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作者近影
「シェルター〜それから〜」
2000年11月14日(火)・11月15日(水)
扇町ミュージアムスクエアにて初演


この度はご来場ありがとうございました。
ご覧にならなかった方もおいででしょうが、それはさ
ておき、作品についての後書きとしてお読みください
ませ。

まず、作品を書くきっかけとなったのは、ある海外の
ニュースでした。それはアメリカ・ワシントンの郊外
にある、小ホテルの観光の目玉について伝えていまし
た。その施設は核シェルターで、政府の指揮によって
冷戦時代に作られた大規模なものでした。そのシェル
ターは数キロ離れたホワイトハウスと地下トンネルで
通じていて、有事の際には政府組織はここから指揮を
とり、ホテルの従業員と泊まり客のおよそ一千人の人
間が非難できるようになっていたのですが、ソビエト
が崩壊し、冷戦が終結した今、お役ごめんとなってホ
テルの観光施設として人気を呼んでいる、という内容
でした。

その中のインタビューで、年老いた警備員が答えてい
ました。「このことを30年間、私の胸の内に秘めて
おくことは大変な重圧だった。 今は安らかに眠れる」
この警備員は実は政府から派遣された人物で、この事
実を知っていたのは彼だけだったのです。
私はこのニュースを知って、アメリカのスケールの大
きさに改めて感心するとともに、この年老いた警備員
の30年という時間に思いを馳せました。自分が必要と
されないことを祈り続けた人生・・・。そして、使われな
いことで役割を果たしている核。

奇しくも時は二〇〇〇年、世紀末。 核による結末論と
は、まさにうってつけ!すぐにアイディアが浮かび、
大野と話を進めていくうちに30分でプロットは完成し
ました。 ウチの基本テーマの生と死に、今回「絆」を
加え、現代において人と繋がれなくなってしまって途
方に暮れている人々、何ひとつ信じることができなく
なってしまった哀れな姿を描きたかった。

人は皆、自分の信じたいものしか信じようとしません、
しかしそれは自身の中に揺るぎないものがあるからでは
なく、世間の物差しではこうだから、その方が都合が良
いから、という理由からです。この芝居では、そんな虚
しい価値観をひっくり返してやろうと、登場人物は社会
的立場の違う人間が配してあります。皆それぞれ仮面を
持っていますが、事件が起きてからは全てが剥ぎ取られ
ていく、その象徴として全員、パジャマ姿。
例外の二人は、隠さなければいけないものを持たない人
間だからです。

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シェルター
<作・演出>
小澤 奈津子
作者からの手紙
Photo
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