もある。これにはICカード型、暗号電卓型などがある。
使い捨てパスワードによる個人認識(本人確認)は、次のような図式で示すことができる。

    ユーザA−−>logonのアクセス要求−−>サーバ
             <--チャレンジパスワード(B)
    ユーザAは生成器にBを入力して、回答パスワードaをサーバに返答
    サーバ側では、この回答aを吟味して、正解であれば、Aを本人とみなす。
    
このような生成器の例としては、次のようなものがある。
 「SecureID」  ニチメンデータシステムが販売(Security Dynamics社製)
 「CRYPTOCard」 イノテック
 「SafeWord」   メトロ
                        (以上、「セキュリテイハンドブック U pp.112-113 参照」)

(3)本人の身体的特徴に着眼するもの(バイオメトリックス)

  掌形判別器というのがある。これは手の平の形を登録して、判別に利用するものである。顔の形を
登録して、CCDカメラなどにより本人確認に使うこともできるらしい。
 署名(サイン)も判別に利用できる。最近は、署名を電気ペンで電気パッド上に書くと、その筆順、
筆圧、筆写の速度、筆跡などを記憶・登録しておいて、次回に同様に書かれた署名とを科学的に照合
する機器が市販されている。
 指紋もその特徴を座標軸で登録して本人判別用に利用でき、各種の機器が市販されている。なか
には、PCのマウスを握るときに、指紋を照合するものもある。
 その他、声紋、網膜、虹彩なども本人判別に利用される。網膜は成人になると膜の模様が固定するので、
判別用の機器を覗かせて、事前に登録しておいた網膜情報と照合して判別する。
 遺伝子のDNAを本人識別に利用することもできるが、これを上記のようなものと同一に、つまり入退室
管理などの簡便な本人確認手段として用いることは、未だ行われていない。

 バイオメトリックスは本人の身体的特徴を利用するので、代理ができないのが長所である。短所としては、
比較的高価で、また指紋などには抵抗感がある。

 指紋照合の製品例としては、次のようなものがある:
 「指紋照合装置」  三菱電機
 「ONLY ONE」   翼システム
 「フィンガーパス」  富士通電装
 「セサモIDs」    セコム
 「Finger Key」   NEC
 「フィンガーロック」  松村エレクトロニクス
 「指紋照合システム」 オムロン

 「アイリス認証」(虹彩による判別) 沖電気
 「声紋認証」(VeriNetWeb) T-NETIX    
    (以上 「セキュリテイハンドブック U」pp.115-116 
        「インターネットセキュリテイがわかる」 pp.170-171 参照)

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