ラックレールの導入部(境目)
下図のように、タケノコバネ等を使ってラックレールが下へ押し下げ可能になっています。
機関車の歯車の歯先とラックレールの歯先同士がぶつかり合う衝撃を緩和しています。
踏み切り
下図では Riggenbach式の踏み切り断面図ですが、10cm程盛り上がっています。  苦しいところです。  実物写真がよそ様のHPに出ています。ページ最初の写真です。
いずれもAbt式ですが、左は板バネ使用です。
鉄道の勾配
ここで目に付く、鉄道の勾配を表にしました。 勾配の値はパーセント表記です。 すなわち水平距離100mを進んだ時の垂直距離(m)です。  勾配1.8%は 100m進んで1.8m登るという意味です。
種類 方式 鉄道名 勾配 その他
普通 粘着 Pennsylvania鉄道
Hoseshoeカーブ
  1.8% 複々線幹線での山越え
東海道本線御殿場ルート   2.5 %
箱根登山鉄道   8 % 粘着運転では日本一急勾配
ラック Locher Pilatous  鉄道  48% ラック式では世界一急勾配
Riggenbach(?) Mount Washinton 鉄道  38% ラック式で世界2位(?)
Abt 信越線 碓氷峠   6.7% 後に粘着運転に変更、後に廃止
Abt 大井川鉄道   9%
フェル式 Tramway de Clermont-Ferrand  12% 廃止
ケーブルカー 東京 高尾山  61% 日本最急勾配ケーブル
近鉄 生駒 宝山寺線  23%
フェル式鉄道
Fell式はラック式ではありませんが、勾配用線路として、形態的に似ているのでここで扱います。 歯車は使いません。
下図のようなものですが、通常のレールの中心にかなり高い位置にレールを敷く。 
レールは双頭レールを横に寝かせて敷く。
機関車は通常の動輪のほかに、この中央レールを左右の側方からはさむ水平な動輪を持つ。 これが勾配を進む方法です。
双頭レールの高さに関しては図の事例では、左右レールに比べて
 最上部で 180mm
 レールヘッド中心で156mm 高くなっています。
これは水平動輪のスペースを確保する為です。

フェル式の水平動輪にはノーフランジのもののほかに、下側フランジ付きのものがあります。 下側にフランジのあるものは機関車の浮き上がり傾向に対処するものと思われます。
フェル式鉄道では中央レールが高いので、踏み切りではラック式以上に問題が出ます。
下図の踏み切りではこの区間だけ中央レールを省略しています。
中央レールの途切れ目にはテーパーをつけて出入りをスムーズにしています。こんな時フェル式はラック式とちがって歯の噛み合わせが無いので簡単です。
フェル式機関車側面図
水平車輪
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フェル式の利点としては、建設費が安い、脱線しにくいなどがあるようです。
フェル式鉄道の写真は
ニュージーランドのリムタカ鉄道のHPがあります。
日本の碓氷峠Abt線について
参考資料として、"碓氷線物語" 八木富雄著(あさを社)が あります。 これによると、レール上面とラックレール上面の高さの差は70mm、「ラックレールと歯輪の噛み合わせは電気機関車で40mm、蒸気機関車で35mm」とあります。 ラックレール進入時、及びラックレール進行中、機関車の歯車がラックの歯に乗り上げて、歯を破損する事故に悩まされた、とあります。
ついでながら電気機関車の集電は第三軌条から行ったが、導入時の模範はNewyork Central鉄道で、第三軌条は双頭レールだったと書いてあります。
走行レール
走行レール
勾配用双頭レール