医療小話

 Sweden小児医療こばなし その3

 小児循環器科からみた医療技術はもちろん世界最高水準でしたが、さらに高水準の手術を気軽にフランスの小児病院に電話で依頼していたのにはびっくり。名古屋から東京へ患者を送るほどの感覚か?留学前、毎日のように夜間呼び出される小児循環器科医としての生活に疲れ果てていた私の単純な疑問の一つは、スウェ-デンの医師は凍り付くような寒さの中、どうやってon callで病院へ行くのかな?大雪でもvolvoで駆けつけるのかしら?ということでしたが、答えは簡単でした。まず雪はほとんどふらず、彼らの氷結した道路を滑りながらの運転技術も大したものでしたが、自宅から呼び出され病院へ駆けつけることは全くあり得ません。もちろん交替で若い医師は当番はしますが、医師も労働者としてしっかり休暇も保障され、助教授のBosseは何と7週間の夏休み、上司の小児循環器専門医のBoでさえ同僚と交替で、本人は短いとぼやいていましたが5週間の夏休みをしっかりとってました。主治医である患者がこの間亡くなったり、重症化したらどうするの?と聞いても質問の意味がわからないみたい。例えば患者の側も自分の病気が週末に悪化して主治医に看取られなくても、別の救急病院にまわされてもそれは自分がそういう運命にあったと考えるようで、とにかく自然に!natural courseで!運命のままに無理しない、“先生にお任せします、命預けます、だから先生もすべてをかけて私のためにがんばってもらって当然”という感覚ではない点、ちょっと(かなり!)違うな、、、と今も思います。

 小児医療をめぐる時代の激流のなかで自分も残りの医師人生を無理なく、自分らしく、誠実に送っていきたいと考えるようになった一つにこんなスウェ-デンでの体験があったと思います。思い出すままに綴ると拙文がどんどん長くなり大変失礼致しました。

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