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| 屋号の由来と電子出版による復刻について |
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ちなみに同じ屋号(成田屋)で神奈川県警に古物商の登録もしているので古本屋として営業することもできます。 戦前の探偵小説作家といえば、江戸川乱歩と横溝正史が群を抜いて有名ですが、その他にも夢野久作、小栗虫太郎、浜尾四郎、久生十蘭、海野十三など一般には名前も知られていない作家が大勢います。 日本の著作権法では、文学作品の場合は原著者の死後50年が経過すると著作権は消滅し、複製と配布が自由になります。ですから、著者の死後半世紀経ったものであれば、「個人」でも基本的には自由に復刻できるのです。 探偵小説の作家の作品が積極的に教科書で紹介されないのは、一言で言ってしまえば、教育上問題があるからです。 探偵小説とは、現在の「ミステリー」に近いジャンルで、推理を基本にした本格ミステリーから、サスペンス、ホラー、バイオレンス、SF、歴史、エロスまで様々な要素を持つ非常に幅広い作品が含まれますが、探偵小説も表現上の規制が多かった時代にタブーに挑戦するかのように様々な要素を含んで発展していきました。しかしベースにあるのは「殺人事件」の推理なので、国語の授業で扱う訳にもいかないのでしょう。 作品中の差別語については1970年代にいくつかの出版社から復刻版が出た際にも問題となったようで、当時の復刻版では一部の表現を差し換えているケースも見られます。 書籍データを直接高性能プリンターで印刷して製本する方法を「オンデマンド印刷」と言います。この手法は2002年頃から一般にも普及してきています。 当時すでに、黒崎さんという方が押川春浪(おしかわしゅんろう)という1910年代の冒険小説家の作品の復刻をしておられたので、復刻と電子出版についていろいろ教えていただくことができました。残念ながら黒崎さんは2002年に電子出版による復刻からは撤退されてしまいました。 (リンク)
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「成田屋古漫堂」というのは2000年の春に戦前の探偵小説の電子化による復刻を始めた時に、その制作母体として使った名称(屋号)です。 なぜ古い小説の復刻などをやろうとしたかというと、戦前の小説、特に1920年代から1940年代にかけて多くの人々に読まれてきた探偵小説は、江戸川乱歩などの一部の人気作家のものを除けば、古本屋か図書館で探すほか作品を見つけること自体が困難です。1970年代に復刻出版されていたものも、その後多くが絶版状態です。図書館から借りると手許におけませんし、一々古本屋を探すのも面倒です。 さらに作品の内容そのものの問題もあります。探偵小説が多く書かれた時代の作品には、現代では差別的とされる言葉や表現が含まれていたり、特に戦時下の1940年代の作品では、軍隊や戦争を賛美したり、特定の国や民族を誹謗中傷するような表現が含まれているものも少なくありません。有名な大手出版社が積極的に出版しようとしないのはこのためではないかと思われます。また、探偵小説に限らず、戦前の小説はルビ(漢字の横に付けられる振り仮名)がめちゃめちゃ多く、校正に大変な手間と時間がかかります。手間がかかる割には売れずしかも内容がリスキーとなれば、普通の出版社からは敬遠されても仕方がないかもしれません。これは、出版社ばかりに責任があるわけでもなく、現在の「出版」という流通システムそのものの問題(=ある程度売れる見込みがないと本が出版されないという問題)でもあります。 絶版本の復刻の方法として、まず思い浮かぶのは自費出版ですが、制作と販売の手間と時間や、在庫を抱えるリスクなどを考えるといい方法とは思えません。また、この方法ではどうしても小部数の出版になるので、一冊あたりの単価がかなり高価になってしまいます。つまり、自費出版も、小規模な「出版」システムに他ならないのです。 |
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