U!

「軍団史0009年、技術の進歩が、止まった。」

「戦場には、同じ形の戦車が、あふれていた。」

「停滞を、甘んじて受け入れなかった、男たちが、いた。」

「立ち上がった。」

 

♪でんででんででんでん、でんででんででんでん、でんででんででんでん〜

〜プロジェクトU!!

 

「♪風の中の中島〜」

 

開発せよ

歴史に残る

戦車

 

「♪砂の中の十五試〜」

 

めるな

技術の進歩を

 

「♪みんなどこへ行った〜」 - 作詞: Y.Y.伍長(当時)

 

賭けた

 

一式戦車開発物語「プロジェクトU」
  第1話「中戦車の見る夢」

2001.6.8.更新
今明かされる衝撃の物語。※
2部構成でお送りします。


いまや、U機甲師団の主力戦車は、作りやすい零式軽戦車&零式特殊機動戦車(SMUT)に落ち着こうと
していた。
昨年から大量の国家時間予算をつぎこんで周到に準備した一式中戦車は、軍団長の「キューポラ作るの
めんどくさい」の一言で、1回きりの実戦投入後、陽の目を観ていなかった。

「開放型戦闘室は戦車らしくないと思われ、弾を跳ね返す、もしくは戦闘室内を銃弾が跳ね回る、ような
聴覚に訴える要素が是非とも欲しい。」
一式中戦車開発に携わったものの、初の実戦投入後の撤退時にキューポラ廃棄を阻止できなかった
アニメ中隊長は忸怩たる思いであった。

「ワシが開発した零式軽戦車以上の量産性調達性に優れた戦車は無い。究極の戦車だ。」と、自らの
「めんどくさい」発言を擁護していた軍団長であったが、「しかし技術の進歩が止まるのは困る。だれか
アイデアあれば受け付けます。」
プロジェクトU発動である。
軍団長が提示した要求3条件は各社(?)にとって非常に困難な課題となった。

1.調達性良好:零式軽戦車用標準装甲箱(仮称ランチC)、SMUT-1B用大装甲箱(仮称シンフレ大)、
一式中戦車用標準装甲箱(仮称カブ)は必ず入手できる場所を知っているのでこれを利用すへし。
2.量産性良好:1輌20分程度で建造可能とすへし。
3.操作性、安定性良好:小走りはできるのがよいべし。

仮称シンフレ大は、2001年4月26日、K.H.学徒が激戦の中補給路を確保したことを報告してきた、軍団の
命綱的鋼材入手ルートである。


新型開発のカギは、「いかに簡単にキューポラを作るか」、である。カッターで切る工作を必要最小限
(2回入刀くらいが理想?)にしながら、良好な視界と通気性、防弾性能を得るのは非常に難しい。
ガムテープの数については、多少多くなっても人海戦術を使えばそんなに問題無いようであった。


イマチルダ技術敞は正規軍おかかえであり軍団長の息のかかったメーカーであるが、一式中戦車開発
中止のあおりを食って弱体化していた。2001年5月8日、零式にとりあえず天蓋を装着しただけの案を
提示した。仮称「一式軽戦車1型」。

アニメ中隊長コメント。
「零式に付属物が増えるので生産性は悪化する。入刀回数が多い。」


アニメ中隊共和国(旧アニメ公国)出身で独裁を目論むアニメ中隊長擁するHビ家工房は、かぶりものに
弱いためにしばらくSMUT-1Bの発展型案をこねくりまわして「改良強化新型だ」とうそぶいていた。

 
SMUTのキューポラを
密閉式にしたA案。
  ○゛ャミラちっくなB案。
下半身が相当にマヌケ
になると思われる。

が、結論出ず、急遽提出したのがコレである。仮称「一式軽戦車2型」。

ランチ箱3個で戦車2輌の通称「煙突型」。
「材料入手性を重視した。」とのコメントであるが、
箱そのまんまな外観は何も考えてないこと明白で
ある。はっきり言ってカッコ悪い。

