「SL35」の「SL」は、"Single Lens(=一眼)"の略で「35」はフィルムフォーマットが135フィルム対応であることを示している。同様に「SL66」は6X6(=120フィルム)対応の一眼レフであることを示す。
ただし、1980年代以降に登場するSL2000F(135フィルム)やSLX(120フィルム)等の機種はこの規則では命名されていない。
SL35のマニュアルおよび、交換レンズの被写界深度表の記載によると初期SL35用交換レンズには以下のものがある。
【広角系】
(Carl Zeiss Distagon 15mm f3.5 Auto)
Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Auto
Carl Zeiss Distagon 35mm f2.8 Auto
【標準系】
Carl Zeiss Planar 50mm f1.8 Auto
【望遠系】
Carl Zeiss Sonnar 85mm f2.8 Auto
Carl Zeiss Tele-Tessar 135mm f4.0 Auto
Carl Zeiss Tele-Tessar 200mm f4.0 Auto
上記の交換レンズは後にCarl Zeissから当時のフランケ・ウント・ハイデッケ社(=ローライ)に製造権が移り、HFTが施されバージョンアップされた。HFTの表示があるものには"Carl
Zeiss"と入っているものとないものがある。
Carl Zeiss Distagon 15mm f3.5 Autoは被写界深度表にはデータの記載はあるが、マニュアルには載っていないレンズ。
また、大口径化された標準レンズのCarl Zeiss Planar 50mm f1.4 Auto HFTは、SL35のマニュアルには載っておらず、HFTでないバージョンの有無については調査中。
開放測光とは、絞りが開放の時に測光した露出値を指定した絞り値に機械的または電気的にスライドして表示する方式。一眼レフは絞りが開放でないと画面が暗くなってピントが合わせにくいので考案された機構。絞り込み測光は絞り込みボタン(プレビューボタンとも言う)で、撮影時の絞り値まで絞り込んでから測光する方式で操作が面倒。
SL35シリーズで開放測光が実装されるのは、次のバージョンのSL350から。
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ローライといえば何と言っても”ローライフレックス”と相場が決まっている。
しかしローライことフランケ・ウント・ハイデッケ社は営々と二眼レフだけを製造し続けていたわけではないのだ。1966年には6X6判の中判一眼レフであるローライSL66を発表し、さらに同年には135フィルムのローライSL35を出している。
話はそれるがローライというのは伝統を重んじるだけの会社ではなく、現在もっとも一般的に使われている135フィルムや、中判のスタンダードである120フィルム(ブローニー判)以外に、127フィルム(ベスト判)、126フィルム、110フィルム、16mmフィルムなど、今ではマニア以外は使わない、というよりも、ほとんどの人はその名前さえも聞いたことないような多くのフィルムフォーマットに対応したカメラを作っていた。
画像のボディに付いているのはローライ独自のコーティング"HFT"が施されたPlanar 50mm F1.8。ボディはブラックとクロームとがある。
シンガポール工場製のものには"Made by Rollei"と表記される。
ペンタプリズムは固定式。ホットシューはなく、シューアダプターを後付けできる。前方がやや直立しているが奥行きが短く同時代の他の一眼レフカメラに比較して全体的に小型軽量で扱いやすい。シャッターは1/1000〜1・Bで機械式布幕横走り。ローライが満を持して発売した最初の一眼レフSL35だが、絞り込みのTTL測光で、同時期の国産一眼レフカメラの多くが開放測光なのに比べやや遅れたスペックとなっている。

フィルム巻上げレバーの右側にあるのが、絞り込みボタン。
初期の交換レンズには、絞り込み測光にのみ対応している「1ピン」のレンズと開放測光にも対応して絞りの設定値をボディに伝えるためのピンを持った「2ピン」のレンズとがある。レンズには鏡胴の根元にA(Auto)とM(Manual)の切り替えがあり、自動絞り(シャッターが切れる瞬間だけ、自動的に設定した絞り値まで絞り込まれる機構)がある。これは、SL35発売以前の一眼レフカメラのM42マウントの交換レンズで主流であったシステムをそのまま使えるように、言わば上位互換の機能として取り入れたのだと考えられる。しかし、それがその後のSL35シリーズに大きな課題を残すことになってしまったのは皮肉としか言いようがない。
赤いAが自動絞りの切り替え。
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