野球におけるスポーツ傷害

 

ゴロのボールを受けようとして急にバウンドが変わり、ボールが指に当たっていわゆる「突き指」という状態になったことがありませんか?

 

しかし、一口に突き指といっても受傷をした部位や、損傷の程度により治療方針が変わってきますので安易に考えてはいけません。

 

そこで、よく遭遇する手指のスポーツ傷害の治療についてご紹介します。

 

 

 

マレットフィンガー

マレットフィンガーの写真 マレットフィンガーとは、指先の関節が曲がって自分で延ばせなくなった状態をいい、損傷の程度やタイプにより治療法法が異なってきます。






マレットフィンガーの病型分類

T型:指先の腱が切れた状態になっているもの。






U型:腱が付着している部分で骨が剥がれるように骨折しているもの。





V型:関節内骨折を生じ、指を伸ばすと脱臼して骨がつながらないもの。

(株)金原出版「整形外科非観血的治療のコツ」P.135より引用






症状

指先の関節の腫れや関節部の変形を認めます。
○印で囲んだところで指が曲がったままになって、しかも腫れています。
指先の関節を自分で伸ばせないため、ポケットに手を入れるときに指が引っかかったり、指先の細かい作業に支障が出ます。

 






診断

レントゲン写真を撮ることで、どのタイプであるのかを判別することが可能です。
また、子供さんの場合には骨端線(成長軟骨線)の部分で損傷がみられる場合があります。

○印のところが左の部分と比べて開いているのがわかりますか?

これを「骨端線離開」といいます。






治療

腱断裂型の場合

    




左の写真は腱断裂型の方の初診時の写真です。

ご自分の力で曲げることは出来ますが、完全に伸ばすことができません。






レントゲン写真を撮れば、骨折していないことが分かります。




アルミの副子を使って指先が完全に伸びるように固定しています。

固定を約6週間行いました。
固定解除後は左の写真のように自力で曲げ伸ばしが出来るようになりました。



剥離骨折型の場合

初診時の骨折している写真です。

指をまっすぐ伸ばしても、骨の位置はあまり変わりません。

レントゲン写真を見ると、骨折している部位の開き具合と剥離した骨折片の大きさが分かります。

左写真のように副子で固定して包帯で止めています。

固定を約6週間行いました。
固定をして骨折片がくっついていることが分かります。

固定を除去してから、指のリハビリ運動に移ります。


脱臼骨折型の場合




指を曲げたり伸ばしたりしても骨が指の動きについていきません。

こういう場合は副子で固定してもうまくくっつかないので、日帰り手術を行います。




手術を終えた後のレントゲン写真です。

鋼線を使って骨折片が寄ってくるように固定します。

手術後は消毒が必要になります。

また、鋼線を不意に突いてしまわないように指先にカバーを取り付けます。

約4週間固定します。
4週間後のレントゲン写真です。

鋼線を抜いた後、骨折した部位がくっついているのが分かります。

また指も完全に伸ばすことができるようになりました。



 

スポーツ復帰について

スポーツへの復帰は、日常生活で指先の痛みが消失したことを確認してから許可します。

初めのうちは痛みが生じることがあるので保護する目的でテーピングする場合もあります。





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