アニメ中隊長コメント。
「廃案になった99式軽戦車(旧T.M.技研)を髣髴と
させるが、とりあえずカッコ悪い。
N式棒で支えきれるか不安。」



そんな中、新勢力、ヤマ・クベ社は新型CADをふんだんに使って旋回キューポラを設計していた。
仮称「一式軽戦車3型」である。

笑ってるヨ〜。怖っ。

2001年5月11日、ヤマクベ社は他の2社の鉛筆手書き、「ペイント」マウス書き図面を尻目に、
これらの3次元CAD画像をもって積極的にアピールしながら、意気揚揚とプレゼンテーションを
行った。提出文書より抜粋。
「側方・後方の視界がやや悪く、銃眼から外を覗いている気分が味わえます。また、
ある程度開放されているので弾丸が飛び込んできて頭の周りで跳ね回るでしょう。
(したがって戦車兵は少なくともゴーグルをつける必要あり)そして、安全帽に着弾し
跳ね返せばノモンハンのソ連兵の気分?」

しかし過剰な時間資源を旋回キューポラにつぎ込んだ結果、車体まで手が回らなかった。
本案の提出に付随して、2001年5月14日付の議事録が残っている。

軍団長: 「零式軽戦車を100として貴殿試作車の量産性はどれくらいか?」
ヤマクベ: 「零式に対して
  良くなる点:制御棒を探す手間がなくなる・制御棒を差し込む手間が省ける
悪くなる点:首を出す穴をうまい場所にあける必要がある
(零式の"Vの字切り"2回よりは神経を使い、且つ二重のダンボールに穴あけ必要。
ただし広さはA4用紙と同じなので治具の調達性はいいはず)。
防護板を作るためにダンボールの切れ端をつなぎ合わせる必要がある
したがって、量産性は零式100に対して本試作車80〜90くらいと思われます。」
   
軍団長: 「素材はランチ箱か?(それとも別か?)」
ヤマクベ: 「モデルはそのつもりで作りました。ただ、本モデルは汎用性の高い戦闘室を図示す
  ることが目的なので、本体の大きさはあてずっぽうです。」
   
軍団長: 「肩で支えるのか?」
ヤマクベ: 「そうです。ただ、重量バランスを考えると前側を銃で支える必要はあるでしょう。」
   
軍団長: 「安全帽/ヘルメット入手の目処はあるのか?」
ヤマクベ: 「私の新人時代に支給されたSヘルメット(白)が部屋にあります。
  それをカーキグリーンに塗りましょう。
複数必要な場合も、おそらくY.S.学徒ならまだ持っているのではないかと思います
のでなんとかなるでしょう。」
   
軍団長: 「ポリカ板はもう少し小さいが(図の半分)設変可能か?
ヤマクベ: 「顔の正面が隠れればいいので十分と思います。(モデルはA4用紙の大きさです)」
   
軍団長: 「下半分が図示されていないが銃口は前方か?」
ヤマクベ: 「そうです。」
軍団長: 「ランチ箱使用なら足が零式より250mm多めに出て機動性がよくなるなあ。」

軍団長総評。
「ランチ箱使用で防護板を思い切って頭が隠れるくらいにしてフルマスク野球帽&既存ポリカ板で
銃口は前方に1個、肩でしっかり支える設計にすれば操縦棒も省略でき量産性はかなり悪化するが
実用化可能と思われる。次回試作1式軽戦車3型としてつくってくれますか?」

やった、試作了承だ!!
ヤマクベ社は即座に本体込みの設計案を提示した。

ヤマクベ社コメント。
「防護板は、他の戦車を作ったときに出たダンボールの切れ端や本拠地基地の
ゴミ捨て場で拾ったありあわせのダンボールをつなぎ合わせれば完成します。
戦闘室に使うダンボールを特に指定して探すことなく、"調達性"ということを
意識せずに作ることが本方式の目的です。
ただ、防護板を一番簡単に作れるダンボール箱というのもないわけではなく、
A4コピー用紙の入っている箱がそれです。
コピー用紙箱を長手方向に8等分の大きさに3枚切り出してつなぎあわせます。
その場合の概観図です。

本体は仮称ランチCに準拠した大きさに変更しました。
ポリカ板はほぼA5の大きさ、首を通す穴と防護板で囲まれた部分の広さは
デザインリファレンス準拠です。首を通す穴を後ろに長い長方形にしたのは、
「外れかけたゴーグルを戦車に入ったままかけ直す」などの作業をするときに
片手が通る隙間を確保するためと、人によって又は使う銃によって本体を
バランスよくかつげる位置が若干違うのでは?と思ったためです。

