手術直後〜1週間 (入院安静期)
手術直後から1週間までは手術侵襲の影響から回復をはかるため、膝の安静を必要とする時期です。また手術後2日程度は発熱、麻酔の影響で全身状態が悪いので、ここでは手術後2日までの筋力訓練メニューとそれ以降退院時までの筋力訓練メニューとに分けて説明していきます。
1) 歩行について
歩行は手術直後より可能ですが、歩行時には必ず装具(伸展・屈曲制限なし)を着用し痛みのない範囲で歩行していきます。両松葉杖を用いて痛みのない範囲で体重をかけてください。

2) 関節可動域(動く範囲)訓練について
手術後は無理な可動域訓練は必要ありませんが、完全に膝が伸びきることを1日3回(1回5〜10分)必ず確認してください。装具ははずした状態で行っていきます。また入院中1日1回、CPM(膝を曲げ伸ばしする機械)で0°〜90°までを1時間程度行います。
ヒールスライド
@ 自分の膝の上に両手を置きゆっくりと(5〜10分かけて痛みの無い範囲で)曲げます。このとき絶対に大腿部(太もも)に力が入らないように注意してください。目標は90°〜100°です。

注意:膝を伸ばす際は、決して足が反り返るまで押さえ込まないで下さい。
痛みがあれば、中止してください。
A 完全に膝が伸びきっている状態は下の写真のように膝の下に指が入らない状態です。

3) 下肢筋力訓練について
筋力訓練は手術後2日までは大腿部(太股)に力が入ることを確認する訓練を行います。この訓練をする時は必ず装具(伸展0度制限・屈曲制限なし)を行います。1回10分を1日3回行います。
パテラセッティング
@膝の下に毛布をたたんで入れます。このときに踵をベッドから浮かせないように注意してください。
A膝の角度を45°ぐらいに曲げた状態で、膝の裏で毛布を押しつぶすような感じで大腿部(太股)の筋肉に力を入れて10秒間保持してください。30回を1日3回行ってください。自分の手を大腿部(太股)にのせ大腿部(太股)が硬くなるのを確認してください。

注意:足首をうえ向けで行ってください。
以上の運動は、痛みの無い範囲で行ってください。
一部の運動だけしか行えないときは、無理をせずにできる範囲の運動だけで結構です。
以降、手術後一週間目以降の筋力トレーニングについて説明していきます。
以下、装具(伸展0度制限・屈曲制限なし)を用いて、痛みの無い範囲で行っていきます。
SLR
@手術をしていない方の脚を曲げて仰向けに寝た状態からゆっくりと脚を約30cm上げて、そこで5秒間保持します。脚を下ろす時もゆっくりと行ってください。30回を1セットとし、1日3セット行います。

注意:膝の曲げる角度を30度ぐらいにして上げてください。
ヒップアブダクション
A横向きで脚をゆっくりと上げる。30回を1セットとし、1日3セット行います。

SLRリバース
Bうつ伏せで脚をゆっくりと上げる。30回を1セットとし、1日3セット行います。

坐位カーフレイズ
Cふくらはぎの筋力訓練について説明していきます。装具(伸展・屈曲制限なし)を使用します。膝関節が90度になる椅子に座り、そこでつま先立ちをするようにします。30回を1セットとし、1日3セット行います。

D内転筋強化訓練
柔らかいボールや枕などを内腿の間にはさんで押しつぶす要領で力を入れます。

以上の関節可動域訓練(動く範囲の訓練)と下肢筋力訓練中に痛みが強くなったら、運動時間・回数を減らすようにします。また、訓練後は20分冷却します。