跪く・額突く
相手を尊び、敬いや感謝の意を表すには、身体の形で表現いたしますね。意こころで思っているだけではまだ本物ではありません。意こころで思ったことは「ありがとう」等と自然に口くちをついて出、更に頭を下げる等の身体からだの表現へと結びがついてゆきます。
本当に神仏等の相手を思っているのなら、「手を合わす」「跪ひざまずく」「額ぬか突ずく」というような動作をしてしまうのが自然でしょう。その身体の形は宗教によって多少の違いはありますが、仏教の場合をお話致します。「跪く」やり方は長跪き合掌と言われ、両膝ひざを地に着けて両手の掌たなごころをしっかり合わせることです。又、「額突く」やり方は頂ちょう礼らいとか五体投地とも言われ、額ひたい・両肘ひじ・両膝ひざの五ケ所を地に着けて、深々とお拝をすることです。更に額で地を突くこと三回するんですね。仏法僧のそれぞれへ各一回だそうですが、文字通り額突・くわけです。
ここで新居浜市瑞応寺の御前さま楢埼通元老師の一文「額ずく心」より引用させて戴きたいと思います。「ヌカズクは額を土台に着ける最敬礼で、東洋に伝える慕古もこ風です。瑞応寺本堂の東室しっ中ちゅうの敷居に、先住御前さま一光方文が額を打ちつけ礼拝して油汗のしみ込んだ跡があり、継承して礼拝功徳を頂戴しています」というのです。この文を読んで私は大変感激しました。神仏や霊前にだけでなく、師父に対してもこの行ぎょうを行おこなえば最高でしょう。いや、どなたに対しても行えれば、これこそ仏行ですね。
形が変われば心も変わります。まず形を整えることによって身→口→意という逆の流れを起こし、心を清浄なものにすることが大切ではないでしょうか。
そこから感謝の意が育ち、幸が招かれるというものでしょう。試しに神仏の前、いや生きている親御さんの前で額ぬか突ずいてみてください。きっとそれ以後はすばらしい親子関係が展開すること請うけ合いです。
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