銃口が変な位置にあるように見えますが、右手で腰だめにしたときにちょうどよい
場所に開けたつもりです。

戦闘室の上半分が半球に近い形で、それがキョロキョロ回るというのが
戦車っぽくていいと思うのですが。(やっぱり防護板高くしなきゃダメ?)」

同日付、軍団長コメント。
「ヘルメット入手の目処あるのがわかったので下記改良を検討し貴殿案で次回試作1式軽戦車3型
としてつくって下さい。部品調達から参画してアニメ中隊長を手伝ってください。
1.箱は入手性のよいランチ箱とする。統一化の意味もある。
2.できれば耳保護の為、ヘルメット側面にハンカチかなんかで簡易なたれを付けてください。
3.銃口オフセットは機体バランスとりにくいので中央に大きめの銃眼か中央から右手に長穴にし
てください。

風船を狙うので意図的で無い限りヘルメット、防護板に着弾はほとんど無いとおもう。2.を完
璧にできるならヘルメットに風船つけるか??この場合最初の戦車兵は貴殿だが・・・いい音はするだろう

製作後必ず零式に対しての量産性を評価しておいてください。自分で一度は操縦し操作性も
比較しておいてください。」

車体に関しては、アニメ中隊長の修正案が残っている。

2001年5月15日付、アニメ中隊長コメント。
「いい案だと思います。安全帽は、新人研修時代にS勤務経験のある
者が多数居るので問題ない。当方も所持しています。
大ポリカの大きさは、昨晩計測したところ200×300が1枚、230×250が
3枚である。人間は箱の前方よりの方が支えやすいと思われる。」



余談だがヤマ・クベ案では更に発展型も考案された。図版は焼失しているがコメントが残っている。
2001年5月12日付、軍団長コメント。
「防護板、ポリカ板の代わりに99式丙のポリカキューポラを載せる。ポリカキューポラは存在するので
量産性調達性は飛躍的に良くなる。トップヘビーなのがおそらく欠点だろうが閉鎖戦闘室での
視界性能は最高であろう。」
2001年5月14日付、アニメ中隊長コメント。
「超重量の99式丙キューポラを支えるのが、N式棒や穴あけ取っ手では困難。必ず肩で支えたい。」
その後、この案に関する文書は残されていない。廃案となったようだ。


また、実戦部隊からの提言として2001年5月1日、外部傭兵クラハシ殿より突撃砲の
開発要請があったことが判明している。
「今のところ、生産性を考えると、対戦車砲しか思いついてません。
作り方としては、ダンボール箱を立体にして、4面のうち1面だけを切ります。
(この1面は戦車の護衛兵用の盾にでもしてください)残り3面の曲がるところを
曲げて倒れないようにして中央に穴をあけたらいいのですが・・・。どうでしょうか?」

この提言を元にアニメ中隊長が起こした検討用推定図。
プロジェクトUの閉鎖型戦闘室のコンセプトから外れるため、今回は見送りとなった。

アニメ中隊長コメント。
「恐らく後方が安定しない。ヒモで繋ぐか?」



そして次回、いよいよ各社の思惑がフィールドで激突する!!
第2話「テストパイロット」に、ご期待ください。

2001年5月15日付、軍団長コメント。
「ごくろうさん。まあ性能の甲乙は論じても意味がないので試作、実戦で3輌の評価をしましょうか。
完全閉鎖型で作りやすくて箱見つけやすいHビ案煙突型が一歩リードか?」

意外や、軍団長は一番貧相なHビ工房案がお気に入りなのか?・・・生産性は条件の上位にあるのだ!!


謎文書

「この写真は、連邦(?)のスパイがヤマクベ号試作機を
デジカメで撮影した後暗号通信で送信したものである。
電波状態が悪かったらしく像がゆがんでいる。人形を
乗せていることから、エアバッグか何かの乗員用安全
装置の検証中の画像であろう。ヤマクベ社では実験・
検証時に撮影した写真はヤマクベ号実戦投入後すべて
処分してしまったので、これは戦車史上貴重な写真と
言える。

今回の新MBTトライアルに敗れた1式軽戦車3型試作
機はヤマ・クベに供与され専用機となった。」

ヤマ・クベ専用ギャンワン

 


第2話「テストパイロット」へ


※この物語はフィクションです。



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