行く



この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。
迷わず行けよ。行けばわかる


 言わずと知れたアントニオ猪木の引退宣言の一部。しかし、これは、猪木が自身のものでなく、一休和尚のお言葉らしい。それにしても、日本人は、「行く」という言葉が好きである。昨日、紹介した山頭火の日記の冒頭にこういう言葉がある。

 水は流れる。雲は動いてやまない。風が吹けば木の葉が散る。魚ゆいて魚の如く、鳥とんで鳥に似たり、それでは、二本の足よ、歩けるだけ歩け、行けるとこまで行け
                   

 「とりあえず、行く」 この精神は、日本人、特に一昔前の日本人が持つ思想そのものだと思う。自分の生き方をその人生の歩み方で表現しようとする、その姿勢は、口で自分のことを表現することを好まない古来日本人にとって、唯一といっていいぐらいの自己を表現する方法であり、今の日本人になくなりかけている姿勢だと思う。


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