アスパラガスのうろこ
●2001/05/31 Thu アスパラガスのうろこ
宇宙船アスパラガス号の中で、
おじいちゃんは言った、
人生は意外と上手くいく、
きっと、七割ぐらいは、
自分に満足だろう。
でもな、残り三割は、決して、
思うようにならない。
そう、アスパラガスのうろこが
なくならないのと同じだ。
●2001/06/08 Fri アスパラガスのうろこ2
人は、生まれながらに不平等なんだよ、
アスパラガスのうろこの模様が、
一本づつ異なるようにね、
だから、たのしいんだよ。
宇宙船アスパラガス号の中で、
おじいちゃんはまたつぶやいた。
アスパラガス号は、
もう後戻りしないだろう。
●2001/06/16 Sat アスパラガスのうろこ3
夢見る自由は、
誰にも与えられている。
でも、そこにも不平等は存在する・・・
アスパラガスのうろこは、
みんな直立不動だ。
お互いの夢を比べずに、
まっすぐ上を向いている・・・
おじいちゃんは、
大きく息を吸ってこういった。
●2001/07/11 Wed アスパラガスのうろこ4
ものごと全てに原因があるわけではない。
人間は不平等に作られているし、
人生は理不尽の固まりだ。
伸び悩んでるアスパラガスのうろこは、
決して原因を追求しない・・・
追求したところで、
ほんとうのことはわからないから。
アスパラガス号の中で、
ボクは考えた。
それでも、ヒトは、原因を追求したがる・・・
人生の理不尽さを自分に必死に納得させるために。
●2001/09/11 Tue アスパラガスのうろこ5
アスパラガスのうろこに
意味なんてない。
でも、無意味なわけでもない。
・・・・何言ってるかわからないだろう。
おじいちゃんは、ボクの顔をみて微笑んだ。
でも、そんなものだよ。
また、軽くつぶやいた。
●2001/09/19 Wed アスパラガスのうろこ6
ばくらの世界は
自由だと言えば自由だし
不自由だと言えば不自由だ。
世界を変えようと思えば
できるかもしれなし、
やはり変わらないと言えば
そうかもしれない。
・・・・
一体、ボクは何を言いたいんだろう、
アスパラガス号の中で
ボクはふと困惑した。
●2001/10/10 Wed アスパラガスのうろこ7
みんなプライドを持って生きてるのさ。
アスパラガスだって、そのうろこだって、
それぞれのプライドがある。
でもな、一番素敵なプライドはな。
いつでも捨てられるプライドなんだよ。
おじいちゃんはぽつりとつぶやいた。
おれは捨てきれなかったけどな。
●2001/11/27 Tue アスパラガスのうろこ8
ある人にとって
ものすごく真面目な行為てのは
ある人にとっては
どうしようもなくばかげたものに見えるものだ。
だから、きみが真面目でありたいなら
たとえ、ばかにされても
真面目であるきみらしい姿勢が必要なんだ。
アスパラガスだって
誰にも笑われないように生きてはいないさ。
おじいちゃんは笑った。
●2001/12/20 Thu アスパラガスのうろこ9
時代の波というものがあって、
その波にこのアスパラガス号が
乗り遅れていたらどうする、
おじいちゃんはきいた、
ぼくが黙ってるとさらに続けてこう言った。
迷うことはないさ、
自分の目的を見失わずに
その時流にのっかっちまえばいいんだよ。
・・・・
でも、おれはどうやらその目的をどこかに
置き忘れてしまったらしい。
アスパラガス号はまだまだ浮遊している
●2002/01/05 Sat アスパラガスのうろこ10
かなしいことだがな。
誰しもがある種の欠陥を持っているんだよ。
人間としての決定的な欠落がな。
人によって、それは先天的なものだったり
後天的なものだったりする。
ぜんぶ、神様のいたずらさ。
アスパラガスのうろこも
それぞれが欠陥を持っている。
それはしょうがないことなんだよ。
問題はその対処法さ。
その欠陥を必死に隠す奴がいれば、
その欠陥をごまかす奴がいる。
言い訳する奴もいれば、
誇りにする奴がいる。
まるで、欠陥がないかのふりをする奴もいるし、
欠陥を嘆きながらもその欠陥を楽しんでる奴もいる。
ほんと、いろいろなやり口がある。
どれが正しいってこともないし、
だれが正しいってこともない。
だから、どうしろとも言わんよ。
おじいちゃんはここまで一気にしゃべり、
そして、ひと息ついた。
そして、最後に一言だけ。
アスパラガス号を見失うなよ・・・・
<完>
戻る