水に係わる線路 
シップレール
線路の敷設はほとんど陸上ですが、稀には水中に敷設する場合もあります。
シップレールと言って船を陸上輸送する場合、傾斜した線路を水中にまで敷いておき、半分沈めた台車に船を固定したあと、静かに傾斜線路上の台車を引き上げれば、そのまま船の台車による輸送が出来ます。
日本では京都の「インクライン」が有名です。
これは低い水位の京都と高い推移の琵琶湖の間で船ごと線路を使って上下する施設でした。


最寄りは地下鉄東西線、蹴上げ駅です。
京都市東山区南禅寺付近の線路入り口です。
本来は京都の水面の中に上から下ってきた線路が没してなければならないのですが、使われなくなった現在、土が覆いかぶさっています。線路から水面への飛び石のような思わせぶりな観光施設は是非撤去してていただきたい。
下は京都側終点(坂下)を坂上寄りから俯瞰。


線路そのものは2mを越すゲージで複線です。すべて直線です。動力はケーブル牽引でした。
途中に保存されている船を載せるための台車。両フランジです。


国道1号線北側に沿って一直線に線路が上って行きます。
国道には数年前まで、京阪大津線の電車が走ってました。
下は坂上より坂下の撮影。左手は国道1号線。


下は「京都インクライン」の断面図です。





上は最高地点直前の踏み切り。


最高地点です。ここで、線路は勾配を逆に変えて大津側水位の中に下って没します。この先、船は水上通行になりますが、すぐに運河トンネルになります。






保存状態は良好で、特に誰でもいつでも線路内を歩けるのは、今の時代ありがたいことです。

シップレールの歴史は大変古く、紀元前 年、ギリシャのコリント地峡で船を陸上輸送するために石の軌道(diolkos)を敷いたのが最初と言われてます。
http://www.culture.gr/2/21/211/21104n/e211dn10.html

パナマ地峡水路開削計画で提案されたシップレール案。
1884年、"Scientific American"より。実現しなかった。
http://www.catskillarchive.com/rrextra/pcsa1.Html

米国のモリス運河の歴史写真集。
「京都インクライン」と同じタイプのシップレールの様子が良くわかります。
http://www.canalsocietynj.org/P9W.html

カナダで運用中のシップレール。
http://www.galenfrysinger.com/big_chute_ontario.htm
ここでは船と台車の傾斜をなくし、常に水平にする為、
坂上寄り車輪用レールと坂下寄り車輪用レールを別個にして、勾配に差をつけてます。そのためレールは2倍余分に使ってます。
http://www.galen-frysinger.com/ontario_waterways/bigchute05.jpg
上の写真を細かく見ると、4本のレールが敷かれ、しかも内側レールと外側レールがオレンジ色のプーリー付近で高さや購買を違えているのがわかります。
この例では内側2本が坂上用レール、外側2本が坂下用レール、とわかります。


水中の線路を走行する
海岸近くで海底に線路を敷設して、車両下回りは水底の線路を走り、車両上回りが水上を走るという施設は英国とフランスで確認しています。
下はフランスのSaint-Maloにあったもので距離90m。動力はケーブル牽引です。
干潮時には歩いて渡れる場所でした。
http://www.tramways.freeserve.co.uk/Cards/Postc49.htm

下は英国のブライトンの例です。
電気で自走するものです。
http://www.geocities.com/pres_iiree/rottingdean.htm?200528
下はそれが嵐で破壊された状態です。
http://www.mybrightonandhove.org.uk/great_storm_1896_images.htm
問題点は海底の流砂で線路が埋もれることだったと言われてます。


この手の線路に関して
http://homepages.cwi.nl/~dik/english/public_transport/odds_and_ends/odd.html
↑では「オランダのアムステルダムに1950年代まで、ディゼルエンジン式のがあったが、写真が見つからない」という証言があります。
私も一応ネット上を探しては見ましたが見つかりません。


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