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コラートの人たち ゲストブック |
その1
先日,法事で日本に一時帰ることになったのですが,なんせ4人の子持ちにとって全員連れて帰るってのはなかなか大変.で,今回は一番上の尊之(5歳)と,2番目の茉莉子(2歳)を連れて帰り,まだ1歳にならない下の双子,航一と萌美はエルさんとベビーシッターに面倒を見てもらうことにして,置いて行くことになりました.その顛末を数回に分けてお話しします.
さて,茉莉子は初めてコラートで生まれた女の子で,それまで一度も日本の土地を踏んだことがありません.生まれてこのかた回りはみんなタイ人で,「こりゃ日本語を覚えさせるの,大変かな?」って不安になっている両親が,たった一人頼りにしていたお兄ちゃんの尊之も,茉莉子と話すときはタイ語で話す始末.
そんな茉莉子と尊之を連れて,日本に向けて出発した私たち夫婦...タイを出るときから,いろいろありまして...
ちょっとここで説明をさせていただくと,こっちで子供が生まれると,出生証明書,ってのをもらえます.内容は当然タイ語なので,それをタイの日本大使館に備え付けの用紙を見本にして,日本語に訳し(と言っても,名前とか日にち,時間がほとんどなので,それほど難しくないです)たものと出生届けを提出して,日本の本籍の役所に連絡してもらいます.
で,やっと話はドンムアンに戻りまして...二人の子供と大きな荷物を抱えてふらふらになりながらも,なんとかバンコクのドンムアンに到着し,そろそろ眠くなってむずがる二人をお菓子でなだめながら,やっとの思いでたどり着いたイミグレーションカウンター.出国手続きするところですね.で,なるべく優しそうなお姉さんのいる窓口に,4人一緒に行って,「お願いします」って言いながら,引きつりそうになる顔に必死に微笑を浮かべて差し出す4冊のパスポート.ちょっと目を離すと,カウンターの向こうやら別の列のほうに行きそうになる二人を必死につなぎ止めながら待っていると,お姉さんが一言...
内心不安で一杯になりながら待つこと数分...カウンターのお姉さんが,一言...
「よかった,お父さんいてなかったら,私ひとりでこんなんようせんわ.何ゆうてはったん?」
さてさて.なんとか出国手続きをすませた4人は,
この後の続きは,次の機会,ということで.
茉莉子日本へ行く−その1,ここまで
「これ!尊之!茉莉子と話すときは日本語で話しなさいって言ってるでしょ!」
って,いつもおかあさんに怒られている尊之ですが,タイ語のほうが通じやすいんだから仕方ないよなぁ(^^;.
数ヵ月すると,本籍に入籍されるので,その戸籍謄本を取ってきてもらって,それと旅券申請書を大使館に提出すれば,パスポートがもらえます.この戸籍謄本も,なかなか味があって,「平成7年7月1日タイ国ナコンラチャシマ県で出生タイ国日本大使より連絡により入籍」とかなんとか書かれてまして...って,話しが飛んでますね...(^^;
茉莉子だけでなく,航一や萌美もパスポートを取りましたが,表紙裏にある写真が生まれて数ヵ月の顔で,すぐ顔付きが変わるから,今となっては面影はあっても違う子供といってもおかしくない感じです.
..話しがなかなか元に戻りませんね.いや,その茉莉子のパスポートなんですが.タイの入国スタンプなんてものはないんです.当然といえば当然なんですが,未だかつてタイに「入国」したことはないんです,茉莉子は.従って,タイに入国する時に押してもらう「入国スタンプ」なんてものは,パスポートにはなかったわけです.
「あ,この女の子?タイで生まれたの?じゃ,出生証明書,持ってる?」
....え?出生証明書...?よかった,持って来てるよ!....いや,待てよ,でもあれって日本で使うつもりでいたから,確かいっぱい荷物を積めてもう日本に着くまで開くことないだろう,って思ってた鞄の中じゃないか...(^^;?
「ええ,あります,ありますけど...この鞄のなかなんですが...」
「あるの?じゃ,見せて」
....解りましたよ,出しますよ,ここで開いて出せばいいんでしょ?
二人を任せた,と嫁さんに言い残し,私は開きたくない鞄を開き,たくさん詰め込んだ荷物の中から,やっとの思いで出生証明書の入った封筒を探りだし,カウンターのお姉さんに差し出しました.
ふと後ろを振り返ると,数人の日本人らしき人達が私たちのほうを不安気に見つめています.思わず縮こまって,身振りで「すいません,遅くって」と謝ると,仕方ないなぁ,って感じの苦笑いが返ってきました.わ〜,困った,何でこんなことになったんだろう?何か他にもいろいろ書類が必要なのかな?
「もう〜,ちゃんと書いてくれないと.ここん所に,私が書いてあげましたから.ね」
「すみません,知らなかったもので...あ,書いていただいたんですね..ありがとうございます..」
って謝りまくって有難がって(だってこれ以上時間かけたくなかったから),後ろの人にも謝って,急いでカウンターを抜けました.
「いや,日本のパスポート持ってて,入国のスタンプがないのに出国のスタンプを押すのに理由がいるんや.で,『この子は出生証明書の登録番号これこれの子供で,タイで生まれて今までタイにおったから,入国のスタンプがない』とかなんとか,出国スタンプの所に書いてくれとったわ」
「いや〜,そうなん?ほんなら,航ちゃん(航一のこと)と萌美もそうなんやろね」
「そらそやろ,今度聞いとこ」
まぁ,ちょっと小言を言われましたが,あのカウンターのお姉さん,嫌味がなくて,ちょっとほっとしました.子供二人と荷物であんなにふらふらのところで,嫌味たらたら言われたら,プッツン行きそうでしたから(^^; 出入国管理の人にもいろいろいるんですね.
「免税店は行かへんで,あんなとこ行ったら,尊之と茉莉子が何しだすかわからんから」
との嫁さんの言葉に従い,ラウンジへ一目散.今回の日本への帰国はビジネスクラスだったので,出発時間が近づくまでラウンジが使えたのです.ラウンジに入ると静かで落ち着いた雰囲気.いつも家では怪獣ぶりをとことん発揮する二人の子供に,不安がどんどん募ってきます.4人用のテーブルと椅子が空いているところを見つけ,たくさんの荷物をおろして,ちょっと一息..
..とはいきませんでした(T_T)