巡り狂う物語(2章)
2002/03/01 Fri 巡り狂う物語11
イタリアで、ぼくは、
はずかしがりやのアメリカ人と
ほんとに陽気な中国人にあった。
ぼくにとって
ありえない組み合わせだった。
でも、ぼくはそんなものかもしれないと思った。
そして、二人とも
イタリアのファッションをまねるつもりで
いつのまにか、ハワイアンになっていた。
やはり、ぼくはそんなものかもしれないと思った
●2002/03/05 Tue 巡り狂う物語12
イタリアで
ぼくはとあるバーに入り
カウンターに立つ
ぽつりぽつりと時間が過ぎる
でも、なかなか注文をとりにこない
ぼくは大きな声で
ウェイターを呼んだ
ぼくの様子をみてた
となりのイタリア人は
不思議そうにきいた
なんか急用でもあるのか
ぼくは別にないって答えた
なら、なぜそんなに慌てるんだ
待てばいいじゃないか
彼はぼくに言った
待つのがきらいなんだよ
ぼくは答えた
でも、なぜきらいなのか
彼にはわからないようだった
もちろん、ぼくにもわからなかった
●2002/03/11 Mon 巡り狂う物語13
イタリアからフランスまで
列車を使うことにした
でも、ぼくは、
自分がなぜフランスに行くのかわからなかった
C'est la vie! (それが人生さ)
ぼくの向かいに座っていた青年は
笑顔でぼくに言った
ぼくはまたつぶやいた
何をしていいのかもわからないんだよ
彼はまた言った
C'est la vie! (それが人生さ)
●2002/03/17 Sun 巡り狂う物語14
ぼくはフランスから
スペインに行った
あまりにも
居心地がよかったので
ぼくはしばらくここにいることにした
そして、ある男にあった
彼はある日泣いていた
とても情けなそうに泣いていた
男だろって
ぼくは言った
でも、彼は言った
男ってなんだ
女ってなんだ
男だからって
おれは束縛されんなきゃいけないのかって
●2002/03/24 Sun 巡り狂う物語15
ぼくはきっと根もない人間なんだ・・・
そんなことを考えながら
ぼくはロンドンに向かった
どっかに所属すること
どっかを所有すること
どちらもいまのぼくには
必要のないことだった
ただ求めるだけに進みたい・・・
ボブ・ディランの
ヘヴンズ・ドアを聞きながら
ぼくはそう考えた
●2002/03/26 Tue 巡り狂う物語16
ロンドンに着いた
沢木耕太郎の深夜特急の最終地点
だが、ぼくは
まだ旅を終わりすることはできない
現実という時間は混乱し
いまという感情は発狂する
取り戻すんだ
失ったものを取り戻すんだ
ぼくは灰色の街の中をさまよった
●2002/03/29 Fri 巡り狂う物語17
「ほんとのことは言っちゃいけない
ほんとのことは言っちゃいけない」
あるイギリス人の青年は
ぼくに話しかけてきた
「本当のことを言えば、損するんだ」
「じゃ、どうすりゃいい」
ぼくは彼に聞いた
「巧みに言葉を操るのさ」
彼は答えた
「嘘を語るかのように真実を言い
その真実を嘘だと言うのさ
同じことを繰り返してはだめだ」
「て、ことは、今言ったことも嘘になる可能性がある
違うかい??」
ぼくは切り替えした
「当然だよ」
彼は得意そうに話した
「すべては創造の世界さ」
そのとき、バーでは
デヴィッド・ボウイのlittle wonderがかかっていた・・・・
●2002/04/07 Sun 巡り狂う物語18
灰色の町並みのなかを抜けて
ぼくは港に向かう
ぼくの耳にはthe stone rosesの歌が
かすかにきこえた気がした
I don't have to sell my soul
He's already in me
I don't need to sell my soul
He's already in me
I wanna be adored
I wanna be adored
ぼくはきっと誰かに認められたいのかもしれない
ストーン・ローゼズのi wanna be adoredという曲を引用。
adoreとは崇拝するとか尊敬するとかの意。
●2002/04/21 Sun 巡り狂う物語19
船でぼくは南下した
ぼくの最初に到着した国は
モロッコだった
ぼくは船をおり、
港でぶらりぶらり
すぐに呼び込みにあった
ともだち〜 ともだち〜
そのおやじは言った
ぼくは無視して歩いた
そしたら、
ともだち〜 ともだち〜
また、話しかけてきた
なるほど、この国では
ともだちに相当飢えているらしい
ぼくはそのおやじから
逃げるように船に戻った
●2002/06/09 Sun めぐり狂う物語20
ぼくは船に乗って、
そのまま、エジプトに向かった
その船の甲板で
空を見ながら考えた
今まで、ぼくは失ったものを探してきたけど
もうしかしたら、何かとんでもないものを
手に入れたのかもしれない
それが何だか見当もつかないけど
ぼくはエジプトの地に降り立った
ぼくはピラミッドを見ていた
小学校のときの先生の言葉を思い出した
古代人はよくピラミッドなんてものを造ることができたな
て、君たちは思うだろっ、でもね、
現代人の脳の大きさは古代人とぜんぜん変わってないんだ
だから、古代人にアイシュタインみたいな
天才がいたっておかしくない
ピラミッドみたいなすごい発明があってもおかしくないんだ
ぼくはなんだか、それを聞いて
少し悲しくなったのを覚えてる
だって、ぼくらはちっとも進歩してないんだ
つづく